特進クラスのふざけかた

やすを。

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12話 両親って、いいな。

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 真斗の顔は輝いていた。

 「俺さ、親には感謝してんだよ。こんな息子に時間使って。疲れているにも関わらず、ゲームしてくれるし話聞いてくれるし。」

 なんだろうこのエモい雰囲気。やるやん作者!!

 「パパとママ、同じ職場で働いてんだけど、いつも楽しそうなんだよな。何の仕事をしてるのかあんまり知らないけどさ、俺同じ仕事につきたいんだよ。」

 彼には両親に対して、尊敬の念が強いように見えた。思春期真っ只中の息子なのに、かなり珍しいタイプの高校生なのだろう。僕はそう思わざるを得なかった。

 「すごいな、真斗! そうやって言葉にできるってカッコいいと思うぞ!!」

 「なあ、拓人……。」

 「どうした?」
 
 「熱苦しい! いいってそんなこと言わなくて!」

 「でもまんざらでもない顔してない?」

 「おい、輝波。お前余計なこと言わなくていい!」

 照れ隠しとか可愛すぎ。このギャップにやられる女子多そうだな。

 「まあ、でも羨ましいよ。僕の両親も仲良いだろうけど、あんまりそういうのは無いからさ。」

 「な、なんだよいきなり……。」

 「いや? 事実を言っただけだけど?」

 「ウッザ!」

 「あの時の仕返し~!」

 「てめえがちで……!」

 「……なんだかんだ、2人とも仲良いね。……ムニャムニャ……。」

 僕は笑いながら、真斗はムキになりながら、やりとりをしていると起きた彩白が、寝ぼけたようにそう言った。

 「なんだったんだ……?」

 「寝ぼけてたんだろうな。なあ、ゲームしようぜ!」

 「よしっ! 今日はオールだな!」

 僕はそう意気込んだ。

 「えー、俺寝たい……。」

 「なんで……? 流れ的にノるとこじゃないの……?」

 「ううん、俺明日勉強する予定だったし。あんまり影響あるの嫌だからな。」

 えー、なんでなん!? まあ、僕も勉強するつもりだったからいいのか、な?

 「まあ、なんでもいいか。とりあえずやろう!」

 「ああ。拓人も集合!」

 そうして、盛り上がりは深夜にまで及んだ。僕と拓人は疲れ切って、ソファに寄りかかりながら眠った。真斗は自室に行って自分のベッドで就寝した。

 「ねえねえ!! 起きてよ、キー君!!」

 「……ん? どうした……?」

 「私帰らないとまずいからさ、付いてきてよ! お願い! ねえ、起きて!」

 「……分かったから、とりあえず支度するから待って。」

 僕は気怠い体をなんとか起こし、近くの紙に書き置きをテーブルに残すと、半開きの目のまま彩白に連れられて帰った。

 どうやら門限が過ぎていたらしい。恐らく帰ったら母親からの雷は避けられないとのこと。

 その後僕は彩白と別れ、帰宅するともう一度ベッドの中に入り、再び眠りに落ちたのだった。
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