26 / 44
第二十六話 一生の思い出
しおりを挟む
「えっ、みなさんいつの間に!?」
いつも使用人が仕事をする時に来ている服じゃなくて、全員がパーティー用のドレスや燕尾服を着ていて、ビックリしちゃった! みんな綺麗で、見惚れちゃうくらいだよ!
「シエル様、我々からのプレゼントは、二つご用意いたしました。まずその一つとして、この楽しく踊れる環境をご提供させていただきます。周りに気を使う貴族はおりませんので、思う存分羽を伸ばしてください。それと、これを贈らせていただきます」
使用人を代表して、お歳を召した男性が、私に花束をプレゼントしてくれた。ほんのりと甘い香りが、何とも心地いい気分にしてくれる。
「ありがとうございます! 皆さんも着替えてるってことは、踊るのですか?」
「はい、我々も自由に楽しませていただきます」
「なら良かったです! みなさんで楽しんだ方が良いですもんね!」
私が笑顔でそう言うと、皆さんが嬉しそうに頷いてくれた。
踊りなんて、最近全くしてなかったんだよね。一応習い事でダンスを習ってたとはいえ……まあ、やってみないとわからないか!
「ラルフ」
「シエル様」
「「一緒に踊ってください」」
名前を呼ぶタイミング、それに誘うタイミングと言葉まで一緒すぎて、私とラルフは思わず笑ってしまった。周りの人達も、釣られて笑っている。
「息が合いすぎっていうのも、ちょっと困りものかもね!」
「そうですね。今度、調整のために喧嘩でもしてみますか?」
「えー? 多分しても、ラルフのバーカ! しか言わないと思うよ?」
「この話は無かったことにしましょう。今の一言だけで、私は膝から崩れ落ちそうです」
「さすがに弱すぎるよっ!?」
使用人達に微笑ましい笑みで見られる中、私は近くにいた使用人に、花束のことをお願いしてから、ラルフとダンスの構えを取る。すると、使用人達もそれぞれの位置で構えを取った。
「えへへ、ラルフと踊れる日が来るなんて思ってもなかったよ」
「今までの私の立場や我々の関係だと、こういう場で踊るのは、少々無理がございましたからね」
ゆったりした音楽に合わせながら、私達は体を寄せ合ってステップを踏み始める。
曲に合わせて右左に動き、離れたりくっついたりと、見た目以上に社交界のダンスは難しい。なのに、ラルフは一切動きを乱すことなく、私をリードしてくれた。
「右、左、ここでステップ……久しぶりだから、上手く動けないなぁ……」
「うまくやる必要はございませんよ。今日はあなたに楽しんでもらうためのパーティーですからね」
「……そ、それもそうだね!」
いつも以上に近く、そしてはっきりと見えるラルフのカッコよさに、ドキドキが止まらない。
このドキドキしている音が、ラルフに聞こえちゃったら少し恥ずかしいけど、今はそんなことを気にしてないで、このパーティーを全力で楽しもう!
****
三曲ほど踊ったところで、ダンスは無事にお開きとなった。結局私はラルフにリードされっぱなしだったけど、楽しかったからそれでいいかな!
「楽しかったね、ラルフ!」
「ええ、とても。おっと、額に汗が……動かないでくださいね」
「もう、子供じゃないんだから、自分で拭けるよ!」
私のお化粧が崩れないように、ポンポンと優しく汗を拭いてくれるラルフに、ほんの少しだけ不満の表情を向ける。
ラルフって、私のことをたまに子供みたいな扱いをするんだよね。私のことを考えてくれているのはよくわかるんだけど、ちょっぴり恥ずかしい。
……まあ、こういうことをされて、喜んでいる自分がいるのは、否定できないけどさ。
「二人共、お疲れ様。とても楽しそうに踊っている姿を見ていたら、私まで幸せになっちゃったわ」
「クリスティア様! はい、とっても楽しかったです!」
「なら良かったわ。そんなシエルに、私からプレゼントがあるの」
「クリスティア様まで、私のために……!?」
「あら、未来の家族なんだから当然でしょう?」
わ、私がラルフと結婚するのは、クリスティア様の中では決定事項なのかな……迎えてもらえて嬉しいような、恥ずかしいような……。
「ラルフ、シエルをバルコニーに連れて行ってあげて」
「はい、母上。シエル様、こちらにどうぞ」
「うんっ。その前に……皆さん、今日は私のために色々としてくれて、ありがとうございます! こんなに素敵な誕生日にしてもらえて、私は本当に幸せです!」
私が伝えられる精一杯の感謝を込めて、勢いよく頭を下げると、皆さんの暖かい拍手に包まれた。
「良かったですね、シエル様」
「うんっ! 待たせてごめんね。バルコニーに行こう!」
嬉しくて流れた涙を拭ってから、もう一度皆さんにお辞儀をした私は、ラルフに連れられて会場を後にすると、同じ建物の最上階にあるバルコニーに連れてこられた。
一体ここでなにがあるのだろう? バルコニーには、これといったものは無さそうだし……。
「そろそろですね。それを見ていてください」
「空……あ、あれは……!?」
綺麗な夜空を割るように、一筋の光が空に上がり……そして、爆発音と共に綺麗な赤い光となった。
「い、今のは一体何!? バーン!! って音がしたと思ったら、光がまるでお花のように広がってたよ!? ねえラルフ、あれはなに!?」
「あれは、花火ですよ」
ハナビ……! 風の噂程度で聞いたことがあるけど、こうして実際に見るのは初めてだよ! こんなに綺麗で迫力があるものだったんだね!
「異国の祭りでよく行われるそうです。母上が幼い頃、ご両親と共に旅行で訪れた際に見たそうで、その時に大層気に入ったと仰っておりました」
「それを、私のためにわざわざ?」
「ええ。母上のお知り合いの方に、花火職人と繋がりがある方がいらっしゃるのです。今日も、花火を上げるために来てくれたのです」
もしかして、プレゼントってこの花火のこと? なんておしゃれな誕生日プレゼントだろう! こんなの、一生忘れることができないよ!
「こんな良いものが見れるなんて……クリスティア様には感謝しかないよ!」
「何を仰っているのですか?」
「えっ?」
一回だけで終わりだと勘違いしていたが、なんと今度は空に二つの光が上がっていき、青い光となってはじけ飛んだ。
それだけでは終わらず、次々に光は轟音と共にはじけ続け、まるで空に光の花畑が広がっているような、幻想的な光景が広がっていた。
「こ、こんなに盛大にやってくれるなんて、想像もしてなかったよ……」
「私も少々度肝を抜かれました。まさか、ここまで盛大に行うとは……これでは、私のプレゼントが霞んでしまう」
そう言うと、ラルフは服の内ポケットから、縦長の箱を取り出して、私に手渡してくれた。
これって、この前ラルフが町に行って買ってきてくれた物だよね?
「毎年ありがとう、ラルフ。すっごく嬉しい……! 開けてみてもいい?」
「はい」
綺麗にラッピングされた包みを破かないように開けると、そこには銀色に輝くペンダントが入っていた。花びらのチャームが付いていて、可愛らしさと美しさが両立されている。
「こ、こんな綺麗なものを、本当に貰っちゃっていいの!?」
「はい。あなたのために買ってきたのですから」
「う、嬉しすぎて、この気持ちを何て言葉にすればいいかわからない……」
手元には綺麗なネックレス、目の前にはカッコいい男性、そして夜空に花開く花火達。最高のパーティーまでしてもらえて……嬉しすぎて、このまま死んじゃってもいいやって思えるくらいだよ。
「ありがとう、ラルフ! 私、人生で一番嬉しい誕生日だよ!」
「それはなによりです。つけて差し上げますので、一度私に渡していただけますか?」
「いいの? それじゃあ、お願いしちゃおうかな」
つけやすいように、髪を両手で持ち上げて、うなじが見えるようにした。これでついけられるかな……そう思ってからまもなく、私の首にペンダントがかけられた。
「綺麗だし、付け心地が良いし、この花びらも可愛いし、最高だよ! この花びらはなんのお花なんだろう?」
「その花は、サクラを模しております」
「サクラ? この辺りには無いお花だよね。だから見たことなかったんだ!」
「はい。ちなみに桜の花言葉は、優美な女性、純潔という意味があるそうです」
このペンダントに、そんなに沢山の考えが詰まっていたなんてね。さすがはラルフ、しっかり調べておいたんだね!
