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15 黙秘権はないのだから。
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昼休み。
予想してたように、遥に連れ出された。
高田と遥、避けては通れないのだ。
それはしょうがないので大人しく向かい合う。
急いでメニューを決めて注文する。
何も言わずに目を大きくしてこっちから白状するのを待っている。
「はい、楽しくランチデートをした週末でした。」
満足してくれただろうか?
ちょっと嫌な顔をした遥。
喜んでくれない?
「高田の報告によりますと・・・・。」
携帯を見ながら読み上げる。
「一人実験室こもって無心を貫いてるけど、背中が一つ逞しい男になったことを語っている。週末の二日でこれだけ成長させてあげるとは、さすがに短期間で渡り歩いてるだけのことはある。過去の経験の蓄積という実績と能力が見えた。」
大きくはない声だが恥ずかしいので携帯を取り上げた。
画面上に続いた言葉。
『真っ赤になった態度で大体予想通りの首尾だろう。』
『部下が少年から文字通り大人になった。喜ばしい。はあ、お互いお役目御苦労。刺激を与えつつ見守るとしよう。』
時間を見ると午前中の仕事時間真っ最中。
ここに来てから震えていた携帯を見てみる。
リュウから謝罪の言葉があった。
やはり完落ちらしい。
無理もない、もとより隠せるとも思っていない。
『大丈夫だよ。あいつは誤魔化せないだろうから。しつこかったら殴っていいからね。もしくは私が殴るから言ってね。』
そう返信しておいた。
「ねえ、・・・・・初だったの?」
好奇心だろう、すごくひっそりとした声で顔を寄せて聞いてくる。
「そんなの聞いてないし、聞けない。別にそうは思わなかった。違うんじゃない?」
恥ずかしい。本当にこっちも完落ちです。
リュウより酷いかも。
ごめん、でも本当に疑ってないから否定しておきます。
「そう?でもじゃあ満足のいく結果で良かったんでしょう?」
「知らない・・・・・。」
思わず顔をそむけた。
答えるもんか。
「だって可愛いじゃない。本当に目がラブラブに見上げてて、丸わかりで。良かったね。」
そういうことか。そっちの大きな結果ね。
はい満足です。楽しいです。良かったです。
「ありがとう。」
素直にそう言った。
食事が運ばれてきてランチを楽しみつつも、・・・・続く。
「高田が新しいおもちゃを手に入れたみたいに喜んでた。いいなあ、ありだね、年下。」
だから年上彼氏を捕まえてる女の余裕発言でしょう?
でもちょっと自慢したくなって。
「可愛いのよ。とにかく可愛い。高田に遊ばせるのがもったいないくらい。」
「ふ~ん。」
つい力を入れてしまったかもしれない。
そんな話をしてたら笑顔が次々に浮かんで。時々大人の目をした顔も浮かんで。
そんな時は急いで下を向いて料理を見る。
週末、またデートに誘おう。
そう思った。
午後の仕事の前にリュウに伝えた。
『ごめんね、こっちもほぼ白状させられた。高田と通じてるから隠すのは無理だった。』
『土曜日、空いてる?』
自分で書いてなんですが、随分控えめな誘い方。
もっと・・・・・。
まあいいか。
送信して携帯はデスクの脇へ。
仕事仕事。
ひとしきり仕事に集中して凝った首肩を回す。
携帯を引き寄せてみるとリュウから返事が来ていた。
『うれしいです。もちろん全力で空いてます。』
『でもちょっとでいいので普通の日でもお食事できませんか?疲れてたらお茶だけでもいいです。』
可愛いじゃない。
笑顔になったのを急いで戻す。
『仕事の具合でね。早く終わりそうな日は終業時間あたりに連絡するから、忙しかったら断ってね。』
『はい。でも、頑張ります。』
たまらなく可愛い。
そう思って顔を伏せて読んでたら眉間にしわが寄った。
『二人とも仕事しろ、ぼけっ。お目付け役高田。』
携帯を奪われたらしい。
マジかよ、あいつは。
他のログ読んでないだろうなあ。
ちょっと前のやり取りを見返す。
まあ、セーフだ。
危険。デリカシーのない奴だから。
今頃リュウはウルウルとして抗議してるだろう。
やっぱり私がひっぱたいてやろう。
パワハラ野郎め。
「樋渡さん、書類頼める?」
いきなり声を掛けられてびっくりした。
ちょっと怪しい表情してなかった?
