なぜか訳ありの恋にハマりました。

羽月☆

文字の大きさ
14 / 19

14 ちょっとだけ余裕が出てきたら油断も出てくる、気をつけたい頃。

しおりを挟む
あれからも同じ様なじゃれ合いの様な二人で、お互い飽きることなく仲良く好きなことを言い合い、過ごしていた。

課長が忘れたと言った過去のことを勝手に思うこともなくなった。

会社では注意を払わないとつい視線が行ってしまうし、たまに視線が合うと器用に片頬でニンマリされることがある。
誰にも気づかれないように用心はしていた。



大学の友達と忘年会をした金曜日、酔っ払ったまま課長の部屋でゴロゴロする。
あまりにご機嫌過ぎたのがムカついたらしく、何度かおでこを叩かれた。
多分何をされてもヘラヘラして、シャワーにも行かないでいたからムカついたのだろう。

最近心が狭いおじさんだと思う事も増えた。
内緒だけど思いっきりベロを出してることもある、心の中で。
穣君との行動もちょっとだけ注意されたりする。
まったく心が狭い。

それでも楽しい季節、だって余裕でハッピーになれたんだから、そのミラクルを楽しみたい。


お水を強制的に飲まされて、歯磨きをして、シャワーを浴びて。
そこまでは頑張って覚えてるけど、布団に体がくっついたら安心してぐっすり寝てしまった。明らかに飲み過ぎたのだ。


本当にぐっすりと寝てしまったらしい。
ゆっくりと意識が浮き上がり、顔に優しい手を感じてた。

おでこを撫でるその感覚が気持ちいい。

綺麗だって褒めてもらったことのあるおでこ。

まだ課長には褒めてもらったことはない。

そう思いながら目を開けたら、暗い中にビックリするほど優しい顔の課長の顔があった。

二回くらい瞬きするくらいの時間があったけど、手を伸ばした。


「気持ちいい、おでこ、撫でて。」

撫でてもらえるつもりで、少し離れた距離で視線を合わせる。

ペシッ。
明らかに叩かれた音と痛みがした。

何で?今すごく甘えてお願いしたつもりなのに。

「昨日散々撫でてキスしても起きなかったくせに、図々しい。」

そう言ってまた叩かれた。

なんとなく思い出した。

「撫でてない!昨日も痛かった気がする。叩いてたでしょう?」

「何度か叩いたけど、その前はずっと撫でてた。楽しかったとか美味しかったとか、誰誰がどうだっとか報告をしてくれてる間は撫でてたのに。」

「じゃあ、何で叩いたんですか?」

「ヘラヘラと友達の若い彼氏のことを俺に自慢してくるからだ。心の狭いおじさんで悪かったな。大人彼氏のつもりだったのに、そんな評価をされてたとはな。」

ペシペシッとまた音がした自分のおでこ。

あああ・・・・心の狭いおじさんとか言った?言ったの?空耳じゃない?
心の声でもなくて?言葉に出た?

「多分酔っ払いの照れ隠しです。大人彼氏です。当たり前じゃないですか~。」

何とかごまかしてみる。

「他にもいろいろ言ってくれたが聞きたいか?」

え・・・、それは褒めてますよね、大好きとか言ってましたよね・・・・。


「そんなのは今度でいいです。今はいいです。」

くっついてごまかした。

「・・・・・抱き着けばいろんなこともあっさりと許してくれる大人彼氏だからな。」

んんん?ちょっと巻き付けた腕が緩んだ。
そんな事言った?
それ、友達にも言ったの?
そんな恥ずかしい事言った?

