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第三十二話
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突然話を振られた私は、へっ? と変な声を漏らしながら、自分のことを指差した。
「彼女のこれからに関わることなのに、他人である我々が勝手に決めるというのも、おこがましいでしょう」
リオン様の視線が、私へと向けられる。
ここまでは自分がやったから、あとは私に任せるってことかな? よし、ビシッと断ってやるんだから!
「エメフィーユ、僕が悪かった。あの時は僕がどうかしていた。ベアトリスへの愛は捨てられないから、君には側室として、最高の愛を捧げると誓おう。それに、生活も全て支えるし、君の村も最高の暮らしが出来るように手配する」
……どうしよう、何を言われても、即座に断ってやるつもりだったんだけど、あまりにも言っていることがアレ過ぎて、言葉を詰まらせてしまったよ。
「だから、また僕達と一緒に暮らそう」
「……えっと……なんていうか……あなたがこんなにバカだとは思ってませんでした」
「ば、バカ……!?」
えっ? なんでそんな驚いた顔をしているんだろう。今までのことを経験したうえで、マルセムの言葉を信じられると思う? こんなの、子供だって騙されないよ。
「そんな紙より薄っぺらい言葉なんて、誰が信じると思っているんですか? それに、今まで私やお母さんにしてきたことを、無かったことにするなんて、お話になりません! 私は、あなた達と同じ屋根の下で暮らすなんて、死んでも御免です!」
「ちっ……どいつもこいつも……エメフィーユを渡さなければ、我が軍がミヌレーボ国を亡ぼすと言ったらどうする!?」
なっ……!? 私一人のために、どれだけ多くの人を巻き込むつもりなの!? 言っておくけど、私なんかにそこまでする価値は無いと思うけど!
「そ、それは……!」
そんな脅しなんかに屈しない。私一人だったら、そんなカッコいい言葉を即座に言っているだろうけど、今は状況が違う。ここで答え方を間違えれば、ただの田舎娘の決断が、大勢の人の人生を粉々にしてしまう。
「随分と過激なことを仰る。その場合は、なんとか戦争を回避できる方法を模索しますよ。もちろん、エメフィーユを渡さない方法で」
「リオン様……! ありがとうございます! 私は、どれだけ脅されたって、リオン様と共に人生を歩むこと、そして幸せになることを、諦めたりしません!」
「ぐ、ぐぬぬぬ……!」
「はいはい、そこまでにしてくださいな」
苦虫を噛み潰したような顔をするマルセムに助け舟を出すように、ずっと沈黙を貫いていたベアトリスが、手をパンパンっと叩いて注目を集めた。
「まったく、マルセム様ったら。あまり過激なことを仰っては、リオン様が困ってしまいますわ。申し訳ございません、リオン様。夫は日々の激務のせいで、少々気が立っておられるのです。私達は、戦争なんて望んでおりませんわ。ですよね、マルセム様?」
「……あ、ああ。そうだな」
さっきまで誰が見てもイライラしていたのに、ベアトリスが介入した途端、マルセムは落ち着きを取り戻した。
「リオン様。我々の要求は全てお話しました。後に開かれる会談までに、そちらの意向をお決めになってくださると幸いですわ」
「ああ、もちろんだ。では、戻って話し合いをしなければならないので、そろそろ失礼する」
「ええ。本日はお越しくださり、誠にありがとうございました」
にこやかに笑うベアトリスに頭を下げたリオン様は、私の手を取ると、足早に部屋の扉の前までいくが、部屋を出ていかずに、急にその足を止めた。
「そうだ、最後に一つだけ。あなた方がなぜそこまでしてエメフィーユを欲しがるかは存じませんが……先程お伝えした通り、俺は彼女を渡すつもりはありません。それでも奪うと仰るなら、こちらも相応の手段を取らせていただきますから、そのつもりで」
リオン様のことが大好きな私でさえ、思わず背筋がゾッとするくらい、怖い雰囲気を醸し出した一言を最後に、今度こそリオン様に部屋の外まで連れ出された。
「おかえりなさいませ、リオン様、エメフィーユ様。いつでもご出立出来ますが、いかがなさりますか?」
「ああ、すぐに城に戻るよ」
「かしこまりました。ではお乗りください」
御者に出迎えられた私達は、馬車に乗りこむと、ゆっくりとミヌレーボ国に向けて、カタカタと音を立てながら出発した。
「……ふぅぅぅぅ……」
なんとか、無事に話を終えることが出来て安心した。まさか、私を欲しがるとか、戦争の話が出るとか、聞いてないって!
