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12 修行の行き詰まりに悩む。 ~ナナオ~
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あああ・・・・。打つ手なし。
どうしてこうなったんだろう。
悪いのは千早だろうか?それともエンヤだろうか?
最後のは本当に聞いてても悲しい会話だった。
あれはほとんど喧嘩だろう。
千早の言いたいことは分かった。
エンヤの言いたいことも分かった。
ただ、俺が分かってどうする!!
ややこしい事になってしまってる。
どちらかが素直になればいいのに。
千早もエンヤの事が気になってるのは分かる。すごく分かる。
自分をポケットの中で撫でてくる指先からサラサラと気持ちが流れ込んで来てるのに。
リリカちゃん・・・・・。
なかなか研修がうまく進まない。
もっと1、2の3!で上手くいくと思ったのに、本当に手のかかる二人だ。
最近元気のない千早。
夜は千早のベッドの近くに眠ることにした。
亡くなった母親の夢でも見てたのか、どろどろと悲しみに沈んだ気持ちが流れて来た日があったのだ。
朝にはそんな気配も消せていたが、やっぱり元気がない。
一番の原因はエンヤなんだろうか?
一緒にいる限り仕事はそれなりについていけてる気がする。
それとも自分の知らない家族の中にも千早なりに思うことがあるんだろうか?
「今週はナナオを実家に連れて行くから。ついでにちょっといろんなお店を回ってみたいんだ。ちょっと離れてただけなのに、すごく懐かしく思い出しそう。ナナオ、一緒に行くでしょう?妹にもお母さんにも会えるよ。」
「いつものようにポケットに入れて。」
「了解。」
「楽しみだなあ。」
「お土産買ってからお昼ぐらいに着くようにするね。」
「喜んでくれるかなあ。」
独り言のようにつぶやいてる。
千早の妹は『千加』というらしい。
きっと千早と名前がつなっがるようにつけたんだろうと思う。
千早が可愛がるように、千早と仲良くできるように。
そんな願いが込められてるんだろう。
約束通りお土産を買って電車に乗った。
それでも駅についてまっすぐ歩く千早が少し表情をかたくしていてるのに気がついた。
「千早、お腹空いた。」
「そんなことないでしょう?」
当たり前だ。手がかからない、それがウリなんだから。
ちょっと言ってみただけだ。
「まあ、ないけど。なんだかそんな気分。千早の家が見れたり、家族が見れたり、楽しみ。」
ポケットの中から珍しく声をかけたら、手に包み込んでくれた。
その手触りが少しヒンヤリしていた気がした。
「後少しだから。」
「ああ。」
千早が一件の家の前に立って深呼吸した。
やっぱり・・・・さっきから少し緊張してるかのようだったのだ。
家族なのに、つい先月まで一緒に過ごした家族なのに。
それとも少し離れていただけでそんな気持ちになるんだろうか?
それは、分からない。
改めてポケットに挿されて家の中に入って行く千早に連れて行かれた。
「ただいま~。」
「お帰り~。」
二人以上の声がするし、嬉しそうな響きでもある。
足音がして靴を脱いで揃える千早を迎えに来たのは、確かに似てない妹、千加ちゃんらしい。
まだまだ可愛いさ満載の素直そうな子じゃないか。
お土産を渡して喜ぶ声と一緒に奥に行く。
両親が揃ってるらしい。
さっきまでの緊張もほぐれて笑顔になって、千早も空いてる場所に落ち着いた。
「千早、仕事は楽しいか?」
「うん、楽しいよ。友達も出来たし、先輩も優しいし、まだまだほとんど何もしてないくらいだけど、楽しいよ。」
「残業とかないの?」
「今のところないし、先輩を見る限りなさそうだよ。その代わりに時々週末に出ることはあるかもしれない。イベントの手伝いとかだとそうなることもあるかも。」
「楽しいなら何よりだ。」
「うん、楽しいは楽しいから、いいよ。早く参加したいくらいだし。」
「友達と飲みに行ったりしてるの?」
「そうだね、金曜日は誘われて食事したり、ちょっとお酒も飲んだりしてる。そんなに量はいかないから大丈夫だよ。」
「遅くならないように気を付けてね。」
「もちろん、それに部屋までは明るい大きな道路を通るから大丈夫だよ。」
「それでも遅いと心配だからね。」
「はい。」
千早が買ってきたお土産をバリバリと開けてテーブルに広げる。
妹が嬉しそうに覗き込むのが見えた。
その後もお互いの近況報告が続き。
「泊まっていくでしょう?」
「そのつもりだったけど、先輩に誘われたから、明日出かけるの。夕方帰ることになったの。」
「そうなの?夕飯食べて行けばいいから。」
「うん、そこはご馳走になります。」
そんな約束いつの間にしたんだ。誰だ先輩って。
大人しくポケットにいて過ごした。
家族の笑い声を聞いて、ちょっとだけ気分の落ち込んだままの千早が元気になればいいのにと思ってた。
夕食は一緒に女性三人がキッチンに立っていた。
その間上着は脱いでいて、コロンと飛び出しそうに置かれたポケットの中にいた。
千早の部屋は妹の部屋になっていた。
ここに千早の亡くなった母親のものはないのかもしれない。
父親の心には消せずにあるだろうけど、さすがにそれは取り出されることなくひっそりと鍵がかけられてるかもしれない。
夕食を食べて千早と一緒に家を出た。
やはりため息を一つつきながら歩き始めた千早。
「ナナオ、千加は可愛いでしょう?」
「ああ、素直そうじゃないか。とても千早の妹とは思えない。」
冗談で言ったのに、冷たい顔で見下ろされた。
「当たり前じゃない。」
それだけ言ってまた前を見た。
大人しくポケットの中に沈んだ。
「約束って、この間の男の先輩か?」
「何が?」
「明日誘われてるって。」
「ああ・・・・・嘘。」
何?何で???
「お腹いっぱいだし、まっすぐ帰ろう。なんだか・・・・・。」
なんだか・・・・・・?何だと言うんだ?
「なあ、エンヤに電話すれば?」
「別に用事はないけど。」
「一緒にあっちで会おうって言うだけでもいいし。」
「そんな事は分からないじゃない。高森君だって友達が帰って来てるかもしれないし、そうしたら遊びに行くよ。」
「ナナオの神様に会うのが楽しみ。」
「会えるとは思わないけど。」
「ええ~、会えないの?」
多分。そうそう神様には会えないだろう、普通。
「そうか。」
部屋に入って変化を解いて、さっそくゴロンと横になる。
なかなか難しいなあ。
あそこに行ったら千早もエンヤももっと素直になれそうなのに。
やはり予定はなかった日曜日。
一日ぼーっとして過ごした千早。大丈夫か?
あと少しで休みだから、頑張れ・・・・・ってエンヤにも会えないけど。
お給料をリリカちゃんと喜び、連休の予定を言い合い、そしてとびとびの休みの後4連休だった。旅行だ、あの森へ!!
結局知る限りエンヤと連絡を取ってない千早。
さすがにそうそう何度もは言えない。
逆に意地になりそうな千早の性格だ。
やっぱり修業は修行だから、1,2,3で上手くいくなんてことはないんだから。
どうしてこうなったんだろう。
悪いのは千早だろうか?それともエンヤだろうか?
最後のは本当に聞いてても悲しい会話だった。
あれはほとんど喧嘩だろう。
千早の言いたいことは分かった。
エンヤの言いたいことも分かった。
ただ、俺が分かってどうする!!
ややこしい事になってしまってる。
どちらかが素直になればいいのに。
千早もエンヤの事が気になってるのは分かる。すごく分かる。
自分をポケットの中で撫でてくる指先からサラサラと気持ちが流れ込んで来てるのに。
リリカちゃん・・・・・。
なかなか研修がうまく進まない。
もっと1、2の3!で上手くいくと思ったのに、本当に手のかかる二人だ。
最近元気のない千早。
夜は千早のベッドの近くに眠ることにした。
亡くなった母親の夢でも見てたのか、どろどろと悲しみに沈んだ気持ちが流れて来た日があったのだ。
朝にはそんな気配も消せていたが、やっぱり元気がない。
一番の原因はエンヤなんだろうか?
一緒にいる限り仕事はそれなりについていけてる気がする。
それとも自分の知らない家族の中にも千早なりに思うことがあるんだろうか?
「今週はナナオを実家に連れて行くから。ついでにちょっといろんなお店を回ってみたいんだ。ちょっと離れてただけなのに、すごく懐かしく思い出しそう。ナナオ、一緒に行くでしょう?妹にもお母さんにも会えるよ。」
「いつものようにポケットに入れて。」
「了解。」
「楽しみだなあ。」
「お土産買ってからお昼ぐらいに着くようにするね。」
「喜んでくれるかなあ。」
独り言のようにつぶやいてる。
千早の妹は『千加』というらしい。
きっと千早と名前がつなっがるようにつけたんだろうと思う。
千早が可愛がるように、千早と仲良くできるように。
そんな願いが込められてるんだろう。
約束通りお土産を買って電車に乗った。
それでも駅についてまっすぐ歩く千早が少し表情をかたくしていてるのに気がついた。
「千早、お腹空いた。」
「そんなことないでしょう?」
当たり前だ。手がかからない、それがウリなんだから。
ちょっと言ってみただけだ。
「まあ、ないけど。なんだかそんな気分。千早の家が見れたり、家族が見れたり、楽しみ。」
ポケットの中から珍しく声をかけたら、手に包み込んでくれた。
その手触りが少しヒンヤリしていた気がした。
「後少しだから。」
「ああ。」
千早が一件の家の前に立って深呼吸した。
やっぱり・・・・さっきから少し緊張してるかのようだったのだ。
家族なのに、つい先月まで一緒に過ごした家族なのに。
それとも少し離れていただけでそんな気持ちになるんだろうか?