ああ、今は友達よりは、その・・・・大人彼氏・・・・・。


「大人だから甘くて優しいって自慢したんです!」

言い切った。そうとも思ってる。
普通はそう、時々そうじゃない所がちらりと見えるけど、だいたい・・・・・そう。

ペシッと最大の音がおでこの真ん中で響いた。

楽器か何かと勘違いしてませんか?
甘えたがりの彼女の可愛い顔の一部です!!
自慢のおでこです。

「その顔も可愛いと言ったこともあるが、ちょっとだけ撤回したい気もしてる。」

そう言いながらもおでこを撫でてキスをしてくれた。
さすがにじっと睨むのはやめて、反省するような縋るような目をしたつもり。
反省の気持ちも伝わってると思いたい。

一人で酔ったら危険だと分かった。
何を言ったか相手が覚えてるから誤魔化せない。


「今は撤回しないでおいてやる。」

「ありがとうございます。」

ちゃんとお礼は言った。ここで言い返してもいいことはなさそうだ。
それくらいの反省はしてる。


優しいキスをおでこから、耳へ、唇へ。

本当に優しい。
どうしたの? 課長も反省した?叩き過ぎったって思ってる?

ゆっくり手を胸に当てられる。
普通にパジャマを着てるから、全然・・・邪魔なのに・・・。

課長も普通にパジャマだった。
私はさっさとその中に手を入れたのに、なかなか課長の手は進まない。

体をねじりながら、もっとちゃんとって伝えるのに、全然で。

我慢できなくて目を開けた。

顔を動かして、ちょっと距離をとったから気がついたらしい。

視線が合ったらニヤリと笑われた。

「どうした?」

「別に・・・・・なんでもないです。」

反省はしてないらしい。
課長は反省はしてない、まあ、必要ないと言うのも分かる。

反省するべきは私で、それなりに反省したつもりのに、やっぱり伝わらなかったのか。
ちょっとぶすっとした顔になったまま。

「何でもないならいいが・・・・。」

胸の手を頬に置かれた。

しょうがない、まだまだ夜。寝ましょう、大人しく。


目を閉じてそっと胸に顔を寄せた。

課長のパジャマの中を散歩していた手はとっくに引っ込めて腰に軽く置いていた。




「おい!寝るのか?」

静かな寝息で大人しくしてたら、肩を離された。

「夜ですよ。」

「目が覚めただろう?」

「また眠れそうでした。大丈夫です。」

じっと見つめ合った・・・・・あれ?睨んでる?

「だって、課長が眠りを誘う様にしてくれたから、ありがたく・・・・・。」

「そんな親切心はない。せっかく起きてくれたのに何でだよ。」

だから・・・・・・。

体を抱えられて上に乗せられるついでにパジャマを脱がされた。

お返しとばかりに課長のも脱がせてみた。



まったく、そうそう毎回思う通りには行かないって。
ちゃんと甘えた時は応えてくれないと、ちゃんとしてくれないと伝わらないのに。



横になり、手をつなぎながら思い出す。


『ねえ、誰かにバレたら不倫の噂になっちゃうよね。』

課長が会社の人に離婚のことを言ってないと言ったらそう言われた。

『一応聞くけど、本当に単身赴任とか、そう言うパターンはないよね?』

そうも言われた。全く考えなかった。だって随分ここにいてもそんな気配はない。
携帯も普通にテーブルに置きっぱなしだし、お風呂の間にこっそりのぞこうと思ったら出来るくらい。

首をぐるっと動かして課長を見た。
目を開けてこっちを見ていたみたい。

「久しぶりだったんだろう?友達に何か言われたか?大人になったとか、褒められたとか。」 


そう言われたとこを思い出してうれしい顔になったけど、少しのモヤモヤも確かめたくなった。

「一人暮らしなのは単身赴任中ってことはないよねって。」

「・・・・・それは俺がって事か?」

うなずいた。

「そこまでして誤魔化すつもりなら、最初はともかく二回目以降はお前の部屋に行く。のんびり酔っ払いをここで待ったりもしない。」


確かに、私の部屋で過ごす方がバレないだろう。

「私は疑ってません。」

そんな事思いつきもせず信じた。

でも不倫だとは思われる。心配される。もしうまくいっても略奪だって思われる。
それはちょっと悲しい。

「戸籍でも取り寄せるか?」

「いいです。」

本当にそんな事はないって分かってる。

でも課長に独身だと宣言して欲しいとは言えない。
もうどのタイミングだとしてもおかしいのには変わりない。
バレた時に、ああ・・・・って思われる。

穣君はどう思ってるだろう。

前よりも安定してる私の精神状態にほっと安心してるかもしれない。
諦めたんだな・・・・とか思ってるかも。
否定したけど、納得してなかったっぽいから、私の片思いだって思ってるだろう。

