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5 やっぱりゴールは果てしなく遠いみたい。
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お酒の注文をして、あとは課長のお任せで数品注文してもらった。
「楽しみです。何が来るんでしょうか?」
課長が頼んだメニューを聞いててもさっぱりだった。
横文字か指さしだったから。
もう何が来ても美味しいだろう。うれしい!
お酒が来て、テンションが上がったまま一気に飲んでしまった。
半分くらい減って軽くなったグラス。
ああ~、高いお酒なのに。
その後はちびちびと大切に飲んだ、つもり。
なのにすぐに一杯目が空いてしまった。
課長のグラスを見ると、視線を感じたらしくグイッと空けて一緒に二杯目を頼んでくれた。
目の前にはおいしそうな料理!贅沢~。
「課長、家に連絡しなくても大丈夫ですか?奥様が食事の準備されてるんじゃないですか?」
「ああ、大丈夫だ。気にするな。」
そう言われた。
必要な時にだけ連絡する決まりなんだろうか?
連絡があったらササっと冷蔵庫を見て作れるタイプだとか。
「本当にお腹空いてるんだな。悪かったな、急がせて昼もつぶしてやってくれたんだろう?」
「食べましたよ。ただ、片手が開いてたので読みながら食べただけです。」
「感謝してるよ。好きなだけ飲んでいいし、食べていいぞ。」
「それなら金曜日に誘ってください。明日仕事だと控えるじゃないですか。」
「金曜日だとどうなる?」
「たくさん飲んでも時間も気にならないですし。心置きなくって感じです。」
「じゃあ、今度誘ってやる。とことん飲めばいい。」
「やった~。」
「金曜日に予定が入ることはないのか?」
「あ・・・・・そうでした。う~ん、たくさん声をかけたので楽しみな飲み会に誘ってもらえるかもしれません。」
「どうしても飲みたいのか?」
「えっと、まあ、それもあり、寂しい冬に備えての温かい人のぬくもりが欲しい時期でもありって事です。」
「合コンか?」
「男女仲良くの飲み会です。」
「それを合コンと普通は言うんだ。」
そうですが。ちょっとだけ飲み会って言い替えたいです。
自分の気合が空回りしそうで。
「西村は全然なのか?」
「何がですか?」
「いや、仲はいいよな。そんな感じでもなさそうだけど。」
「穣君は女子は苦手なんです。その中でも色気のない私は特別枠で苦手じゃないタイプだそうですが、かわりに友達からは発展しないんです、お互い様です、別にです。」
「そう・・・・なのか?」
「そうです。それに穣君を狙ってる子は多いと思います。かっこいいですから。本当にもったいないです。」
ふとこの間の話の続きをしたくなった。
「課長はどうして奥さんと結婚しようと決めたんですか?何がポイントなんでしょうか?」
「昔の話だ。」
「そんな時だけ年寄りにならないでください。じゃあ、付き合うポイントは?」
「覚えてない。」
「そうやってこの間も教えてくれませんでしたよね。可愛い部下に役立つアドバイスをしたくないんですか?私の幸せが課長のアドバイスにかかってるかもしれませんよ。」
この間も同じようなことを言った気がする。
「どういう男が好きなんだ?」
「贅沢は言わないです。男らしくて見た目もいい感じで、優しくて、仕事も出来て、わがままも笑って許してくれて、器用で、一緒にいて楽しくて、笑顔が素敵で、ちょっとだけ子供っぽい所があって、それで、・・・ふごっ。」
「何でジャガイモを口に詰めるんですか?危うく吐き出すところでした。」
フォークが突き刺さったジャガイモが私の手に。
フォークは確認したら私の分だった。
「贅沢は言わないと前書きして、よくダラダラとそこまで列挙できるな。」
「いいじゃないですか。あくまでも理想です。・・・・・でもそう言えば課長もそこそこ当てはまってますよ。独身だったら合格印だったのに、残念でしたね。私も本当に残念です。」
「そこそこと言うのは、どういうことだ?」
「だってわがままを許してくれると言うより、呆れて距離をとられそうです。それに大人過ぎるし、隙が無いので一緒にいたら緊張しそうです。」
「今とても緊張してるようには見えないが。」
「今は今です。上司と部下のひと時ですから。だいたい思いっきり人の物です。」
「じゃあ、離婚したら愛内に拾ってもらおうかな。」
「いいですよ。どんと任せてください。そう言うんだったら課長、わがまま聞いてくれるんですよね。」
「いいぞ。何でも言えばいい。」
「やった~。何にしましょうか?わがままって意外に難しいですね。」
わがままわがまま、何だろう???
