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29 酒宴の主役は誰?
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週末、それなのにスーツを着ている。
すっかり寒くなってしおりとつないだ手が温かい。
二人で日にちを決めて、二家族にお願いして家に帰る日を決めた。
お土産も忘れない。昨日わざわざデートをしながら選んだ。
手に持った袋は三つ。
懐かしくもある駅に二人で降り立ち、隣同士のふたりの家に向かう。
電車に乗って兄に連絡すると、二人でそのまま家に来いといわれた。
写真が送られてきた。
・・・・・。
しおりとその写真を見る。
両家が集まってる、それはいいが何故か大きくつながったテーブルの上には酒瓶があり、明らかにもう酒宴が始まっている。
「しおり、なんて言ったの?」
「お母さんに、タスクと一緒に帰るから、二人とも家にいて欲しいって。」
「タスクは?」
「僕も同じ。兄貴にも言われてたから同じように言った。」
「・・・・まあ、こうなるよね。」
「そうだね。でも普通主役を待つよね。」
「うん、父親って普通ソワソワするよね。もしかして主役じゃないってこと?」
「なんで?どうして?」
「意外に光輝さんが二人目出来て『めでたい会』ってことになってたりして。」
「可能性はあるとしても・・・・、なんだか一人スーツ着てるのが馬鹿らしくなった。」
「似合ってるよ、そのネクタイも。」
しおりが褒めてくれたのは、しおりのところで選んだネクタイだった。
上司の人まで巻き込んで選んでもらった。
この日のために。
家に着いた。
一応ベルを鳴らして玄関を入る。
トタトタと琉輝が出てきてくれた。
「琉輝、ただいま。大きくなったな~。」「こんにちは。」
「こんにちは、にい、ねえ。」
「パパ、ママ、じじ、ばば、にいとねえ。来た。」
背中を向けて部屋に入っていった。
おじさんとは呼ばせてない。
でも『タスク』も難しいから『にい』と呼んでもらっていた。
そうなるとしおりは『ねえ』だ。
照れる。
二人で廊下を歩き光輝の消えた部屋に行く。
既に部屋に入る前からアルコール臭い。
げんなりして眉間にシワがよる。
「お帰り、祐、しおりちゃん。」
「待ってたのよ。ただ待ちきれなかったからこうなってしまってるけど。」
空いてるスペースに二人で座り紙袋を横に置く。
「ただいま。」「ただいま、お邪魔します。」
二人で挨拶するとその場がシーンとなった。
勿論奥で出来上がったような二人の酒盛りも中断され、兄がニヤニヤしながらこっちを見る。
いきなり?
今?
みんなの前で?
しおりの指が軽く背中をつつく。
「えっと、今日はわざわざ時間を頂いてありがとうございました。
しおりさんとお付き合いをしていて、結婚したいと思って、まず挨拶させていただこうと思って、帰ってきました。許可をいただけないでしょうか?」
頭を下げた。
シーン。
顔を上げた。
次に口を開くのは誰?
兄貴が口パクで言う。
『幸せにします。』
「しおりさんを幸せにします。自分も幸せになります。」
ちょっと余計だったかも。
一同を見る。
父親が姿勢を正して挨拶を引き取る。
「まだまだ若いですが気心知れたもの同志です。よろしくお願いいたします。」
「祐はしおりちゃんには甘いですから、尻に敷かれてペタンコになっても笑ってると思います。まだまだ頼りないですが、よろしくお願いします。」
母が続ける。
「こちらこそ、わがままな子で、想像通り本当に祐君に甘えてそうです。祐君じゃないとのびのびとは笑えないでしょう。しおりをよろしくお願いします。」
しおりのお父さんが言う。
「本当に、祐君、わがままでしょう?でもやっぱり祐君しかいないから、よろしくお願いします。」
しおりのお母さん。
「その通りわがままです。尻にも敷いてます。でもタスクと一緒にいたいです。よろしくお願いします。」
「誰も今更反対なんてしないから。良かったな、祐。」
兄貴がしめる。
「ありがとうございます。」
しおりと二人で頭を下げた。
顔を上げると誰もが緊張を解いていて。
笑顔だった。
しおりも。
酒宴が再開された。
真ん中に広げられた御寿司。
少しは待っててくれてたらしく、全員の目の前に広げられて手を伸ばす。
「良かった。しおりちゃんに振られたら、ずっとご縁はないだろうなんて思ってたのよ。」
母親がしおりに言う。
「そんなことないです。会社でもタスクは人気あるようです。やきもち焼いて喧嘩したこともあります。」
「まあ、そんな奇特な子がいるの?変わった子ね。」
「普通の人だよ。それに美大出身の芸術センスのある人だよ。」
