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第三十四話 残された手掛かり
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「ふぁ~……そろそろ寝ようかしら……」
自室でずっと読書をしていた私は、大きな欠伸をしながら、壁に掛けられた時計で時間の確認をした。
何か回復魔法の触媒に仕えないかと思い、色々と本を読んでいたら、いつの間にか日を跨いでいたみたい。それだけ夜更かしをしていれば、眠くもなるわよね。
「……? なんだか廊下が騒がしいような?」
この時間で起きている人は、ほとんどいないはずだ。それなのに、廊下をバタバタと走る音や、大きな話し声が聞こえてくる。
……なにかしら、凄く嫌な予感がする。
「ちょっと様子を見に行ってみましょう」
読んでいた本を片付けてから、静かに廊下に出てみると、使用人達がとても慌てた様子で行き来していた。
その光景は……完全に普通ではないというのがわかった。
「あの、なにかあったのですか?」
「エレナ様、まだ起きておられたのですね。大丈夫ですから、あなたはお休みになられてください」
話しかけた使用人の女性は、それだけ言ってその場を去ろうとしたが、私は急いでその手を強く握った。
「全然大丈夫な雰囲気じゃないですよね? 私にも出来ることがあればお手伝いしますっ!」
握った手と眉間に力を込めて言うが、彼女はそれでも首を縦に振らなかった。
私って、そんなに信用が無いのかしら……?
「おい、向こうにもルナ様はいなかった――って、あっ……」
「ルナちゃん? もしかして、ルナちゃんがいなくなったんですか?」
少し離れた所から駆け寄りながら、彼女に話しかけた男性の使用人は、しまった……と言わんばかりに、目を泳がせていた。
本当にルナちゃんがいなくなったの? それに、このことはウィルフレッド様は知っているの? とにかく、ウィルフレッド様に聞きに行きましょう!
「ウィルフレッド様っ!!」
勢いよくウィルフレッド様の部屋の扉を開けると、初老の使用人と真剣な表情で話をしているウィルフレッド様の姿があった。
「エレナ殿? どうかされましたか?」
「ウィルフレッド様! ルナちゃんがいなくなったって本当ですか!?」
「……なんのことでしょう?」
「とぼけないでください! さっき使用人が話しているのを聞いたんです!」
私を見るや否や、いつものように穏やかに笑っていたウィルフレッド様だったが、私が事情を知っているとわかると、気まずそうに視線を落とした。
「……エレナ殿には、迷惑や心配をおかけするわけにはいかなかったので、内密に解決する予定だったのですが……知られてしまったのなら、仕方ありません」
「私のことを考えてくれるのは嬉しいです。でも、今は私もエクウェス家の一員ですから!」
「エレナ殿……ありがとうございます」
落としていた視線を上げると、明らかに無理をしているのがわかるような笑みを浮かべた。
「それで、なにがあったのですか?」
「こんな遅くに、ルナがいなくなっていました。事の発端は、使用人の一人が、屋敷からどこかに向かって飛んでいく龍を目撃したことです」
「龍?」
「ええ。薄い緑色の、子供くらいなら乗せられるくらいの大きさで……そして、よく知っている龍です」
龍なんて生き物が実際にいるなんて、イマイチ信用できないわね。誰かが魔法で作った魔法生命体とか? でも、そんなものを作れる魔法使いなんているのかしら?
「その龍は、ルナと一緒にいる精霊のシーが変身した姿に酷似していたそうです」
「し、シーちゃん??」
「実は彼女は、いつもの姿は仮の姿で、本来は龍の姿をしているんですよ」
「全然知りませんでした……」
なるほど、精霊という不思議な存在なら、龍になれても不思議じゃない……のだろうか? 精霊という存在自体がよく知らないから、完全に信じられない。
「普段は小さな人間の姿ですからね。それで、その使用人がルナの部屋を見に行ったら……案の定もぬけの殻で。屋敷の中と、この辺りを探させているのですが、見つかっていないんです」
冷静に私に説明してくれたウィルフレッド様。でも、額にはたくさんの汗が流れているし、声も若干震えている。
ウィルフレッド様のことだから、私や使用人に心配をかけないように、気丈に振舞っているのだろう。
ルナちゃんのことはもの凄く心配だし、シーちゃんのことも色々聞いてみたいけど、今はそんなことを聞いている場合じゃない。
「最近のルナちゃん、ちょっと様子が変でしたけど……それと何か関係があるのでしょうか?」
「可能性はあるかと。とにかくどこに行ったのかがわかれば、魔力探知で探せるのですが……」
「以前、ラピア様を探した時のですか?」
「それです。あの時の御者よりも、得意な人間がいるのです」
「失礼します。ルナ様のお部屋に手掛かりがないか探していたら、この本が……」
ウィルフレッド様と話をしていると、若い男性の使用人が、一冊の本を持って部屋に入ってきた。
これは……絵本? ルナちゃんに何度か読んであげたことがあるものね……確か、願いを叶えてくれる魔法の泉と精霊が出てくる話だわ。
「この泉が出てくるページですが、不自然に大きく折り目がついています」
「まさか……ルナちゃん、この泉を探しに行ったとか……!?」
「それは無い……と言いたいですが、どうやらエレナ殿の予想は当たっているようですね」
折り目がついていたページを開くと、そこは丁度主人公が泉を見つけているシーンだった。そしてそのページの一部は、不自然に焦げていた。
「焦げている所、文字になっている……? えっと、ルナ……目的地……北の広大な森……泉……これって!」
「こっそりと出かけたルナが、自分でこんなものを残すとは思えない。なるほど、彼が……」
「知っている人がいるんですか?」
「心当たりはあります。ですが、今はそれは重要ではありません。ルナは完全に一人ではないとはいえ、こんな夜に森に出掛けたのは問題です」
そ、それもそうね。森なんて夜は暗くて危ないんだから、いくらシーちゃんがいるとはいえ、危険なことに変わりはない。
「とにかく、このまま放っておくわけにもいきません。目的地もわかったことですし、早く迎えに行かないと」
「私も行きます! もし何かあって怪我をしても、私なら治せますから!」
「そのご厚意、ありがたく受け取らせていただきます。すぐに動ける人間を片っ端から集めてくれ」
「かしこまりました。すぐに準備致します」
初老の使用人は、深々と頭を下げてから部屋を出て行く。それから間もなく、七人の使用人が準備を済ませて、屋敷の外に出揃った。
すごい、こんなに早く準備が出来るなんて思ってもなかったわ。十分もかかっていないと思う。
「お待たせいたしました。魔力探知が出来る者と、荒事に対応が出来る者を全て集めました」
「ありがとう。みんな、今回は俺の妹が面倒ごとに巻き込んでしまい、本当に申し訳ない。これも全て俺の責任だ」
外に出たウィルフレッド様は、私の隣で頭を下げた。
そんなことはないと、一瞬声に出してしまいそうになったけど、ここで変に口を挟んで時間を浪費してしまうの避けたい。ここはグッと我慢……。
「ルナは何か目的をもって、北の森へと向かったそうだ。俺は後を追ってルナを助けたい……みんな、手を貸してくれないか?」
「もちろんでございます、ウィルフレッド様!」
「我々でルナ様をお迎えに参りましょう!」
使用人の中からは、一切否定や避難の言葉が飛んでこない所か、みんなウィルフレッド様に協力してくれる旨を口にしてくれた。
これも、ウィルフレッド様が普段からみんなのためを想って行動しているからね。この件では、私は部外者のはずなのに、不思議と目頭が熱くなっちゃうわ。
「本当にありがとう。必ずルナを無事に連れ戻しに行こう!」
勇ましく声を上げたウィルフレッド様は、近くにいた白馬の所まで、自力で車椅子を動かして行くと、それに合わせて初老の男性が、見たことが無い紫色の魔法陣を、ウィルフレッド様を囲うように発動させた。
「この魔法は……?」
私が疑問に思った瞬間、ウィルフレッド様の体がフワッと浮き、そのまま馬の背にまたがることが出来た。
「彼はほんの少しの時間ではありますが、物を自在に浮かせる魔法が使えるのです。さあ、あなたもお乗りください」
「えっ……わわっ!」
さっき見たのと同じ魔方陣が私の体を囲うと、そのままフワフワと浮かび……先に馬に乗っていたウィルフレッド様の前にすっぽりと収まった。
これ、後ろから抱きしめられているような形じゃない! なんか凄くドキドキしちゃうんだけど!?
で、でもそんなことを言っている場合じゃないわよね! ルナちゃんを早く迎えに行くには、馬に慣れてない私が誰かの手を借りるのが、一番効率がいいはず!
「エレナ殿、私の右手をエレナ殿のお腹辺りに持っていって、強く掴んでおいてください。何かあった時に、咄嗟に掴めるものがあった方が良いかと」
抱きしめられているどころか、私の方から腕に抱きしめちゃってるんですけどー!? こんなのが立て続けに来たら、ドキドキするのは避けられないわ! このドキドキが何なのかはわからないけど!
「え、えっと! ウィルフレッド様、馬を乗りこなせるんですか!?」
「ええ。幼い頃からずっと父に叩きこまれてきました。それに、この体になっても極力筋力を落とさないようにしてたので、片手と片足だけでも大丈夫です」
自信を感じられる言い方とはいえ、不安は不安だ。何事もなければいいけど……。
「では行こう! 目的地は、北の森だ!」
ウィルフレッド様の号令に続くように、私達は一斉に北の森へと向かって出発する。
ルナちゃん、どこまで行っちゃったのかしら……お腹を空かせてないかしら。寒くて震えてないだろうか。寂しくて泣いてないだろうか。考えれば考える程に不安になる。
でも、それはウィルフレッド様も同じ……ううん、実の家族なんんだから、もっと不安になっているに違いない。
今の私に出来ることは、不安な気持ちを表に出さないで、ウィルフレッドやみんなに何かあった時に支える! よし、これだわ!
自室でずっと読書をしていた私は、大きな欠伸をしながら、壁に掛けられた時計で時間の確認をした。
何か回復魔法の触媒に仕えないかと思い、色々と本を読んでいたら、いつの間にか日を跨いでいたみたい。それだけ夜更かしをしていれば、眠くもなるわよね。
「……? なんだか廊下が騒がしいような?」
この時間で起きている人は、ほとんどいないはずだ。それなのに、廊下をバタバタと走る音や、大きな話し声が聞こえてくる。
……なにかしら、凄く嫌な予感がする。
「ちょっと様子を見に行ってみましょう」
読んでいた本を片付けてから、静かに廊下に出てみると、使用人達がとても慌てた様子で行き来していた。
その光景は……完全に普通ではないというのがわかった。
「あの、なにかあったのですか?」
「エレナ様、まだ起きておられたのですね。大丈夫ですから、あなたはお休みになられてください」
話しかけた使用人の女性は、それだけ言ってその場を去ろうとしたが、私は急いでその手を強く握った。
「全然大丈夫な雰囲気じゃないですよね? 私にも出来ることがあればお手伝いしますっ!」
握った手と眉間に力を込めて言うが、彼女はそれでも首を縦に振らなかった。
私って、そんなに信用が無いのかしら……?
「おい、向こうにもルナ様はいなかった――って、あっ……」
「ルナちゃん? もしかして、ルナちゃんがいなくなったんですか?」
少し離れた所から駆け寄りながら、彼女に話しかけた男性の使用人は、しまった……と言わんばかりに、目を泳がせていた。
本当にルナちゃんがいなくなったの? それに、このことはウィルフレッド様は知っているの? とにかく、ウィルフレッド様に聞きに行きましょう!
「ウィルフレッド様っ!!」
勢いよくウィルフレッド様の部屋の扉を開けると、初老の使用人と真剣な表情で話をしているウィルフレッド様の姿があった。
「エレナ殿? どうかされましたか?」
「ウィルフレッド様! ルナちゃんがいなくなったって本当ですか!?」
「……なんのことでしょう?」
「とぼけないでください! さっき使用人が話しているのを聞いたんです!」
私を見るや否や、いつものように穏やかに笑っていたウィルフレッド様だったが、私が事情を知っているとわかると、気まずそうに視線を落とした。
「……エレナ殿には、迷惑や心配をおかけするわけにはいかなかったので、内密に解決する予定だったのですが……知られてしまったのなら、仕方ありません」
「私のことを考えてくれるのは嬉しいです。でも、今は私もエクウェス家の一員ですから!」
「エレナ殿……ありがとうございます」
落としていた視線を上げると、明らかに無理をしているのがわかるような笑みを浮かべた。
「それで、なにがあったのですか?」
「こんな遅くに、ルナがいなくなっていました。事の発端は、使用人の一人が、屋敷からどこかに向かって飛んでいく龍を目撃したことです」
「龍?」
「ええ。薄い緑色の、子供くらいなら乗せられるくらいの大きさで……そして、よく知っている龍です」
龍なんて生き物が実際にいるなんて、イマイチ信用できないわね。誰かが魔法で作った魔法生命体とか? でも、そんなものを作れる魔法使いなんているのかしら?
「その龍は、ルナと一緒にいる精霊のシーが変身した姿に酷似していたそうです」
「し、シーちゃん??」
「実は彼女は、いつもの姿は仮の姿で、本来は龍の姿をしているんですよ」
「全然知りませんでした……」
なるほど、精霊という不思議な存在なら、龍になれても不思議じゃない……のだろうか? 精霊という存在自体がよく知らないから、完全に信じられない。
「普段は小さな人間の姿ですからね。それで、その使用人がルナの部屋を見に行ったら……案の定もぬけの殻で。屋敷の中と、この辺りを探させているのですが、見つかっていないんです」
冷静に私に説明してくれたウィルフレッド様。でも、額にはたくさんの汗が流れているし、声も若干震えている。
ウィルフレッド様のことだから、私や使用人に心配をかけないように、気丈に振舞っているのだろう。
ルナちゃんのことはもの凄く心配だし、シーちゃんのことも色々聞いてみたいけど、今はそんなことを聞いている場合じゃない。
「最近のルナちゃん、ちょっと様子が変でしたけど……それと何か関係があるのでしょうか?」
「可能性はあるかと。とにかくどこに行ったのかがわかれば、魔力探知で探せるのですが……」
「以前、ラピア様を探した時のですか?」
「それです。あの時の御者よりも、得意な人間がいるのです」
「失礼します。ルナ様のお部屋に手掛かりがないか探していたら、この本が……」
ウィルフレッド様と話をしていると、若い男性の使用人が、一冊の本を持って部屋に入ってきた。
これは……絵本? ルナちゃんに何度か読んであげたことがあるものね……確か、願いを叶えてくれる魔法の泉と精霊が出てくる話だわ。
「この泉が出てくるページですが、不自然に大きく折り目がついています」
「まさか……ルナちゃん、この泉を探しに行ったとか……!?」
「それは無い……と言いたいですが、どうやらエレナ殿の予想は当たっているようですね」
折り目がついていたページを開くと、そこは丁度主人公が泉を見つけているシーンだった。そしてそのページの一部は、不自然に焦げていた。
「焦げている所、文字になっている……? えっと、ルナ……目的地……北の広大な森……泉……これって!」
「こっそりと出かけたルナが、自分でこんなものを残すとは思えない。なるほど、彼が……」
「知っている人がいるんですか?」
「心当たりはあります。ですが、今はそれは重要ではありません。ルナは完全に一人ではないとはいえ、こんな夜に森に出掛けたのは問題です」
そ、それもそうね。森なんて夜は暗くて危ないんだから、いくらシーちゃんがいるとはいえ、危険なことに変わりはない。
「とにかく、このまま放っておくわけにもいきません。目的地もわかったことですし、早く迎えに行かないと」
「私も行きます! もし何かあって怪我をしても、私なら治せますから!」
「そのご厚意、ありがたく受け取らせていただきます。すぐに動ける人間を片っ端から集めてくれ」
「かしこまりました。すぐに準備致します」
初老の使用人は、深々と頭を下げてから部屋を出て行く。それから間もなく、七人の使用人が準備を済ませて、屋敷の外に出揃った。
すごい、こんなに早く準備が出来るなんて思ってもなかったわ。十分もかかっていないと思う。
「お待たせいたしました。魔力探知が出来る者と、荒事に対応が出来る者を全て集めました」
「ありがとう。みんな、今回は俺の妹が面倒ごとに巻き込んでしまい、本当に申し訳ない。これも全て俺の責任だ」
外に出たウィルフレッド様は、私の隣で頭を下げた。
そんなことはないと、一瞬声に出してしまいそうになったけど、ここで変に口を挟んで時間を浪費してしまうの避けたい。ここはグッと我慢……。
「ルナは何か目的をもって、北の森へと向かったそうだ。俺は後を追ってルナを助けたい……みんな、手を貸してくれないか?」
「もちろんでございます、ウィルフレッド様!」
「我々でルナ様をお迎えに参りましょう!」
使用人の中からは、一切否定や避難の言葉が飛んでこない所か、みんなウィルフレッド様に協力してくれる旨を口にしてくれた。
これも、ウィルフレッド様が普段からみんなのためを想って行動しているからね。この件では、私は部外者のはずなのに、不思議と目頭が熱くなっちゃうわ。
「本当にありがとう。必ずルナを無事に連れ戻しに行こう!」
勇ましく声を上げたウィルフレッド様は、近くにいた白馬の所まで、自力で車椅子を動かして行くと、それに合わせて初老の男性が、見たことが無い紫色の魔法陣を、ウィルフレッド様を囲うように発動させた。
「この魔法は……?」
私が疑問に思った瞬間、ウィルフレッド様の体がフワッと浮き、そのまま馬の背にまたがることが出来た。
「彼はほんの少しの時間ではありますが、物を自在に浮かせる魔法が使えるのです。さあ、あなたもお乗りください」
「えっ……わわっ!」
さっき見たのと同じ魔方陣が私の体を囲うと、そのままフワフワと浮かび……先に馬に乗っていたウィルフレッド様の前にすっぽりと収まった。
これ、後ろから抱きしめられているような形じゃない! なんか凄くドキドキしちゃうんだけど!?
で、でもそんなことを言っている場合じゃないわよね! ルナちゃんを早く迎えに行くには、馬に慣れてない私が誰かの手を借りるのが、一番効率がいいはず!
「エレナ殿、私の右手をエレナ殿のお腹辺りに持っていって、強く掴んでおいてください。何かあった時に、咄嗟に掴めるものがあった方が良いかと」
抱きしめられているどころか、私の方から腕に抱きしめちゃってるんですけどー!? こんなのが立て続けに来たら、ドキドキするのは避けられないわ! このドキドキが何なのかはわからないけど!
「え、えっと! ウィルフレッド様、馬を乗りこなせるんですか!?」
「ええ。幼い頃からずっと父に叩きこまれてきました。それに、この体になっても極力筋力を落とさないようにしてたので、片手と片足だけでも大丈夫です」
自信を感じられる言い方とはいえ、不安は不安だ。何事もなければいいけど……。
「では行こう! 目的地は、北の森だ!」
ウィルフレッド様の号令に続くように、私達は一斉に北の森へと向かって出発する。
ルナちゃん、どこまで行っちゃったのかしら……お腹を空かせてないかしら。寒くて震えてないだろうか。寂しくて泣いてないだろうか。考えれば考える程に不安になる。
でも、それはウィルフレッド様も同じ……ううん、実の家族なんんだから、もっと不安になっているに違いない。
今の私に出来ることは、不安な気持ちを表に出さないで、ウィルフレッドやみんなに何かあった時に支える! よし、これだわ!
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