視線をあげると呆れたような顔があった。
まずい。
「すみません。はい、大丈夫です。」
内容も見ずに受け取ったのは仕方ない。
だってどうせ断れなかったし。
当たり前だ・・・直の上司です。
憧れの上司の鏑木さんです。
それなのに変顔七変化を見られてたかもと思うと悲しい。
本当に気をつけたい。
終業時間。
後、2時間はかからないとは思うけど。
とりあえず残業決定。
連絡する。
『ごめん、終わらない。残業です。またね。』
『分かりました。お疲れ様です。』
がっかりしてるだろうか。
まだ月曜日だし。昨日まで一緒にいたし。
さてと張り切りましょう。
それでも何とか1時間半まで行かずに終わった。
鏑木さんに書類を渡してチェックしてもらう。
「悪かったね。遅くなって。ありがとう、助かったよ。」
「いえ、大丈夫です。お疲れさまでした、お先に失礼します。」
ありがとうと言われてたら頑張った甲斐がありました。
トイレに寄ってから帰る。
エレベーターにはいろんなフロアのサラリーマンがいた。
皆さんお疲れ様ですと目礼して一階へ降りる。
会社を出る前に気が付いた。
携帯を忘れた。
ため息をついてまたエレベーターに乗る。
デスクの上に置いていたんだった。
回収してまたエレベーターへ。
鏑木さんと一緒になったのでそのまま駅に向かう。
「なんか、楽しいことあったの?」
「え、何でですか?」
「随分機嫌よく仕事してたなあって思って。」
何ですと?
「月曜日はいいんです。まだ体が楽ですから。週末美味しいものを食べて過ごせたし。」
フッと笑われた気がした。
バレてませんよね。
まさか可愛い男の子を手なずけたなんて言えません。
駅でお辞儀して別れた。
やっぱり素敵なんだなあ。
後姿を見送る。
さてと・・・・。
ぼんやりとして電車に乗って、面倒で駅で食事をして帰った。
たまに食べるとファーストフードもいいかもしれない。
お風呂に入りゆっくりとする。
それでもお風呂はきれいに流したし、洗面台もチェックしてた。
使ったもの、化粧品もきちんとして、洗濯物もまとめた。
来てたスーツはハンガーにかかっている。
アクセサリーコーナーに収まった時計と外したアクセサリー。
やればできる。
ビールを飲みながら部屋を見回してなんとなく満足する。
この短い期間ででかなりきれいになったから。
だからといってリュウを招待することは当分ないだろう。
携帯を取りアプリを開く。
『お疲れ様。何してる?話せる?』
そう送ったらすぐに電話がかかってきた。
かわいい笑顔を思い浮かべてしまい自分も笑顔ででる。
「皐月さん、お疲れ様です。今帰りですか?」
耳元に聞こえる声は嬉しそうだった。
「ううん、もうすっかりくつろいだ状態。リュウは?」
「僕もアイロンかけが終わって後はゴロゴロです。」
「そう。じゃあ良かった。ねえ、今日高田に揶揄われたでしょう?」
少しの沈黙の後・・・。
「は・・・・い・・・。まあ。すみません、結果的に皐月さんのこと全員にバレてしまいました。みんなうっすら気が付いてたみたいで。すみません。」
全員・・・・・・。
「分かった、しばらくそっちには行かないから。」
「そうですよね。残念です。」
「携帯も取り上げられたの?」
「すみません、ちょっとうれしくてじっと見てたら急に取り上げられて。でも前後少ししか見えてないと思いますから。」
「うん、わかった。どうせ隠すのは無理だしね。連絡はランチの時と終業の時くらいにするから。」
「はい。ちゃんと仕事はしてます。」
「分かってるって。」
「今日は急に残業頼まれたから。また明日以降ね。土曜日楽しみにしてる。」
「はい。行きたいところあるんですか?」
「考えとくから。リュウも考えといて。」
「はい。」
「じゃあ、おやすみ。また明日ね。」
「おやすみなさい、皐月さん。」
画面を見つめてタップして通話を終えた。
予想してたように、遥に連れ出された。
高田と遥、避けては通れないのだ。
それはしょうがないので大人しく向かい合う。
急いでメニューを決めて注文する。
何も言わずに目を大きくしてこっちから白状するのを待っている。
「はい、楽しくランチデートをした週末でした。」
満足してくれただろうか?