そういったらしおりにどつかれて、軽く握っていた寿司が手から落ちた。
危ない、醤油皿に落ちてネクタイにシミでもついたら怒られる。
しおりを見ると目がつりあがっていた。
「ごめん、だってしおりが言ったんじゃない。」
「知らない。」
「もう、しおり、またタスク君に甘えて。ちゃんとできるの?奥さんよ?そのうちお母さんになるのよ。」
「出来るもん。何でよ。ちゃんとタスクの仕事のことだって手伝ってるし。」
「本当に子供の頃から変わらないんだから。わがままばっかりで、タスク君を振り回してばっかりで。ごめんなさいね。」
「大丈夫です。慣れてます。」
「そうよね。本当にもっと落ち着いてくれてもいいのにね。」
「それじゃあ、しおりらしくないです。」
「ありがとう、祐君。」
男チームは父親同士の盛り上がりに兄貴も加わっている。
「おじさんにも挨拶してきます。」
そう言って、しおりを残し男性チームに入った。
「おう、祐。飲め飲め。」
兄貴にお酒を注がれる。
こっそりとしおりのお父さんの表情をうかがったりして。
酔いの為かすっかり崩れた笑顔だった。
「おじさん、しおりのことがずっと大切だったので、本当に仲良くしますので。」安心してください、そう続けたいけど。
「孫は勘違いだったんだって?」
ん?んーーーーーーー?
兄を見た。
酔ってる・・・ふりか?
「なんだか羨ましいね。孫。」
しおりのお父さんが歩いてきた琉輝を抱きしめる。
琉輝はしおりのお父さんにも慣れてるらしい。
酒臭いだろうに、嬉しそうに抱かれてる。
それでもなんだか嬉しそうで、もしあれが実際の話だったとしても、手放しで喜んでもらえた?
「でも良かったよな、家族みんなで出来婚なんてな。手が早すぎる。順番知らなすぎ。」
ん?
「祐、もしかして気が付いてないのか?両親の年と俺の年を考えたこともないのか?」
「無いよ。」
そんな事・・・なぜと聞かれても、兄貴の年もあんまり考えることが無かった。ただ年上だと言うだけで。悪いが存在感は限りなく薄いほどに、遠かった。そんな事しおりも全く言い出さなかったし。
えっと・・・・確かに学生結婚くらいの年だけど、明らかに父親は大学生の時に既に・・・・。
父親を見る。
ヘラッとしてしおりのお父さんと一緒に琉輝に遊ばれている。
幸せそうだ。
もしかして兄貴の時の子育ては余裕がなくて楽しめなかっただろうか?
俺の時はほとんどしおりと一緒で父親と子供の時間は少なかっただろうか・・・・・、思い出も少ない、兄貴との思い出同様、少ない。
思い出と言って思い出す中の登場人物はしおりだ。
それ以外ほとんどいない。
近くにいても視界に入ってなかったから?
しおりしか見てなかった・・・・から?
そもそも、いた?
今、琉輝との時間が宝物みたいに思えるのでは・・・・。
「兄貴、なんで、一体誰にバラしたんだよ。」
「一大事だろう、親にはさりげなく探りを入れて、二人ともしおりちゃんと一緒にいることは喜んでたし、問題ないと思ったし。しおりちゃんところも同じだって言ってたから、まあいいかあ、と思ってた。何でバレたんだろう?言った覚えはないけど。」
「じゃあ、誰が言うんだよ。後は会社の同僚1人にしか相談してないし。」
「しおりちゃんは?」
「へっ・・・・・・。ま、まさか、しおりが言うわけないだろう。」
『タスクが勝手に勘違いして子供が出来たって騒いでたんだよ~、だいじょうぶなのにねえ。』って母親に言うわけないじゃないか。まして父親に。
「まあ、もう何があっても大丈夫だよ。双子だろうと、三つ子だろうと。」
「無いよ、そんなことないし。」
「あんなに騒いでたやつのセリフとは思えないがな。」
ぐぅ。
確かにオタオタしました。どうしようかと、たった一晩の出来事に過剰に意味を持たせて騒ぎました。
「一緒に住んで、貯金をするか?」
「うん、そうしたいんだけど、しおりが隣のお姉さんと仲良くしてるのを知ってるから、何だかそれも言い出しにくくて。」
「あほか。別にそうなったらそうなったで、他のところで会うだろう。そんな事言ってると永遠に結婚式もあげられないぞ。」
「そんな訳ないじゃないか。」
「祐、貯金あるのか?」
「まあ、まだ、働き始めたばかりだし・・・・。でも贅沢はしてないから、少しづつ貯めるし。」
「俺たちみたいなこじんまりした式でいいんじゃないか?しおりちゃんがたくさん友達を呼びたいって言うなら別だけど。」
「まだ、そんな具体的な事は話してない。」
「まあ、どうせしおりちゃんの言いなりだろうからな。」
「いいんだよ。結婚式なんてそんなものだろう。兄貴だって真奈さんにドレスを着せたかっただけだろう。」
しおりのドレス姿を想像したら、隣でカチコチと音がするほど固まった自分の映像もついてきた。
大丈夫だろうか?
