9 / 22
9
「最近の明夏、顔色……わるぅい」
千夏がマックでポテトを食べながら、唇を尖らせた。
(頭痛と眩暈で……吐き気もあるから、かも)
今も油モノを受け付けなくて、コーラだけを飲んでいる。炭酸でお腹を膨らませているようなものだ。
知夏と千夏がマックで夕飯を食べているのをただ眺めているだけ。
ピンロンとスマホが鳴って、表示を見ると東雲からだった。
『今日は具合が悪いから先に帰ったって南野から聞いた。大丈夫か?』
「あれ? まだあの先生と続いてるの?」
「ん、まあ。なんとなく……」
「へえ、明夏にしては珍しい。エッチがいい、とか? お小遣いをたくさんくれるとか?」
「全然。エッチは気持ちいけど。抱かれた後の虚無感が半端ない」
(胸の中が空っぽになる。ああ、来週の火曜日までもう……ただの生徒なんだって思うと。無数の針で心臓を一気に刺されたみたいに痛い)
「なにそれ? わけわかんなあい」
けらけらと千夏が笑って、またポテトを口にいれた。
(ぼくだって……知らなかったよ。東雲と出会うまで、こんな辛い感情。なのに離れられないんだ)
南野には具合いが悪いからって、東雲が帰ってくる前に家を出たけど……、ただ会いたくなかった。自分のモノじゃない顔をしている東雲を見たくなかった。全身の愛情を南野に向けている東雲を視界に入れたくない。声も聞きたくない。眩暈が酷くなる。
明夏は苦笑すると、スマホに手を伸ばした。
『大丈夫。塾の友達と一緒にいる』と返事をするとすぐに既読がついて、返事がきた。
『今日は塾がないはず』
『家に帰りたくないから。塾の学習室で勉強してた』
『具合が悪いのにか?』
『もう平気』
東雲に抱かれた日に、見たくなかっただけ。だから心配しないでほしい。放っておいてほしい。来週の火曜日まで、一生徒でありたい。
『家まで送って行こうか?』
『大丈夫。一人で帰れるから。放っておいて』
スマホをテーブルに置くと、着信音が鳴り出した。
はあ、と息を吐くと画面に表示されている名前を見て、視線を一度外して躊躇った。
「ほら、彼氏から!」
知夏にバレて声をかけられると、無視しづらくなる。
「ごめん」と言うと、明夏は携帯を耳につけて席を立った。
「放っておいてって言った!」
『顔が見たい』
「……え?」
『午後も顔色が悪かった。平気そうに見えない』
(なんだ。そっちか)
寂しい、とか。恋人だから会いたいとかそういったものかと一瞬、喜んでしまった自分が情けない。
「夕飯も食べれたし、平気。友達といるんだから放っておいてよ!」
『帰りたくないなら、うちに居ればいいだろ?』
(それも嫌なんだよ)
「もう帰るところだし、平気だから」
『明夏、言っていることが合ってない』
「なっ……」
(うるさいっ)
突っ込まないほしい。これ以上……踏み込まれたら、気が狂って何を言い出すかわからなくなりそうだ。
バタンっと車のドアが閉まる音が電話の向こうから聞こえてきて、ドキと胸が高鳴った。
「先生……もしかして、車に……」
(本気で迎えに来ようとしている?)
南野と一緒に過ごしているはずだ。
千夏がマックでポテトを食べながら、唇を尖らせた。
(頭痛と眩暈で……吐き気もあるから、かも)
今も油モノを受け付けなくて、コーラだけを飲んでいる。炭酸でお腹を膨らませているようなものだ。
知夏と千夏がマックで夕飯を食べているのをただ眺めているだけ。
ピンロンとスマホが鳴って、表示を見ると東雲からだった。
『今日は具合が悪いから先に帰ったって南野から聞いた。大丈夫か?』
「あれ? まだあの先生と続いてるの?」
「ん、まあ。なんとなく……」
「へえ、明夏にしては珍しい。エッチがいい、とか? お小遣いをたくさんくれるとか?」
「全然。エッチは気持ちいけど。抱かれた後の虚無感が半端ない」
(胸の中が空っぽになる。ああ、来週の火曜日までもう……ただの生徒なんだって思うと。無数の針で心臓を一気に刺されたみたいに痛い)
「なにそれ? わけわかんなあい」
けらけらと千夏が笑って、またポテトを口にいれた。
(ぼくだって……知らなかったよ。東雲と出会うまで、こんな辛い感情。なのに離れられないんだ)
南野には具合いが悪いからって、東雲が帰ってくる前に家を出たけど……、ただ会いたくなかった。自分のモノじゃない顔をしている東雲を見たくなかった。全身の愛情を南野に向けている東雲を視界に入れたくない。声も聞きたくない。眩暈が酷くなる。
明夏は苦笑すると、スマホに手を伸ばした。
『大丈夫。塾の友達と一緒にいる』と返事をするとすぐに既読がついて、返事がきた。
『今日は塾がないはず』
『家に帰りたくないから。塾の学習室で勉強してた』
『具合が悪いのにか?』
『もう平気』
東雲に抱かれた日に、見たくなかっただけ。だから心配しないでほしい。放っておいてほしい。来週の火曜日まで、一生徒でありたい。
『家まで送って行こうか?』
『大丈夫。一人で帰れるから。放っておいて』
スマホをテーブルに置くと、着信音が鳴り出した。
はあ、と息を吐くと画面に表示されている名前を見て、視線を一度外して躊躇った。
「ほら、彼氏から!」
知夏にバレて声をかけられると、無視しづらくなる。
「ごめん」と言うと、明夏は携帯を耳につけて席を立った。
「放っておいてって言った!」
『顔が見たい』
「……え?」
『午後も顔色が悪かった。平気そうに見えない』
(なんだ。そっちか)
寂しい、とか。恋人だから会いたいとかそういったものかと一瞬、喜んでしまった自分が情けない。
「夕飯も食べれたし、平気。友達といるんだから放っておいてよ!」
『帰りたくないなら、うちに居ればいいだろ?』
(それも嫌なんだよ)
「もう帰るところだし、平気だから」
『明夏、言っていることが合ってない』
「なっ……」
(うるさいっ)
突っ込まないほしい。これ以上……踏み込まれたら、気が狂って何を言い出すかわからなくなりそうだ。
バタンっと車のドアが閉まる音が電話の向こうから聞こえてきて、ドキと胸が高鳴った。
「先生……もしかして、車に……」
(本気で迎えに来ようとしている?)
南野と一緒に過ごしているはずだ。
あなたにおすすめの小説
僕の幸せは
春夏
BL
【完結しました】
【エールいただきました。ありがとうございます】
【たくさんの“いいね”ありがとうございます】
【たくさんの方々に読んでいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます!】
恋人に捨てられた悠の心情。
話は別れから始まります。全編が悠の視点です。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。