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3 求婚の理由?
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「ちょっと、待ってウィリアム。
先程の態度は、アーロン様に失礼ではありませんか」
「アーロン様、ね」
ウィリアムが氷の様な眼差しを向けてくる。
一体何が気に入らないのかしら?
「そう。ブラッドリー侯爵家の三男で、騎士団所属のアーロン様です。
ご存知ありません?」
「いや、流石にそのくらいは俺でも知ってる。
一応貴族の端くれなんだから、高位貴族の情報くらい持っているさ。
・・・そうじゃなくて、ソフィーはあの男と親しいのか?」
「いいえ。親しくは・・・挨拶程度の関係ですわ。
今のは、ちょっと助けて下さっただけで・・・」
「助ける?何があったの?」
「大した事では。ウィリアムには関係ない事です」
「ふぅん。へー。
他の男には助けて貰ったくせに、婚約者の俺には関係ないとか言っちゃうんだ。
へー、そう」
「いや、助けて頂いたのは、たまたまアーロン様が通りかかっただけで・・・」
「・・・・・・わかった。もう良い。
書類は俺が届けるから、ソフィーは戻りなよ」
ウィリアムは拗ねた様に言い捨てると、私が持っている書類も奪って、足早に歩き去ってしまった。
何故、彼があんなに不機嫌になったのか、よく分からない。
私はトボトボと魔術師塔への帰り道を進んだ。
「ソフィー様の婚約の件、お聞きになりました?」
「ウィリアム様でしょう?羨ましいですわ」
またか。
先程とは違う侍女達が、またもや私の噂をしている。
どうやら彼女達は私が聞いている事に気付いていないらしく、声を潜めて話し続ける。
「聞く所によると、本当は、アボット侯爵令嬢の方が先に、ウィリアム様に婚約を申し込んでいたらしいですよ」
「まあ!
では、本来ならばアボット様が婚約者になるはずだったのに、ソフィー様が奪ったのですね。
なんて酷い話かしら」
ああ。成る程、そういう事か。
私は、ようやく納得のいく答えを見つけた。
と、同時に少なからずガッカリした。
ナタリア・アボット侯爵令嬢は少々傲慢な女だ。
以前は、私の幼馴染に片想いをしており、その恋人であった私の親友に色々と嫌がらせをしていた。
まあ、いつも返り討ちに合っていたのだが・・・。
その幼馴染は、私の親友とは別れたものの、昨年とうとう他国の貴族令嬢を嫁に迎えたのだ。
それ以降ナタリアは、ウィリアムに狙いを定めていたようだった。
侯爵令嬢である彼女は、本来ならば、もっと身分の高い男性に嫁ぎたかったのだろう。
しかし、片想いの相手に執着する余り時間を浪費し、婚期を逃してしまった。
(同じく婚期を逃している私が言うのもなんだけどね・・・)
今、年齢的に釣り合いが取れるフリーの男性の中では、ウィリアムが一番条件が良い相手だ。
私も、夜会などで、彼女がウィリアムに執拗に付き纏っている姿を、何度か目撃した事がある。
その度に、ウィリアムはかなり迷惑そうに断っていたのだ。
つまりウィリアムは、ナタリアとは結婚したくなかったのだろう。
でも、格上である侯爵家から正式に婚約の打診をされてしまえば、断るのはちょっと難しい。
たったら、アボット家と同じ家格のロブソン家と先に婚約を結んでしまい、それを理由に断れば良いと考えたのだろう。
「・・・・・・なーんだ。
やっぱり、私と結婚したかった訳じゃないのね」
私は俯き、小さく呟いた
先程の態度は、アーロン様に失礼ではありませんか」
「アーロン様、ね」
ウィリアムが氷の様な眼差しを向けてくる。
一体何が気に入らないのかしら?
「そう。ブラッドリー侯爵家の三男で、騎士団所属のアーロン様です。
ご存知ありません?」
「いや、流石にそのくらいは俺でも知ってる。
一応貴族の端くれなんだから、高位貴族の情報くらい持っているさ。
・・・そうじゃなくて、ソフィーはあの男と親しいのか?」
「いいえ。親しくは・・・挨拶程度の関係ですわ。
今のは、ちょっと助けて下さっただけで・・・」
「助ける?何があったの?」
「大した事では。ウィリアムには関係ない事です」
「ふぅん。へー。
他の男には助けて貰ったくせに、婚約者の俺には関係ないとか言っちゃうんだ。
へー、そう」
「いや、助けて頂いたのは、たまたまアーロン様が通りかかっただけで・・・」
「・・・・・・わかった。もう良い。
書類は俺が届けるから、ソフィーは戻りなよ」
ウィリアムは拗ねた様に言い捨てると、私が持っている書類も奪って、足早に歩き去ってしまった。
何故、彼があんなに不機嫌になったのか、よく分からない。
私はトボトボと魔術師塔への帰り道を進んだ。
「ソフィー様の婚約の件、お聞きになりました?」
「ウィリアム様でしょう?羨ましいですわ」
またか。
先程とは違う侍女達が、またもや私の噂をしている。
どうやら彼女達は私が聞いている事に気付いていないらしく、声を潜めて話し続ける。
「聞く所によると、本当は、アボット侯爵令嬢の方が先に、ウィリアム様に婚約を申し込んでいたらしいですよ」
「まあ!
では、本来ならばアボット様が婚約者になるはずだったのに、ソフィー様が奪ったのですね。
なんて酷い話かしら」
ああ。成る程、そういう事か。
私は、ようやく納得のいく答えを見つけた。
と、同時に少なからずガッカリした。
ナタリア・アボット侯爵令嬢は少々傲慢な女だ。
以前は、私の幼馴染に片想いをしており、その恋人であった私の親友に色々と嫌がらせをしていた。
まあ、いつも返り討ちに合っていたのだが・・・。
その幼馴染は、私の親友とは別れたものの、昨年とうとう他国の貴族令嬢を嫁に迎えたのだ。
それ以降ナタリアは、ウィリアムに狙いを定めていたようだった。
侯爵令嬢である彼女は、本来ならば、もっと身分の高い男性に嫁ぎたかったのだろう。
しかし、片想いの相手に執着する余り時間を浪費し、婚期を逃してしまった。
(同じく婚期を逃している私が言うのもなんだけどね・・・)
今、年齢的に釣り合いが取れるフリーの男性の中では、ウィリアムが一番条件が良い相手だ。
私も、夜会などで、彼女がウィリアムに執拗に付き纏っている姿を、何度か目撃した事がある。
その度に、ウィリアムはかなり迷惑そうに断っていたのだ。
つまりウィリアムは、ナタリアとは結婚したくなかったのだろう。
でも、格上である侯爵家から正式に婚約の打診をされてしまえば、断るのはちょっと難しい。
たったら、アボット家と同じ家格のロブソン家と先に婚約を結んでしまい、それを理由に断れば良いと考えたのだろう。
「・・・・・・なーんだ。
やっぱり、私と結婚したかった訳じゃないのね」
私は俯き、小さく呟いた
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