抱きついて癒されたい!私の大好きなコアラ。

羽月☆

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4 キラキラ光る特別な何かを待つ私に気づいて。

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桂馬が午前中仕事をすると言い出した。
ずっとペリカンが頭の中でバタバタしてるから、表に出したいと。
芸術家はたまに変なことを言う。

私も大人しく一人で本を読んだりして過ごした。

昼の時間になったので、ご飯を作る。
ちゃんと週末は私が作るのだ、もしくは出かけるか。

いつでも仕上げられるようにしておいて。

ペリカンから解放されたらしい桂馬がやってきた。
何だかすっきりした表情で。


「可愛いペリカンが出来ました。楽しみにしててね。」

「うん。楽しみ。だって本当に久しぶりなんだもん。」

「大食漢のペリカンじゃなくて、可愛い照れ屋のペリカンになった。」

「すごい本質をとらえてるんじゃない?」

「そう思う?」

「そうとしか思わない!」

「お腹空いた~。疲れてたのに何も食べずに描いたから、疲れた、お腹空いた。」

「すぐできるから。」

「うん。」


肉うどんを出す。
卵も程よく半熟で出来た。


うどんをすすりながら聞く。

「午後はどうする?」

「散歩しよう。なんだか歩きたい気分なんだけど。」

「いいよ。また和菓子おやつ付き?」

「うん、いいね。」


ずっとこんな風でいれたらいいのに。
どう思ってるんだろう。


「ん?美味しいよ。すごいお腹空いて夢中で食べてた、ごめんね。」

「ううん、桂馬が美味しそうに食べてくれると嬉しい。いつもは私が作ってもらってるし。」

「あ、そういえば、担当さんにちゃんとお礼のメールで伝えたよ。彼女が気に入ったって。またお願いされたって。」

あ、ちゃんと伝えてくれたらしい。

「ありがとう。どうだった?」

「良かったですって。また美味しい所を紹介しますって返事が来た。ね。」

大丈夫だったっでしょうって顔で言われた。

「そう、良かった。」

「そんなにモテないって。安心してていいからね。僕も信頼してるし。」

「うん。」

そう答えた。

文字じゃわからないじゃない、そう思ったけど。
信頼してもらえるなら、・・・・・私だって信頼してるし。


この日のペリカンが出来上がったのはずっと後だった。
伏し目に照れたペリカンが一本のスズランを持っていた。
お尻を向けて歩いて行くペリカンが少しうつりこんでいた。

照れ屋の可愛いペリカン。

タイトルは『今日は何でもない日だったのに、花をあげたい日になったんだ。』

やっぱり優しい。

優しすぎて、やっぱり前に進めてない気がする。
松田の事をとやかく言えないのだ。
でも、だから、応援する。




とうとう松田が決めたらしい。

月曜日の朝の様子を見ればすぐわかるのに。
まったく視線を合わせようともせずに仕事に集中するふりをしている緑ちゃん。
両隣に対して異常にバリアを強化している。

ちょっとした幸せ報告なら一緒に喜んであげたいのに。
だいたい朝から会社の入り口で捕まって、松田から浮かれた報告を聞かされたのだ。
一緒にいなかったから知らないだろうけど、もうすっかりバレてるのに。

逆に気の毒に思ってランチの時に誘って教えてあげた。
最終的にはお礼を言われた。
ちょっと自分の心も落ち着いた。

「はぁ~、あの筋肉馬鹿は世話が焼けた。」


やっぱり緑ちゃんも気が付いたらしい、あいつはちょっとおかしい。

だいたい嬉しそうに同期に彼女とのいきさつを語る?
朝から、週末の出来事を時系列の感想付きで。
可愛いと柔らかいと意外にすごいが何度出てきたか。
エレベーターの中でも続けたそうだったので思いっきり足を踏んで黙らせたのだ。
新手のセクハラか!!

結局廊下で再開された話は席に着くまで止まらず。
今朝も一緒に通勤してきたことまで知ってる・・・知りたくないわ!!


アホだ、やっぱりアホだ。
付き合いきれない。

それでも変な人と言いながらもうれしそうな緑ちゃん。
似た者同士だったのだからしょうがない。

このまま桂馬に報告できるだろうか?
ちょっと考えよう。
ばかばかしいだけじゃなく恥ずかしい。


ただ、数日たっても緑ちゃんがそんな不自然な調子だったから、さすがに松田に愚痴られた。

「ねえ、緑ちゃんが全然こっち見てくれないんだよ。おかしいよね、不自然だよね、バレちゃうよ。」

最後は全くどうでもいいだろうけど。

さすがにぎこちなさすぎる二人にも気を遣う。

休憩室に連れ出した。
少し時間をおいて松田が来て。
もう後は2人でやってくれ。



「ねえ、桂馬~、会社の隣の席にアホが二人いて鬱陶しいよぅ。」

相変わらず桂馬にくっついて軽く愚痴る。

「本当にアホがうつりそうだよぅ。」

「百合ちゃん、何で緑ちゃんまでアホ扱いなの?」

「だってあの筋肉馬鹿のアホに喜んでついてってるんだもん。似た者同士、アホ同士なんだよ。」

「くっつけたのは百合ちゃんなのに?」

「あれは放っといてもくっついたから。ちょっとだけ早送りボタンを押してあげただけだと思う。なんかいいことしたと思ってたけど、ちょっと間違ったかなあ?『マッチョな松田が後輩を溺愛してる。』って噂が流れてる。緑ちゃんが慌ててた。流したのはマッチョ本人だと思うのに。やっぱりアホは緩いんだよ、頭が。」

「いいじゃん、楽しそうで。」

「隣じゃなきゃいいけど、隣だとアホパワーが強すぎてクラクラする。」

「そう言いながら楽しんでるでしょう?」

「だって・・・・・他に面白いことないんだもん。」

「仕事をしてください。」

「分かってるよ。ちゃんとしてるよ。桂馬、来週、誕生日だね。もうそこだけが楽しみ。」

「うん、どうする?食事行けそうかな?」

「うん、絶対行く。楽しみにしてるから。ご飯。おしゃれなところ予約していい?」

「いいよ、金曜日ね。」

「うん。それだけを生きがいに生きてくから。」

「分かった。楽しみにしてる。」


桂馬・・・・、そろそろ良くない?私の誕生日はずっと後なのに。
そろそろ次の段階への話があってもよくない?
楽しみにしてるのに。
もしかしてって思ってすごく期待してるのに。
感じてない?

「百合ちゃん寝そうじゃない?ご飯は?」

やっぱりわかってないでしょう、もう・・・・・、やっぱりまだなの?

「ご飯・・・・食べたい。」


週末に桂馬とネットを見て、良さそうなお店を見つけて予約した。

「桂馬、おしゃれして行くね。」

ちょっと特別にしたいんだよ。

「わかった。楽しみにしてる・・・・って朝会うけど。」

やっぱりわかってないか。

「桂馬、朝寝坊していいよ。誕生日だし。」

「う~ん、どうしようかなあ。いろいろ考えとく。」

そのいろいろに是非とも、私の望むイロイロを入れて欲しい!
言葉だけでいいから・・・・、きらりと光る輪はあとでいいから。


「桂馬、大好き。」

「知ってる。昨日もたくさん言ってたじゃない。僕も返事したよね。覚えてる?」

「うん。」

確かに、私がそう言えば、同じように返してくれるけど。

軽く体を倒してもたれる。
もっと普通の時に言って欲しい事もあるのに。

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