「まあ、今想像してる通りにきれいだろうな、しおりちゃん。」
ほっぺたをつままれて、そう言われた。
何でバレた?
「良かったな。」
そう言えば、あの偶然は兄貴のお陰とも言える。
「うん、ありがとう。」
珍しく素直にお礼が言えた。
一緒に暮らして貯金をしたいって、そう言えば許されるのだろうか?
しおりは隣のお姉さんより引っ越しを選んでくれるだろうか?
ちゃんとやっていける自信はある。
今だってお互いに僕の部屋の片づけや料理や洗濯をやり合ってる。
いまのまま、しおりが週末休みじゃないし、ゆっくり出たり、遅く帰ってきたりする。
無理じゃないと思う。
少し無理してもしおりと一緒に暮らす方を選びたいくらいだ。
先にしおりに聞いてみたい。
ほぼ酩酊状態のおじさんを支えるようにしおりとおばさんが帰って行った。
残された父親も、もはや琉輝を可愛がるどころでもない。
意識が薄れていきそうな雰囲気だ。
母親に伝える。
「しおりと一緒に暮らして、貯金をしたいんだけど、どう思う?」
「いいんじゃない。別に好きにしたらいいわよ。」
あっさりと言われた。
「父さんもそう思うかな?」
「きっと喜ぶわよ。いつまでも親元にいたら、何もしなかったでしょう?最初は心配してたけど、すごくちゃんとやれてるってびっくりしてたから。」
「どうしてわかるのさ?」
「最初の頃、母さんが何度か部屋に行ったでしょう。見ればわかります。」
確かに最初の一ヶ月、三回くらい来てくれた。
その後は一度もない。
あんまり考えてなかったけど、安心してもういいって思われてたのだろうか?
自分でもあまりに普通に出来て驚いたくらいだったし。
「じゃあ、しおりに聞いて二人で考える。目標を決めて貯金して、貯まったら結婚したいって言いたい。」
「何で母さんに先にプロポーズするの?照れるわね。」
「何でよ、事前相談。」
「それでもしおりちゃんに先に言いなさいよ。待ってるわよ、まだ言ってないのなら。」
「うん、そうする・・・・。」
ちょっとだけ、あのドタバタの時に言ったけど、きちんとは言い直してない。
「だいたい『結婚したいと思って』って、あいさつで言ったし。みんな分かってるわよ。何を今さらって感じだから。2人がいいようにしたらいいんじゃない。」
「ありがとう。」
「できたら、今みたいに近くに住んでもらえたらうれしいけど。」
「うん。しおりの職場も僕のところの方が行きやすいから、そうしたいんだけど。」
「二人が小さいときは、そうなればいいなあって母親二人で言ってたんだけど。でも分からないからね。本当にそうなってくれて、二人の母親はもう、感激です。」
もし、二人の母親がそれほど仲良くなかったら、しおりとの関係は違ってただろうか?ずっと隣にいるのが普通で、何でも分かり合えて、許し合えて。
もしかしたら、二人の母親にも、もっと感謝しなきゃいけないのかもしれない。
「ありがとう。」
さり気ない風にそう言った。すごく感謝を込めたかったけど、恥ずかしくて。
「はいはい。」
散歩に行ってた兄貴たちが帰って来たらしい。
琉輝がまっすぐこっちに来そうになり、真奈さんに止められてる。
兄貴が先に来た。
「あの神社に行っても、自分の思い出より、タスクとしおりちゃんが手をつないいで仲良くしてた思い出しか出てこない。後はこの間の、一発逆転したタスクの必死の表情と。」
そんな顔をしてたんだろうか?
