13 / 20
13 なんとか隣にいたいと思ったあの場所での連休。 ~エンヤ~
しおりを挟む
給料で家族へのお土産を買った。
着替えと一緒に先に実家に送った。
トロトロと電車を乗り継げばいい、連休でも混むなんて事もなく。
ゆっくり部屋を出て、実家に向かった。
携帯を見ても何の連絡もない。
当たり前だ、自分もしてないし。
このままは辛いし、せめて仲直りはしたい。
『今日から実家に帰ります。良かったら連絡ください。あっちで会えたら懐かしい話が出来るかもと思ってます。』
そう送って携帯を胸のポケットに入れた。
膝の荷物を抱えると自分の体と荷物がくっついて、携帯の振動は絶対見逃さないだろう。
今か今かと待っていたけど、結局諦めた。
あまり抱きしめるとよほど大切なものが入ってる荷物みたいに見えるかもしれない。
そんな事もない。
ほぼ空っぽだ。
帰りに着替えを入れるから十分な大きさのものにしただけだ。
矢上さんもあれから会ってないらしい。
さすがに稲田君も誘ってないだろう。
本人が言ってた言葉を信じたい、あと集団で二回ほど会ってのアプローチ予定と。
『別に・・・・高森君には関係ないと思うけど。』
そう言った彼女の言葉を思い出して悲しくなった。
いっそ彼女のように悲しい記憶は消去できればいいのに、なんて思ったらいけないんだろう。忘れたことを罪のように思ってる彼女がいるのだから。
どんな悲しい事もいつかは小さな思い出の一コマになるから。
・・・・振られた男の言い訳の様だ。
まだ、チャンスは諦めたくないのに。
そう思ってたら胸に振動が来た。
実家からかもしれない。
『気を付けて帰ってきなさい。』そんな母親からの連絡かもしれない。
携帯を取り出して見た。
母親からじゃなかった。
何よりも待っていた彼女からの反応だった。
『今日、向かうつもりです。友達と会ったりしても時間が余るようだったら、声をかけてください。』
友達は帰ってるだろうか?
別に誰とも今回は連絡を取ってないし、取るつもりもなかった。
最優先事項なのに。
『時間あります、是非。もう電車に乗ってます。』
駅で待ってようか?
多分親が迎えに来てくれるけど、彼女も一緒に乗ればいい。
駅に着いたら連絡してみよう。親よりも先に彼女に連絡してみよう、着いたよ、と。
田舎の駅はガランとしている。
自動販売機があるだけで、駅に人もいないし、動くものもない。
彼女はあの頃車で来ていただろうから、駅は初めてかもしれない。
そう思ったから・・・・と言って連絡した。
『駅に着きました。もしかして初めて降りるんじゃない?タクシーは呼ばないといないんだ。家の親が迎えに来るから、一緒に乗って行かない?のんびり待つつもりだけど、どのくらいに着きそうかな?』
『予定ではあと40分くらいです。時間が無駄になるので、タクシー呼びます。教えてくれてありがとう。』
『大丈夫。電話したら迎えももう少しかかるみたいだから、一緒に乗せてもらうように頼んだんだ。おじいちゃんとおばあちゃんにも伝えてくれるって。』
しばらく空いたけどお礼の言葉が来た。
何とか普通の同僚二人までには戻れるだろう、そう思いながら待った。
のんびりと入ってきた電車が止まって、また去って行って、しばらくしたら出てきた彼女に声をかけた。
「日疋さん。お疲れ様。」
そう言って荷物を持とうかと言ったけど断られた。
想像したよりも笑顔がなくてちょっとガッカリした。
「もうすぐ来ると思うんだ。そこで待とう。」
「あの、ありがとう。」
「全然、だって隣の家に帰るんだし。同じ日で良かった。」
声は低くないから、まだいい。
「連休の前半何してたの?」
「特に。適当に買い物して、食事して。それくらい。高森君は?誰かと出かけた?」
「ううん。僕も全然。友達と連絡とったんだけど長い休みに入って出かける奴もいたし、関係なく仕事の奴もいたし。いろいろだね。」
「そうなんだ・・・・。」
「あ、来た。」
手を振って歩き出した。
車のドアを開けて先に乗り込んで。
「どうぞ。」彼女にそう言う。
お辞儀をしてお邪魔しますと言いながら入ってきた彼女。
「あらあ、本当に懐かしいわね。随分綺麗になったのね。千早ちゃんなんて呼んでたけど、千早さんね。」
母親も久しぶりの再会に感動していた。
「あ、すみません。あの頃のことはあんまり覚えてなくて。」
「いいのよ、小さかったんだし。」
「偶然同じ会社だったんだからビックリでしょう?それにきっと七瀬さん達も喜ぶわよ。久しぶりでしょう?」
「はい。」
七瀬さん、そう彼女のお母さんはそうだったらしい。
つい裏のおじいちゃんおばあちゃんって呼んでたから忘れてしまう。
車がゆっくり動いた。
「早速で悪いんだけど、買い物に行ってもいいかしら。ついでに裏の二人にも買い物を頼まれてるの。千早さんも何か買うものがあれば。」
「はい。」
そう言って大きなスーパーと薬局とクリーニングと自転車と・・・いろいろ売ってるお店に車を止めて買い物をした。
おばあちゃんからメモとお金を預かってるらしくて、その分の籠は彼女が持った。
着替えと一緒に先に実家に送った。
トロトロと電車を乗り継げばいい、連休でも混むなんて事もなく。
ゆっくり部屋を出て、実家に向かった。
携帯を見ても何の連絡もない。
当たり前だ、自分もしてないし。
このままは辛いし、せめて仲直りはしたい。
『今日から実家に帰ります。良かったら連絡ください。あっちで会えたら懐かしい話が出来るかもと思ってます。』
そう送って携帯を胸のポケットに入れた。
膝の荷物を抱えると自分の体と荷物がくっついて、携帯の振動は絶対見逃さないだろう。
今か今かと待っていたけど、結局諦めた。
あまり抱きしめるとよほど大切なものが入ってる荷物みたいに見えるかもしれない。
そんな事もない。
ほぼ空っぽだ。
帰りに着替えを入れるから十分な大きさのものにしただけだ。
矢上さんもあれから会ってないらしい。
さすがに稲田君も誘ってないだろう。
本人が言ってた言葉を信じたい、あと集団で二回ほど会ってのアプローチ予定と。
『別に・・・・高森君には関係ないと思うけど。』
そう言った彼女の言葉を思い出して悲しくなった。
いっそ彼女のように悲しい記憶は消去できればいいのに、なんて思ったらいけないんだろう。忘れたことを罪のように思ってる彼女がいるのだから。
どんな悲しい事もいつかは小さな思い出の一コマになるから。
・・・・振られた男の言い訳の様だ。
まだ、チャンスは諦めたくないのに。
そう思ってたら胸に振動が来た。
実家からかもしれない。
『気を付けて帰ってきなさい。』そんな母親からの連絡かもしれない。
携帯を取り出して見た。
母親からじゃなかった。
何よりも待っていた彼女からの反応だった。
『今日、向かうつもりです。友達と会ったりしても時間が余るようだったら、声をかけてください。』
友達は帰ってるだろうか?
別に誰とも今回は連絡を取ってないし、取るつもりもなかった。
最優先事項なのに。
『時間あります、是非。もう電車に乗ってます。』
駅で待ってようか?
多分親が迎えに来てくれるけど、彼女も一緒に乗ればいい。
駅に着いたら連絡してみよう。親よりも先に彼女に連絡してみよう、着いたよ、と。
田舎の駅はガランとしている。
自動販売機があるだけで、駅に人もいないし、動くものもない。
彼女はあの頃車で来ていただろうから、駅は初めてかもしれない。
そう思ったから・・・・と言って連絡した。
『駅に着きました。もしかして初めて降りるんじゃない?タクシーは呼ばないといないんだ。家の親が迎えに来るから、一緒に乗って行かない?のんびり待つつもりだけど、どのくらいに着きそうかな?』
『予定ではあと40分くらいです。時間が無駄になるので、タクシー呼びます。教えてくれてありがとう。』
『大丈夫。電話したら迎えももう少しかかるみたいだから、一緒に乗せてもらうように頼んだんだ。おじいちゃんとおばあちゃんにも伝えてくれるって。』
しばらく空いたけどお礼の言葉が来た。
何とか普通の同僚二人までには戻れるだろう、そう思いながら待った。
のんびりと入ってきた電車が止まって、また去って行って、しばらくしたら出てきた彼女に声をかけた。
「日疋さん。お疲れ様。」
そう言って荷物を持とうかと言ったけど断られた。
想像したよりも笑顔がなくてちょっとガッカリした。
「もうすぐ来ると思うんだ。そこで待とう。」
「あの、ありがとう。」
「全然、だって隣の家に帰るんだし。同じ日で良かった。」
声は低くないから、まだいい。
「連休の前半何してたの?」
「特に。適当に買い物して、食事して。それくらい。高森君は?誰かと出かけた?」
「ううん。僕も全然。友達と連絡とったんだけど長い休みに入って出かける奴もいたし、関係なく仕事の奴もいたし。いろいろだね。」