まさかこうなってるなんて、想像もしてないだろう。

あの時は私だって想像もつかなかったから。


大きく息を吐いてくっついた。

「後少しで、のんびり温泉が待ってます。」

「そうだな。約束だからな。」

「ありがとうございます。おやすみなさい。」

「おやすみ。」


そう言っても眠りにつくまではおでこにかかる髪を撫でつけていてくれたと思う。
ゆっくり触られるのは気持ちいい。
褒めてもらうより、そうされる方が気持ちいい、ずっと。



朝起きたらすっかり隣はいなかった。

時計を見たら、いつもよりは寝坊していたから、まとめられていたパジャマを着て寝室を出た。


「おはようございます。」

「よく寝てたな。」

「はい、ぐっすりと。久しぶりに酔うほどに飲みました。」

「かなりヘラヘラとしてたからな。よく無事にここにたどり着いたと思うぞ。他の部屋にピンポンしてないだろうな?」

「そこまでじゃないです。ちゃんと開けてもらったじゃないですか。」

「適当に何部屋か押した後、やっと正解にたどりついたとか?」

「多分大丈夫です。そんな回り道は記憶にないですし。」


テーブルにはすぐにでも朝ごはんが出てきそうだった。
急いで顔を洗って化粧水をふり、うがいをして戻ってくる。


コーヒーを渡された。
二人分持ってテーブルに置く。
すっかり定位置になった。


やっぱり単身赴任はない。
どう見ても普通の独身の男の人だ。一人で何でもできる人。


「クリスマスは勝手に予約をしたんだけど、良かったか?」

「はい。楽しみにしてます。おしゃれします!」

そう言ったら笑顔を返された。

去年までどうしてたんだろう。

私は彼氏と過ごそうと思ったこともあり、結局友達と過ごすことになったこともあり。
大学生でバイトで都合がつかないと言われたら、諦めていた。
それが本当だったと思ってたけど、ちょっと違ったのかもしれないと気がついたのは後になってからだった。

毎週ここにいるのに慣れて、週末を一人でどう過ごしていたのか、思い出せないくらい。
本当に今までの週末、一人で過ごしてた?

課長だって一人で過ごしてるなんて想像もしてなかったから、いまさら思い描けない。

今年は楽しい日々になればいい。
せっかく二人でいれるんだから、世の中の浮かれた二人組の中に混ざりたい。


結局今のところバレることもなく、穣君もあれから何も言ってこない。



結局ウサギは少しづつ耳から割られて、ゆっくり上から欠けていった。
確かにチョコレートは美味しかった。
元気にもなったのでお礼に大きなツリー型のクッキーにアイシングをしているのをあげた。


会社では筧先輩が彼女にさらなるクリスマスサプライズを計画してると、嬉しそうに周りに話をしていた。
一体いつどこで何をやるのか・・・・やらかすのか、彼女も気が休まらない。
一度うれしい態度をとったらしばらくは先輩が努力しそう。
それでもいつかなくなるんだろうか。