「そろそろクライマックスですね」
「わぁ……すごいね、一気に花火が上がったよ! 迫力がものすごい!」
「ええ、圧巻ですね」
「うんっ……って、ラルフ?」
さっきよりも多くの花火が空に旅立ち、そして轟音と共に花開く。その美しさに見惚れていると、ラルフに後ろから抱きしめられた。
ビックリはしたけど、別に嫌とかは無くて……むしろ嬉しい。このままずっとこうしていたい。そう思ったら、自然とラルフの手に自分の手を重ねていた。
「ラルフ、今日は本当にありがとう。今日のことは一生忘れないよ」
「喜んでもらえて良かったです」
今までに感じたことのない幸福感とラルフへの感謝、そして今までもこれからもラルフと一緒にいたいと思った私は、ラルフの手に自分の手を重ねる。そして、自然と口が開いた。
「ラルフ、大好きだよ」
いつも使用人が仕事をする時に来ている服じゃなくて、全員がパーティー用のドレスや燕尾服を着ていて、ビックリしちゃった! みんな綺麗で、見惚れちゃうくらいだよ!
「シエル様、我々からのプレゼントは、二つご用意いたしました。まずその一つとして、この楽しく踊れる環境をご提供させていただきます。周りに気を使う貴族はおりませんので、思う存分羽を伸ばしてください。それと、これを贈らせていただきます」
使用人を代表して、お歳を召した男性が、私に花束をプレゼントしてくれた。ほんのりと甘い香りが、何とも心地いい気分にしてくれる。
「ありがとうございます! 皆さんも着替えてるってことは、踊るのですか?」
「はい、我々も自由に楽しませていただきます」
「なら良かったです! みなさんで楽しんだ方が良いですもんね!」
私が笑顔でそう言うと、皆さんが嬉しそうに頷いてくれた。
踊りなんて、最近全くしてなかったんだよね。一応習い事でダンスを習ってたとはいえ……まあ、やってみないとわからないか!
「ラルフ」
「シエル様」
「「一緒に踊ってください」」
名前を呼ぶタイミング、それに誘うタイミングと言葉まで一緒すぎて、私とラルフは思わず笑ってしまった。周りの人達も、釣られて笑っている。
「息が合いすぎっていうのも、ちょっと困りものかもね!」
「そうですね。今度、調整のために喧嘩でもしてみますか?」
「えー? 多分しても、ラルフのバーカ! しか言わないと思うよ?」
「この話は無かったことにしましょう。今の一言だけで、私は膝から崩れ落ちそうです」
「さすがに弱すぎるよっ!?」
使用人達に微笑ましい笑みで見られる中、私は近くにいた使用人に、花束のことをお願いしてから、ラルフとダンスの構えを取る。すると、使用人達もそれぞれの位置で構えを取った。
「えへへ、ラルフと踊れる日が来るなんて思ってもなかったよ」
「今までの私の立場や我々の関係だと、こういう場で踊るのは、少々無理がございましたからね」
ゆったりした音楽に合わせながら、私達は体を寄せ合ってステップを踏み始める。
曲に合わせて右左に動き、離れたりくっついたりと、見た目以上に社交界のダンスは難しい。なのに、ラルフは一切動きを乱すことなく、私をリードしてくれた。
「右、左、ここでステップ……久しぶりだから、上手く動けないなぁ……」
「うまくやる必要はございませんよ。今日はあなたに楽しんでもらうためのパーティーですからね」
「……そ、それもそうだね!」
いつも以上に近く、そしてはっきりと見えるラルフのカッコよさに、ドキドキが止まらない。
このドキドキしている音が、ラルフに聞こえちゃったら少し恥ずかしいけど、今はそんなことを気にしてないで、このパーティーを全力で楽しもう!
****
三曲ほど踊ったところで、ダンスは無事にお開きとなった。結局私はラルフにリードされっぱなしだったけど、楽しかったからそれでいいかな!
「楽しかったね、ラルフ!」
「ええ、とても。おっと、額に汗が……動かないでくださいね」
「もう、子供じゃないんだから、自分で拭けるよ!」
私のお化粧が崩れないように、ポンポンと優しく汗を拭いてくれるラルフに、ほんの少しだけ不満の表情を向ける。
ラルフって、私のことをたまに子供みたいな扱いをするんだよね。私のことを考えてくれているのはよくわかるんだけど、ちょっぴり恥ずかしい。
……まあ、こういうことをされて、喜んでいる自分がいるのは、否定できないけどさ。
「二人共、お疲れ様。とても楽しそうに踊っている姿を見ていたら、私まで幸せになっちゃったわ」
「クリスティア様! はい、とっても楽しかったです!」
「なら良かったわ。そんなシエルに、私からプレゼントがあるの」
「クリスティア様まで、私のために……!?」
「あら、未来の家族なんだから当然でしょう?」
わ、私がラルフと結婚するのは、クリスティア様の中では決定事項なのかな……迎えてもらえて嬉しいような、恥ずかしいような……。
「ラルフ、シエルをバルコニーに連れて行ってあげて」
「はい、母上。シエル様、こちらにどうぞ」
「うんっ。その前に……皆さん、今日は私のために色々としてくれて、ありがとうございます! こんなに素敵な誕生日にしてもらえて、私は本当に幸せです!」
私が伝えられる精一杯の感謝を込めて、勢いよく頭を下げると、皆さんの暖かい拍手に包まれた。
「良かったですね、シエル様」
「うんっ! 待たせてごめんね。バルコニーに行こう!」
嬉しくて流れた涙を拭ってから、もう一度皆さんにお辞儀をした私は、ラルフに連れられて会場を後にすると、同じ建物の最上階にあるバルコニーに連れてこられた。
一体ここでなにがあるのだろう? バルコニーには、これといったものは無さそうだし……。
「そろそろですね。それを見ていてください」
「空……あ、あれは……!?」
綺麗な夜空を割るように、一筋の光が空に上がり……そして、爆発音と共に綺麗な赤い光となった。
「い、今のは一体何!? バーン!! って音がしたと思ったら、光がまるでお花のように広がってたよ!? ねえラルフ、あれはなに!?」
「あれは、花火ですよ」
ハナビ……! 風の噂程度で聞いたことがあるけど、こうして実際に見るのは初めてだよ! こんなに綺麗で迫力があるものだったんだね!
「異国の祭りでよく行われるそうです。母上が幼い頃、ご両親と共に旅行で訪れた際に見たそうで、その時に大層気に入ったと仰っておりました」
「それを、私のためにわざわざ?」
「ええ。母上のお知り合いの方に、花火職人と繋がりがある方がいらっしゃるのです。今日も、花火を上げるために来てくれたのです」
もしかして、プレゼントってこの花火のこと? なんておしゃれな誕生日プレゼントだろう! こんなの、一生忘れることができないよ!
「こんな良いものが見れるなんて……クリスティア様には感謝しかないよ!」
「何を仰っているのですか?」
「えっ?」
一回だけで終わりだと勘違いしていたが、なんと今度は空に二つの光が上がっていき、青い光となってはじけ飛んだ。
それだけでは終わらず、次々に光は轟音と共にはじけ続け、まるで空に光の花畑が広がっているような、幻想的な光景が広がっていた。
「こ、こんなに盛大にやってくれるなんて、想像もしてなかったよ……」
「私も少々度肝を抜かれました。まさか、ここまで盛大に行うとは……これでは、私のプレゼントが霞んでしまう」
そう言うと、ラルフは服の内ポケットから、縦長の箱を取り出して、私に手渡してくれた。
これって、この前ラルフが町に行って買ってきてくれた物だよね?
