12 / 48
12話 両親って、いいな。
しおりを挟む
真斗の顔は輝いていた。
「俺さ、親には感謝してんだよ。こんな息子に時間使って。疲れているにも関わらず、ゲームしてくれるし話聞いてくれるし。」
なんだろうこのエモい雰囲気。やるやん作者!!
「パパとママ、同じ職場で働いてんだけど、いつも楽しそうなんだよな。何の仕事をしてるのかあんまり知らないけどさ、俺同じ仕事につきたいんだよ。」
彼には両親に対して、尊敬の念が強いように見えた。思春期真っ只中の息子なのに、かなり珍しいタイプの高校生なのだろう。僕はそう思わざるを得なかった。
「すごいな、真斗! そうやって言葉にできるってカッコいいと思うぞ!!」
「なあ、拓人……。」
「どうした?」
「熱苦しい! いいってそんなこと言わなくて!」
「でもまんざらでもない顔してない?」
「おい、輝波。お前余計なこと言わなくていい!」
照れ隠しとか可愛すぎ。このギャップにやられる女子多そうだな。
「まあ、でも羨ましいよ。僕の両親も仲良いだろうけど、あんまりそういうのは無いからさ。」
「な、なんだよいきなり……。」
「いや? 事実を言っただけだけど?」
「ウッザ!」
「あの時の仕返し~!」
「てめえがちで……!」
「……なんだかんだ、2人とも仲良いね。……ムニャムニャ……。」
僕は笑いながら、真斗はムキになりながら、やりとりをしていると起きた彩白が、寝ぼけたようにそう言った。
「なんだったんだ……?」
「寝ぼけてたんだろうな。なあ、ゲームしようぜ!」
「よしっ! 今日はオールだな!」
僕はそう意気込んだ。
「えー、俺寝たい……。」
「なんで……? 流れ的にノるとこじゃないの……?」
「ううん、俺明日勉強する予定だったし。あんまり影響あるの嫌だからな。」
えー、なんでなん!? まあ、僕も勉強するつもりだったからいいのか、な?
「まあ、なんでもいいか。とりあえずやろう!」
「ああ。拓人も集合!」
そうして、盛り上がりは深夜にまで及んだ。僕と拓人は疲れ切って、ソファに寄りかかりながら眠った。真斗は自室に行って自分のベッドで就寝した。
「ねえねえ!! 起きてよ、キー君!!」
「……ん? どうした……?」
「私帰らないとまずいからさ、付いてきてよ! お願い! ねえ、起きて!」
「……分かったから、とりあえず支度するから待って。」
僕は気怠い体をなんとか起こし、近くの紙に書き置きをテーブルに残すと、半開きの目のまま彩白に連れられて帰った。
どうやら門限が過ぎていたらしい。恐らく帰ったら母親からの雷は避けられないとのこと。
その後僕は彩白と別れ、帰宅するともう一度ベッドの中に入り、再び眠りに落ちたのだった。
「俺さ、親には感謝してんだよ。こんな息子に時間使って。疲れているにも関わらず、ゲームしてくれるし話聞いてくれるし。」
なんだろうこのエモい雰囲気。やるやん作者!!
「パパとママ、同じ職場で働いてんだけど、いつも楽しそうなんだよな。何の仕事をしてるのかあんまり知らないけどさ、俺同じ仕事につきたいんだよ。」
彼には両親に対して、尊敬の念が強いように見えた。思春期真っ只中の息子なのに、かなり珍しいタイプの高校生なのだろう。僕はそう思わざるを得なかった。
「すごいな、真斗! そうやって言葉にできるってカッコいいと思うぞ!!」
「なあ、拓人……。」
「どうした?」
「熱苦しい! いいってそんなこと言わなくて!」
「でもまんざらでもない顔してない?」
「おい、輝波。お前余計なこと言わなくていい!」
照れ隠しとか可愛すぎ。このギャップにやられる女子多そうだな。
「まあ、でも羨ましいよ。僕の両親も仲良いだろうけど、あんまりそういうのは無いからさ。」
「な、なんだよいきなり……。」
「いや? 事実を言っただけだけど?」
「ウッザ!」
「あの時の仕返し~!」
「てめえがちで……!」
「……なんだかんだ、2人とも仲良いね。……ムニャムニャ……。」
僕は笑いながら、真斗はムキになりながら、やりとりをしていると起きた彩白が、寝ぼけたようにそう言った。
「なんだったんだ……?」
「寝ぼけてたんだろうな。なあ、ゲームしようぜ!」
「よしっ! 今日はオールだな!」
僕はそう意気込んだ。
「えー、俺寝たい……。」
「なんで……? 流れ的にノるとこじゃないの……?」
「ううん、俺明日勉強する予定だったし。あんまり影響あるの嫌だからな。」
えー、なんでなん!? まあ、僕も勉強するつもりだったからいいのか、な?
「まあ、なんでもいいか。とりあえずやろう!」
「ああ。拓人も集合!」
そうして、盛り上がりは深夜にまで及んだ。僕と拓人は疲れ切って、ソファに寄りかかりながら眠った。真斗は自室に行って自分のベッドで就寝した。
「ねえねえ!! 起きてよ、キー君!!」
「……ん? どうした……?」
「私帰らないとまずいからさ、付いてきてよ! お願い! ねえ、起きて!」
「……分かったから、とりあえず支度するから待って。」
僕は気怠い体をなんとか起こし、近くの紙に書き置きをテーブルに残すと、半開きの目のまま彩白に連れられて帰った。
どうやら門限が過ぎていたらしい。恐らく帰ったら母親からの雷は避けられないとのこと。
その後僕は彩白と別れ、帰宅するともう一度ベッドの中に入り、再び眠りに落ちたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
月弥総合病院
僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる