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転生王女のお茶会

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「お茶会・・・ですか?」

「無理に行く必要はない」

 アルフレッド様が不思議なことを言ってます。行く必要がないなら、何故言うのでしょうか。
 こてんと首を傾げた私に、フレイ様が苦笑いで補足してくれる。

「ローズマリー様宛にお茶会のお誘いが来ましてね。公爵家のご令嬢からです」

「魔国にも貴族制度がありますの?」

「国を運営していく上の形式上のものですけどね。人間世界と同じと思って下さって構いませんよ。面倒なところも同じなのでね」

 フレイ様の言葉に、私は納得した。アルフレッド様が私を行かせたくない理由は、それですね。

 私を溺愛してくれている魔王陛下は、私が嫌な気持ちになるんじゃないかと気にしてくれているのですね。
 貴族という人たちの中には、身分によって人を見下す方々もいますからね。

「私、出席しますわ」

「ローゼ」

「アルフレッド様、私はサフィロス王家の次女ですのよ?貴族の方々のことはよくわかっておりますわ」

 心配ご無用です。確かに王女としては4年しか過ごしていないけど、麻里はOLとして11年働いてきたんだから、上司の嫌味やいじめなんかにも対応バッチリ。

「何か嫌がらせをされたら、すぐに僕に言ってくれ」

「ふふっ、大丈夫ですわ」

 私は、あの無表情鉄面皮の父様と4年も渡り合って来ましたのよ?王家の者として、ちゃんとお付き合いしてみせますわ!



「本日は、お招きいただきまして、ありがとうございます」

「お越しいただいて光栄ですわ。未来の王妃様」

 私を招いてくれた公爵令嬢は、ゆるやかな金髪に緑色の瞳の、大人っぽい美人さんだ。
 なんていうか、不埒な胸ですね。
くっ。同い年だと聞いていましたけど、私のささやかなモノと見比べると、あまりにも・・・
 男の人は、こういうナイスバディな方を好むのではないのかしら。

 帰ったら、アルフレッド様に聞いてみましょう。大きい方がお好きなようだったら、大きくなる運動とかした方がいいかもしれないわ。

 私はそんなことを考えながら、案内された席につく。
 お茶会の参加者は5人。
ホスト役の公爵令嬢に、侯爵家の方が2人と、伯爵家の方が2人だ。

 爵位と魔族としての力の強さは関係ないとフレイ様から教えてもらったけど、公爵令嬢の方はとても綺麗だから、魔族としての力も強いのかもしれない。
 力の強い方は、見目麗しいそうだから、この方も高位魔族なのだろうか。

 力と見た目が比例するというのは、私からしたら不思議なものだけど、フレイ様や、アルフレッド様を見ていると納得せざるを得ない。
 アルフレッド様に至っては、微笑んだだけで辺りの老若男女が腰砕けになるほどの美貌、歩く猥褻物だもの。
 父様やお兄様たちを見てきた私だから、何とか耐えれたけど、あの人の微笑みは一般の人には危険すぎるわ。

 そんなことを考えながら、お茶会は始まりを迎えた。
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