「毎年ありがとう、ラルフ。すっごく嬉しい……! 開けてみてもいい?」
「はい」
綺麗にラッピングされた包みを破かないように開けると、そこには銀色に輝くペンダントが入っていた。花びらのチャームが付いていて、可愛らしさと美しさが両立されている。
「こ、こんな綺麗なものを、本当に貰っちゃっていいの!?」
「はい。あなたのために買ってきたのですから」
「う、嬉しすぎて、この気持ちを何て言葉にすればいいかわからない……」
手元には綺麗なネックレス、目の前にはカッコいい男性、そして夜空に花開く花火達。最高のパーティーまでしてもらえて……嬉しすぎて、このまま死んじゃってもいいやって思えるくらいだよ。
「ありがとう、ラルフ! 私、人生で一番嬉しい誕生日だよ!」
「それはなによりです。つけて差し上げますので、一度私に渡していただけますか?」
「いいの? それじゃあ、お願いしちゃおうかな」
つけやすいように、髪を両手で持ち上げて、うなじが見えるようにした。これでついけられるかな……そう思ってからまもなく、私の首にペンダントがかけられた。
「綺麗だし、付け心地が良いし、この花びらも可愛いし、最高だよ! この花びらはなんのお花なんだろう?」
「その花は、サクラを模しております」
「サクラ? この辺りには無いお花だよね。だから見たことなかったんだ!」
「はい。ちなみに桜の花言葉は、優美な女性、純潔という意味があるそうです」
このペンダントに、そんなに沢山の考えが詰まっていたなんてね。さすがはラルフ、しっかり調べておいたんだね!
「そろそろクライマックスですね」
「わぁ……すごいね、一気に花火が上がったよ! 迫力がものすごい!」
「ええ、圧巻ですね」
「うんっ……って、ラルフ?」
さっきよりも多くの花火が空に旅立ち、そして轟音と共に花開く。その美しさに見惚れていると、ラルフに後ろから抱きしめられた。
ビックリはしたけど、別に嫌とかは無くて……むしろ嬉しい。このままずっとこうしていたい。そう思ったら、自然とラルフの手に自分の手を重ねていた。
「ラルフ、今日は本当にありがとう。今日のことは一生忘れないよ」
「喜んでもらえて良かったです」
今までに感じたことのない幸福感とラルフへの感謝、そして今までもこれからもラルフと一緒にいたいと思った私は、ラルフの手に自分の手を重ねる。そして、自然と口が開いた。
「ラルフ、大好きだよ」
124
あなたにおすすめの小説
婚約者を譲れと姉に「お願い」されました。代わりに軍人侯爵との結婚を押し付けられましたが、私は形だけの妻のようです。
ナナカ
恋愛
メリオス伯爵の次女エレナは、幼い頃から姉アルチーナに振り回されてきた。そんな姉に婚約者ロエルを譲れと言われる。さらに自分の代わりに結婚しろとまで言い出した。結婚相手は貴族たちが成り上がりと侮蔑する軍人侯爵。伯爵家との縁組が目的だからか、エレナに入れ替わった結婚も承諾する。
こうして、ほとんど顔を合わせることない別居生活が始まった。冷め切った関係になるかと思われたが、年の離れた侯爵はエレナに丁寧に接してくれるし、意外に優しい人。エレナも数少ない会話の機会が楽しみになっていく。
(本編、番外編、完結しました)
ボロボロになるまで働いたのに見た目が不快だと追放された聖女は隣国の皇子に溺愛される。……ちょっと待って、皇子が三つ子だなんて聞いてません!
沙寺絃
恋愛
ルイン王国の神殿で働く聖女アリーシャは、早朝から深夜まで一人で激務をこなしていた。
それなのに聖女の力を理解しない王太子コリンから理不尽に追放を言い渡されてしまう。
失意のアリーシャを迎えに来たのは、隣国アストラ帝国からの使者だった。
アリーシャはポーション作りの才能を買われ、アストラ帝国に招かれて病に臥せった皇帝を助ける。
帝国の皇子は感謝して、アリーシャに深い愛情と敬意を示すようになる。
そして帝国の皇子は十年前にアリーシャと出会った事のある初恋の男の子だった。
再会に胸を弾ませるアリーシャ。しかし、衝撃の事実が発覚する。
なんと、皇子は三つ子だった!
アリーシャの幼馴染の男の子も、三人の皇子が入れ替わって接していたと判明。
しかも病から復活した皇帝は、アリーシャを皇子の妃に迎えると言い出す。アリーシャと結婚した皇子に、次の皇帝の座を譲ると宣言した。
アリーシャは個性的な三つ子の皇子に愛されながら、誰と結婚するか決める事になってしまう。
一方、アリーシャを追放したルイン王国では暗雲が立ち込め始めていた……。
行き遅れ令嬢の婚約者は王子様!?案の定、妹が寄越せと言ってきました。はあ?(゚Д゚)
リオール
恋愛
父の代わりに公爵家の影となって支え続けてるアデラは、恋愛をしてる暇もなかった。その結果、18歳になっても未だ結婚の「け」の字もなく。婚約者さえも居ない日々を送っていた。
そんなある日。参加した夜会にて彼と出会ったのだ。
運命の出会い。初恋。
そんな彼が、実は王子様だと分かって──!?
