特進クラスのふざけかた

やすを。

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23話 遊園地の青春

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 「久々に来たわー!!」

 「えっ、輝波って来たことあったのか?」

 「真斗お前、僕のこと舐めすぎだって!」

 ここは千葉なのに東京と謳っている、某有名遊園地にいる。僕だってき来たことくらいあるよ!!

 「キー君最後に来たのいつ?」

 彩白は面白半分にそう問う。

 「えっと……6年前とかかな?」

 「うわっ、引くわ……。」

 紫音はガチトーンでそう言った。

 「えっ、何で? ディズニー来なかったら、人間じゃないの?」

 「そうだな……間違いなく日本人では、ないな。」

 真斗は憐れむような目線を僕に向けた。

 まったく、酷い言い草だよ3人とも……。仕方ないじゃないか、友達とも来ようみたいな話にならなかったんだからさ……。

 「でもさ、逆に考えたら、この中で一番楽しめる自信あるから!!」

 「……何だろう、哀れすぎて言葉も出ないよ……。」

 「……ね、なんとかして自分を守ってる感じね……。」

 「……な、本当っ、ダッサイよな……!!」

 「3人当たり強くない……?」

 僕は少しトーンを落としていった。

 何でこういう楽しい場面でそういうこと言うかな……。まあ、最高だからいいんだけどね!!!

 僕らはそんなやりとりの中、入場しアトラクションに向かう。まだ午前中で、人は多いがやれることが多い。僕らは順調に乗りたいジェットコースターや出店で買ったりして、楽しい雰囲気が絶え間なく流れていた。

 「いや~、久々の来て、マジで楽しいよ!!」

 「あら、輝波ったら興奮してるのね。」

 「やめてくれ……。テンション上がってんだから、水差さんといて……。」

 「なんか珍しく、テンション高かったから、周りにいるエロい女の人に興奮してたのかと、勝手に思ったのよ~。」

 「思っとけ!! 心の中にしまっておいて!」

 下ネタは面白いけど、ここではしまっておいてよ心の中にさ。

 「いやね~、それが私の個性なのよね~。」

 「それ自分で言っちゃうんだ……。」

 僕はそうツッコむと、葉月は右手を突き上げジェットコースターの1集団を指差した。

 「あの子のおっぱい大きいよね~。」

 「いきなりなんの話してんだよ……。」

 「いやね~、『あの揺れ方すごいな~』と思ってさ。男からしたら、堪らないんじゃないかなって思ったのよ。」
 
 まあ、男からしたら魅力的にしか見えないけどさ、女子からその質問された時の答え方って、どうすればいいんだよ…………。

 「確かに……でかいよな。」

 「あら~、輝波も思春期男子よね~。」

 「……お前って奴は。」

 なに人に責任なすりつけとねん!! 葉月が話振ったのに、人が言い出したみたいな空気にすんなよ!!

 「そういう時もあるって~。……ねえ、皆んな~! 輝波がエロガキになったよ~!!」

 葉月が謎に大声で他4人に報告したことで、赤の他人にまでも聞かれてしまった。周りからの視線が痛かった。

 「葉月、キー君がエロガキなのは元からだよ。」

 「もうなんか、否定するのも面倒臭い……。」

 そこから5人の集中砲火が始まって、昼食が終わるまでずっと続いた。正直死ぬほど疲れた。

 それからはショーを挟んだり、軽めのアトラクションに乗ったり、クールダウン的な感じで使っていた。

 夜9時、みんなの都合で帰宅のために動いていた。

 「トイレ行ってくるね。」
 
 「僕も行ってくるわー!」

 僕と彩白は急足でトイレに行った。済ませた後、僕が外に出ると、柄の悪い男たちが数人立っていた。言いようのない不安感が、僕を襲っていた。

 僕はトイレの外側に立って、帰ってくるまでの間、携帯をいじりながら時間を潰していた。

 「そこの女子、ちょっと待ってよー。」

 その柄の悪い男と思われる声が聞こえてきた。反射的に振り返ってしまった。

 「えっ、なんですか?」

 「ちょっとこっち来てくれる?」

 「嫌に決まってるじゃないですか! 何するんですか!」

 「暴れんなよ!! ついてこいや!!」
 
 僕は彼女が抵抗する声を聞いてすぐに動き始めた。

 「何してるんですか? 話してくださいよ!」

 「誰だよてめえ! 部外者はひっ込んでろ!!」

 「部外者? こいつは僕の連れなんで、手出さないでもらえます?」

 「そ、そうですよ! キー君行こう!」

 「おい待ててめえら!! 俺らを敵に回して無事でいられると思うなよ?」

 僕はそれを聞いて、何か得体の知れないスイッチが入った。

 「別にどうなってもいいですけど、あなたたちが社会的に死ぬだけですからね?」

 「何言ってんだよてめえ! 別に警察で見なんでも呼べばいいじゃねえか!」

 そう言われた僕は、周りを見渡した。そして勝ちを確信した。それは大量の野次馬に囲まれていたからだった。

 「呼ばなくても、ここにいる人が何人が、この様子をインスタにあげるかな? 警察に通報してるかな?」

 「だから何だよ!! 別に関係ねえよ!」

 「ほう? あれを見ても同じこと言えますか?」

 「…あんた達何やってんだ!! 直ちにやめなさい!!」

 「クッソ……!! 警備員が大量に来やがった!! お前らずらかるぞ!!」
 
 そう言って柄の悪い男はどっかに消えていった。僕らは、そのまま事情を話してみんなのいる方へか帰っていった。

 「何でインスタの話してたの?」

 唐突に彩白が質問してきた。

 「時間稼ぎと、社会的に殺せるって意味で言ったんだよ。」

 「時間稼ぎは何となくわかるけど、社会的に殺すって何?」

 「インスタで顔晒して、拡散してもらったら、警察に捕まえてもらいやすくなるし、色んな人の目に触れるから、色んな人から白い目で見られる、みたいな感じかな。」

 「……そんなことが瞬時に思いついたの?」

 「まあ、そうなるかな?」

 「なんかすごいね…………。」

 「なんでちょっと引いてんだよ!」

 折角助けたのに、何で引かれたんだよ。もう少し功績を讃えてくれてもいいはずなんだけど。

 僕はそんなことを考えながら、みんなの元に戻った。みんなに何があったのかをちゃんと説明して、僕らは帰路についた。どうしてかみんなも同じ反応をするのだった。

 

 





 
 
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