111 / 215
彼女の望むとおりに〜ハデス視点〜
しおりを挟む
「は?マクラーレン王国の王太子殿下が単独で?」
エレメンタル帝国の皇帝陛下に呼び出されたと思ったら、いきなり告げられたのがコレだ。
マクラーレン王国の王太子殿下が、自分の婚約者のためにジュエル・ローゼン嬢を欲している。
そのこと自体はジュエル嬢からも聞いていたし、彼女の義兄になったルークからも聞いていた。
王太子妃教育を終えているからだとジュエル嬢は思っているようだが、もちろんそれも理由のひとつだろうが、彼女自身の魅力のせいだと俺は思っている。
皇帝陛下は、王太子殿下が来る日付もルートも接触してくる状況も推測した上で、俺の望むようにしろと言った。
ジュエル嬢を守りたいなら、騎士たちを貸すし、連れて行かせたいなら、マクラーレン王国に着くまで影護衛を付ける、と。
そんなのは一択だ。
俺はジュエル嬢の自由を守ってやりたい。
そう言うと、陰から騎士に見守らせてやるから、守りきれないと思ったら合図を出せと言われた。
一応これでも、それなりに剣術は嗜んでいるが、相手は一国の王太子。
その配慮がありがたかった。
そして、確認のためにジュエル嬢にもこの件を告げた。
俺の独りよがりでは困るからだ。
告げたと言った時の陛下が「意気地なしめ」とか言ってたが、無視だ。
「守っていただいてもよろしいですか?」
「もちろん。俺の婚約者だと言ってもいいか?」
「はい。それで引いてくれるといいのですが」
それで引かない場合は、捕縛してマクラーレン王国に送り返すことになる。
そうなれば、処罰は免れないだろう。
ジュエル嬢としては、王太子殿下はどうでもいいが婚約者のご令嬢のことは気がかりらしい。
それに、マクラーレン王国自体が乱れることになるのは、ジュエル嬢の望むところではないのだとか。
「でも、どうして単独なのでしょう?」
「ああ。それは多分だが、騎士たちを連れて来たら侵略だと思われるせいだろう。それに目立つ。陛下には聞かなかったが、もしかしたら騎士たちを動かす権限を奪われているのかもしれない」
「そうですか。そこまで私にこだわらなくても、時がたてば友人としてルージュ様にお会いしましたのに」
ジュエル嬢はあくまでも、王太子殿下の都合の良い存在でいたくないだけで、友人関係まで壊したいとは考えてないのだろう。
マクラーレン王国の国王陛下や王弟殿下に言われたから会わずにローゼン王国に帰っただけで、二度と会わないとか考えてはいないらしい。
彼女の気持ちを思うと、大人しく引き下がって欲しい、そう思った。
エレメンタル帝国の皇帝陛下に呼び出されたと思ったら、いきなり告げられたのがコレだ。
マクラーレン王国の王太子殿下が、自分の婚約者のためにジュエル・ローゼン嬢を欲している。
そのこと自体はジュエル嬢からも聞いていたし、彼女の義兄になったルークからも聞いていた。
王太子妃教育を終えているからだとジュエル嬢は思っているようだが、もちろんそれも理由のひとつだろうが、彼女自身の魅力のせいだと俺は思っている。
皇帝陛下は、王太子殿下が来る日付もルートも接触してくる状況も推測した上で、俺の望むようにしろと言った。
ジュエル嬢を守りたいなら、騎士たちを貸すし、連れて行かせたいなら、マクラーレン王国に着くまで影護衛を付ける、と。
そんなのは一択だ。
俺はジュエル嬢の自由を守ってやりたい。
そう言うと、陰から騎士に見守らせてやるから、守りきれないと思ったら合図を出せと言われた。
一応これでも、それなりに剣術は嗜んでいるが、相手は一国の王太子。
その配慮がありがたかった。
そして、確認のためにジュエル嬢にもこの件を告げた。
俺の独りよがりでは困るからだ。
告げたと言った時の陛下が「意気地なしめ」とか言ってたが、無視だ。
「守っていただいてもよろしいですか?」
「もちろん。俺の婚約者だと言ってもいいか?」
「はい。それで引いてくれるといいのですが」
それで引かない場合は、捕縛してマクラーレン王国に送り返すことになる。
そうなれば、処罰は免れないだろう。
ジュエル嬢としては、王太子殿下はどうでもいいが婚約者のご令嬢のことは気がかりらしい。
それに、マクラーレン王国自体が乱れることになるのは、ジュエル嬢の望むところではないのだとか。
「でも、どうして単独なのでしょう?」
「ああ。それは多分だが、騎士たちを連れて来たら侵略だと思われるせいだろう。それに目立つ。陛下には聞かなかったが、もしかしたら騎士たちを動かす権限を奪われているのかもしれない」
「そうですか。そこまで私にこだわらなくても、時がたてば友人としてルージュ様にお会いしましたのに」
ジュエル嬢はあくまでも、王太子殿下の都合の良い存在でいたくないだけで、友人関係まで壊したいとは考えてないのだろう。
マクラーレン王国の国王陛下や王弟殿下に言われたから会わずにローゼン王国に帰っただけで、二度と会わないとか考えてはいないらしい。
彼女の気持ちを思うと、大人しく引き下がって欲しい、そう思った。
522
あなたにおすすめの小説
【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
【完結】彼の瞳に映るのは
たろ
恋愛
今夜も彼はわたしをエスコートして夜会へと参加する。
優しく見つめる彼の瞳にはわたしが映っているのに、何故かわたしの心は何も感じない。
そしてファーストダンスを踊ると彼はそっとわたしのそばからいなくなる。
わたしはまた一人で佇む。彼は守るべき存在の元へと行ってしまう。
★ 短編から長編へ変更しました。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi(がっち)
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
王子は婚約破棄を泣いて詫びる
tartan321
恋愛
最愛の妹を失った王子は婚約者のキャシーに復讐を企てた。非力な王子ではあったが、仲間の協力を取り付けて、キャシーを王宮から追い出すことに成功する。
目的を達成し安堵した王子の前に突然死んだ妹の霊が現れた。
「お兄さま。キャシー様を3日以内に連れ戻して!」
存亡をかけた戦いの前に王子はただただ無力だった。
王子は妹の言葉を信じ、遥か遠くの村にいるキャシーを訪ねることにした……。
【完結】愛とは呼ばせない
野村にれ
恋愛
リール王太子殿下とサリー・ペルガメント侯爵令嬢は六歳の時からの婚約者である。
二人はお互いを励まし、未来に向かっていた。
しかし、王太子殿下は最近ある子爵令嬢に御執心で、サリーを蔑ろにしていた。
サリーは幾度となく、王太子殿下に問うも、答えは得られなかった。
二人は身分差はあるものの、子爵令嬢は男装をしても似合いそうな顔立ちで、長身で美しく、
まるで対の様だと言われるようになっていた。二人を見つめるファンもいるほどである。
サリーは婚約解消なのだろうと受け止め、承知するつもりであった。
しかし、そうはならなかった。
【完結】裏切られたあなたにもう二度と恋はしない
たろ
恋愛
優しい王子様。あなたに恋をした。
あなたに相応しくあろうと努力をした。
あなたの婚約者に選ばれてわたしは幸せでした。
なのにあなたは美しい聖女様に恋をした。
そして聖女様はわたしを嵌めた。
わたしは地下牢に入れられて殿下の命令で騎士達に犯されて死んでしまう。
大好きだったお父様にも見捨てられ、愛する殿下にも嫌われ酷い仕打ちを受けて身と心もボロボロになり死んでいった。
その時の記憶を忘れてわたしは生まれ変わった。
知らずにわたしはまた王子様に恋をする。
【完結】恋は、終わったのです
楽歩
恋愛
幼い頃に決められた婚約者、セオドアと共に歩む未来。それは決定事項だった。しかし、いつしか冷たい現実が訪れ、彼の隣には別の令嬢の笑顔が輝くようになる。
今のような関係になったのは、いつからだったのだろう。
『分からないだろうな、お前のようなでかくて、エマのように可愛げのない女には』
身長を追い越してしまった時からだろうか。
それとも、特進クラスに私だけが入った時だろうか。
あるいは――あの子に出会った時からだろうか。
――それでも、リディアは平然を装い続ける。胸に秘めた思いを隠しながら。
【完結】愛してました、たぶん
たろ
恋愛
「愛してる」
「わたしも貴方を愛しているわ」
・・・・・
「もう少し我慢してくれ。シャノンとは別れるつもりだ」
「いつまで待っていればいいの?」
二人は、人影の少ない庭園のベンチで抱き合いながら、激しいキスをしていた。
木陰から隠れて覗いていたのは男の妻であるシャノン。
抱き合っていた女性アイリスは、シャノンの幼馴染で幼少期からお互いの家を行き来するぐらい仲の良い親友だった。
夫のラウルとシャノンは、政略結婚ではあったが、穏やかに新婚生活を過ごしていたつもりだった。
そんな二人が夜会の最中に、人気の少ない庭園で抱き合っていたのだ。
大切な二人を失って邸を出て行くことにしたシャノンはみんなに支えられてなんとか頑張って生きていく予定。
「愛してる」
「わたしも貴方を愛しているわ」
・・・・・
「もう少し我慢してくれ。シャノンとは別れるつもりだ」
「いつまで待っていればいいの?」
二人は、人影の少ない庭園のベンチで抱き合いながら、激しいキスをしていた。
木陰から隠れて覗いていたのは男の妻であるシャノン。
抱き合っていた女性アイリスは、シャノンの幼馴染で幼少期からお互いの家を行き来するぐらい仲の良い親友だった。
夫のラウルとシャノンは、政略結婚ではあったが、穏やかに新婚生活を過ごしていたつもりだった。
そんな二人が夜会の最中に、人気の少ない庭園で抱き合っていたのだ。
大切な二人を失って邸を出て行くことにしたシャノンはみんなに支えられてなんとか頑張って生きていく予定。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる