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7話 定期テストの振り返り
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「なあ、みんなそんなレベル高いのか?」
「いつもこんなもんじゃねえか。なんだ、おまえそんな酷かったのか?」
「これ……。」
僕は今日返された答案を全て拓人に渡した。その時、一瞬拓人の顔がニヤついたのを見逃さなかった。
「まあ、その反応する理由、凄いわかる……!!」
「だってさ、社会だけがよ、全部クラス一位って。お前バッグてるな。他平均くらいなのによ。」
それが1番の課題で、問題点だった。模試でも今までの定期テストでも、社会系だけが結果を残せてきた。学年だよりに成績が記載されて、それを見て彩白は助けを求めたのだろう。
「どうしたらいいかな、拓人……。」
「うん…………特進から消えるしかねえな……。」
「そうよね……。この結果の生徒は、うちのクラスに要らないもの。」
拓人に続いて紫音も便乗して、僕の普通クラス行きを押した。
「……2人とも、人の心はないのか?」
「あるに決まってじゃねえかよ! 俺はれっきとした人間だぞ!」
「分かってるよそんなこと! そういうこと言ってんじゃないから!」
「俺はな、お前のこと思って言ってんだぞ!?」
「えっ、そうだったの?」
あれ? どう聞いてもディスりだったよな。
「あ、あた、当たり前じゃねえか! 俺がダチに酷いこと言うと思ったか?」
「……まあ、そう捉えられてもおかしくないようなことは、言ったよね。」
明らかに動揺してたし……。本当に何がしたいんだか分からないんだけど。
「言ってやりなよ、拓人。あんたがどれだけ輝波のためを思っていったか。」
「そうだな……。俺はな、輝波がさらに成長するよう、喝を入れるために言ったのさ!」
「拓人……。お前はいい奴だな……!!」
僕は拓人と熱い握手を交わした。その陰で、紫音はこう呟いていた。
「本当にその意図で言ったのかな……? ただ輝波の点数見て酷かったから、思ったこと言っただけじゃないのかしら。まあ、2人があんなんだし、別にいいか……。」
そして、6時間めの到来のチャイムが鳴った。僕らは、笑いながら席に戻り、黙ってホームルームを受けていた。
放課後。僕が淡々と荷物を詰め、家に帰ろうとすると、見慣れた女子が近づいてきてこう言った。
「社会、一位取れなかったんだけどさ。どうしてくれる訳?」
「まあ、流石に君に一位の座は渡さないよ? 僕に勝とうだなんて何万年も早いから。」
「うわ、うざっ!!」
「お前、師匠にうざいとは何事だ……!」
「師匠!? 笑わせないでよ! キー君、私に他の教科ボロ負けじゃない!」
「あー、そういう事言っちゃうんだ……。」
「うん! だって真実だからね!」
「分かった。じゃあ…………」
「何? 怖いんだけど……。」
「今日から、彩白に全教科教えてもらおうと思います!」
「えっ、うん。別にいいよ? 私、この流れ的に、『もう教えない!』とか言うのかと思った。」
「それじゃあ、前と同じになっちゃうから。読者もつまらないでしょ?」
というより、僕はこの場の面白をとっただけなんだけどね。まあ、いつかは彩白に全教科見てもらうつもりだったから、その時期が早くなっただけ。
「読者がどうとか以前に、作者のさキャラ設定浅はかだよね。」
「あー、髪色と名前が連動してるとか?」
「そうそうそう!! 本当にセンス無いと思うよ!」
「流石に言い過ぎじゃない……?」
「まあ、そうかも……。ていうか何の話してたんだっけ?」
そういえば、なんでこの話になったんだっけ? 別に何でもいいか。とりあえず本筋に話戻すわ。
「これがテストです。」
僕は拓人達に見せた答案を、今度は彩白に見せた。
「ん……。基礎からやったほうがいいやつだよね。」
「そっか……。じゃあ本当に、来ないほうがよかったのな……。」
そのレベルに到達してなかったみたいだな。高一の間は基礎を頑張って伸ばしてきたはずだったんだけどさ。無駄だったのかな…………。
「来ない方が…………よかったね、なんて冗談だけどさ。この時期に基礎が出来上がってる人なんて、正直このクラスにほとんどいないから。私も含めてね。」
「えっ、彩白でまだ固まってないの?」
「私なんてまだまだよ? いくら学年一位とは言っても、まだ高2だからさ。これからだよ!」
あれ? 僕は疑問に思っていたことがあった。
「なんでいきなりそんな優しくなったの?」
「元々私は優しいよ? なに、私が優しく無いとでも言いたいのかな?」
「まあ現に、優しいかって言われると…………頷きづらい状況ではあるよな。」
「酷い……。こんなに親切で通ってるのに……。」
「あー、ハイハイ。じゃあ勉強始めてこう。」
僕はそう言って、ペンを持ちテストのやり直しを始めると、目の前には不満げな女子がいた。
「雑いよ、私への対応が!」
「いやー、ノリたいのは山々だけど、時間見てよ。」
「嘘っ!? もうこんな時間!? 早く始めなきゃ!」
下校時刻の1時間前を時計は指していた。教えて欲しい事もあるから、流石に切り上げた次第だ。
「テスト見ながら教科書で確認するとか、丁寧にやったほうがいいから。その後から基本的な部分を補填してこ。」
「はい先生!! ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします!」
「それはいいんだけど、私としても社会のアドバイス下さい。」
「そっか……。解答用紙見て、テストの時思い出しながら、どうしてそれを答えたのか、なぜ違うのかを確認して……って感じかな。」
「はい師匠!!」
『変な関係性だな』そう思いながら、2人で静寂の空気の中、黙々と勉強を進めていったのだった。
「いつもこんなもんじゃねえか。なんだ、おまえそんな酷かったのか?」
「これ……。」
僕は今日返された答案を全て拓人に渡した。その時、一瞬拓人の顔がニヤついたのを見逃さなかった。
「まあ、その反応する理由、凄いわかる……!!」
「だってさ、社会だけがよ、全部クラス一位って。お前バッグてるな。他平均くらいなのによ。」
それが1番の課題で、問題点だった。模試でも今までの定期テストでも、社会系だけが結果を残せてきた。学年だよりに成績が記載されて、それを見て彩白は助けを求めたのだろう。
「どうしたらいいかな、拓人……。」
「うん…………特進から消えるしかねえな……。」
「そうよね……。この結果の生徒は、うちのクラスに要らないもの。」
拓人に続いて紫音も便乗して、僕の普通クラス行きを押した。
「……2人とも、人の心はないのか?」
「あるに決まってじゃねえかよ! 俺はれっきとした人間だぞ!」
「分かってるよそんなこと! そういうこと言ってんじゃないから!」
「俺はな、お前のこと思って言ってんだぞ!?」
「えっ、そうだったの?」
あれ? どう聞いてもディスりだったよな。
「あ、あた、当たり前じゃねえか! 俺がダチに酷いこと言うと思ったか?」
「……まあ、そう捉えられてもおかしくないようなことは、言ったよね。」
明らかに動揺してたし……。本当に何がしたいんだか分からないんだけど。
「言ってやりなよ、拓人。あんたがどれだけ輝波のためを思っていったか。」
「そうだな……。俺はな、輝波がさらに成長するよう、喝を入れるために言ったのさ!」
「拓人……。お前はいい奴だな……!!」
僕は拓人と熱い握手を交わした。その陰で、紫音はこう呟いていた。
「本当にその意図で言ったのかな……? ただ輝波の点数見て酷かったから、思ったこと言っただけじゃないのかしら。まあ、2人があんなんだし、別にいいか……。」
そして、6時間めの到来のチャイムが鳴った。僕らは、笑いながら席に戻り、黙ってホームルームを受けていた。
放課後。僕が淡々と荷物を詰め、家に帰ろうとすると、見慣れた女子が近づいてきてこう言った。
「社会、一位取れなかったんだけどさ。どうしてくれる訳?」
「まあ、流石に君に一位の座は渡さないよ? 僕に勝とうだなんて何万年も早いから。」
「うわ、うざっ!!」
「お前、師匠にうざいとは何事だ……!」
「師匠!? 笑わせないでよ! キー君、私に他の教科ボロ負けじゃない!」
「あー、そういう事言っちゃうんだ……。」
「うん! だって真実だからね!」
「分かった。じゃあ…………」
「何? 怖いんだけど……。」
「今日から、彩白に全教科教えてもらおうと思います!」
「えっ、うん。別にいいよ? 私、この流れ的に、『もう教えない!』とか言うのかと思った。」
「それじゃあ、前と同じになっちゃうから。読者もつまらないでしょ?」
というより、僕はこの場の面白をとっただけなんだけどね。まあ、いつかは彩白に全教科見てもらうつもりだったから、その時期が早くなっただけ。
「読者がどうとか以前に、作者のさキャラ設定浅はかだよね。」
「あー、髪色と名前が連動してるとか?」
「そうそうそう!! 本当にセンス無いと思うよ!」
「流石に言い過ぎじゃない……?」
「まあ、そうかも……。ていうか何の話してたんだっけ?」
そういえば、なんでこの話になったんだっけ? 別に何でもいいか。とりあえず本筋に話戻すわ。
「これがテストです。」
僕は拓人達に見せた答案を、今度は彩白に見せた。
「ん……。基礎からやったほうがいいやつだよね。」
「そっか……。じゃあ本当に、来ないほうがよかったのな……。」
そのレベルに到達してなかったみたいだな。高一の間は基礎を頑張って伸ばしてきたはずだったんだけどさ。無駄だったのかな…………。
「来ない方が…………よかったね、なんて冗談だけどさ。この時期に基礎が出来上がってる人なんて、正直このクラスにほとんどいないから。私も含めてね。」
「えっ、彩白でまだ固まってないの?」
「私なんてまだまだよ? いくら学年一位とは言っても、まだ高2だからさ。これからだよ!」
あれ? 僕は疑問に思っていたことがあった。
「なんでいきなりそんな優しくなったの?」
「元々私は優しいよ? なに、私が優しく無いとでも言いたいのかな?」
「まあ現に、優しいかって言われると…………頷きづらい状況ではあるよな。」
「酷い……。こんなに親切で通ってるのに……。」
「あー、ハイハイ。じゃあ勉強始めてこう。」
僕はそう言って、ペンを持ちテストのやり直しを始めると、目の前には不満げな女子がいた。
「雑いよ、私への対応が!」
「いやー、ノリたいのは山々だけど、時間見てよ。」
「嘘っ!? もうこんな時間!? 早く始めなきゃ!」
下校時刻の1時間前を時計は指していた。教えて欲しい事もあるから、流石に切り上げた次第だ。
「テスト見ながら教科書で確認するとか、丁寧にやったほうがいいから。その後から基本的な部分を補填してこ。」
「はい先生!! ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします!」
「それはいいんだけど、私としても社会のアドバイス下さい。」
「そっか……。解答用紙見て、テストの時思い出しながら、どうしてそれを答えたのか、なぜ違うのかを確認して……って感じかな。」
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