「あぁ、ビックリした……! 要求にも驚きましたけど、あんな物騒なことを言うだなんて、想定外でした」
「俺もだ。まあ、あれは彼の未熟さ故に出た戯言だろう」
「えぇ……それって、上に立つ人としてどうなんですか?」
「最悪と言って差し支えないだろうな。まあ、あまり大きな声では言えないが、彼が戦争を宣言したところで、それに従う兵や民は少ないだろうし、従わせるほどの力があるとも思えない。最悪、内乱が起きて殺されるだろうな」
リオン様、結構ズバッと言うなぁ。とはいえ、王家のことが信用できないから、各地で暴動が起きているくらいだし……あながち間違っていないと思う。
「だが、楽観視することはできない。彼が愚かな行為を絶対に取らないとは、断言できないからな。母上と相談して、国境沿いの警備と、軍がいつでも動けるように、準備をしなければ」
「そうですよね、気をつけた方が……って、さっきからずっとリオン様に頼りっぱなしで、全然力になれてませんね、私……」
話し合いは、終始リオン様とマルセムで行われていて、最後の良いところはベアトリスが持っていった。だというのに、私は後半に少し出番があっただけで、ほとんど聞いているだけだった。
「なに、気にすることはない。俺は王族としての仕事をしているだけだ。むしろ、君に最後の決定を託した時に、よく恐れずに言ったと感心した。正直、彼の悔しがる顔は、痛快だったな」
「あ、あはは……それなら、もっと強めに言ってやればよかったですね」
少しでも場を和ませるために、ちょっとした冗談を言うと、リオン様はフッと柔らかい笑みを浮かべてくれた。
「そうだ、伝えるのを忘れてました。リオン様、私のことを守ってくれて、ありがとうございます」
「未来の妻を守るのは、当然のことだろう?」
「そういうことをサラッと言えるのも含めて、凄いことだと思います。あと……とても、カッコよかったです」
マルセムの要求を完全に断った時のリオン様、本当にカッコよかった。今思い返しても、その勇姿に胸がドキドキしちゃう。
「そうか。君にそう言ってもらえるなら、カッコつけた意味があったかもしれないな」
「ふふっ、きっとそうですね」
リオン様の珍しい冗談に笑いながら、私はリオン様の肩に寄りかかるように身を預ける。
国のことも、民のことも、そして私のことも守ってくれるリオン様のためにも、私はこれからもずっとリオン様を支え続け、力になっていかなくちゃね。
****
■マルセム視点■
忌々しいリオンとエメフィーユが帰った後、俺はベアトリスと愛を育む……ことはせず、ベアトリスに正座をさせられていた。
「まったく、マルセム様ったら……あんな大胆なことを言ったら、より警戒されるに決まってますでしょう」
「わ、悪かった……思い通りに行かなくて、つい頭に血が上ってしまった」
さすがにあれは、僕でも言いすぎだとわかる発言だった。いくら相手が、長い間友好関係を築いてきたミヌレーボ国とはいえ、戦争をちらつかせれば、その絆にヒビが入る。
そうすれば、ミヌレーボ国から支援や食料の輸入が困難になるどころか、その話が他国に知れ渡れば、警戒を強められ、孤立化させられる可能性もある。本当に迂闊だった……。
「まあいいですわ。ある意味、あの発言はエメフィーユを手に入れるという意味では、怪我の功名かもしれません」
「どういうことだ?」
「戦争をちらつかせた以上、ミヌレーボ国は我が軍の侵攻を、否が応でも警戒しなければならない。本来なら、エメフィーユを守るのに必要な人材も、そちらに裂かなければなりませんわ」
「そうか! 本来だったら、戦争をすると脅してまで手に入れようとしたエメフィーユを、奴らは全力で守らなければいけないのに、それに集中できないってことか!」
「さすがはマルセム様、大正解ですわ」
そんなことを咄嗟に思いつくベアトリスは、やはり僕に相応しい女性だ。
それと、ベアトリスの考えを即座に察知したり、もう一つの作戦に繋げるものとして、戦争をちらつかせる発言をした僕は、やはりこの国の王に相応しい逸材だな! はっはっはっ!
「はぁ……本当に疲れますわ……」
「ベアトリス、なにか言ったか?」
「いいえ、なにも。さあ、私達も動きましょう。エメフィーユを手に入れるのであれば、呑気に玉座に座っている暇はありません。遅くなればなるほど、向こうに準備の時間与えてしまいますわ」
ああ、その通りだな。僕達がしようとしていることは、早ければ早いほど良い。早速準備に取り掛かろう。
「彼女のこれからに関わることなのに、他人である我々が勝手に決めるというのも、おこがましいでしょう」
リオン様の視線が、私へと向けられる。
ここまでは自分がやったから、あとは私に任せるってことかな? よし、ビシッと断ってやるんだから!
