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東雲の顔が近づき、抵抗する間もなくキスをされた。さっきされたみたいな濃厚なキスではくて、軽く触れるだけの口づけだった。
「南野のこと、ありがとう。礼を言う。あの子の部活のない日に、ぜひ……一緒に勉強してやってくれ」
「塾がなければ……って言っただけだし。あんなキラキラした顔で言われたら……」
(断れない)
じゃ、とだけ言うと明夏は鞄を持って車から降りた。ドアを閉めて歩道に行くと振り返る。助手席の窓が開き、東雲が「明日な」と声をかけてから、車が発進した。
「もうっ、明夏! 今日は会えないかと思ったぁ。ってか今の車、なに?」
塾から飛び出して千夏が、明夏の腕に絡み付くと甘い声をあげた。中学の頃からの遊び仲間だ。千夏も知夏も家に帰るのが嫌いだ。明夏も家が嫌いで、夜遊びしまくっている。女二人に男一人では……小遣い稼ぎがしにくい。だから千夏たちが通う女子高の制服を借りて、女装して遊んでいる。
「ああ、この前……話してたクソ真面目な体育教師」
(全然、真面目じゃなさそうだったけど)
「ええ? もう、車で送ってもらうような関係になったの?」
「まあ……告白して、付き合うってことになったけど……実感ないんだよね」
婚約者もいて、明夏を抱いて……そのあとに同じクラスの男子と同棲してるってわかった。
胸に残るのは違和感しかない。考えるだけでイライラするし、ムカムカする。
「真面目なのに……生徒との恋愛はOKなんだ」
「そこらへんが、よくわからない。付き合ってる実感もないし……」
(セックスしたはずのなのに)
東雲が明夏を好きになっているようには思えない。
「今夜はどこに行く?」
「ああ……商店街のほうに行くか? 給料出たばっかで、美味しいご飯をご馳走してくれるおじさんがたくさんいるはず」
「じゃあ、明夏……着替えて来てよ! 早く行こう!」
深夜一時すぎ、自宅について制服を脱ぐとボクサーパンツ姿でベッドにダイブした。
一階からキャンキャンと血の繋がってない母親の叫び声が聞こえる。久しぶりに父親が帰ってきたからだ。日々の浮気生活について、攻め立てているのだろう。
明夏は布団を頭まで被ると、目を閉じた。
(聞きたくない。こんなんなら、朝まで遊んでいれば良かった)
『明日な』という東雲の言葉が胸につっかえて、自宅に帰ってきていた。明日、きちんと学校にいくなら……寝なくちゃと思って。
そもそもあの人だって、父親と浮気して結婚したんじゃないか。自分と結婚したからって、父親の浮気が治るわけない。
甘い結婚生活も落ち着けば、また刺激を求めに外の女に目が向くくらいわかるだろうに。自分だってそうやって奪ってきたんだから。
それを今更、攻めてたてたところで父親が戻ってくるわけないのに。余計に外の女のところへ通うってわかってない。
「あー、うるさい」
(だから家は嫌いなんだ)
帰れば親は喧嘩しかしない。父が帰って来ない日は、義母の嫌味の連発だ。前の奥さんとの子だからって、明夏を邪険に扱う。母親似の明夏の顔や体形を見ているだけで、むかついてくるらしい。
(ぼくだって……女みたいな身体が嫌いだ)
体育教師の東雲みたいに屈強な身体だったら……世の中を見る色が違ったかもしれないが。
家からお小遣いももらえず、バイトも許されず……進学校での成績でしか判断されない。
(こんな生活……クソ、だ)
義母の金切り声が耳をつんざく。
(壊したい、壊したい……壊したい、全てを)
全てが無くなれば……何もない世界になる。何もない世界は、きっと希望しかない明るい世界なんだ。
『明夏』
耳の奥で、東雲に呼ばれた声が蘇った。
キスした感覚を思い出すと、下半身に熱を持つ。布団の中でそっとパンツの中に手を入れる。硬くなり始めてる男根に触れた。
「……んぅ」
(ずるいよ、先生――)
「……はぁ、んん……」
明夏は大きく膨らんだ熱を擦り始める。
(もっと……激しく……こんなんじゃ足りない)
午後のセックスが思い出し、後ろの口がヒクヒクと反応しだす。
(前だけじゃ嫌だ。後ろも弄りたい)
「……ん、せん、せい……んぅ」
もっと欲しい。東雲の熱に噛みつきたい。誰よりも大きく太い東雲の熱が……。
『明夏』
「……っあ、イク……」
身体を丸めると、ビクビクっと痙攣した。手の平が温かい欲望で汚れた。
「南野のこと、ありがとう。礼を言う。あの子の部活のない日に、ぜひ……一緒に勉強してやってくれ」
「塾がなければ……って言っただけだし。あんなキラキラした顔で言われたら……」
(断れない)
じゃ、とだけ言うと明夏は鞄を持って車から降りた。ドアを閉めて歩道に行くと振り返る。助手席の窓が開き、東雲が「明日な」と声をかけてから、車が発進した。
「もうっ、明夏! 今日は会えないかと思ったぁ。ってか今の車、なに?」
塾から飛び出して千夏が、明夏の腕に絡み付くと甘い声をあげた。中学の頃からの遊び仲間だ。千夏も知夏も家に帰るのが嫌いだ。明夏も家が嫌いで、夜遊びしまくっている。女二人に男一人では……小遣い稼ぎがしにくい。だから千夏たちが通う女子高の制服を借りて、女装して遊んでいる。
「ああ、この前……話してたクソ真面目な体育教師」
(全然、真面目じゃなさそうだったけど)
「ええ? もう、車で送ってもらうような関係になったの?」
「まあ……告白して、付き合うってことになったけど……実感ないんだよね」
婚約者もいて、明夏を抱いて……そのあとに同じクラスの男子と同棲してるってわかった。
胸に残るのは違和感しかない。考えるだけでイライラするし、ムカムカする。
「真面目なのに……生徒との恋愛はOKなんだ」
「そこらへんが、よくわからない。付き合ってる実感もないし……」
(セックスしたはずのなのに)
東雲が明夏を好きになっているようには思えない。
「今夜はどこに行く?」
「ああ……商店街のほうに行くか? 給料出たばっかで、美味しいご飯をご馳走してくれるおじさんがたくさんいるはず」
「じゃあ、明夏……着替えて来てよ! 早く行こう!」
深夜一時すぎ、自宅について制服を脱ぐとボクサーパンツ姿でベッドにダイブした。
一階からキャンキャンと血の繋がってない母親の叫び声が聞こえる。久しぶりに父親が帰ってきたからだ。日々の浮気生活について、攻め立てているのだろう。
明夏は布団を頭まで被ると、目を閉じた。
(聞きたくない。こんなんなら、朝まで遊んでいれば良かった)
『明日な』という東雲の言葉が胸につっかえて、自宅に帰ってきていた。明日、きちんと学校にいくなら……寝なくちゃと思って。
そもそもあの人だって、父親と浮気して結婚したんじゃないか。自分と結婚したからって、父親の浮気が治るわけない。
甘い結婚生活も落ち着けば、また刺激を求めに外の女に目が向くくらいわかるだろうに。自分だってそうやって奪ってきたんだから。
それを今更、攻めてたてたところで父親が戻ってくるわけないのに。余計に外の女のところへ通うってわかってない。
「あー、うるさい」
(だから家は嫌いなんだ)
帰れば親は喧嘩しかしない。父が帰って来ない日は、義母の嫌味の連発だ。前の奥さんとの子だからって、明夏を邪険に扱う。母親似の明夏の顔や体形を見ているだけで、むかついてくるらしい。
(ぼくだって……女みたいな身体が嫌いだ)
体育教師の東雲みたいに屈強な身体だったら……世の中を見る色が違ったかもしれないが。
家からお小遣いももらえず、バイトも許されず……進学校での成績でしか判断されない。
(こんな生活……クソ、だ)
義母の金切り声が耳をつんざく。
(壊したい、壊したい……壊したい、全てを)
全てが無くなれば……何もない世界になる。何もない世界は、きっと希望しかない明るい世界なんだ。
『明夏』
耳の奥で、東雲に呼ばれた声が蘇った。
キスした感覚を思い出すと、下半身に熱を持つ。布団の中でそっとパンツの中に手を入れる。硬くなり始めてる男根に触れた。
「……んぅ」
(ずるいよ、先生――)
「……はぁ、んん……」
明夏は大きく膨らんだ熱を擦り始める。
(もっと……激しく……こんなんじゃ足りない)
午後のセックスが思い出し、後ろの口がヒクヒクと反応しだす。
(前だけじゃ嫌だ。後ろも弄りたい)
「……ん、せん、せい……んぅ」
もっと欲しい。東雲の熱に噛みつきたい。誰よりも大きく太い東雲の熱が……。
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