改まって考えるとそんなに言ったことがないのかも・・・全く思いつかない。
手にはジャガイモフォークがそのままある。
フォークをとられて気がついた。
「ああ、もう無意味な仮定の話に頭使ってしまったじゃないですか。もっと現実的に食事をして満足しましょう。」
まずはジャガイモを食べよう。
グリル野菜らしく大ぶりのジャガイモだった。
「課長、何でジャガイモにしたんですか?もっとこの辺りの細っこい人参とか
だったら可愛かったのに。」
「そんなものじゃ黙らないだろう。ポリポリ食べながらまだまだ身の程知らずな条件を出してただろう。」
身の程知らず・・・・・・・・・。
身の程知らず???????
そう言うことなんだろうか?
冗談だったのに、そんなに望んじゃいけない事?
別に年収とか、仕事内容とか、お家の稼業とか、そんな条件は出してないのに。
そこそこ普通の恋人なら叶えてくれそうな条件にちょっとだけ甘い希望を乗せただけなのに。
「どうした?口が止まってるぞ。」
右のほっぺたを押された。フォークの背中で。
そこにはジャガイモが入っていた。
本当に大きいままかぶりついて口にしたから。
ゆっくり咀嚼する。
「どうした?」
「別にいいです。」
「何で急にトーンダウンするんだ?」
課長の無神経な一言のせいです。
たとえそれが他の人も同意するくらいだとしても、そんな事は冗談でも言われたくないのに。
「何で泣くんだよ。ジャガイモ嫌いだったのか?」
「泣いてないです。」
そう思ったのに、思いっきり鼻声だった。
少しウルウルとしたかもしれない。
「トイレに行ってきます。」
「ああ、あそこだから。」
「はい。」
課長が指さしてくれた方に歩いて行く。
みんなそう思ってるんだろうか?
若いとか、フェロモンとか、そんなレベルじゃないくらい、自分はダメなんだろうか?
ダメ押しのガッカリだ。
穣君もそう思ってるのかもしれない、そして課長も。
課長が自分の経験は参考にならないぞと言っている理由。
そう言うこと?
奥様はとても美人で素晴らしいい人なのかも。
ジャガイモは飲み込めた。
一度素揚げしてからのグリルらしい。
美味しい。塩コショウの味付けが美味しい。
あんなに飲み会に誘ってとお願いしたのに、あんまり結果につながらないのかも。
初めから頭数レベル?
ガッカリな現実。
トイレに行って、手を洗って鏡を見てもやっぱりガッカリした顔の私がいた。
しょうがない。
ご飯を食べよう。
奢りだし楽しもう。
そう思って席に戻ることにした。
テーブルでは課長が店員さんと仲良さそうに話をしていた。
課長の外面だった。愛想良く笑い、機嫌良さそうにしてる。
まったくぼんやりして気の抜けていた夕方とは大違い。
そんなに楽しいんだろうか?
ここは何度も来てるみたいだった。
奥さんとも来たんだろうか?
それでもそれとは別に感じのいい店員さんは気に入ってるんだろうか?
明らかに扱いに違いがあると思う。
店員さんが離れて、私は席に戻れた。
「どうした?やっぱり元気がないな。何か飲むか?」
「まだ残ってます。」
「そうだな。」
フォークを持って野菜を食べる。
人参、レンコン、ベーコンもある。
美味しい、すごく美味しい。
向かいの席でため息をつかれた気がした。
当然課長だ。
「課長、早く食べて帰りましょう。明日も仕事ですよ。」
「そうだな。もっとおいしそうに食べて欲しいが。」
「美味しいです。夢中になって目の前の食材に集中してます。」
「ならいい。」
食べて飲んで、テーブルの上をきれいにした。
顔をあげたら、課長がお会計を頼んでお店を出た。
ビルの明かりとお店の看板だらけで、ロマンティックでもない夜景。
「大丈夫か?」
「もちろんです。」
そう言って歩き出す。
駅までは近い、そう思ったのに全然駅に着かなくて。
さすがに立ち止まってキョロキョロした。
「どこに向かいたいんだ?」
「駅です。」
「反対に歩いてるけど。」
「課長、気がついてたのに何で教えてくれなかったんですか?」
「どこかに行きたいのかと思ったからだよ。」
「帰るに決まってるじゃないですか?だいたい今からどこに行くと言うんです。」
「さあ、バーでも、ホテルでも。」
「はあ?」
行くわけがない。そんな大人じゃないから、二件目にいい感じのバーなんて知ってる訳ないし。もう一つに至っては、ありえないし。
「駅は向こうだ。駅でいいんだな。」
当たり前です。そう言いたいのは我慢した。
偉そうには言えない。
「もしかして、何か怒ってるか?」
「さあ。」
もはや上司だろうと遠慮もない。
歩きながらも斜め下を見て、適当に答える。
駅に着いた。まだ人も多い時間。
「ごちそうさまでした。美味しかったです。おやすみなさい。」
そう言って背中を向けて一人で改札に入った。
何の返事もなかった。
もう二度と誘われないだろう。
最初の最後だったのに、悲しいくらいにがっかりした時間だった。
まあ私が言うことでもないのだろうが。
「楽しみです。何が来るんでしょうか?」
課長が頼んだメニューを聞いててもさっぱりだった。
横文字か指さしだったから。
もう何が来ても美味しいだろう。うれしい!
お酒が来て、テンションが上がったまま一気に飲んでしまった。
半分くらい減って軽くなったグラス。
ああ~、高いお酒なのに。
その後はちびちびと大切に飲んだ、つもり。
なのにすぐに一杯目が空いてしまった。
課長のグラスを見ると、視線を感じたらしくグイッと空けて一緒に二杯目を頼んでくれた。
目の前にはおいしそうな料理!贅沢~。
「課長、家に連絡しなくても大丈夫ですか?奥様が食事の準備されてるんじゃないですか?」
「ああ、大丈夫だ。気にするな。」
そう言われた。
必要な時にだけ連絡する決まりなんだろうか?