「そうなんだ・・・・。」
「あ、来た。」
手を振って歩き出した。
車のドアを開けて先に乗り込んで。
「どうぞ。」彼女にそう言う。
お辞儀をしてお邪魔しますと言いながら入ってきた彼女。
「あらあ、本当に懐かしいわね。随分綺麗になったのね。千早ちゃんなんて呼んでたけど、千早さんね。」
母親も久しぶりの再会に感動していた。
「あ、すみません。あの頃のことはあんまり覚えてなくて。」
「いいのよ、小さかったんだし。」
「偶然同じ会社だったんだからビックリでしょう?それにきっと七瀬さん達も喜ぶわよ。久しぶりでしょう?」
「はい。」
七瀬さん、そう彼女のお母さんはそうだったらしい。
つい裏のおじいちゃんおばあちゃんって呼んでたから忘れてしまう。
車がゆっくり動いた。
「早速で悪いんだけど、買い物に行ってもいいかしら。ついでに裏の二人にも買い物を頼まれてるの。千早さんも何か買うものがあれば。」
「はい。」
そう言って大きなスーパーと薬局とクリーニングと自転車と・・・いろいろ売ってるお店に車を止めて買い物をした。
おばあちゃんからメモとお金を預かってるらしくて、その分の籠は彼女が持った。
0
あなたにおすすめの小説
10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
専業プウタ
恋愛
25歳の桜田未来は中学生から10年以上引きこもりだったが、2人暮らしの母親の死により外に出なくてはならなくなる。城ヶ崎冬馬は女遊びの激しい大手アパレルブランドの副社長。彼をストーカーから身を張って助けた事で未来は一時的に記憶喪失に陥る。冬馬はちょっとした興味から、未来は自分の恋人だったと偽る。冬馬は未来の純粋さと直向きさに惹かれていき、嘘が明らかになる日を恐れながらも未来の為に自分を変えていく。そして、未来は恐れもなくし、愛する人の胸に飛び込み夢を叶える扉を自ら開くのだった。
男爵令嬢なのにくじ引きで王子のいる生徒会の役員になりました!
らな
恋愛
男爵令嬢のリアはアルノー王国の貴族の子女が通う王立学院の1年生だ。
高位貴族しか入れない生徒会に、なぜかくじ引きで役員になることになってしまい、慌てふためいた。今年の生徒会にはアルノーの第2王子クリスだけではなく、大国リンドブルムの第2王子ジークフェルドまで在籍しているのだ。
冷徹な公爵令息のルーファスと、リアと同じくくじ引きで選ばれた優しい子爵令息のヘンドリックの5人の生徒会メンバーで繰り広げる学園ラブコメ開演!
リアには本人の知らない大きな秘密があります。
リアを取り巻く男性陣のやり取りや友情も楽しんでいただけたら嬉しいです。
ひみつの姫君からタイトルを変更しました。
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
王太子妃専属侍女の結婚事情
蒼あかり
恋愛
伯爵家の令嬢シンシアは、ラドフォード王国 王太子妃の専属侍女だ。
未だ婚約者のいない彼女のために、王太子と王太子妃の命で見合いをすることに。
相手は王太子の側近セドリック。
ところが、幼い見た目とは裏腹に令嬢らしからぬはっきりとした物言いのキツイ性格のシンシアは、それが元でお見合いをこじらせてしまうことに。
そんな二人の行く末は......。
☆恋愛色は薄めです。
☆完結、予約投稿済み。
新年一作目は頑張ってハッピーエンドにしてみました。
ふたりの喧嘩のような言い合いを楽しんでいただければと思います。
そこまで激しくはないですが、そういうのが苦手な方はご遠慮ください。
よろしくお願いいたします。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
《完結》金貨5000枚で売られた王太子妃
ぜらちん黒糖
恋愛
「愛している。必ず迎えに行くから待っていてくれ」
甘い言葉を信じて、隣国へ「人質」となった王太子妃イザベラ。
旅立ちの前の晩、二人は愛し合い、イザベラのお腹には新しい命が宿った。すぐに夫に知らせた イザベラだったが、夫から届いた返信は、信じられない内容だった。
「それは本当に私の子供なのか?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる