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5話 テスト2週間前の戯れ
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「何か、教室がやけに静かすぎないか?」
「えっ、そうかな。いつもこんなんだよ?」
「いや、昨日はもっとみんな騒いでたし、拓人だって真斗だって、何か机で勉強してるし。みんなどうしちゃったの!?」
昨日は紫音の机でみんなで、下ネタチックな話してたじゃん! 今日になっていきなりどうしたのさ!
「はっ……! もしかして、今日が定期テスト二週間前だからか……?」
「まあ、そうなんじゃない? 私はいつもこんなんだから、話すけどね。」
「彩白、随分と余裕そうだな……。本当、勉強できる奴は羨ましい!」
「まあね……!」
キメ顔でカッコつけた彩白だけど、別にカッコよくはないんだよな……。
「ダサい!!」
「何っ!? 私の必殺イケメンスマイルが聞かないだと!?」
「何だよそれ……」
そこに、紫音がやってきた。
「本当か彩白……! 輝波にイケメンスマイルが聞かないだって?」
「そう見たい……。敵は強大だよ……。」
「ええ。でも私が来たらもう大丈夫!」
「ちょっと、お二人さん? 何して……」
「行くぞ怪人!! 必殺チクビーム!!」
あー、話聞いてくれないし、何にその必殺技。僕どうしたらいいんだろ、この状況。
僕は助けを求めるために教室を見渡した。真斗と目があってアイコンタクトで、助けを求めた。
しかし、あいつは僕を見捨てたんだ……!
僕はその瞬間に覚悟したよ……終わったって。
「コイツやるな……。どうする彩白!」
「そうね……。もうあれを出すしかないわ!!」
「なにっ!? 彩白、あれを出すの?」
「うん……! 流石に手強すぎる。あれで決めるしかない!!」
あー、この茶番いつまで続くんだろう。
向こうで観てる、緑川と拓人も真斗はグットマークをこっちに向けてるだけで、楽しんでやがる……!
「思い知れ怪人!! 必殺ハートランデブーキック!!!」
僕は彩白に押さえつけられて、次の瞬間に股間に激痛が走った。
「あっ!!! あぁぁ!」
「これで私たちの勝利ね!!」
「うん! やっぱり男にはあそこが一番だわ!!」
2人は手を握り締め、勝利の余韻に浸っているようだった。
その頃、後ろでは激痛に悶絶している僕がいた。本当に終わったと思っている。
あーあ、何でこんなんになってんのかな……。周りの人達も笑ってるだけで誰も助けてくれない。
もう……帰りたいよ……ママーー!!
僕は力尽きた。なんとか自席に戻っても、何時間授業を受けても、痛みがとれることはなかった。
放課後。その日はテスト二週間前とあって居残りで勉強する人が他にもいた。と言っても、僕らの周りの人間だった。
「今日も社会教えてー!」
「やだ。」
「え~、なんでよ。」
「朝、痛い想いさせられたから。」
「えっ、そんな痛かったの? 男なのに耐えられないの?」
彩白は煽るような口調でそう言った。
「絶対教えない……!」
「ねえ、ごめんキー君! お願い教えてよ!」
「絶対やだね!」
誰が教えてやるもんですか!!
「ごめんなさい……!! 教えてください。なんでもしますから!!」
「ん? 何でも?」
「あっ、しまった……!!」
「今、何でもって言ったよね?」
「はぁ~。ミスった~!」
「女に二言はないね?」
「ん……、分かったよ。今日教えてくれたら何でもする! それでチャラね。」
「フッフッフ。よかろう。それで手を打つ……!」
さてさて、何をしてもらいましょうかね。楽しみがひとつ増えましたよ。
「あのー、エッチな事は控えてもらえますかね……?」
「……それはどうかな?」
僕は不敵な笑みを浮かべながらそう言った。彩白は不安げな面持ちだった。
「さあ、勉強始めましょう?」
「う、うん。始めましょうか……。」
僕らは対照的な表情のまま勉強を始めたのだった。
「えっ、そうかな。いつもこんなんだよ?」
「いや、昨日はもっとみんな騒いでたし、拓人だって真斗だって、何か机で勉強してるし。みんなどうしちゃったの!?」
昨日は紫音の机でみんなで、下ネタチックな話してたじゃん! 今日になっていきなりどうしたのさ!
「はっ……! もしかして、今日が定期テスト二週間前だからか……?」
「まあ、そうなんじゃない? 私はいつもこんなんだから、話すけどね。」
「彩白、随分と余裕そうだな……。本当、勉強できる奴は羨ましい!」
「まあね……!」
キメ顔でカッコつけた彩白だけど、別にカッコよくはないんだよな……。
「ダサい!!」
「何っ!? 私の必殺イケメンスマイルが聞かないだと!?」
「何だよそれ……」
そこに、紫音がやってきた。
「本当か彩白……! 輝波にイケメンスマイルが聞かないだって?」
「そう見たい……。敵は強大だよ……。」
「ええ。でも私が来たらもう大丈夫!」
「ちょっと、お二人さん? 何して……」
「行くぞ怪人!! 必殺チクビーム!!」
あー、話聞いてくれないし、何にその必殺技。僕どうしたらいいんだろ、この状況。
僕は助けを求めるために教室を見渡した。真斗と目があってアイコンタクトで、助けを求めた。
しかし、あいつは僕を見捨てたんだ……!
僕はその瞬間に覚悟したよ……終わったって。
「コイツやるな……。どうする彩白!」
「そうね……。もうあれを出すしかないわ!!」
「なにっ!? 彩白、あれを出すの?」
「うん……! 流石に手強すぎる。あれで決めるしかない!!」
あー、この茶番いつまで続くんだろう。
向こうで観てる、緑川と拓人も真斗はグットマークをこっちに向けてるだけで、楽しんでやがる……!
「思い知れ怪人!! 必殺ハートランデブーキック!!!」
僕は彩白に押さえつけられて、次の瞬間に股間に激痛が走った。
「あっ!!! あぁぁ!」
「これで私たちの勝利ね!!」
「うん! やっぱり男にはあそこが一番だわ!!」
2人は手を握り締め、勝利の余韻に浸っているようだった。
その頃、後ろでは激痛に悶絶している僕がいた。本当に終わったと思っている。
あーあ、何でこんなんになってんのかな……。周りの人達も笑ってるだけで誰も助けてくれない。
もう……帰りたいよ……ママーー!!
僕は力尽きた。なんとか自席に戻っても、何時間授業を受けても、痛みがとれることはなかった。
放課後。その日はテスト二週間前とあって居残りで勉強する人が他にもいた。と言っても、僕らの周りの人間だった。
「今日も社会教えてー!」
「やだ。」
「え~、なんでよ。」
「朝、痛い想いさせられたから。」
「えっ、そんな痛かったの? 男なのに耐えられないの?」
彩白は煽るような口調でそう言った。
「絶対教えない……!」
「ねえ、ごめんキー君! お願い教えてよ!」
「絶対やだね!」
誰が教えてやるもんですか!!
「ごめんなさい……!! 教えてください。なんでもしますから!!」
「ん? 何でも?」
「あっ、しまった……!!」
「今、何でもって言ったよね?」
「はぁ~。ミスった~!」
「女に二言はないね?」
「ん……、分かったよ。今日教えてくれたら何でもする! それでチャラね。」
「フッフッフ。よかろう。それで手を打つ……!」
さてさて、何をしてもらいましょうかね。楽しみがひとつ増えましたよ。
「あのー、エッチな事は控えてもらえますかね……?」
「……それはどうかな?」
僕は不敵な笑みを浮かべながらそう言った。彩白は不安げな面持ちだった。
「さあ、勉強始めましょう?」
「う、うん。始めましょうか……。」
僕らは対照的な表情のまま勉強を始めたのだった。
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