「エメフィーユ、僕が悪かった。あの時は僕がどうかしていた。ベアトリスへの愛は捨てられないから、君には側室として、最高の愛を捧げると誓おう。それに、生活も全て支えるし、君の村も最高の暮らしが出来るように手配する」
……どうしよう、何を言われても、即座に断ってやるつもりだったんだけど、あまりにも言っていることがアレ過ぎて、言葉を詰まらせてしまったよ。
「だから、また僕達と一緒に暮らそう」
「……えっと……なんていうか……あなたがこんなにバカだとは思ってませんでした」
「ば、バカ……!?」
えっ? なんでそんな驚いた顔をしているんだろう。今までのことを経験したうえで、マルセムの言葉を信じられると思う? こんなの、子供だって騙されないよ。
「そんな紙より薄っぺらい言葉なんて、誰が信じると思っているんですか? それに、今まで私やお母さんにしてきたことを、無かったことにするなんて、お話になりません! 私は、あなた達と同じ屋根の下で暮らすなんて、死んでも御免です!」
「ちっ……どいつもこいつも……エメフィーユを渡さなければ、我が軍がミヌレーボ国を亡ぼすと言ったらどうする!?」
なっ……!? 私一人のために、どれだけ多くの人を巻き込むつもりなの!? 言っておくけど、私なんかにそこまでする価値は無いと思うけど!
「そ、それは……!」
そんな脅しなんかに屈しない。私一人だったら、そんなカッコいい言葉を即座に言っているだろうけど、今は状況が違う。ここで答え方を間違えれば、ただの田舎娘の決断が、大勢の人の人生を粉々にしてしまう。
「随分と過激なことを仰る。その場合は、なんとか戦争を回避できる方法を模索しますよ。もちろん、エメフィーユを渡さない方法で」
「リオン様……! ありがとうございます! 私は、どれだけ脅されたって、リオン様と共に人生を歩むこと、そして幸せになることを、諦めたりしません!」
「ぐ、ぐぬぬぬ……!」
「はいはい、そこまでにしてくださいな」
苦虫を噛み潰したような顔をするマルセムに助け舟を出すように、ずっと沈黙を貫いていたベアトリスが、手をパンパンっと叩いて注目を集めた。
「まったく、マルセム様ったら。あまり過激なことを仰っては、リオン様が困ってしまいますわ。申し訳ございません、リオン様。夫は日々の激務のせいで、少々気が立っておられるのです。私達は、戦争なんて望んでおりませんわ。ですよね、マルセム様?」
「……あ、ああ。そうだな」
さっきまで誰が見てもイライラしていたのに、ベアトリスが介入した途端、マルセムは落ち着きを取り戻した。
「リオン様。我々の要求は全てお話しました。後に開かれる会談までに、そちらの意向をお決めになってくださると幸いですわ」
「ああ、もちろんだ。では、戻って話し合いをしなければならないので、そろそろ失礼する」
「ええ。本日はお越しくださり、誠にありがとうございました」
にこやかに笑うベアトリスに頭を下げたリオン様は、私の手を取ると、足早に部屋の扉の前までいくが、部屋を出ていかずに、急にその足を止めた。
「そうだ、最後に一つだけ。あなた方がなぜそこまでしてエメフィーユを欲しがるかは存じませんが……先程お伝えした通り、俺は彼女を渡すつもりはありません。それでも奪うと仰るなら、こちらも相応の手段を取らせていただきますから、そのつもりで」
リオン様のことが大好きな私でさえ、思わず背筋がゾッとするくらい、怖い雰囲気を醸し出した一言を最後に、今度こそリオン様に部屋の外まで連れ出された。
「おかえりなさいませ、リオン様、エメフィーユ様。いつでもご出立出来ますが、いかがなさりますか?」
「ああ、すぐに城に戻るよ」
「かしこまりました。ではお乗りください」
御者に出迎えられた私達は、馬車に乗りこむと、ゆっくりとミヌレーボ国に向けて、カタカタと音を立てながら出発した。
「……ふぅぅぅぅ……」
なんとか、無事に話を終えることが出来て安心した。まさか、私を欲しがるとか、戦争の話が出るとか、聞いてないって!
