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第三十九話 私の幸せは私が決める!
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『しっかりしなさい、シャーロット!』
「えっ……?」
突然頭の中に聞こえてきた、叱りの言葉。その声はとても懐かしく、同時に私の頭が急激に冴え始めた。
「幸せ……そんな、の……冗談じゃない! 私の幸せは、私が決めますわ!」
誰かの声のおかげで一瞬だけ覚醒した意識を、さらにはっきりさせるために、唇を強く噛み、痛みで無理やり覚醒させた。
私の幸せは……家族にちゃんと自分の力で復讐をして、ルーク様と結婚をして、この国と民を幸せにすること! 変な魔法をかけられて得るものなんて、幸せなはずがない!
「離しな……さぁい!!」
私は、アルバート様から逃げるために、手に持っていた杖を、お腹に向けて思い切り振り抜く。
あまりにも大振りしすぎて、周りにあった小物にぶつかって落としてしまったが、無事に攻撃はアルバート様に当たった。
しかし、アルバート様には全く効果が無いようで……キョトンとした顔をしている。
「あれれぇ、おかしいぞぉ~? ぼくの魔法が効かないだなんてねぇ。いや、違うか。かかってたのに、何かに邪魔された感じだったなぁ……なんかその杖が光ってたし、それが邪魔したのかなぁ? そっかそっか、それがハリーお兄ちゃんが言っていた、精霊の杖の力なんだねぇ」
「どうして杖のことを……!?」
おかしい、この杖が精霊由来のものだというのは、極一部の人しか知らない情報のはずなのに……!
「まあいいやぁ。少し予定と違うけど……とりあえず、このおもちゃと杖をぼくのものにすれば、ハリーお兄ちゃんは褒めてくれるよねぇ」
「きゃあ!?」
アルバート様は、私の胸ぐらを掴んで無理やりベッドに押し倒すと、逃げられないように私の上に乗ってきた。
いくら相手が子供みたいな話し方や表情とはいえ、私よりもはるかに大きい男性だ。そんな人にベッドに押し倒されるだなんて、恐怖でしかない。
「こ、この……離れなさい!」
「あはは、そうやって暴れたらさぁ……どうやって遊んだら、暴れなくなるか考えちゃってさぁ……興奮しちゃうんだよねぇ~!」
「ひっ……!?」
「大丈夫、怖いのは最初だけさぁ……一時間もすれば、ぼくのおもちゃに相応しい人間になれるからさぁ……簡単に、壊れるなよ?」
さっきまでは無垢な笑顔だったのに、急に真顔に変化したのが、想像以上に恐ろしかった。
このままでは、私はとても酷い辱めを受けるのだろう。そんなの、冗談じゃない! こんなところで、大切なものを失ってたまるものですか!
「離しなさい!」
「暴れたって意味ないから……ぐふっ」
私の渾身の膝蹴りが、アルバート様のお腹に突き刺さった。しかし、一瞬変な声が出ただけで、それ以外の成果がない。
「いい加減にしろよ……お前は、ぼくのおもちゃなんだよ! おもちゃの分際で、持ち主が遊ぼうとするのを邪魔するとか、おかしいだろぉ!」
「私はオモチャではありません! 私は一人の人間で、ルーク様の婚約者ですわ!」
「……はっ……いいじゃん、君は極上だよ。この馬鹿女を完膚なきまで汚し、再起不能になるまで遊び倒してあげるよぉ……」
「やれるものなら、やってみなさい!」
……偉そうに啖呵を切ったは良いものの、私に有効打になり得そうな術がない。裂け目があれば逃げられるのに、それが開かないのだから、どうしようもない。
そんな中、急に部屋の中がガタガタと大きく揺れ始めた。
「なになに、この揺れ~? まあいいや、ぼくは遊ぶのに忙しいしぃ」
私の服に、アルバート様の手が伸びる。もう駄目かと思ったその時……突然部屋の中に空間の裂け目が現れ……中からルーク様が現れた。
「空間の裂け目だって!? うそ、そんな馬鹿な!?」
「ルーク様!?」
「はぁ……ぜぇ……ごほっ……な、なんとか……つながった……」
突然現れた裂け目から、這いつくばるように出てきたルーク様は、息が絶え絶えで、とても苦しそうだった。
「どうしてルークお兄ちゃんがここにいるの!? 裂け目は魔道具で封じたはずなのに!」
「む、無理やり裂け目をこじ開けたのさ……流石にきつかったが……シャーロットを助けるためになら……」
「うわぁ!?」
ボロボロで、動くことすら大変そうなのに、魔法を使ってアルバート様を壁に叩きつけてから、私の元に来て、頭を軽く撫でてくれた。
どんな時でも私のことを考えてくださるのは嬉しいけど、もう少し自分を大切にしてほしい。もしなにかあったら、私は……私は……!
「ちっ……なんなんだよぉ! せっかくぼくが! このぼくが楽しんで気持ちよくなろうとしているのに、どうして邪魔するんだよぉ!!」
「当然だろう。僕の大切な女性が傷つけられるのを、黙ってみているわけにはいかないからね」
「ふざけんなっ! 良い子ぶってんじゃねーぞぉ! お前、そういう所がむかつくんだよぉ! そもそも、杖目的の婚約のくせによぉ!」
「杖が結婚の理由の一つなのは、否定しないよ。だが、それ以上に大切な理由がある。僕は彼女を支えたいと思った。そして、気づいたら彼女を愛してしまった。愛する人を、身を挺して助けるのは、当然だろう?」
「えっ……!?」
明確に、ルーク様からの愛の言葉を聞いてしまった。どうしよう、戸惑いはもちろんあるのだけど、それ以上に嬉しくて、顔のにやけが止まらない……!
「ぐぬぬぬ……お前もだぞ、シャーロット! 素直にぼくのおもちゃになればいいのに……なんで言うことを聞かないんだよぉ!」
「……決まってますわ。私の居場所は、ルーク様の隣ですから! ですので、諦めてお引き取りください!」
「はぁ!? どいつもこいつも、ぼくのおもちゃになればいいのに! おもちゃになれない女なんて、ドブネズミ以下の存在だ!」
「黙れ。それ以上汚い言葉でシャーロットを侮辱するなら、実の弟とはいえ……手加減しないぞ」
静かな怒りに満ちたルーク様の周りに、風のようなものがうずまき始め、ルーク様を包み込む。
……違う、これは風なんかじゃない。ルーク様の魔力が具現化されているんだ。
「ははっ……面白いじゃん! 変な魔法しか使えないルークお兄ちゃんに、ぼくのこの筋肉と魔法に勝てると思ってるわけぇ!?」
「そこまでだ、馬鹿者め」
まさに一触即発な二人を止めるように、一人の人物が部屋の中に入ってきた。
その人物とは……ルーク様のもう一人の弟である、ハリー様だった。
「まったく、変に大事にしたら面倒なことになるだろうが。アルバート、お前はもう少し賢くて有能な人間だと思っていたのだがな」
「だ、だってぇ……!」
「俺様に口答えする気か?」
「うぅ、ごめんよハリーお兄ちゃん……でも、あいつらが悪いんだ! ぼくの遊びを邪魔して!」
「ああ、わかっているさ。だが、やり過ぎたことと、失敗したことは反省する必要がある。あとで覚悟しておけよ」
「お、おしおき……やだなぁ……」
一通り会話をし終えたハリー様は、とても冷たい目をこちらに向けてきた。
「これはこれは兄上。まさか公務を放りだし、妨害を乗り越えて帰って来るだなんて、思ってもみませんでしたよ」
「向こうにはちゃんと事情は説明してある。それに、あの程度で僕達を引きはがせると思っていたとは、笑ってしまうね。君こそ、もっと賢い子だと思っていたよ」
「ふん、弱い犬ほどよく吠えるとはこのことだ。たかが一回出し抜いたからって、調子に乗らないでもらいたい」
「……でも、ルーク様に負けたことは違いありませんわ。それが悔しくて、必死に自分が上に立とうと虚勢を張っているのではなくて?」
