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30 落ち着いた外野二人と、静か過ぎる二人。
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月曜日。
はい、私は普通に戻りました。
ただ両脇がしまりのないことおびただしい。
私を見てこそこそして、お互い目を見合わせて笑って。
なんで間に私を挟んでるのに、そんなことが出来るんだろう?
頭上でどんなテレパシーが飛び交ってるのか、あえて無視した。
ランチは当然外へ。
いつものように週末のおのろけ報告はあった。
レストランに着くまでの短い間に、すごい早口で。
報告せずにはいられないらしい。
食事を頼んでからは聞く体勢に入ったらしい。
周りには同じ会社の子がいないのを確認してる。
それでも小声で。
「で?」
「駅で粘って待ってたらしいから拾って連れ帰って話をした。」
「長い時間かけて、色々とね。昨日の夕方くらいまでね。」
「そう。」
「何が変なの?クールな感じがどうなるの?」
「クール・・・・というか、ストレートみたい。あんまり裏がない。思ったより良くしゃべったかも。でも会話も時々想定外の方向に行ったり、忘れたころに返事されたりして、その瞬間は止まる。何だろうって、すぐに答えられないことがよくある。」
「ふ~ん。」
やっぱりあんまりわかってもらえてないみたいだ。
「楽しくなりそう?」
「う、ん。まあね。」
「なんだか前から知り合いだったみたいなことを聞いたけど。」
「そうらしい。前に他の会社の面接で隣になって少し話をしたの。すっかり忘れてたけど、向こうがちょっと困ってた時だったからありがたかったって。それで名前も覚えててくれたみたい。」
「あらら。何て偶然。絶対喜んだよね。今まで会社で話したことなかったの?」
「ない。私は全然知らないし。」
「そうだったよね。完全に記憶外だったよね。林君が仲良かったのは偶然かな?」
「そうらしいよ。」
「あ~あ、もう武勇伝は聞けないのか~。楽しみにしてた人も多かったのに。いつかどこかで号外が出るのを楽しみにしておこうっと。どのくらい隠密行動できるか挑戦だね。」
「別に普通にします。相手がまさか社内の人だとはバレない確率が高いと思う。知らない人が多いと思う。」
「確かに。それじゃあつまらないね。誰かが私や林君に探りを入れて来るかもね。楽しみ。」
「なんでバラす気満々なの?知らないって言ってよね。」
「え~、どうしようかなあ。要相談だね。」
「相談じゃなくてお願いです。」
「林くんと協議する。」
何で当事者のお願いが優先されないのよ。
ランチを終えて午後の仕事に戻る。
急いでも行きだけでは話したりなかったらしく、帰りの時間も週末の浩美のデート報告が続いた。
何も隠す気がない浩美。
だからといって私もそうだとは思わないで欲しい。
私は隠します!
休憩をしてたら林が来た。
お礼は言う。
「ありがとう。時間が読めないのに付き合ってくれたんだって?」
「ああ、そっち?プレゼント気に入ったらしいじゃない。半分くらいはまだあるって聞いたよ。後は自分で買うって言われたから、あとはあいつの好みの物で。」
睨んだ。半分って、そんなに減るわけないじゃない。もっとあるし。絶対ある。
どうかしてる。目の前のこいつも、あいつも。
でも何を言っても変だから何も言わない。
「しかし、本当に初めてを実らせるパターンって、驚きだよな。一年にも満たない数ヶ月のスパンだったからかな?その時はきっと雪山遭難レベルに困ってたんだろうなあ。そうでなきゃ想像できないよな、全くできない。もしくは地獄に仏とかいうパターン?」
どこまで話をしたんだ?
あんなプレゼントをもらってるから、きっと待ってる時間にいろいろと話をしたんだろう。
こいつも親切で買ってあげたつもりなんだろう。
「変わってる。」
「そりゃそうだ。お前の相手をする時点でどこかズレてる。」
その自覚はあるけど。
確かに思ったけど。それ以上に変わってる。
でもやっぱりあんまりシェア出来なそう。
コイツ相手に説明する気もないからいいや。
一人で・・・・楽しむしかない。
「まあ、良かったな。」
「バラさないでね。」
「ああ、多分。自爆するパターンじゃないか?」
「しません。」
「そうか。まあ、別にどっちでもいい。お幸せに。」
なんだそりゃ。
これで落ち着いた。
後は仕事をするのみ。
ただ、ビックリするほど何の連絡もなく。
あの週末は私の妄想、想像上の出来事?