ちょっと嫌な顔をした遥。
喜んでくれない?
「高田の報告によりますと・・・・。」
携帯を見ながら読み上げる。
「一人実験室こもって無心を貫いてるけど、背中が一つ逞しい男になったことを語っている。週末の二日でこれだけ成長させてあげるとは、さすがに短期間で渡り歩いてるだけのことはある。過去の経験の蓄積という実績と能力が見えた。」
大きくはない声だが恥ずかしいので携帯を取り上げた。
画面上に続いた言葉。
『真っ赤になった態度で大体予想通りの首尾だろう。』
『部下が少年から文字通り大人になった。喜ばしい。はあ、お互いお役目御苦労。刺激を与えつつ見守るとしよう。』
時間を見ると午前中の仕事時間真っ最中。
ここに来てから震えていた携帯を見てみる。
リュウから謝罪の言葉があった。
やはり完落ちらしい。
無理もない、もとより隠せるとも思っていない。
『大丈夫だよ。あいつは誤魔化せないだろうから。しつこかったら殴っていいからね。もしくは私が殴るから言ってね。』
そう返信しておいた。
「ねえ、・・・・・初だったの?」
好奇心だろう、すごくひっそりとした声で顔を寄せて聞いてくる。
「そんなの聞いてないし、聞けない。別にそうは思わなかった。違うんじゃない?」
恥ずかしい。本当にこっちも完落ちです。
リュウより酷いかも。
ごめん、でも本当に疑ってないから否定しておきます。
「そう?でもじゃあ満足のいく結果で良かったんでしょう?」
「知らない・・・・・。」
思わず顔をそむけた。
答えるもんか。
「だって可愛いじゃない。本当に目がラブラブに見上げてて、丸わかりで。良かったね。」
そういうことか。そっちの大きな結果ね。
はい満足です。楽しいです。良かったです。
「ありがとう。」
素直にそう言った。
食事が運ばれてきてランチを楽しみつつも、・・・・続く。
「高田が新しいおもちゃを手に入れたみたいに喜んでた。いいなあ、ありだね、年下。」
だから年上彼氏を捕まえてる女の余裕発言でしょう?
でもちょっと自慢したくなって。
「可愛いのよ。とにかく可愛い。高田に遊ばせるのがもったいないくらい。」
「ふ~ん。」
つい力を入れてしまったかもしれない。
そんな話をしてたら笑顔が次々に浮かんで。時々大人の目をした顔も浮かんで。
そんな時は急いで下を向いて料理を見る。
週末、またデートに誘おう。
そう思った。
午後の仕事の前にリュウに伝えた。
『ごめんね、こっちもほぼ白状させられた。高田と通じてるから隠すのは無理だった。』
『土曜日、空いてる?』
自分で書いてなんですが、随分控えめな誘い方。
もっと・・・・・。
まあいいか。
送信して携帯はデスクの脇へ。
仕事仕事。
ひとしきり仕事に集中して凝った首肩を回す。
携帯を引き寄せてみるとリュウから返事が来ていた。
『うれしいです。もちろん全力で空いてます。』
『でもちょっとでいいので普通の日でもお食事できませんか?疲れてたらお茶だけでもいいです。』
可愛いじゃない。
笑顔になったのを急いで戻す。
『仕事の具合でね。早く終わりそうな日は終業時間あたりに連絡するから、忙しかったら断ってね。』
『はい。でも、頑張ります。』
たまらなく可愛い。
そう思って顔を伏せて読んでたら眉間にしわが寄った。
『二人とも仕事しろ、ぼけっ。お目付け役高田。』
携帯を奪われたらしい。
マジかよ、あいつは。
他のログ読んでないだろうなあ。
ちょっと前のやり取りを見返す。
まあ、セーフだ。
危険。デリカシーのない奴だから。
今頃リュウはウルウルとして抗議してるだろう。
やっぱり私がひっぱたいてやろう。
パワハラ野郎め。
「樋渡さん、書類頼める?」
いきなり声を掛けられてびっくりした。
ちょっと怪しい表情してなかった?