ルーク様を馬鹿にされるのが悔しいのと、散々やられっぱなしだった仕返しに、嫌味を言ってあげたら、ハリー様は苦虫を噛み潰したような表情で、大きく舌打ちした。
「ちっ、変わった力があるだけで、兄上がいなければ何も出来ない雑魚が、いきがりやがって」
「その雑魚一匹を捕まえるのに苦労しているあなたは、それ以下なのかしら? 例えばホコリとか?」
「ハリーお兄ちゃん、あいつらムカつくんだけどぉ! ボコボコにして、徹底的に調教しちゃおうよぉ!」
「それこそ向こうの思うつぼじゃないか。そんな大騒動に繋がるようなことをすれば、いくら父上でも見逃してくれないだろう」
ハリー様も、とても怒っているとは思うのだけど、あくまで冷静かつ大事にならないように振舞っている。
こっちとしても、変に大事にして婚約を強制的に解消されては困るから、大事にならないに越したことはない。
「とりあえず、今回のことでシャーロットに対する、兄上の執念はよくわかった。もう俺様達がシャーロットをどうにかするのは諦めよう」
「そんな言葉を信じろと?」
「信じるか信じないかは、兄上のお好きにしてくださって構いませんよ。アルバート、撤収するぞ」
「はぁい……」
ハリー様は悠々と、アルバート様は不満げな態度を取りながら、私の部屋を去っていった。
はぁ……よかった。一時はどうなることかと思ったけど、ルーク様のおかげで助かった。
「ルーク様、本当にありがと――」
「くっ……」
私がルーク様にお礼を伝えようとした瞬間、ルーク様はまるで糸が切れた操り人形の様に、その場で膝から崩れ落ちてしまった……。
「えっ……?」
突然頭の中に聞こえてきた、叱りの言葉。その声はとても懐かしく、同時に私の頭が急激に冴え始めた。
「幸せ……そんな、の……冗談じゃない! 私の幸せは、私が決めますわ!」
誰かの声のおかげで一瞬だけ覚醒した意識を、さらにはっきりさせるために、唇を強く噛み、痛みで無理やり覚醒させた。
私の幸せは……家族にちゃんと自分の力で復讐をして、ルーク様と結婚をして、この国と民を幸せにすること! 変な魔法をかけられて得るものなんて、幸せなはずがない!
「離しな……さぁい!!」
私は、アルバート様から逃げるために、手に持っていた杖を、お腹に向けて思い切り振り抜く。
あまりにも大振りしすぎて、周りにあった小物にぶつかって落としてしまったが、無事に攻撃はアルバート様に当たった。
しかし、アルバート様には全く効果が無いようで……キョトンとした顔をしている。
「あれれぇ、おかしいぞぉ~? ぼくの魔法が効かないだなんてねぇ。いや、違うか。かかってたのに、何かに邪魔された感じだったなぁ……なんかその杖が光ってたし、それが邪魔したのかなぁ? そっかそっか、それがハリーお兄ちゃんが言っていた、精霊の杖の力なんだねぇ」
「どうして杖のことを……!?」
おかしい、この杖が精霊由来のものだというのは、極一部の人しか知らない情報のはずなのに……!