印象はまたクールに戻ってしまった。
何となく自分からするのもできなくて。
普通どうやってた?
携帯を見て唸ることしばし。
諦めた。
そしてそんな日は過ぎて。
ずっと考えていたと言った今週末の予定。
確か一緒に果物を買って私のところに帰るということ。
それは金曜日か土曜日か、一応朝ごはんって言う話のつもりだったけど、そこを間違えたら日曜日のことでもあり得る話で。
具体的な話が進む事はなく。
本当にチラリとも話も出ず、予定も不透明なまま。
だって本当に音信不通状態?
WHY?大げさでもそう言いたい気分。
どうしたらいい?
「どう?あれから面白いネタの続きはないの?」
「ないわよ。あれ以来連絡すら取ってません。」
「そりゃそうだ。だって会社も辞めてるだろうし、悪事未遂の女に構ってる余裕ないでしょう?そっちじゃなくて相棒の話。」
今、その相棒について話をしてましたが・・・・。
「だから、散歩以降まったく何も連絡ないって。」
「・・・亜弓もしてないの?」
まあ、そうです。
うなずいた。
「何で?」
何でと言われたら理由はあるような、ないような。
首を倒す。
「お疲れ様とか、天気の話とか、林君の面白ネタでもいいじゃん。」
そうそう林のネタがあるとは思わないけど。
「我慢大会?お互いがじらし作戦?本当に週末は話をしただけ?」
「どれも違うけど。」
「そうよね。確かにそう聞いてる。なかなかだったらしいって。」
ん?何が?
そう思ったけど、あまり掘り下げたくない気がして、気がつかないふりで。
「連絡してみれば?しびれを切らして席まで迎えに来たりして、普通に。」
「それは困る。」
「そうでしょう?じゃあ、先に連絡してみれば。」
「そうする。してみる。」
「一緒に不器用になってどうするのよ?」
「そんなんじゃない。ちょっといろいろとまだ掴みきれてないだけよ。」
「まさかそんな風だとは思わなかった。つまらない・・ような面白いような。」
そう言われたし、休憩の時に連絡をいれてみた。
返事は来ない。
読んでもいない。
まさか仕事中はかばんの中とか?
そういえば一度も携帯を見てるところは見てない。
そうなのかも。
はい、私は普通に戻りました。
ただ両脇がしまりのないことおびただしい。
私を見てこそこそして、お互い目を見合わせて笑って。
なんで間に私を挟んでるのに、そんなことが出来るんだろう?
頭上でどんなテレパシーが飛び交ってるのか、あえて無視した。
ランチは当然外へ。
いつものように週末のおのろけ報告はあった。
レストランに着くまでの短い間に、すごい早口で。
報告せずにはいられないらしい。
食事を頼んでからは聞く体勢に入ったらしい。
周りには同じ会社の子がいないのを確認してる。
それでも小声で。
「で?」
「駅で粘って待ってたらしいから拾って連れ帰って話をした。」
「長い時間かけて、色々とね。昨日の夕方くらいまでね。」
「そう。」
「何が変なの?クールな感じがどうなるの?」
「クール・・・・というか、ストレートみたい。あんまり裏がない。思ったより良くしゃべったかも。でも会話も時々想定外の方向に行ったり、忘れたころに返事されたりして、その瞬間は止まる。何だろうって、すぐに答えられないことがよくある。」
「ふ~ん。」
やっぱりあんまりわかってもらえてないみたいだ。
「楽しくなりそう?」
「う、ん。まあね。」
「なんだか前から知り合いだったみたいなことを聞いたけど。」
「そうらしい。前に他の会社の面接で隣になって少し話をしたの。すっかり忘れてたけど、向こうがちょっと困ってた時だったからありがたかったって。それで名前も覚えててくれたみたい。」
「あらら。何て偶然。絶対喜んだよね。今まで会社で話したことなかったの?」
「ない。私は全然知らないし。」
「そうだったよね。完全に記憶外だったよね。林君が仲良かったのは偶然かな?」
「そうらしいよ。」
「あ~あ、もう武勇伝は聞けないのか~。楽しみにしてた人も多かったのに。いつかどこかで号外が出るのを楽しみにしておこうっと。どのくらい隠密行動できるか挑戦だね。」
「別に普通にします。相手がまさか社内の人だとはバレない確率が高いと思う。知らない人が多いと思う。」
「確かに。それじゃあつまらないね。誰かが私や林君に探りを入れて来るかもね。楽しみ。」
「なんでバラす気満々なの?知らないって言ってよね。」
「え~、どうしようかなあ。要相談だね。」
「相談じゃなくてお願いです。」
「林くんと協議する。」
何で当事者のお願いが優先されないのよ。
ランチを終えて午後の仕事に戻る。
急いでも行きだけでは話したりなかったらしく、帰りの時間も週末の浩美のデート報告が続いた。
何も隠す気がない浩美。
だからといって私もそうだとは思わないで欲しい。
私は隠します!