真奈さんが気を利かせてくれた。
絶対話がしたいって、あの時は、今しかないって思ったし。
「まあ、いいや。あのさ、報告があるんだけど。」
「何?」まさか・・・・。
言い出さずに琉輝を捕まえて、抱きながら、親子三人で座る。
にぎやかになったリビング。
「父さんは無理そうだね。」
「そうね。幸せな夢でも見てるんでしょう。放っとくわ。」
「あのさ、琉輝が兄になります。タスクに姪っ子が出来ます。真奈が女の子を妊娠しました。」
・・・・・。さっき言わなかったのは、気を遣ったのか?
「あら、真奈さん、おめでとう。いつ?」
「来年の5月中頃です。」
「嬉しい。琉輝もお兄さんになるのね。女の子だったら可愛がるでしょうね。」
「おめでとう、真奈さん。」
ついお腹を見てしまう。まったくわからない。そんなものなんだなあ。
「うん、まあ、いろいろとお世話かけるかもしれないから。よろしくお願いします。」
「もう、喜んで。お隣も巻き込んで予行演習してもらおうかしら。もちろんタスクとしおりちゃんもね。いい経験になるじゃない。」
「はい、手伝えることがあったら、いつでも、何でも。」
「ありがとう。しおりちゃんの時は任せてね。」
「・・・・はい。」本当にまだまだですが。
「真奈さんに似た女の子だったら可愛いだろうなあ。」
「何だよ、タスク。俺に似た女の子でも美人だぞ。」
「分かってるよ。でも可愛い方がいいよ。」
「それはお前の好みだ。お前には渡さん。」
当たり前だし。
「楽しみね。お父さんが起きたら直接教えてあげて。またお酒が進むかもね。ご両親にもお伝えしたの?」
「いえ、さっき初めて光輝さんにも伝えたくらいなので。」
「まあ、早く教えてあげれば。喜ぶわよね。女の子・・・嬉しい。」
微妙だ。そんなに女の子が欲しかったとは。
しおりのことを可愛がってたのもそのためか。
もしや僕は女の子だと期待されたんだろうか?
母親の顔を見た。
「祐、心配しなくてもタスクが女の子だったらなあなんて考えなかったわよ。」
バレた。自分はそんなに分かりやすいんだろうか?
「良かったな、しおりちゃんがいて。危うくピンクの服とか、リボンとかつけられるところだったぞ。」
「ええっ。」
「しません、そんな事は。でも優しいより、ちょっと頼りなげな男の子に育ってしまって、多少は影響でたかしら?」
「しっかりしてるよ。知らないだろうけど、僕仕事ではかなり頑張ってるんだから。」
「そうみたいね。しおりちゃんから聞いてるから、安心してます。」
「しおりが?」
「さっきいろいろ聞いたのよ。タスクはすごく頑張ってるし、評価されてるって仕事場の先輩に聞いたって。」
イズミさんだ、きっと。
ちょっと自信も出てきたし、仕事も楽しいし。
「すごく安心してるから。弱いのはしおりちゃんにだけなのねって。」
「・・・まあ、しおりが強いんだよ。ずるいし。」
「親に惚気てどうするんだよ。恥ずかしい奴め。」
兄貴に言われた。
いいじゃないか、惚気だけど、本気でもあるんだから。
でもやっぱり惚気か。
「にやけるな。見苦しい。」
ほっぺたをつねられた、思いっきり。
「まあ、いろいろ頼むから。よろしくな。」
そう言ってほっぺたを離した手で軽く叩かれた。
ぜったい男の子が出来たら強い男の子に育てようと思った。
女の子なら・・・・心配しなくても強くなりそうだ。
子ども・・・・・。欲しい、絶対可愛い。
貯金貯金。まずは目の前の目標をひとつづつクリアして行こう。
しおりに話をして、目標を決めて。
とその前にプロポーズ。
そこは男らしく決めたい!!