ずっとずっと同じ感情のバランスではいられない。

そんなの分かってる。

クールに仕事してる課長も、そう思ってるだろう。
奥さんんと別れた理由は聞いた。
でも本当に詳しい事は知らない。
やっぱり聞けない、詳しい事は聞けない。


「愛内、どう?新年会にむけて楽しい事はありそうか?」

筧先輩が忘れていなかった約束を確認に来た。

「まだ、チャンスはあります。」

「楽しみにしてるから、頑張れ。」

「私は先輩のサプライズの方を聞きたいので、それを楽しみにしてますね。」

「ありがとう。俺も気合入れて頑張る。」

必要な気合だというのならどうぞ、そう言いたい。


いつもの月末、ボーナスが出て、街の華やぎがピークに近づき、人が浮かれて、赤い顔で酔っぱらう頃。

それぞれの会社の業務もそんな人の気配を察して静まる。


クリスマスと年末年始の休み。

会社でもそんなに切迫感がない。
多分、他の部署でもあるところはあると思う。
月末に仕事のピークが来る部署もあるし、年末に面倒な仕事を増やそうと思う上司もいる。

そういう意味では、ここにもその波は来た。

年末最後の日は大掃除と決まった。

自分のデスク周りはともかく、資料整理もある。
一時間くらいの肉体労働は覚悟しよう。

とりあえずはクリスマス!!


「愛内さん、週末はどうするの?」

「ああ・・・・。もしかして予定ないと思ってない?」

そう言ったら穣君の目が大きくなった。

「いい事あった?」

優しい顔でそう聞かれた。

「普通にご飯食べに行くくらいだけどね。穣君は?特別な予定あるの?」

誰と行くかは行ってない、友達と思ってもらえてもいいし、穣君の知らない誰かだと思ってくれてもいい。

「ううん、実家に帰るだけ。」

「それは、毎年?」

「うん、まあそうかな。家族と過ごすんだ。」

「そうなんだ。」

大学生になって考えもしなかったし、高校生の時とかも、確か、友達とカラオケに行ったりして遊んでた気がする。
一応は家族でご飯食べてたけど、そんなクリスマス気分は・・・・しばらくない。
普通だと思ってたのに。

「ケーキとかチキンとか、お母さんが用意してくれるの?」

「うん、妹が小さいんだ。だからだよ。」

「ああ・・・・そうなんだ。何歳?」

「小学生、11歳。」

「わあっ、それは年の差があるんだね。可愛いだろうね。」

そう言ったら赤くなった。可愛いらしい。

「じゃあ、きっとプレゼント楽しみにしてるね。」

「そうなんだけど、一緒に買いに行くんだ。」

「何でもいい、もらえるならいい。羨ましいなあ、うんと上のお兄さん。」

12歳くらい離れてるのか・・・・・。
ん?じゃあ、課長が働き始めた頃、私は同じくらいの小学生だった・・・・。
思わず課長を見たら視線が合った。
やばい、聞こえてたかな?

「愛内さん、去年は何してたの?」

「それがね・・・・。」

去年のクリスマス、彼氏にバイトを優先されて、年末に別れたことを教えた。

「ねえ、二股かな?すぐに新しい彼女が出来てたし。絶対・・・・そうだよね。」

きっとダメもとで告白したら新しい彼女にOKもらって、すっかり飽きてた私はポイって年末整理された感じ。

「どうかな?ちょっとわからない。」

「過ぎたことだからいいんだけど。だいたいそれも随分経って気がついたから、まだよかった。あやうく年始から落ち込むところだったもん。」

「落ち込まなかったの?」

「なんとなく新年に切り替えが出来たんだよね。でも結構やけ食いはしたかな。あと初詣に何カ所も行ってお賽銭入れてお願いしまくった。」

「効果あったの?」

「・・・・なかったから、大人しくしてました。仕事を覚えるのが先だったし。でも穣君に出会えたからいい出会いはあったよ。小銭の分は叶えてもらえたんだと思う。」

「・・・・・ありがとう。」

どこかの神様が穣君とのご縁を、どこかの神様が課長とのご縁を、本当にギリギリだったけど思い出して叶えてくれたみたい。
どこの神様だか分からないからお礼参りが出来ないけど、感謝感謝。


「じゃあ、また来週。楽しいクリスマスを。」

「うん、穣君もね。また来週。」

手を振って見送った。


明日は昼過ぎに課長と待ち合わせをしてる。
全力でおしゃれするから前日泊まらずに部屋からでて、待ち合わせしたいとお願いした。

だって準備してるのを見られたら驚かれないじゃない。
全力投球で大人っぽく仕上げて驚かせたいと思った。
『大人彼氏』に合うように。

もう鏡の前で吟味に吟味を重ねてる。
全てをその日の為に!!って言うくらい。
素直に褒めてくれるといいけど。

いや、絶対褒めてくれる、褒めてもらおう、褒めてもらうように目の前に仁王立ちしてでも。

残ってる人に挨拶して帰った。

まだ課長は仕事をしていた。

私が小学生で家族と可愛らしくクリスマスを楽しんでいた時に課長はまだまだ偉そうでもないペーペーの新人だったらしい。
どんな感じだろう。
いろんな資料を整理しても、当然ながら課の古い写真なんて出てくるわけでもなく。
今度課長に見せてもらいたいけど、持ってるだろうか?