それは、分からない。
改めてポケットに挿されて家の中に入って行く千早に連れて行かれた。
「ただいま~。」
「お帰り~。」
二人以上の声がするし、嬉しそうな響きでもある。
足音がして靴を脱いで揃える千早を迎えに来たのは、確かに似てない妹、千加ちゃんらしい。
まだまだ可愛いさ満載の素直そうな子じゃないか。
お土産を渡して喜ぶ声と一緒に奥に行く。
両親が揃ってるらしい。
さっきまでの緊張もほぐれて笑顔になって、千早も空いてる場所に落ち着いた。
「千早、仕事は楽しいか?」
「うん、楽しいよ。友達も出来たし、先輩も優しいし、まだまだほとんど何もしてないくらいだけど、楽しいよ。」
「残業とかないの?」
「今のところないし、先輩を見る限りなさそうだよ。その代わりに時々週末に出ることはあるかもしれない。イベントの手伝いとかだとそうなることもあるかも。」
「楽しいなら何よりだ。」
「うん、楽しいは楽しいから、いいよ。早く参加したいくらいだし。」
「友達と飲みに行ったりしてるの?」
「そうだね、金曜日は誘われて食事したり、ちょっとお酒も飲んだりしてる。そんなに量はいかないから大丈夫だよ。」
「遅くならないように気を付けてね。」
「もちろん、それに部屋までは明るい大きな道路を通るから大丈夫だよ。」
「それでも遅いと心配だからね。」
「はい。」
千早が買ってきたお土産をバリバリと開けてテーブルに広げる。
妹が嬉しそうに覗き込むのが見えた。
その後もお互いの近況報告が続き。
「泊まっていくでしょう?」
「そのつもりだったけど、先輩に誘われたから、明日出かけるの。夕方帰ることになったの。」
「そうなの?夕飯食べて行けばいいから。」
「うん、そこはご馳走になります。」
そんな約束いつの間にしたんだ。誰だ先輩って。
大人しくポケットにいて過ごした。
家族の笑い声を聞いて、ちょっとだけ気分の落ち込んだままの千早が元気になればいいのにと思ってた。
夕食は一緒に女性三人がキッチンに立っていた。
その間上着は脱いでいて、コロンと飛び出しそうに置かれたポケットの中にいた。
千早の部屋は妹の部屋になっていた。
ここに千早の亡くなった母親のものはないのかもしれない。
父親の心には消せずにあるだろうけど、さすがにそれは取り出されることなくひっそりと鍵がかけられてるかもしれない。
夕食を食べて千早と一緒に家を出た。
やはりため息を一つつきながら歩き始めた千早。
「ナナオ、千加は可愛いでしょう?」
「ああ、素直そうじゃないか。とても千早の妹とは思えない。」
冗談で言ったのに、冷たい顔で見下ろされた。
「当たり前じゃない。」
それだけ言ってまた前を見た。
大人しくポケットの中に沈んだ。
「約束って、この間の男の先輩か?」
「何が?」
「明日誘われてるって。」
「ああ・・・・・嘘。」
何?何で???
「お腹いっぱいだし、まっすぐ帰ろう。なんだか・・・・・。」
なんだか・・・・・・?何だと言うんだ?
「なあ、エンヤに電話すれば?」
「別に用事はないけど。」
「一緒にあっちで会おうって言うだけでもいいし。」
「そんな事は分からないじゃない。高森君だって友達が帰って来てるかもしれないし、そうしたら遊びに行くよ。」
「ナナオの神様に会うのが楽しみ。」
「会えるとは思わないけど。」
「ええ~、会えないの?」
多分。そうそう神様には会えないだろう、普通。
「そうか。」
部屋に入って変化を解いて、さっそくゴロンと横になる。
なかなか難しいなあ。
あそこに行ったら千早もエンヤももっと素直になれそうなのに。
やはり予定はなかった日曜日。
一日ぼーっとして過ごした千早。大丈夫か?
あと少しで休みだから、頑張れ・・・・・ってエンヤにも会えないけど。
お給料をリリカちゃんと喜び、連休の予定を言い合い、そしてとびとびの休みの後4連休だった。旅行だ、あの森へ!!
結局知る限りエンヤと連絡を取ってない千早。
さすがにそうそう何度もは言えない。
逆に意地になりそうな千早の性格だ。
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