「まあいいやぁ。少し予定と違うけど……とりあえず、このおもちゃと杖をぼくのものにすれば、ハリーお兄ちゃんは褒めてくれるよねぇ」
「きゃあ!?」
アルバート様は、私の胸ぐらを掴んで無理やりベッドに押し倒すと、逃げられないように私の上に乗ってきた。
いくら相手が子供みたいな話し方や表情とはいえ、私よりもはるかに大きい男性だ。そんな人にベッドに押し倒されるだなんて、恐怖でしかない。
「こ、この……離れなさい!」
「あはは、そうやって暴れたらさぁ……どうやって遊んだら、暴れなくなるか考えちゃってさぁ……興奮しちゃうんだよねぇ~!」
「ひっ……!?」
「大丈夫、怖いのは最初だけさぁ……一時間もすれば、ぼくのおもちゃに相応しい人間になれるからさぁ……簡単に、壊れるなよ?」
さっきまでは無垢な笑顔だったのに、急に真顔に変化したのが、想像以上に恐ろしかった。
このままでは、私はとても酷い辱めを受けるのだろう。そんなの、冗談じゃない! こんなところで、大切なものを失ってたまるものですか!
「離しなさい!」
「暴れたって意味ないから……ぐふっ」
私の渾身の膝蹴りが、アルバート様のお腹に突き刺さった。しかし、一瞬変な声が出ただけで、それ以外の成果がない。
「いい加減にしろよ……お前は、ぼくのおもちゃなんだよ! おもちゃの分際で、持ち主が遊ぼうとするのを邪魔するとか、おかしいだろぉ!」
「私はオモチャではありません! 私は一人の人間で、ルーク様の婚約者ですわ!」
「……はっ……いいじゃん、君は極上だよ。この馬鹿女を完膚なきまで汚し、再起不能になるまで遊び倒してあげるよぉ……」
「やれるものなら、やってみなさい!」
……偉そうに啖呵を切ったは良いものの、私に有効打になり得そうな術がない。裂け目があれば逃げられるのに、それが開かないのだから、どうしようもない。
そんな中、急に部屋の中がガタガタと大きく揺れ始めた。
「なになに、この揺れ~? まあいいや、ぼくは遊ぶのに忙しいしぃ」
私の服に、アルバート様の手が伸びる。もう駄目かと思ったその時……突然部屋の中に空間の裂け目が現れ……中からルーク様が現れた。
「空間の裂け目だって!? うそ、そんな馬鹿な!?」
「ルーク様!?」
「はぁ……ぜぇ……ごほっ……な、なんとか……つながった……」
突然現れた裂け目から、這いつくばるように出てきたルーク様は、息が絶え絶えで、とても苦しそうだった。
「どうしてルークお兄ちゃんがここにいるの!? 裂け目は魔道具で封じたはずなのに!」
「む、無理やり裂け目をこじ開けたのさ……流石にきつかったが……シャーロットを助けるためになら……」
「うわぁ!?」
ボロボロで、動くことすら大変そうなのに、魔法を使ってアルバート様を壁に叩きつけてから、私の元に来て、頭を軽く撫でてくれた。
どんな時でも私のことを考えてくださるのは嬉しいけど、もう少し自分を大切にしてほしい。もしなにかあったら、私は……私は……!
「ちっ……なんなんだよぉ! せっかくぼくが! このぼくが楽しんで気持ちよくなろうとしているのに、どうして邪魔するんだよぉ!!」
「当然だろう。僕の大切な女性が傷つけられるのを、黙ってみているわけにはいかないからね」
「ふざけんなっ! 良い子ぶってんじゃねーぞぉ! お前、そういう所がむかつくんだよぉ! そもそも、杖目的の婚約のくせによぉ!」
「杖が結婚の理由の一つなのは、否定しないよ。だが、それ以上に大切な理由がある。僕は彼女を支えたいと思った。そして、気づいたら彼女を愛してしまった。愛する人を、身を挺して助けるのは、当然だろう?」
「えっ……!?」
明確に、ルーク様からの愛の言葉を聞いてしまった。どうしよう、戸惑いはもちろんあるのだけど、それ以上に嬉しくて、顔のにやけが止まらない……!