でもそんな中に結婚式の写真とか彼女との思い出の写真とかあるのかもしれない。
捨てるにも捨てられない、捨てにくいものはあるかもしれない。
普通の写真は捨てたり、大量の思い出の写真はメディアからあっさりと削除したかもしれない。でも結婚式の写真やDVDはどうだろう?

あの部屋の影の部分になる場所にあるのかもしれない。


明日のクリスマスのために。
私はプレゼントにネクタイを買った。
課長の写真とネクタイのぶら下がった専用ハンガーの写真を見せて、お店の人に相談した。
そんなつもりはなかったのに『お兄ちゃんにプレゼントしたい。』そう言ってしまった。

なんでだろう?

一緒に選んでくれたのは課長と同じ年くらいの素敵な女性店員さんだった。
他の店員さんも見渡して、一番若い人に声をかけた。

『素敵なお兄さんですね。』なんて最初に褒められた。
ちょっと照れてしまった。

これで似てると言われてもびっくりだが言われなかった。

課長はプレゼントを用意してくれたんだろうか?
何も聞かれてない。

食事はご馳走してもらえるし、それで十分。いつもよりちょっといい所って言われた。
それだけで十分・・・・そうは思っても、もしかしてって思って。

この間ストールに包むようにプレゼントは持ち込んで隠した。
課長の部屋の私の借りてる場所に置いてある。
服とか化粧品とか、いろいろ置いてるところにこっそり隠した。

一緒に部屋に帰って渡すつもりだ。

『いつもご馳走になってるので。』そう言って。

似合うと思う。素敵だと思う。
してくれると思う、喜んでくれると思う。


部屋でパックをしながら明日に向けてうれしい気持ちを抑えきれない。


本当は穣君にだって好きな人と過ごすって言いたいけど、さすがに言えなかった。
誰にも言えないけど、その分自分だけで楽しむ。あ、一緒に楽しむ。
 
課長がシャワーを浴びてる間にクローゼットの扉のネクタイ達を覗き込んだ私。
本当に綺麗にそろえられていた。
間違いなく整頓好きらしい。

単身赴任だとしても、あの部屋やクローゼットを見る限り、留守中に奥さんがやるのは料理位だと思う。

冷蔵庫に付箋付きのタッパーが大量に入ってることもない。
水とビールくらいだし。
時々チーズやピクルスが入ってる。後は生卵。
何を食べてるんだろう?
外食派だけど、時々卵を食べたくなるらしい?
茹でる?

冷凍室はパンと冷凍食品がいろいろ入っているのは知ってる。
綺麗好きで手がかからない。
楽な人。
結婚してた時もそうだったんだろうか?

ああ~、楽しい予定の前の夜に考えることじゃない。

パックを洗い流して、ピカピカになった自分の肌を見て、早く寝ることにした。

『お疲れ様です。明日楽しみにしてます。』

そう送ったら返事がすぐに来た。

『お腹空かせてくるように。我慢するか、加減するように。』

『当たり前です。お休みなさい』

『お休み。』


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

距離感ゼロ〜副社長と私の恋の攻防戦〜

葉月 まい
恋愛
「どうするつもりだ?」 そう言ってグッと肩を抱いてくる 「人肌が心地良くてよく眠れた」 いやいや、私は抱き枕ですか!? 近い、とにかく近いんですって! グイグイ迫ってくる副社長と 仕事一筋の秘書の 恋の攻防戦、スタート! ✼••┈•• ♡ 登場人物 ♡••┈••✼ 里見 芹奈(27歳) …神蔵不動産 社長秘書 神蔵 翔(32歳) …神蔵不動産 副社長 社長秘書の芹奈は、パーティーで社長をかばい ドレスにワインをかけられる。 それに気づいた副社長の翔は 芹奈の肩を抱き寄せてホテルの部屋へ。 海外から帰国したばかりの翔は 何をするにもとにかく近い! 仕事一筋の芹奈は そんな翔に戸惑うばかりで……