それは譲れないから。
うれしいニュースはあっという間に隣にも伝わり、二家族で喜んだ。
本当にここで生まれて育って、また帰ってくることが出来て良かったと思う。
すごく恵まれてる、スタートの場所につく前に、もうゴールテープの向こうに続くコースがくっきり見えてたみたいだし。
それに幸運の女神の後ろ髪どころが全身抱きしめるように小脇に抱えて?抱えられて生まれてきたんだから。
ずっと近くにいたパワフルな女神。
ずっと敵わなくてもいい、白旗上げながらでもずっと一緒にいて欲しいと思う。
しおり。
だから結婚してください。
それじゃあ、どんな鬼嫁よ。
そう言って笑うしおりの顔が想像できる。
でも笑顔だから。
すっと、近くで、その笑顔をみていたい。
やっぱり男らしいプロポーズじゃないかもな・・・・・。
end
すっかり寒くなってしおりとつないだ手が温かい。
二人で日にちを決めて、二家族にお願いして家に帰る日を決めた。
お土産も忘れない。昨日わざわざデートをしながら選んだ。
手に持った袋は三つ。
懐かしくもある駅に二人で降り立ち、隣同士のふたりの家に向かう。
電車に乗って兄に連絡すると、二人でそのまま家に来いといわれた。
写真が送られてきた。
・・・・・。
しおりとその写真を見る。
両家が集まってる、それはいいが何故か大きくつながったテーブルの上には酒瓶があり、明らかにもう酒宴が始まっている。
「しおり、なんて言ったの?」
「お母さんに、タスクと一緒に帰るから、二人とも家にいて欲しいって。」
「タスクは?」
「僕も同じ。兄貴にも言われてたから同じように言った。」
「・・・・まあ、こうなるよね。」
「そうだね。でも普通主役を待つよね。」
「うん、父親って普通ソワソワするよね。もしかして主役じゃないってこと?」
「なんで?どうして?」
「意外に光輝さんが二人目出来て『めでたい会』ってことになってたりして。」
「可能性はあるとしても・・・・、なんだか一人スーツ着てるのが馬鹿らしくなった。」
「似合ってるよ、そのネクタイも。」
しおりが褒めてくれたのは、しおりのところで選んだネクタイだった。
上司の人まで巻き込んで選んでもらった。
この日のために。
家に着いた。
一応ベルを鳴らして玄関を入る。
トタトタと琉輝が出てきてくれた。
「琉輝、ただいま。大きくなったな~。」「こんにちは。」
「こんにちは、にい、ねえ。」
「パパ、ママ、じじ、ばば、にいとねえ。来た。」
背中を向けて部屋に入っていった。
おじさんとは呼ばせてない。
でも『タスク』も難しいから『にい』と呼んでもらっていた。
そうなるとしおりは『ねえ』だ。
照れる。
二人で廊下を歩き光輝の消えた部屋に行く。
既に部屋に入る前からアルコール臭い。
げんなりして眉間にシワがよる。
「お帰り、祐、しおりちゃん。」
「待ってたのよ。ただ待ちきれなかったからこうなってしまってるけど。」
空いてるスペースに二人で座り紙袋を横に置く。
「ただいま。」「ただいま、お邪魔します。」
二人で挨拶するとその場がシーンとなった。
勿論奥で出来上がったような二人の酒盛りも中断され、兄がニヤニヤしながらこっちを見る。
いきなり?
今?
みんなの前で?
しおりの指が軽く背中をつつく。
「えっと、今日はわざわざ時間を頂いてありがとうございました。
しおりさんとお付き合いをしていて、結婚したいと思って、まず挨拶させていただこうと思って、帰ってきました。許可をいただけないでしょうか?」
頭を下げた。
シーン。
顔を上げた。
次に口を開くのは誰?
兄貴が口パクで言う。
『幸せにします。』
「しおりさんを幸せにします。自分も幸せになります。」
ちょっと余計だったかも。
一同を見る。
父親が姿勢を正して挨拶を引き取る。
「まだまだ若いですが気心知れたもの同志です。よろしくお願いいたします。」
「祐はしおりちゃんには甘いですから、尻に敷かれてペタンコになっても笑ってると思います。まだまだ頼りないですが、よろしくお願いします。」
母が続ける。
「こちらこそ、わがままな子で、想像通り本当に祐君に甘えてそうです。祐君じゃないとのびのびとは笑えないでしょう。しおりをよろしくお願いします。」
しおりのお父さんが言う。
「本当に、祐君、わがままでしょう?でもやっぱり祐君しかいないから、よろしくお願いします。」
しおりのお母さん。
「その通りわがままです。尻にも敷いてます。でもタスクと一緒にいたいです。よろしくお願いします。」
「誰も今更反対なんてしないから。良かったな、祐。」
兄貴がしめる。
「ありがとうございます。」
しおりと二人で頭を下げた。
顔を上げると誰もが緊張を解いていて。
笑顔だった。
しおりも。
酒宴が再開された。
真ん中に広げられた御寿司。
少しは待っててくれてたらしく、全員の目の前に広げられて手を伸ばす。
「良かった。しおりちゃんに振られたら、ずっとご縁はないだろうなんて思ってたのよ。」
母親がしおりに言う。
