がさつと言われた私の言い分は。

羽月☆

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14 直帰したのは別の部屋。

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なんで?
即時の約束、今日も延長の連絡をする。
昼過ぎまでは行けそうだと思ったのに。
だから軽めにしたのに。

ドサッと頼まれたのは今週中に打ち込まなきゃいけないデータの山。
隣の課の手伝い・・・・なんで私が?
そりゃそうだ、何で私がっ!!
そう言いたいのに、上司と先輩が他をやって忙しそうだから嫌とは言えない。

こうして今週は無理だと思うと連絡をする羽目に。
日々期待を裏切るより最初から無理だと言おう。
だって実際に無理だと思う。

そして夜に少し電話で話すくらいにしている。
同じ会社ですがまったく顔を見れてません。

はぁ~、それでも今日で終わり。だって締め切り今日だし。
だからこれ全部今日やっつけますから。
目の前の山。
日々の努力で小さくはなった山。


終わった~、お腹空いた、とにかく笑顔が足りない、私を癒すあの笑顔。
会いたいよう。


思ったより早い、一度家に行って荷物を持って泊まりたい。
そのパターンで行こう!
そう思ったのにお疲れ様会開催。
いいのに・・・・。


「お疲れ様。樋渡、山並、ありがとうな。」鏑木さんにねぎらわれる。

「お疲れ様です。本当に目が疲れる仕事でしたよね。数字見たくない・・・そんな気分です。」

山並さんが本当にうんざりした顔で言う。

「確かに。疲れました、目と肩と首。」

私もこめかみをマッサージしながら言う。

「滅多にないんだが、まああれくらいは頼まれて、恩を売っておこう。」

「はい。ごちそうになります。」

「飲め飲め、食べろ、ドンドン。」

お酒を頼み、しゃれたつまみが運ばれてくる。

話は鏑木さんの新人の頃の話になり。

「本当に、泣きそうだったんだ。今よりずっと先輩が厳しかったと思うよ。」

「そうなんですか?」

「そうだよ。ビシビシしごかれて、大きな失敗も一つやって。小さなのはいろいろ。それでも胃を痛くしながら頑張ったよ。」

「お疲れ様です。なんとなくひょうひょうとやってたイメージですけど。」

「いやぁ、全然。向いてないって思ってたよ。いまより部署が分かれてなくて、いろいろやらされたんだよ。」

「努力のおかげで出来る男が仕上がったんですね。」

鏑木さんが片眉をあげてこっちを見た。

「なんだ?今すごく褒めてくれたのか?」

「はい、もちろんです。みんなの憧れです。」

「そうか?」

嬉しそうに顔が緩んだ。

威厳はなくなるけどちょっと無邪気が透けるくらいの笑顔。
全力で無邪気って年でもないからね。
リュウとは違う・・・・・、当たり前ですが。

今日も遅くなる・・・・。
待ってるかな?

「樋渡?」

「・・・・はい。」

「酔ったか?疲れてるか?」

「すみません、ぼんやりとして。さすがに疲れが・・というかやっぱり体が凝ってバリバリです。明日マッサージに行きます。」

「経費で落としてあげたいくらいだけど。」

「鏑木さん、さすがにそこまでは。」

「来週は出来るだけ早く帰れるようにしような。」

「よろしくお願いします。」

山並さんと声をそろえた。

お開きになったのはそれでも何とか、10時前。
手を振り別れて急いで携帯を取り出す。

面倒なので電話で。

『皐月さん、どこ?』

「リュウ・・・会いたいよう。まだ会社の駅。今お疲れ様会が終わったの。ごめんね。」

『駅まで迎えに行くよ。』

「うん、今から電車に乗る。」

『じゃあ、気を付けてね、待ってる。』

「うん。じゃあね。」

そう言ってそのまま電車に乗りリュウの駅で降りた。
約束通り改札に待っていてくれた。

走って飛びつきたいくらいだけど、ここは大人らしく。
手を振ってお礼を言った。

「ただいま。」

「お帰りなさい。」

手をつないで駅を離れる。
早く部屋へ、だらんとしたいし、ぎゅっと抱きしめたい、自分が・・・。

部屋に着いたらソファにもたれて、つないだ手のままぎゅっと抱きしめた。

「お肉とお酒とたばこのにおいがする。」

「そうかも、お店が分煙じゃなかった。葉巻売ってるし。」

「うん、安い匂いじゃない。」

「あと5分このままでいて。」

リュウを胸に抱いて目を閉じる。寝そう。疲れた。

大人しくしているのに飽きたらしく、首を動かして鼻をこすりつけてくる。

「リュウ、あと少し、シャワー・・・面倒・・・・・。」

つい正直に言ってしまった。
自分の部屋だったら確実にうたた寝パターン。
スーツがくしゃくしゃになるパターン。


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