2月31日 ~少しずれている世界~

希花 紀歩
恋愛
プロポーズ予定日に彼氏と親友に裏切られた・・・はずだった 4年に一度やってくる2月29日の誕生日。 日付が変わる瞬間大好きな王子様系彼氏にプロポーズされるはずだった私。 でも彼に告げられたのは結婚の申し込みではなく、別れの言葉だった。 私の親友と結婚するという彼を泊まっていた高級ホテルに置いて自宅に帰り、お酒を浴びるように飲んだ最悪の誕生日。 翌朝。仕事に行こうと目を覚ました私の隣に寝ていたのは別れたはずの彼氏だった。

嘘をつく唇に優しいキスを

松本ユミ
恋愛
いつだって私は本音を隠して嘘をつくーーー。 桜井麻里奈は優しい同期の新庄湊に恋をした。 だけど、湊には学生時代から付き合っている彼女がいることを知りショックを受ける。 麻里奈はこの恋心が叶わないなら自分の気持ちに嘘をつくからせめて同期として隣で笑い合うことだけは許してほしいと密かに思っていた。 そんなある日、湊が『結婚する』という話を聞いてしまい……。

俺と結婚してくれ〜若き御曹司の真実の愛

ラヴ KAZU
恋愛
村藤潤一郎 潤一郎は村藤コーポレーションの社長を就任したばかりの二十五歳。 大学卒業後、海外に留学した。 過去の恋愛にトラウマを抱えていた。 そんな時、気になる女性社員と巡り会う。 八神あやか 村藤コーポレーション社員の四十歳。 過去の恋愛にトラウマを抱えて、男性の言葉を信じられない。 恋人に騙されて借金を払う生活を送っていた。 そんな時、バッグを取られ、怪我をして潤一郎のマンションでお世話になる羽目に...... 八神あやかは元恋人に騙されて借金を払う生活を送っていた。そんな矢先あやかの勤める村藤コーポレーション社長村藤潤一郎と巡り会う。ある日あやかはバッグを取られ、怪我をする。あやかを放っておけない潤一郎は自分のマンションへ誘った。あやかは優しい潤一郎に惹かれて行くが、会社が倒産の危機にあり、合併先のお嬢さんと婚約すると知る。潤一郎はあやかへの愛を貫こうとするが、あやかは潤一郎の前から姿を消すのであった。

次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢

さら
恋愛
 名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。  しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。  王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。  戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。  一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。

Fly high 〜勘違いから始まる恋〜

吉野 那生
恋愛
平凡なOLとやさぐれ御曹司のオフィスラブ。 ゲレンデで助けてくれた人は取引先の社長 神崎・R・聡一郎だった。 奇跡的に再会を果たした直後、職を失い…彼の秘書となる本城 美月。 なんの資格も取り柄もない美月にとって、そこは居心地の良い場所ではなかったけれど…。

10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました

専業プウタ
恋愛
25歳の桜田未来は中学生から10年以上引きこもりだったが、2人暮らしの母親の死により外に出なくてはならなくなる。城ヶ崎冬馬は女遊びの激しい大手アパレルブランドの副社長。彼をストーカーから身を張って助けた事で未来は一時的に記憶喪失に陥る。冬馬はちょっとした興味から、未来は自分の恋人だったと偽る。冬馬は未来の純粋さと直向きさに惹かれていき、嘘が明らかになる日を恐れながらも未来の為に自分を変えていく。そして、未来は恐れもなくし、愛する人の胸に飛び込み夢を叶える扉を自ら開くのだった。

処理中です...