え、私と婚約!?行き遅れ同士仲良くしようって……えええ、本気ですか!?
──と驚いたけど、なんやかんやで溺愛されてます。
そうして幸せな日々を送ってたら、やって来ましたよ妹が。父親に甘やかされ、好き放題我が儘し放題で生きてきた妹は私に言うのだった。
婚約者を譲れ?可愛い自分の方がお似合いだ?
・・・はああああ!?(゚Д゚)
===========
全37話、執筆済み。
五万字越えてしまったのですが、1話1話は短いので短編としておきます。
最初はギャグ多め。だんだんシリアスです。
18歳で行き遅れ?と思われるかも知れませんが、そういう世界観なので。深く考えないでください(^_^;)
感想欄はオープンにしてますが、多忙につきお返事できません。ご容赦ください<(_ _)>
「地味で無能」と捨てられた令嬢は、冷酷な【年上イケオジ公爵】に嫁ぎました〜今更私の価値に気づいた元王太子が後悔で顔面蒼白になっても今更遅い
腐ったバナナ
恋愛
伯爵令嬢クラウディアは、婚約者のアルバート王太子と妹リリアンに「地味で無能」と断罪され、公衆の面前で婚約破棄される。
お飾りの厄介払いとして押し付けられた嫁ぎ先は、「氷壁公爵」と恐れられる年上の冷酷な辺境伯アレクシス・グレイヴナー公爵だった。
当初は冷徹だった公爵は、クラウディアの才能と、過去の傷を癒やす温もりに触れ、その愛を「二度と失わない」と固く誓う。
彼の愛は、包容力と同時に、狂気的な独占欲を伴った「大人の愛」へと昇華していく。
婚約破棄は別にいいですけど、優秀な姉と無能な妹なんて噂、本気で信じてるんですか?
リオール
恋愛
侯爵家の執務を汗水流してこなしていた私──バルバラ。
だがある日突然、婚約者に婚約破棄を告げられ、父に次期当主は姉だと宣言され。出て行けと言われるのだった。
世間では姉が優秀、妹は駄目だと思われてるようですが、だから何?
せいぜい束の間の贅沢を楽しめばいいです。
貴方達が遊んでる間に、私は──侯爵家、乗っ取らせていただきます!
=====
いつもの勢いで書いた小説です。
前作とは逆に妹が主人公。優秀では無いけど努力する人。
妹、頑張ります!
※全41話完結。短編としておきながら読みの甘さが露呈…
傷物令嬢シャルロットは辺境伯様の人質となってスローライフ
悠木真帆
恋愛
侯爵令嬢シャルロット・ラドフォルンは幼いとき王子を庇って右上半身に大やけどを負う。
残ったやけどの痕はシャルロットに暗い影を落とす。
そんなシャルロットにも他国の貴族との婚約が決まり幸せとなるはずだった。
だがーー
月あかりに照らされた婚約者との初めての夜。
やけどの痕を目にした婚約者は顔色を変えて、そのままベッドの上でシャルロットに婚約破棄を申し渡した。
それ以来、屋敷に閉じこもる生活を送っていたシャルロットに父から敵国の人質となることを命じられる。
悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~
咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」
卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。
しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。
「これで好きな料理が作れる!」
ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。
冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!?
レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。
「君の料理なしでは生きられない」
「一生そばにいてくれ」
と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……?
一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです!
美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!
仕事で疲れて会えないと、恋人に距離を置かれましたが、彼の上司に溺愛されているので幸せです!
ぽんちゃん
恋愛
――仕事で疲れて会えない。
十年付き合ってきた恋人を支えてきたけど、いつも後回しにされる日々。
記念日すら仕事を優先する彼に、十分だけでいいから会いたいとお願いすると、『距離を置こう』と言われてしまう。
そして、思い出の高級レストランで、予約した席に座る恋人が、他の女性と食事をしているところを目撃してしまい――!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる