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13 決意の行方
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冬休みは・・・・ほとんど明君の部屋で過ごした。
二人で食材を買い料理を作ると意外そうに驚いた表情を見せた。
そんなにイメージにないとはがっかりすべきか。
張り切ってたくさん作ってもモリモリ食べてくれるのがうれしくて、なかなか楽しい気分を味わった。
昼間ちょっとだけ外出したりしたけどほとんど部屋で過ごした。
毎日飽きることなく体を重ねる。
狭いベッドに二人で寝て目覚めるのが当たり前みたいに。
冬休みが終わる日、自分の部屋に戻り洗濯や掃除をまとめてした。
年賀状の返事を書いたりして、気がついたら実家にも戻らなかった。
仕事始めの朝、気合を入れて本社に向かう。
長い訓示や挨拶を聞き会議で午前中が過ぎる。
部屋の入り口にはカコもいる。
こちらを興味深そうに見て、にやりと笑うあたり何もかもお見通しのようだ。
終わったら話を聞かれるのだろう。
やっと会議も終わり、カコを誘ってお昼を食べてオフィスに戻ろうとしたときに本社の偉い人に呼ばれた。
机の前に行き改めて挨拶する。
そこで話されたのは自分の異動の話だった。
本社異動、イベント業務とオフィス数箇所を見るヘルプ。
新機軸にイベント後のフォローアップ事業を立ち上げると。
その担当に抜擢といっていいのか。
時期は4月を考えているといわれた。
まだまだ先。返事は後ほどでいいと言われて机の前を離れる。
断られるとは思ってもいないだろう。自分でもやりたい気持ちがある。
日比谷オフィスを離れる日が来るとは・・・。
話を終えて入り口で待つカコのところに行く。
二人で本社を出てしばらく歩き奮発してリッチなランチをする。
どうせ今日は新規登録の会員もいない。
渡辺に電話してみたら皆のんびりしてるということだった。
ゆっくりでいいとも言われた。
カコがまず聞いたのは当然さっきの偉いさんの話。
本社異動を内示されたと話す。
ちょっと迷うような悩むようなそぶりに気がついただろう。
でも次には、それで、あの子とはどうなった?と聞かれる。
「カコ、あのイベントの後飲みに行ったんだって?何言ったのよ?」
「別に。手に入れたくても努力と粘りが必要って言っただけよ。それで?」
「お休みの間、一緒にいた。」
「へ?」
「何その急展開。いきなり?努力も粘りも必要なかったの?あっさり陥落?せっかくやる気出るように背中を突き飛ばしたのに、必要なかったとは。」
「知らないわよ。渡辺に仕組まれたのよ、許せない。殴る!」
「なんだかんだそうなったんなら良かったじゃない。タイミングが良かったのね。祥子のお気に入り君にこっちの虫がつきそうになったときはどうしようかと思ったわよ。」
「いつ私がお気に入りなんて・・・そんなことを言ったのよ?」
「だって最初からよく話してたじゃない。一番聞いたわよ。」
「それは・・・・最初に指導した子だし、よく話しかけてくるし、気遣いのできる子なのよ。」
「それにしてはやけにねえ。なんとなくそうかなあって思ってたわよ。それなのに余計なのに寄り道しては愚痴を聞かせられて。私も彼も被害者みたいなものよ。」
元彼たちを『余計なの』とひとくくりにされてしまった。
「絶対に傷つけないって言ってたわよ、ご馳走様でした。」
うらやましいわと小さく言われる。
「異動したほうが楽になるでしょう、祥子の性格からして。」
それはばれても後ろめたい思いをせずにすむ。
ただ寂しくなるなあって思ってる。いつもいた視界に彼がいないことが。
寒さもだんだんと本格的になりチラチラと新規の問い合わせがある。
バレンタイン、ホワイトディ、春、少しずつ明るく季節が動いていく時期に入る。
結局季節に関係なくいつでも恋はできる。ただ継続には努力が必要なのだ。
今のところオフィスでは変わらずのまま、ばれていないと思う。
渡辺も特にからかってくることがないのが不気味なくらい。
明君とは相変わらず休日を一緒にすごす。
そして私の料理をうれしそうに食べてくれる。
なかなか異動の話は言い出せずにいる。
ということで本社にも返事していないまま。
言わないといけないと思ってるのに言い出せずに半月以上。
今週こそ言わないと、本社にもきちんと伝えないと。
午後の空いた時間に日比谷での登録者のデータを呼び出す。
一回の登録期限は3年。その中で誰とも会わずに期限切れになる人がいるのだろうか?