連絡があったらササっと冷蔵庫を見て作れるタイプだとか。
「本当にお腹空いてるんだな。悪かったな、急がせて昼もつぶしてやってくれたんだろう?」
「食べましたよ。ただ、片手が開いてたので読みながら食べただけです。」
「感謝してるよ。好きなだけ飲んでいいし、食べていいぞ。」
「それなら金曜日に誘ってください。明日仕事だと控えるじゃないですか。」
「金曜日だとどうなる?」
「たくさん飲んでも時間も気にならないですし。心置きなくって感じです。」
「じゃあ、今度誘ってやる。とことん飲めばいい。」
「やった~。」
「金曜日に予定が入ることはないのか?」
「あ・・・・・そうでした。う~ん、たくさん声をかけたので楽しみな飲み会に誘ってもらえるかもしれません。」
「どうしても飲みたいのか?」
「えっと、まあ、それもあり、寂しい冬に備えての温かい人のぬくもりが欲しい時期でもありって事です。」
「合コンか?」
「男女仲良くの飲み会です。」
「それを合コンと普通は言うんだ。」
そうですが。ちょっとだけ飲み会って言い替えたいです。
自分の気合が空回りしそうで。
「西村は全然なのか?」
「何がですか?」
「いや、仲はいいよな。そんな感じでもなさそうだけど。」
「穣君は女子は苦手なんです。その中でも色気のない私は特別枠で苦手じゃないタイプだそうですが、かわりに友達からは発展しないんです、お互い様です、別にです。」
「そう・・・・なのか?」
「そうです。それに穣君を狙ってる子は多いと思います。かっこいいですから。本当にもったいないです。」
ふとこの間の話の続きをしたくなった。
「課長はどうして奥さんと結婚しようと決めたんですか?何がポイントなんでしょうか?」
「昔の話だ。」
「そんな時だけ年寄りにならないでください。じゃあ、付き合うポイントは?」
「覚えてない。」
「そうやってこの間も教えてくれませんでしたよね。可愛い部下に役立つアドバイスをしたくないんですか?私の幸せが課長のアドバイスにかかってるかもしれませんよ。」
この間も同じようなことを言った気がする。
「どういう男が好きなんだ?」
「贅沢は言わないです。男らしくて見た目もいい感じで、優しくて、仕事も出来て、わがままも笑って許してくれて、器用で、一緒にいて楽しくて、笑顔が素敵で、ちょっとだけ子供っぽい所があって、それで、・・・ふごっ。」
「何でジャガイモを口に詰めるんですか?危うく吐き出すところでした。」
フォークが突き刺さったジャガイモが私の手に。
フォークは確認したら私の分だった。
「贅沢は言わないと前書きして、よくダラダラとそこまで列挙できるな。」
「いいじゃないですか。あくまでも理想です。・・・・・でもそう言えば課長もそこそこ当てはまってますよ。独身だったら合格印だったのに、残念でしたね。私も本当に残念です。」
「そこそこと言うのは、どういうことだ?」
「だってわがままを許してくれると言うより、呆れて距離をとられそうです。それに大人過ぎるし、隙が無いので一緒にいたら緊張しそうです。」
「今とても緊張してるようには見えないが。」
「今は今です。上司と部下のひと時ですから。だいたい思いっきり人の物です。」
「じゃあ、離婚したら愛内に拾ってもらおうかな。」
「いいですよ。どんと任せてください。そう言うんだったら課長、わがまま聞いてくれるんですよね。」
「いいぞ。何でも言えばいい。」
「やった~。何にしましょうか?わがままって意外に難しいですね。」
わがままわがまま、何だろう???
改まって考えるとそんなに言ったことがないのかも・・・全く思いつかない。
手にはジャガイモフォークがそのままある。
フォークをとられて気がついた。
「ああ、もう無意味な仮定の話に頭使ってしまったじゃないですか。もっと現実的に食事をして満足しましょう。」
まずはジャガイモを食べよう。
グリル野菜らしく大ぶりのジャガイモだった。
「課長、何でジャガイモにしたんですか?もっとこの辺りの細っこい人参とか
だったら可愛かったのに。」
「そんなものじゃ黙らないだろう。ポリポリ食べながらまだまだ身の程知らずな条件を出してただろう。」
身の程知らず・・・・・・・・・。
身の程知らず???????
そう言うことなんだろうか?
冗談だったのに、そんなに望んじゃいけない事?
