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常識も良心もないのか〜ハデス視点〜
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「ゔーっ!うゔー!」
目の前で縄でぐるぐる巻きにされている男に、ため息がもれた。
堂々と現れジュエル嬢に、婚約者が謝りたいと言っているから一緒に来て欲しいと言い、無理やり連れ去ろうとしたコイツに「俺の婚約者をどこに連れて行く?」と立ち塞がった。
なんていうか、話には聞いていたけど酷すぎないか?
婚約者が謝りたいいうのは理解できる。
だが、謝る相手に無理強いするというのはおかしいだろう?
本当にこの王太子の頭の中は、自分と自身の婚約者のことしかないんだな。
王太子という立場でありながら、単独で他国に来たことも身分を理解できていない証拠だ。
腕に自信があるのかもしれないが、襲われたら?
それで死んでも本人の責任だが、後継を失くす国は荒れるだろう。
身代金を請求されたら?
それに、国王陛下にも止められているのに、何故他国の令嬢であるジュエル嬢を国に連れ帰ろうとするんだ?
そのことが問題になると、考えなかったのか?
婚約者だと告げたのに、全く聞く耳を持たずに連れて行こうとする王太子に、ジュエル嬢が俺に助けを求めた。
王太子の手を取り払い、ジュエル嬢を抱き込む。
その時点で初めて、王太子は俺という存在を認識したように見えた。
そして、剣を抜こうと手をかけた時点で、俺は王太子の腹を蹴り飛ばし・・・陛下から預かっていた騎士たちに捕縛を頼んだ。
俺が王太子を蹴り飛ばしたことに、ジュエル嬢は目を丸くしていた。
「俺も剣が使えないわけじゃないが、お上品な腕前じゃないからな」
「まさか、蹴られるとは思いませんでしたわ」
「剣と違って、死にはしないだろう?」
まぁ、王族を蹴り飛ばすことになるとは、俺も思わなかった。
話が通じるとは思わなかったので、猿轡を噛ませ、縄でぐるぐる巻きにしてもらった。
陛下に頼んで、マクラーレン王国に迎えを寄越すように知らせてもらう。
さすがにぐるぐる巻きでは一人では帰せないし、かといって護衛を付けて帰すにしても何故こんなことになっているのか説明しなければならない。
今回のことは、見逃すことが出来ない。
なら、相手方の責任者を呼び寄せて対処を求めた方が早い。
連絡をとったところ、王弟殿下つまりは王太子の叔父が引き取りに来るとのことだった。
俺は王太子の前にしゃがみ込む。
「なぁ、なんでアンタは自分のことしか考えないんだ?そりゃ婚約者が大事なのは分かるが、だからといって他の人間の気持ちを無視していいわけじゃない。彼女の人生を好き勝手する権利はアンタにはないよ」
「ゔゔーっ!」
まぁ、諭した程度で理解するなら、こんなことしないよな。
目の前で縄でぐるぐる巻きにされている男に、ため息がもれた。
堂々と現れジュエル嬢に、婚約者が謝りたいと言っているから一緒に来て欲しいと言い、無理やり連れ去ろうとしたコイツに「俺の婚約者をどこに連れて行く?」と立ち塞がった。
なんていうか、話には聞いていたけど酷すぎないか?
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本当にこの王太子の頭の中は、自分と自身の婚約者のことしかないんだな。
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「剣と違って、死にはしないだろう?」
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