入会した最初の頃は特にフォローをして有効にサービスを使ってもらうようにしているけど、中にはスタッフが介入したりするのを嫌がる人もいる。
そうなるとこちらではお手上げで、もしかして誰とも会わずに高い入会金を払ってる人がいないとも言えない。
入会したならもっと積極的に活動して欲しいとは思う。
それが一つのきっかけになって積極的に動けるようになったり、うまくいったり。
そのあたりをこちらだけでなく、入会した会員さんもそうなってもらえるようにしないとフォローアップは難しい。
どうしたらうまくいくんだろう。
自分のオフィスでならたいていの人と話しができているけど、本社でやるつもりなのはもう少し広げたほかのオフィスを含めてのフォローアップだ。
イベントの多様性を出して、参加しやすいものにするしかない。
なんて考えながらすっかり本社での自分の姿を想定していることに驚く。
やはりやりたいことではある。まだまだ手探りでもできるだけ多くの会員さんに満足してもらうには・・・・。
ザワザワと音がしてわれに返ると終業時間になっていた。
「祥子さん、これお願いします。」3人の新人たちのレポートを受け取る。
ううう、こんな雑事からは開放されるのかしら。
渡辺に押し付けてさよならしたい。
そんなことを思いながらもお疲れ様と声をかけて帰っていくスタッフを見送る。
二人で食材を買い料理を作ると意外そうに驚いた表情を見せた。
そんなにイメージにないとはがっかりすべきか。
張り切ってたくさん作ってもモリモリ食べてくれるのがうれしくて、なかなか楽しい気分を味わった。
昼間ちょっとだけ外出したりしたけどほとんど部屋で過ごした。
毎日飽きることなく体を重ねる。
狭いベッドに二人で寝て目覚めるのが当たり前みたいに。
冬休みが終わる日、自分の部屋に戻り洗濯や掃除をまとめてした。
年賀状の返事を書いたりして、気がついたら実家にも戻らなかった。
仕事始めの朝、気合を入れて本社に向かう。
長い訓示や挨拶を聞き会議で午前中が過ぎる。
部屋の入り口にはカコもいる。
こちらを興味深そうに見て、にやりと笑うあたり何もかもお見通しのようだ。
終わったら話を聞かれるのだろう。
やっと会議も終わり、カコを誘ってお昼を食べてオフィスに戻ろうとしたときに本社の偉い人に呼ばれた。
机の前に行き改めて挨拶する。
そこで話されたのは自分の異動の話だった。
本社異動、イベント業務とオフィス数箇所を見るヘルプ。
新機軸にイベント後のフォローアップ事業を立ち上げると。
その担当に抜擢といっていいのか。
時期は4月を考えているといわれた。
まだまだ先。返事は後ほどでいいと言われて机の前を離れる。
断られるとは思ってもいないだろう。自分でもやりたい気持ちがある。
日比谷オフィスを離れる日が来るとは・・・。
話を終えて入り口で待つカコのところに行く。
二人で本社を出てしばらく歩き奮発してリッチなランチをする。
どうせ今日は新規登録の会員もいない。
渡辺に電話してみたら皆のんびりしてるということだった。
ゆっくりでいいとも言われた。
カコがまず聞いたのは当然さっきの偉いさんの話。
本社異動を内示されたと話す。
ちょっと迷うような悩むようなそぶりに気がついただろう。
でも次には、それで、あの子とはどうなった?と聞かれる。
「カコ、あのイベントの後飲みに行ったんだって?何言ったのよ?」
「別に。手に入れたくても努力と粘りが必要って言っただけよ。それで?」
「お休みの間、一緒にいた。」
「へ?」
「何その急展開。いきなり?努力も粘りも必要なかったの?あっさり陥落?せっかくやる気出るように背中を突き飛ばしたのに、必要なかったとは。」
「知らないわよ。渡辺に仕組まれたのよ、許せない。殴る!」
「なんだかんだそうなったんなら良かったじゃない。タイミングが良かったのね。祥子のお気に入り君にこっちの虫がつきそうになったときはどうしようかと思ったわよ。」
「いつ私がお気に入りなんて・・・そんなことを言ったのよ?」
「だって最初からよく話してたじゃない。一番聞いたわよ。」
「それは・・・・最初に指導した子だし、よく話しかけてくるし、気遣いのできる子なのよ。」
「それにしてはやけにねえ。なんとなくそうかなあって思ってたわよ。それなのに余計なのに寄り道しては愚痴を聞かせられて。私も彼も被害者みたいなものよ。」
元彼たちを『余計なの』とひとくくりにされてしまった。
「絶対に傷つけないって言ってたわよ、ご馳走様でした。」
うらやましいわと小さく言われる。
「異動したほうが楽になるでしょう、祥子の性格からして。」
それはばれても後ろめたい思いをせずにすむ。
ただ寂しくなるなあって思ってる。いつもいた視界に彼がいないことが。
寒さもだんだんと本格的になりチラチラと新規の問い合わせがある。
バレンタイン、ホワイトディ、春、少しずつ明るく季節が動いていく時期に入る。
結局季節に関係なくいつでも恋はできる。ただ継続には努力が必要なのだ。
今のところオフィスでは変わらずのまま、ばれていないと思う。
渡辺も特にからかってくることがないのが不気味なくらい。
明君とは相変わらず休日を一緒にすごす。
そして私の料理をうれしそうに食べてくれる。
なかなか異動の話は言い出せずにいる。
ということで本社にも返事していないまま。
言わないといけないと思ってるのに言い出せずに半月以上。
今週こそ言わないと、本社にもきちんと伝えないと。
午後の空いた時間に日比谷での登録者のデータを呼び出す。
一回の登録期限は3年。その中で誰とも会わずに期限切れになる人がいるのだろうか?
入会した最初の頃は特にフォローをして有効にサービスを使ってもらうようにしているけど、中にはスタッフが介入したりするのを嫌がる人もいる。
そうなるとこちらではお手上げで、もしかして誰とも会わずに高い入会金を払ってる人がいないとも言えない。
入会したならもっと積極的に活動して欲しいとは思う。
それが一つのきっかけになって積極的に動けるようになったり、うまくいったり。
そのあたりをこちらだけでなく、入会した会員さんもそうなってもらえるようにしないとフォローアップは難しい。
どうしたらうまくいくんだろう。
自分のオフィスでならたいていの人と話しができているけど、本社でやるつもりなのはもう少し広げたほかのオフィスを含めてのフォローアップだ。
イベントの多様性を出して、参加しやすいものにするしかない。
なんて考えながらすっかり本社での自分の姿を想定していることに驚く。
やはりやりたいことではある。まだまだ手探りでもできるだけ多くの会員さんに満足してもらうには・・・・。
ザワザワと音がしてわれに返ると終業時間になっていた。
「祥子さん、これお願いします。」3人の新人たちのレポートを受け取る。
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そんなことを思いながらもお疲れ様と声をかけて帰っていくスタッフを見送る。
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