「そんなことないです。会社でもタスクは人気あるようです。やきもち焼いて喧嘩したこともあります。」
「まあ、そんな奇特な子がいるの?変わった子ね。」
「普通の人だよ。それに美大出身の芸術センスのある人だよ。」
そういったらしおりにどつかれて、軽く握っていた寿司が手から落ちた。
危ない、醤油皿に落ちてネクタイにシミでもついたら怒られる。
しおりを見ると目がつりあがっていた。
「ごめん、だってしおりが言ったんじゃない。」
「知らない。」
「もう、しおり、またタスク君に甘えて。ちゃんとできるの?奥さんよ?そのうちお母さんになるのよ。」
「出来るもん。何でよ。ちゃんとタスクの仕事のことだって手伝ってるし。」
「本当に子供の頃から変わらないんだから。わがままばっかりで、タスク君を振り回してばっかりで。ごめんなさいね。」
「大丈夫です。慣れてます。」
「そうよね。本当にもっと落ち着いてくれてもいいのにね。」
「それじゃあ、しおりらしくないです。」
「ありがとう、祐君。」
男チームは父親同士の盛り上がりに兄貴も加わっている。
「おじさんにも挨拶してきます。」
そう言って、しおりを残し男性チームに入った。
「おう、祐。飲め飲め。」
兄貴にお酒を注がれる。
こっそりとしおりのお父さんの表情をうかがったりして。
酔いの為かすっかり崩れた笑顔だった。
「おじさん、しおりのことがずっと大切だったので、本当に仲良くしますので。」安心してください、そう続けたいけど。
「孫は勘違いだったんだって?」
ん?んーーーーーーー?
兄を見た。
酔ってる・・・ふりか?
「なんだか羨ましいね。孫。」
しおりのお父さんが歩いてきた琉輝を抱きしめる。
琉輝はしおりのお父さんにも慣れてるらしい。
酒臭いだろうに、嬉しそうに抱かれてる。
それでもなんだか嬉しそうで、もしあれが実際の話だったとしても、手放しで喜んでもらえた?
「でも良かったよな、家族みんなで出来婚なんてな。手が早すぎる。順番知らなすぎ。」
ん?
「祐、もしかして気が付いてないのか?両親の年と俺の年を考えたこともないのか?」
「無いよ。」
そんな事・・・なぜと聞かれても、兄貴の年もあんまり考えることが無かった。ただ年上だと言うだけで。悪いが存在感は限りなく薄いほどに、遠かった。そんな事しおりも全く言い出さなかったし。
えっと・・・・確かに学生結婚くらいの年だけど、明らかに父親は大学生の時に既に・・・・。
父親を見る。
ヘラッとしてしおりのお父さんと一緒に琉輝に遊ばれている。
幸せそうだ。
もしかして兄貴の時の子育ては余裕がなくて楽しめなかっただろうか?
俺の時はほとんどしおりと一緒で父親と子供の時間は少なかっただろうか・・・・・、思い出も少ない、兄貴との思い出同様、少ない。
思い出と言って思い出す中の登場人物はしおりだ。
それ以外ほとんどいない。
近くにいても視界に入ってなかったから?
しおりしか見てなかった・・・・から?
そもそも、いた?
今、琉輝との時間が宝物みたいに思えるのでは・・・・。
「兄貴、なんで、一体誰にバラしたんだよ。」
「一大事だろう、親にはさりげなく探りを入れて、二人ともしおりちゃんと一緒にいることは喜んでたし、問題ないと思ったし。しおりちゃんところも同じだって言ってたから、まあいいかあ、と思ってた。何でバレたんだろう?言った覚えはないけど。」
「じゃあ、誰が言うんだよ。後は会社の同僚1人にしか相談してないし。」
「しおりちゃんは?」
「へっ・・・・・・。ま、まさか、しおりが言うわけないだろう。」
『タスクが勝手に勘違いして子供が出来たって騒いでたんだよ~、だいじょうぶなのにねえ。』って母親に言うわけないじゃないか。まして父親に。
「まあ、もう何があっても大丈夫だよ。双子だろうと、三つ子だろうと。」
「無いよ、そんなことないし。」
「あんなに騒いでたやつのセリフとは思えないがな。」
ぐぅ。
確かにオタオタしました。どうしようかと、たった一晩の出来事に過剰に意味を持たせて騒ぎました。
「一緒に住んで、貯金をするか?」
「うん、そうしたいんだけど、しおりが隣のお姉さんと仲良くしてるのを知ってるから、何だかそれも言い出しにくくて。」
「あほか。別にそうなったらそうなったで、他のところで会うだろう。そんな事言ってると永遠に結婚式もあげられないぞ。」
「そんな訳ないじゃないか。」
「祐、貯金あるのか?」
「まあ、まだ、働き始めたばかりだし・・・・。でも贅沢はしてないから、少しづつ貯めるし。」
「俺たちみたいなこじんまりした式でいいんじゃないか?しおりちゃんがたくさん友達を呼びたいって言うなら別だけど。」
「まだ、そんな具体的な事は話してない。」
「まあ、どうせしおりちゃんの言いなりだろうからな。」
「いいんだよ。結婚式なんてそんなものだろう。兄貴だって真奈さんにドレスを着せたかっただけだろう。」
しおりのドレス姿を想像したら、隣でカチコチと音がするほど固まった自分の映像もついてきた。
大丈夫だろうか?
