関係者の皆様、私が立派な大人になれるその日まで、あと少しだけお待ちください。

羽月☆

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18 金曜日の夜の予定と油断を許さないメモ。

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平木さんから朝、連絡があった。

『金曜日の夜どうかな?』

そう聞かれても最近は社長に同行する日がふいに決められて。
相変わらず何をしてるわけではない、時々手土産の荷物もちをするくらい。

『今は時々社長との同行があります。今の所は大丈夫ですが、当日の予定でもしかしたら駄目になるかもしれません。是非参加したいのですが。』


ちなみに社内にいるときには集まった機械物・・・・古い携帯やゲーム機やおもちゃなど、前にチラシを配って、社員から集めたものを少し綺麗に掃除して拭いて・・・・。ダンボールに詰め込んでいく。

最近見つけた新しい仕事だ。

自分でも探してみたけど、さすがに古い携帯はいろんなデータが入っていて持ってくるのを控えたら、実際には他に何もなかった。
それでもみんなの協力でダンボール一個分くらいは集まった。
これを、どうするんだろう?
聞いてない。
ひたすら埃と汚れを取っているだけ。
たまに電池が入っていたりする。
明らかに古くて変質してそうなものはゴミにしてくれと言われてる。
それでも、電池が入ってるものも少ない、充電式が多いから。

そんな作業もほぼ終わり。


さりげなく見た金曜日の予定。

社長がいなくなった隙に朝陽さんに聞いてみた。

「金曜日の予定は今のところこんな感じですか?」

控えめに聞いたのに、不思議そうに見られて、当然聞かれた。

「どうしたの?何か予定ある?」

正解です!

「平木さんが仕事終わりの飲み会に誘ってくれました。」

「なんだ、じゃあ大丈夫だって返事していいよ。定時で上がっていいからね。社内の人が何人か来るのかな?」

「はい、そうらしいです。」

「楽しみだね。仲がいい人が増えるといいね。」

「本当にいいですか?」

「勿論、いいよ。大丈夫、社長も絶対そう言うから。あ、飲みすぎたら駄目だからね。」

「はい・・・・、それはもう・・・・・。」

「じゃあ、参加するって返事してもいいからね。」

「ありがとうございます。すみません。」

「もともと社長が暇すぎて働き者なだけで、むしろ社員には家族を大切にして欲しいってタイプだから、社員同士も仲良くしてもらいたいと思ってるよ。ね、いい人でしょう?」

そう言われた。

確かに残業がないらしいし、仕事もやりやすいみたいで、競争もないなら変に裏を見たりすることもないかも。
実際は分からないけど、そんな職場だとは思える。
だから、みんな長く働いてる。
だから社長がいい人なのは、分かってる。

ノックの軽い音がして社長が戻ってきた。

自分の席に戻り仕事の続きをする。
後で平木さんには連絡しておこう。


「朝陽さん、あの隣の機械達、もうすぐ掃除も終ります。ダンボール一個分になりましたが、その後はどうすればいいですか?」

「ああ、仮止めして、端っこ置いててくれればいいから。」

社長に言われた。

「はい、分かりました。じゃあ、あと少しです、終らせてきます。」

うれしい。金曜日が楽しみになった。
平木さん以外にも一緒に食事をする人が出来たらいいな。
平木さんは彼氏がいるから、いない人だったら誘ってもらえるかな?誘いやすいかな?

でも平木さんは若い方だという。
そうなると、もっと年上の人になるのか・・・。



金曜日、社長の予定も変わりなく、定時で終っても後ろめたくもなく。
見送られて部屋を出た。
トイレに行って化粧を直して平木さんに連絡を取る。


財布には朝陽さんに教えられた電話番号が入ってた。
携帯を取り出して、その番号を追加登録した。

『郡司朝陽さん』のアドレス帳に臨時で追加する。

「飲みすぎたと思ったら遠慮しないで連絡して欲しい。」

そう言われて渡された。

「そんなに飲みません。」と言いたいのに。
でも一応平木さんに伝えておいた。

「あの、前に二度ほど急に寝てしまったことがあって。気をつけますが、万が一何かあったらここに連絡してください。」

そういっておけば間違いなくセーブすると思ったから。
飲みすぎたら朝陽さんに連絡が行くと思えば控えると思う。

「なにそれ?すごく楽しそう。」

「いえ、ただただ厄介だと思います。」

紙を見せて財布のポケットに入れておいた。

これで大丈夫!
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