視線をあげると呆れたような顔があった。
まずい。
「すみません。はい、大丈夫です。」
内容も見ずに受け取ったのは仕方ない。
だってどうせ断れなかったし。
当たり前だ・・・直の上司です。
憧れの上司の鏑木さんです。
それなのに変顔七変化を見られてたかもと思うと悲しい。
本当に気をつけたい。
終業時間。
後、2時間はかからないとは思うけど。
とりあえず残業決定。
連絡する。
『ごめん、終わらない。残業です。またね。』
『分かりました。お疲れ様です。』
がっかりしてるだろうか。
まだ月曜日だし。昨日まで一緒にいたし。
さてと張り切りましょう。
それでも何とか1時間半まで行かずに終わった。
鏑木さんに書類を渡してチェックしてもらう。
「悪かったね。遅くなって。ありがとう、助かったよ。」
「いえ、大丈夫です。お疲れさまでした、お先に失礼します。」
ありがとうと言われてたら頑張った甲斐がありました。
トイレに寄ってから帰る。
エレベーターにはいろんなフロアのサラリーマンがいた。
皆さんお疲れ様ですと目礼して一階へ降りる。
会社を出る前に気が付いた。
携帯を忘れた。
ため息をついてまたエレベーターに乗る。
デスクの上に置いていたんだった。
回収してまたエレベーターへ。
鏑木さんと一緒になったのでそのまま駅に向かう。
「なんか、楽しいことあったの?」
「え、何でですか?」
「随分機嫌よく仕事してたなあって思って。」
何ですと?
「月曜日はいいんです。まだ体が楽ですから。週末美味しいものを食べて過ごせたし。」
フッと笑われた気がした。
バレてませんよね。
まさか可愛い男の子を手なずけたなんて言えません。
駅でお辞儀して別れた。
やっぱり素敵なんだなあ。
後姿を見送る。
さてと・・・・。
ぼんやりとして電車に乗って、面倒で駅で食事をして帰った。
たまに食べるとファーストフードもいいかもしれない。
お風呂に入りゆっくりとする。
それでもお風呂はきれいに流したし、洗面台もチェックしてた。
使ったもの、化粧品もきちんとして、洗濯物もまとめた。
来てたスーツはハンガーにかかっている。
アクセサリーコーナーに収まった時計と外したアクセサリー。
やればできる。
ビールを飲みながら部屋を見回してなんとなく満足する。
この短い期間ででかなりきれいになったから。
だからといってリュウを招待することは当分ないだろう。
携帯を取りアプリを開く。
『お疲れ様。何してる?話せる?』
そう送ったらすぐに電話がかかってきた。
かわいい笑顔を思い浮かべてしまい自分も笑顔ででる。
「皐月さん、お疲れ様です。今帰りですか?」
耳元に聞こえる声は嬉しそうだった。
「ううん、もうすっかりくつろいだ状態。リュウは?」
「僕もアイロンかけが終わって後はゴロゴロです。」
「そう。じゃあ良かった。ねえ、今日高田に揶揄われたでしょう?」
少しの沈黙の後・・・。
「は・・・・い・・・。まあ。すみません、結果的に皐月さんのこと全員にバレてしまいました。みんなうっすら気が付いてたみたいで。すみません。」
全員・・・・・・。
「分かった、しばらくそっちには行かないから。」
「そうですよね。残念です。」
「携帯も取り上げられたの?」
「すみません、ちょっとうれしくてじっと見てたら急に取り上げられて。でも前後少ししか見えてないと思いますから。」
「うん、わかった。どうせ隠すのは無理だしね。連絡はランチの時と終業の時くらいにするから。」
「はい。ちゃんと仕事はしてます。」
「分かってるって。」
「今日は急に残業頼まれたから。また明日以降ね。土曜日楽しみにしてる。」
「はい。行きたいところあるんですか?」
「考えとくから。リュウも考えといて。」
「はい。」
「じゃあ、おやすみ。また明日ね。」
「おやすみなさい、皐月さん。」
画面を見つめてタップして通話を終えた。
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