別に年収とか、仕事内容とか、お家の稼業とか、そんな条件は出してないのに。
そこそこ普通の恋人なら叶えてくれそうな条件にちょっとだけ甘い希望を乗せただけなのに。
「どうした?口が止まってるぞ。」
右のほっぺたを押された。フォークの背中で。
そこにはジャガイモが入っていた。
本当に大きいままかぶりついて口にしたから。
ゆっくり咀嚼する。
「どうした?」
「別にいいです。」
「何で急にトーンダウンするんだ?」
課長の無神経な一言のせいです。
たとえそれが他の人も同意するくらいだとしても、そんな事は冗談でも言われたくないのに。
「何で泣くんだよ。ジャガイモ嫌いだったのか?」
「泣いてないです。」
そう思ったのに、思いっきり鼻声だった。
少しウルウルとしたかもしれない。
「トイレに行ってきます。」
「ああ、あそこだから。」
「はい。」
課長が指さしてくれた方に歩いて行く。
みんなそう思ってるんだろうか?
若いとか、フェロモンとか、そんなレベルじゃないくらい、自分はダメなんだろうか?
ダメ押しのガッカリだ。
穣君もそう思ってるのかもしれない、そして課長も。
課長が自分の経験は参考にならないぞと言っている理由。
そう言うこと?
奥様はとても美人で素晴らしいい人なのかも。
ジャガイモは飲み込めた。
一度素揚げしてからのグリルらしい。
美味しい。塩コショウの味付けが美味しい。
あんなに飲み会に誘ってとお願いしたのに、あんまり結果につながらないのかも。
初めから頭数レベル?
ガッカリな現実。
トイレに行って、手を洗って鏡を見てもやっぱりガッカリした顔の私がいた。
しょうがない。
ご飯を食べよう。
奢りだし楽しもう。
そう思って席に戻ることにした。
テーブルでは課長が店員さんと仲良さそうに話をしていた。
課長の外面だった。愛想良く笑い、機嫌良さそうにしてる。
まったくぼんやりして気の抜けていた夕方とは大違い。
そんなに楽しいんだろうか?
ここは何度も来てるみたいだった。
奥さんとも来たんだろうか?
それでもそれとは別に感じのいい店員さんは気に入ってるんだろうか?
明らかに扱いに違いがあると思う。
店員さんが離れて、私は席に戻れた。
「どうした?やっぱり元気がないな。何か飲むか?」
「まだ残ってます。」
「そうだな。」
フォークを持って野菜を食べる。
人参、レンコン、ベーコンもある。
美味しい、すごく美味しい。
向かいの席でため息をつかれた気がした。
当然課長だ。
「課長、早く食べて帰りましょう。明日も仕事ですよ。」
「そうだな。もっとおいしそうに食べて欲しいが。」
「美味しいです。夢中になって目の前の食材に集中してます。」
「ならいい。」
食べて飲んで、テーブルの上をきれいにした。
顔をあげたら、課長がお会計を頼んでお店を出た。
ビルの明かりとお店の看板だらけで、ロマンティックでもない夜景。
「大丈夫か?」
「もちろんです。」
そう言って歩き出す。
駅までは近い、そう思ったのに全然駅に着かなくて。
さすがに立ち止まってキョロキョロした。
「どこに向かいたいんだ?」
「駅です。」
「反対に歩いてるけど。」
「課長、気がついてたのに何で教えてくれなかったんですか?」
「どこかに行きたいのかと思ったからだよ。」
「帰るに決まってるじゃないですか?だいたい今からどこに行くと言うんです。」
「さあ、バーでも、ホテルでも。」
「はあ?」
行くわけがない。そんな大人じゃないから、二件目にいい感じのバーなんて知ってる訳ないし。もう一つに至っては、ありえないし。
「駅は向こうだ。駅でいいんだな。」
当たり前です。そう言いたいのは我慢した。
偉そうには言えない。
「もしかして、何か怒ってるか?」
「さあ。」
もはや上司だろうと遠慮もない。
歩きながらも斜め下を見て、適当に答える。
駅に着いた。まだ人も多い時間。
「ごちそうさまでした。美味しかったです。おやすみなさい。」
そう言って背中を向けて一人で改札に入った。
何の返事もなかった。
もう二度と誘われないだろう。
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