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5 誕生日、おしゃれした私にびっくりして。
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隣の二人から漏れ出すアホ濃度がどんどん濃くなる気がする。
アホ爆心地の松田を、軽くあしらうようにしてる緑ちゃん。
それでも今までと違うのはハッキリわかる。
そんなのも可愛くて溺愛ぶりが噂になってるのだろう。
うっすらと流れてても、誰にも確認されてないのだろうか?
何となく隠せてると思ってるところが、また可愛いアホぶりだ。
心でため息をつく。
結局羨ましいらしい。
そこまで漏れ出す感情をなみなみタプタプとさせてる二人が。
負けてないはずなのに、そこまで漏れ出してない自信はある。
桂馬は感じてくれてるだろうか?
「ねえ、桂馬。隣のドアホカップルが漏れ出すくらいのラブラブぶりなんだけど。」
「羨ましいの?」
すぐにそう言われてびっくりした。
うっとうしいとか、アホっぽいとか、そんな事も言ってたのに。
黙ってしまった。
「桂馬、私からラブラブっぷりは漏れ出してる?桂馬にはちゃんと見えてる?気が付いてる?」
「もちろん。全力で受け止めてるのに。僕もそうだけど、気が付いてないの?」
抱きついて匂いを嗅ぐ。
すっかり慣れ親しんで覚えた匂い、桂馬の匂いだ。
少しだけ絵の具の匂いがする。
「明日、おしゃれして会おうね。」
うなずく。
明日は金曜日、桂馬の誕生日、夜ご飯を食べる日。
「僕寝坊することにしたから。夕方会うのを楽しみにしてていい?」
「いいよ。たまにはゆっくり寝てて。」
「うん、そうする。」
金曜日の朝、桂馬は寝ている。
夜中に仕事をしたらしい。
目が覚めた時にいなかった。
いなくなったのも、戻ってきたのも知らないのに、さっきまでしっかり腰に手を当てて抱きついてる当たり、本当に抱き枕の様に馴染んでる。
起こさないように静かに部屋を出る。
服もアクセサリーも昨日のうちに決めておいたから。
そっと運び出して、珍しく無言の朝を過ごして、静かに部屋を出た。
夜、仕上げをしてたんだろうか?
それともアホウドリのカップルに焼きもちを焼くペリカンの画でも思い浮かんだんだろうか?
尊敬する先輩、課内外でも評価の高い先輩、
でも今すごく嫌な顔をしてしまいました・・・・・。
まさかの残業依頼。
「あの、私出来ます。私でもいいですか?」
緑ちゃんが隣から手をあげてくれた。
金曜日、緑ちゃんも早く帰りたいだろうに、私が楽しみにしてるって言ってたから。
『コアラさんの誕生日食事会。』そう言って楽しみにしてるのを知っているから。
結局誰でも良かったのか。
緑ちゃんの目の前に書類がドンと乗せられた。
1時間では無理。2時間くらいはかかりそう。
それでもいい子だから。
「行ってらっしゃい。」そう言って送り出してくれた。
アホ馬鹿なんて言ってごめんね。
可愛い緑ちゃんありがとう。
心の中では反省を込めて数倍のお礼を言って、時間で会社を出た。
会社を出たら、忘れた・・・・、だって金曜日の夜、桂馬の誕生日。
待ち合わせた場所にいた桂馬も珍しくジャケットにネクタイまでしていた。
昔より少し頼りがいが出てきて、なんとなくサラリーマンにも見える。
成績がいいかどうかは怪しいサラリーマンだけど。
「桂馬、お待たせ。」
「百合ちゃん・・・・、おしゃれだね。いつもとは違う。」
少し離れて、改めて見られた。
「綺麗だよ。」
それが感想で。
「桂馬も、すごく素敵だね。めったに見ないから新鮮。」
照れた顔をして手をつないで歩く。
お店は遠くない。
写真で見た通りの店内にうれしさが募る。
隣の桂馬とニコニコしてしまう。
疲れが吹き飛び残業を頼んだことなんて思い出しもしなくて。
「良かったね。いいお店。」
「そうだね。料理も美味しそう。」
グラスを持って乾杯。
「桂馬、お誕生日おめでとう。」
「ありがとう。」
お酒もお食事も美味しい。
誕生日、それだけでいいなんて少しは思ったり・・・・しなかったり・・・・。
ゆっくり進む食事をしながら、個展について話をする。
すっかり作品は仕上がってるらしいし、印刷物もすべて出来上がってるらしい。
担当さんが粘らないから、自分がいいと思ったらその通りになるって笑ってた。
「楽しみにしてる。必要なら手伝から。」
「今のところ大丈夫かな?でも見に来るよね?」
「うん、勿論。ねえ、本当にいいかな?」
「なんで?いつも来てたじゃない。」
「うん・・・・。」
「来てね。」
「うん、緑ちゃんか友達誘おうかな。どうせそんなにいっしょにいられないでしょう?」
「まあね、人がいたら無理かも。」
アホ爆心地の松田を、軽くあしらうようにしてる緑ちゃん。
それでも今までと違うのはハッキリわかる。
そんなのも可愛くて溺愛ぶりが噂になってるのだろう。
うっすらと流れてても、誰にも確認されてないのだろうか?
何となく隠せてると思ってるところが、また可愛いアホぶりだ。
心でため息をつく。
結局羨ましいらしい。
そこまで漏れ出す感情をなみなみタプタプとさせてる二人が。
負けてないはずなのに、そこまで漏れ出してない自信はある。
桂馬は感じてくれてるだろうか?
「ねえ、桂馬。隣のドアホカップルが漏れ出すくらいのラブラブぶりなんだけど。」
「羨ましいの?」
すぐにそう言われてびっくりした。
うっとうしいとか、アホっぽいとか、そんな事も言ってたのに。
黙ってしまった。
「桂馬、私からラブラブっぷりは漏れ出してる?桂馬にはちゃんと見えてる?気が付いてる?」
「もちろん。全力で受け止めてるのに。僕もそうだけど、気が付いてないの?」
抱きついて匂いを嗅ぐ。
すっかり慣れ親しんで覚えた匂い、桂馬の匂いだ。
少しだけ絵の具の匂いがする。
「明日、おしゃれして会おうね。」
うなずく。
明日は金曜日、桂馬の誕生日、夜ご飯を食べる日。
「僕寝坊することにしたから。夕方会うのを楽しみにしてていい?」
「いいよ。たまにはゆっくり寝てて。」
「うん、そうする。」
金曜日の朝、桂馬は寝ている。
夜中に仕事をしたらしい。
目が覚めた時にいなかった。
いなくなったのも、戻ってきたのも知らないのに、さっきまでしっかり腰に手を当てて抱きついてる当たり、本当に抱き枕の様に馴染んでる。
起こさないように静かに部屋を出る。
服もアクセサリーも昨日のうちに決めておいたから。
そっと運び出して、珍しく無言の朝を過ごして、静かに部屋を出た。
夜、仕上げをしてたんだろうか?
それともアホウドリのカップルに焼きもちを焼くペリカンの画でも思い浮かんだんだろうか?
尊敬する先輩、課内外でも評価の高い先輩、
でも今すごく嫌な顔をしてしまいました・・・・・。
まさかの残業依頼。
「あの、私出来ます。私でもいいですか?」
緑ちゃんが隣から手をあげてくれた。
金曜日、緑ちゃんも早く帰りたいだろうに、私が楽しみにしてるって言ってたから。
『コアラさんの誕生日食事会。』そう言って楽しみにしてるのを知っているから。
結局誰でも良かったのか。
緑ちゃんの目の前に書類がドンと乗せられた。
1時間では無理。2時間くらいはかかりそう。
それでもいい子だから。
「行ってらっしゃい。」そう言って送り出してくれた。
アホ馬鹿なんて言ってごめんね。
可愛い緑ちゃんありがとう。
心の中では反省を込めて数倍のお礼を言って、時間で会社を出た。
会社を出たら、忘れた・・・・、だって金曜日の夜、桂馬の誕生日。
待ち合わせた場所にいた桂馬も珍しくジャケットにネクタイまでしていた。
昔より少し頼りがいが出てきて、なんとなくサラリーマンにも見える。
成績がいいかどうかは怪しいサラリーマンだけど。
「桂馬、お待たせ。」
「百合ちゃん・・・・、おしゃれだね。いつもとは違う。」
少し離れて、改めて見られた。
「綺麗だよ。」
それが感想で。
「桂馬も、すごく素敵だね。めったに見ないから新鮮。」
照れた顔をして手をつないで歩く。
お店は遠くない。
写真で見た通りの店内にうれしさが募る。
隣の桂馬とニコニコしてしまう。
疲れが吹き飛び残業を頼んだことなんて思い出しもしなくて。
「良かったね。いいお店。」
「そうだね。料理も美味しそう。」
グラスを持って乾杯。
「桂馬、お誕生日おめでとう。」
「ありがとう。」
お酒もお食事も美味しい。
誕生日、それだけでいいなんて少しは思ったり・・・・しなかったり・・・・。
ゆっくり進む食事をしながら、個展について話をする。
すっかり作品は仕上がってるらしいし、印刷物もすべて出来上がってるらしい。
担当さんが粘らないから、自分がいいと思ったらその通りになるって笑ってた。
「楽しみにしてる。必要なら手伝から。」
「今のところ大丈夫かな?でも見に来るよね?」
「うん、勿論。ねえ、本当にいいかな?」
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