「ぐぬぬぬ……お前もだぞ、シャーロット! 素直にぼくのおもちゃになればいいのに……なんで言うことを聞かないんだよぉ!」
「……決まってますわ。私の居場所は、ルーク様の隣ですから! ですので、諦めてお引き取りください!」
「はぁ!? どいつもこいつも、ぼくのおもちゃになればいいのに! おもちゃになれない女なんて、ドブネズミ以下の存在だ!」
「黙れ。それ以上汚い言葉でシャーロットを侮辱するなら、実の弟とはいえ……手加減しないぞ」
静かな怒りに満ちたルーク様の周りに、風のようなものがうずまき始め、ルーク様を包み込む。
……違う、これは風なんかじゃない。ルーク様の魔力が具現化されているんだ。
「ははっ……面白いじゃん! 変な魔法しか使えないルークお兄ちゃんに、ぼくのこの筋肉と魔法に勝てると思ってるわけぇ!?」
「そこまでだ、馬鹿者め」
まさに一触即発な二人を止めるように、一人の人物が部屋の中に入ってきた。
その人物とは……ルーク様のもう一人の弟である、ハリー様だった。
「まったく、変に大事にしたら面倒なことになるだろうが。アルバート、お前はもう少し賢くて有能な人間だと思っていたのだがな」
「だ、だってぇ……!」
「俺様に口答えする気か?」
「うぅ、ごめんよハリーお兄ちゃん……でも、あいつらが悪いんだ! ぼくの遊びを邪魔して!」
「ああ、わかっているさ。だが、やり過ぎたことと、失敗したことは反省する必要がある。あとで覚悟しておけよ」
「お、おしおき……やだなぁ……」
一通り会話をし終えたハリー様は、とても冷たい目をこちらに向けてきた。
「これはこれは兄上。まさか公務を放りだし、妨害を乗り越えて帰って来るだなんて、思ってもみませんでしたよ」
「向こうにはちゃんと事情は説明してある。それに、あの程度で僕達を引きはがせると思っていたとは、笑ってしまうね。君こそ、もっと賢い子だと思っていたよ」
「ふん、弱い犬ほどよく吠えるとはこのことだ。たかが一回出し抜いたからって、調子に乗らないでもらいたい」
「……でも、ルーク様に負けたことは違いありませんわ。それが悔しくて、必死に自分が上に立とうと虚勢を張っているのではなくて?」
ルーク様を馬鹿にされるのが悔しいのと、散々やられっぱなしだった仕返しに、嫌味を言ってあげたら、ハリー様は苦虫を噛み潰したような表情で、大きく舌打ちした。
「ちっ、変わった力があるだけで、兄上がいなければ何も出来ない雑魚が、いきがりやがって」
「その雑魚一匹を捕まえるのに苦労しているあなたは、それ以下なのかしら? 例えばホコリとか?」
「ハリーお兄ちゃん、あいつらムカつくんだけどぉ! ボコボコにして、徹底的に調教しちゃおうよぉ!」
「それこそ向こうの思うつぼじゃないか。そんな大騒動に繋がるようなことをすれば、いくら父上でも見逃してくれないだろう」
ハリー様も、とても怒っているとは思うのだけど、あくまで冷静かつ大事にならないように振舞っている。
こっちとしても、変に大事にして婚約を強制的に解消されては困るから、大事にならないに越したことはない。
「とりあえず、今回のことでシャーロットに対する、兄上の執念はよくわかった。もう俺様達がシャーロットをどうにかするのは諦めよう」
「そんな言葉を信じろと?」
「信じるか信じないかは、兄上のお好きにしてくださって構いませんよ。アルバート、撤収するぞ」
「はぁい……」
ハリー様は悠々と、アルバート様は不満げな態度を取りながら、私の部屋を去っていった。
はぁ……よかった。一時はどうなることかと思ったけど、ルーク様のおかげで助かった。
「ルーク様、本当にありがと――」
「くっ……」
私がルーク様にお礼を伝えようとした瞬間、ルーク様はまるで糸が切れた操り人形の様に、その場で膝から崩れ落ちてしまった……。
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