「まあ、今想像してる通りにきれいだろうな、しおりちゃん。」
ほっぺたをつままれて、そう言われた。
何でバレた?
「良かったな。」
そう言えば、あの偶然は兄貴のお陰とも言える。
「うん、ありがとう。」
珍しく素直にお礼が言えた。
一緒に暮らして貯金をしたいって、そう言えば許されるのだろうか?
しおりは隣のお姉さんより引っ越しを選んでくれるだろうか?
ちゃんとやっていける自信はある。
今だってお互いに僕の部屋の片づけや料理や洗濯をやり合ってる。
いまのまま、しおりが週末休みじゃないし、ゆっくり出たり、遅く帰ってきたりする。
無理じゃないと思う。
少し無理してもしおりと一緒に暮らす方を選びたいくらいだ。
先にしおりに聞いてみたい。
ほぼ酩酊状態のおじさんを支えるようにしおりとおばさんが帰って行った。
残された父親も、もはや琉輝を可愛がるどころでもない。
意識が薄れていきそうな雰囲気だ。
母親に伝える。
「しおりと一緒に暮らして、貯金をしたいんだけど、どう思う?」
「いいんじゃない。別に好きにしたらいいわよ。」
あっさりと言われた。
「父さんもそう思うかな?」
「きっと喜ぶわよ。いつまでも親元にいたら、何もしなかったでしょう?最初は心配してたけど、すごくちゃんとやれてるってびっくりしてたから。」
「どうしてわかるのさ?」
「最初の頃、母さんが何度か部屋に行ったでしょう。見ればわかります。」
確かに最初の一ヶ月、三回くらい来てくれた。
その後は一度もない。
あんまり考えてなかったけど、安心してもういいって思われてたのだろうか?
自分でもあまりに普通に出来て驚いたくらいだったし。
「じゃあ、しおりに聞いて二人で考える。目標を決めて貯金して、貯まったら結婚したいって言いたい。」
「何で母さんに先にプロポーズするの?照れるわね。」
「何でよ、事前相談。」
「それでもしおりちゃんに先に言いなさいよ。待ってるわよ、まだ言ってないのなら。」
「うん、そうする・・・・。」
ちょっとだけ、あのドタバタの時に言ったけど、きちんとは言い直してない。
「だいたい『結婚したいと思って』って、あいさつで言ったし。みんな分かってるわよ。何を今さらって感じだから。2人がいいようにしたらいいんじゃない。」
「ありがとう。」
「できたら、今みたいに近くに住んでもらえたらうれしいけど。」
「うん。しおりの職場も僕のところの方が行きやすいから、そうしたいんだけど。」
「二人が小さいときは、そうなればいいなあって母親二人で言ってたんだけど。でも分からないからね。本当にそうなってくれて、二人の母親はもう、感激です。」
もし、二人の母親がそれほど仲良くなかったら、しおりとの関係は違ってただろうか?ずっと隣にいるのが普通で、何でも分かり合えて、許し合えて。
もしかしたら、二人の母親にも、もっと感謝しなきゃいけないのかもしれない。
「ありがとう。」
さり気ない風にそう言った。すごく感謝を込めたかったけど、恥ずかしくて。
「はいはい。」
散歩に行ってた兄貴たちが帰って来たらしい。
琉輝がまっすぐこっちに来そうになり、真奈さんに止められてる。
兄貴が先に来た。
「あの神社に行っても、自分の思い出より、タスクとしおりちゃんが手をつないいで仲良くしてた思い出しか出てこない。後はこの間の、一発逆転したタスクの必死の表情と。」
そんな顔をしてたんだろうか?