「あぁ、ビックリした……! 要求にも驚きましたけど、あんな物騒なことを言うだなんて、想定外でした」
「俺もだ。まあ、あれは彼の未熟さ故に出た戯言だろう」
「えぇ……それって、上に立つ人としてどうなんですか?」
「最悪と言って差し支えないだろうな。まあ、あまり大きな声では言えないが、彼が戦争を宣言したところで、それに従う兵や民は少ないだろうし、従わせるほどの力があるとも思えない。最悪、内乱が起きて殺されるだろうな」
リオン様、結構ズバッと言うなぁ。とはいえ、王家のことが信用できないから、各地で暴動が起きているくらいだし……あながち間違っていないと思う。
「だが、楽観視することはできない。彼が愚かな行為を絶対に取らないとは、断言できないからな。母上と相談して、国境沿いの警備と、軍がいつでも動けるように、準備をしなければ」
「そうですよね、気をつけた方が……って、さっきからずっとリオン様に頼りっぱなしで、全然力になれてませんね、私……」
話し合いは、終始リオン様とマルセムで行われていて、最後の良いところはベアトリスが持っていった。だというのに、私は後半に少し出番があっただけで、ほとんど聞いているだけだった。
「なに、気にすることはない。俺は王族としての仕事をしているだけだ。むしろ、君に最後の決定を託した時に、よく恐れずに言ったと感心した。正直、彼の悔しがる顔は、痛快だったな」
「あ、あはは……それなら、もっと強めに言ってやればよかったですね」
少しでも場を和ませるために、ちょっとした冗談を言うと、リオン様はフッと柔らかい笑みを浮かべてくれた。
「そうだ、伝えるのを忘れてました。リオン様、私のことを守ってくれて、ありがとうございます」
「未来の妻を守るのは、当然のことだろう?」
「そういうことをサラッと言えるのも含めて、凄いことだと思います。あと……とても、カッコよかったです」
マルセムの要求を完全に断った時のリオン様、本当にカッコよかった。今思い返しても、その勇姿に胸がドキドキしちゃう。
「そうか。君にそう言ってもらえるなら、カッコつけた意味があったかもしれないな」
「ふふっ、きっとそうですね」
リオン様の珍しい冗談に笑いながら、私はリオン様の肩に寄りかかるように身を預ける。
国のことも、民のことも、そして私のことも守ってくれるリオン様のためにも、私はこれからもずっとリオン様を支え続け、力になっていかなくちゃね。
****
■マルセム視点■
忌々しいリオンとエメフィーユが帰った後、俺はベアトリスと愛を育む……ことはせず、ベアトリスに正座をさせられていた。
「まったく、マルセム様ったら……あんな大胆なことを言ったら、より警戒されるに決まってますでしょう」
「わ、悪かった……思い通りに行かなくて、つい頭に血が上ってしまった」
さすがにあれは、僕でも言いすぎだとわかる発言だった。いくら相手が、長い間友好関係を築いてきたミヌレーボ国とはいえ、戦争をちらつかせれば、その絆にヒビが入る。
そうすれば、ミヌレーボ国から支援や食料の輸入が困難になるどころか、その話が他国に知れ渡れば、警戒を強められ、孤立化させられる可能性もある。本当に迂闊だった……。
「まあいいですわ。ある意味、あの発言はエメフィーユを手に入れるという意味では、怪我の功名かもしれません」
「どういうことだ?」
「戦争をちらつかせた以上、ミヌレーボ国は我が軍の侵攻を、否が応でも警戒しなければならない。本来なら、エメフィーユを守るのに必要な人材も、そちらに裂かなければなりませんわ」
「そうか! 本来だったら、戦争をすると脅してまで手に入れようとしたエメフィーユを、奴らは全力で守らなければいけないのに、それに集中できないってことか!」
「さすがはマルセム様、大正解ですわ」
そんなことを咄嗟に思いつくベアトリスは、やはり僕に相応しい女性だ。
それと、ベアトリスの考えを即座に察知したり、もう一つの作戦に繋げるものとして、戦争をちらつかせる発言をした僕は、やはりこの国の王に相応しい逸材だな! はっはっはっ!
「はぁ……本当に疲れますわ……」
「ベアトリス、なにか言ったか?」
「いいえ、なにも。さあ、私達も動きましょう。エメフィーユを手に入れるのであれば、呑気に玉座に座っている暇はありません。遅くなればなるほど、向こうに準備の時間与えてしまいますわ」
ああ、その通りだな。僕達がしようとしていることは、早ければ早いほど良い。早速準備に取り掛かろう。
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