休憩をしてたら林が来た。
お礼は言う。
「ありがとう。時間が読めないのに付き合ってくれたんだって?」
「ああ、そっち?プレゼント気に入ったらしいじゃない。半分くらいはまだあるって聞いたよ。後は自分で買うって言われたから、あとはあいつの好みの物で。」
睨んだ。半分って、そんなに減るわけないじゃない。もっとあるし。絶対ある。
どうかしてる。目の前のこいつも、あいつも。
でも何を言っても変だから何も言わない。
「しかし、本当に初めてを実らせるパターンって、驚きだよな。一年にも満たない数ヶ月のスパンだったからかな?その時はきっと雪山遭難レベルに困ってたんだろうなあ。そうでなきゃ想像できないよな、全くできない。もしくは地獄に仏とかいうパターン?」
どこまで話をしたんだ?
あんなプレゼントをもらってるから、きっと待ってる時間にいろいろと話をしたんだろう。
こいつも親切で買ってあげたつもりなんだろう。
「変わってる。」
「そりゃそうだ。お前の相手をする時点でどこかズレてる。」
その自覚はあるけど。
確かに思ったけど。それ以上に変わってる。
でもやっぱりあんまりシェア出来なそう。
コイツ相手に説明する気もないからいいや。
一人で・・・・楽しむしかない。
「まあ、良かったな。」
「バラさないでね。」
「ああ、多分。自爆するパターンじゃないか?」
「しません。」
「そうか。まあ、別にどっちでもいい。お幸せに。」
なんだそりゃ。
これで落ち着いた。
後は仕事をするのみ。
ただ、ビックリするほど何の連絡もなく。
あの週末は私の妄想、想像上の出来事?
印象はまたクールに戻ってしまった。
何となく自分からするのもできなくて。
普通どうやってた?
携帯を見て唸ることしばし。
諦めた。
そしてそんな日は過ぎて。
ずっと考えていたと言った今週末の予定。
確か一緒に果物を買って私のところに帰るということ。
それは金曜日か土曜日か、一応朝ごはんって言う話のつもりだったけど、そこを間違えたら日曜日のことでもあり得る話で。
具体的な話が進む事はなく。
本当にチラリとも話も出ず、予定も不透明なまま。
だって本当に音信不通状態?
WHY?大げさでもそう言いたい気分。
どうしたらいい?
「どう?あれから面白いネタの続きはないの?」
「ないわよ。あれ以来連絡すら取ってません。」
「そりゃそうだ。だって会社も辞めてるだろうし、悪事未遂の女に構ってる余裕ないでしょう?そっちじゃなくて相棒の話。」
今、その相棒について話をしてましたが・・・・。
「だから、散歩以降まったく何も連絡ないって。」
「・・・亜弓もしてないの?」
まあ、そうです。
うなずいた。
「何で?」
何でと言われたら理由はあるような、ないような。
首を倒す。
「お疲れ様とか、天気の話とか、林君の面白ネタでもいいじゃん。」
そうそう林のネタがあるとは思わないけど。
「我慢大会?お互いがじらし作戦?本当に週末は話をしただけ?」
「どれも違うけど。」
「そうよね。確かにそう聞いてる。なかなかだったらしいって。」
ん?何が?
そう思ったけど、あまり掘り下げたくない気がして、気がつかないふりで。
「連絡してみれば?しびれを切らして席まで迎えに来たりして、普通に。」
「それは困る。」
「そうでしょう?じゃあ、先に連絡してみれば。」
「そうする。してみる。」
「一緒に不器用になってどうするのよ?」
「そんなんじゃない。ちょっといろいろとまだ掴みきれてないだけよ。」
「まさかそんな風だとは思わなかった。つまらない・・ような面白いような。」
そう言われたし、休憩の時に連絡をいれてみた。
返事は来ない。
読んでもいない。
まさか仕事中はかばんの中とか?
そういえば一度も携帯を見てるところは見てない。
そうなのかも。
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