真奈さんが気を利かせてくれた。
絶対話がしたいって、あの時は、今しかないって思ったし。
「まあ、いいや。あのさ、報告があるんだけど。」
「何?」まさか・・・・。
言い出さずに琉輝を捕まえて、抱きながら、親子三人で座る。
にぎやかになったリビング。
「父さんは無理そうだね。」
「そうね。幸せな夢でも見てるんでしょう。放っとくわ。」
「あのさ、琉輝が兄になります。タスクに姪っ子が出来ます。真奈が女の子を妊娠しました。」
・・・・・。さっき言わなかったのは、気を遣ったのか?
「あら、真奈さん、おめでとう。いつ?」
「来年の5月中頃です。」
「嬉しい。琉輝もお兄さんになるのね。女の子だったら可愛がるでしょうね。」
「おめでとう、真奈さん。」
ついお腹を見てしまう。まったくわからない。そんなものなんだなあ。
「うん、まあ、いろいろとお世話かけるかもしれないから。よろしくお願いします。」
「もう、喜んで。お隣も巻き込んで予行演習してもらおうかしら。もちろんタスクとしおりちゃんもね。いい経験になるじゃない。」
「はい、手伝えることがあったら、いつでも、何でも。」
「ありがとう。しおりちゃんの時は任せてね。」
「・・・・はい。」本当にまだまだですが。
「真奈さんに似た女の子だったら可愛いだろうなあ。」
「何だよ、タスク。俺に似た女の子でも美人だぞ。」
「分かってるよ。でも可愛い方がいいよ。」
「それはお前の好みだ。お前には渡さん。」
当たり前だし。
「楽しみね。お父さんが起きたら直接教えてあげて。またお酒が進むかもね。ご両親にもお伝えしたの?」
「いえ、さっき初めて光輝さんにも伝えたくらいなので。」
「まあ、早く教えてあげれば。喜ぶわよね。女の子・・・嬉しい。」
微妙だ。そんなに女の子が欲しかったとは。
しおりのことを可愛がってたのもそのためか。
もしや僕は女の子だと期待されたんだろうか?
母親の顔を見た。
「祐、心配しなくてもタスクが女の子だったらなあなんて考えなかったわよ。」
バレた。自分はそんなに分かりやすいんだろうか?
「良かったな、しおりちゃんがいて。危うくピンクの服とか、リボンとかつけられるところだったぞ。」
「ええっ。」
「しません、そんな事は。でも優しいより、ちょっと頼りなげな男の子に育ってしまって、多少は影響でたかしら?」
「しっかりしてるよ。知らないだろうけど、僕仕事ではかなり頑張ってるんだから。」
「そうみたいね。しおりちゃんから聞いてるから、安心してます。」
「しおりが?」
「さっきいろいろ聞いたのよ。タスクはすごく頑張ってるし、評価されてるって仕事場の先輩に聞いたって。」
イズミさんだ、きっと。
ちょっと自信も出てきたし、仕事も楽しいし。
「すごく安心してるから。弱いのはしおりちゃんにだけなのねって。」
「・・・まあ、しおりが強いんだよ。ずるいし。」
「親に惚気てどうするんだよ。恥ずかしい奴め。」
兄貴に言われた。
いいじゃないか、惚気だけど、本気でもあるんだから。
でもやっぱり惚気か。
「にやけるな。見苦しい。」
ほっぺたをつねられた、思いっきり。
「まあ、いろいろ頼むから。よろしくな。」
そう言ってほっぺたを離した手で軽く叩かれた。
ぜったい男の子が出来たら強い男の子に育てようと思った。
女の子なら・・・・心配しなくても強くなりそうだ。
子ども・・・・・。欲しい、絶対可愛い。
貯金貯金。まずは目の前の目標をひとつづつクリアして行こう。
しおりに話をして、目標を決めて。
とその前にプロポーズ。
そこは男らしく決めたい!!
それは譲れないから。
うれしいニュースはあっという間に隣にも伝わり、二家族で喜んだ。
本当にここで生まれて育って、また帰ってくることが出来て良かったと思う。
すごく恵まれてる、スタートの場所につく前に、もうゴールテープの向こうに続くコースがくっきり見えてたみたいだし。
それに幸運の女神の後ろ髪どころが全身抱きしめるように小脇に抱えて?抱えられて生まれてきたんだから。
ずっと近くにいたパワフルな女神。
ずっと敵わなくてもいい、白旗上げながらでもずっと一緒にいて欲しいと思う。
しおり。
だから結婚してください。
それじゃあ、どんな鬼嫁よ。
そう言って笑うしおりの顔が想像できる。
でも笑顔だから。
すっと、近くで、その笑顔をみていたい。
やっぱり男らしいプロポーズじゃないかもな・・・・・。
end
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