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エレメンタル帝国皇帝〜ダニエル視点〜
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ルージュの純潔を奪った後、父上たちには激怒されたが僕は後悔していなかった。
現に激怒されても僕は王太子のままだったし、ルージュとの結婚も早まった。
「ジュエル様に結婚式に出て欲しい」
ルージュがポツリともらした本音。
当然、僕はリビエラ嬢へ結婚式の紹介状を送った。
だけど返ってきたのは、黒曜石とルビーの腕輪が二対と欠席の返事。
ショックを受けているルージュのために、僕はリビエラ嬢の居所を探すことにした。
腕輪の宝石がエレメンタル帝国産だと気付いた僕は、手駒をエレメンタル帝国へ向かわせた。
そして、そこにいることを掴んだ僕は、すぐにエレメンタル帝国に向かう。
ルージュ。
すぐにリビエラ嬢を連れ帰ってあげるから、結婚式の準備をしながら待っていて。
リビエラ嬢は、エレメンタル帝国でローゼン王国の公爵家の嫡男と婚約していた。
は?
駄目だ。リビエラ嬢はマクラーレン王国で暮らしてもらうのだから。
彼女を攫おうとした僕は、彼に組み伏せられて拘束された。
どうしてだ?
まるで僕が来るのが分かっていたような・・・
「分かっていたのさ、小僧」
そう言って、拘束された僕を見下ろした男。
エレメンタル帝国の皇帝は、僕のことを道端に落ちているゴミでも見るような目で見る。
「小僧、お前は仮にも王太子だろう?王太子っていうのはな、たった一人の個ではなく、名も知らぬ大勢を選ぶべきなんだ。お前自身が個しか選べないなら、王太子の座からおりるべきだった。理解るか?自分を犠牲にしてもその他を選ぶのが、上に立つ者の役目なんだよ」
僕しか王家には子供はいない。
僕が継がないなら従弟のルイスが継ぐことになるが、アイツは優しいやつだから非情な決断が必要な王太子なんかさせたくない。
それに父上も母上も、僕がルージュを想っていても何も言わなかった。
夫婦仲がいい方が国としても安定するだろう?
「あのな、小僧。確かに仲が良いにこしたことはないが、お前のは度を越し過ぎだ。婚約者のために令嬢を誘拐するなんて、王太子以前に人として間違えているとなんでわからない?」
誘拐だなんて、大袈裟だ。
僕はただ、ルージュにリビエラ嬢を会わせてあげたかっただけだ。
別れの挨拶もせずにいなくなった彼女にだって、問題があるだろう?
「ハァ。親の責任もあるだろうが、ここまで極まってるなら手の打ちようもない。表舞台から下ろすしかないな。リビエラ嬢の希望も聞かなければならないが、毒杯あたりが無難か」
現に激怒されても僕は王太子のままだったし、ルージュとの結婚も早まった。
「ジュエル様に結婚式に出て欲しい」
ルージュがポツリともらした本音。
当然、僕はリビエラ嬢へ結婚式の紹介状を送った。
だけど返ってきたのは、黒曜石とルビーの腕輪が二対と欠席の返事。
ショックを受けているルージュのために、僕はリビエラ嬢の居所を探すことにした。
腕輪の宝石がエレメンタル帝国産だと気付いた僕は、手駒をエレメンタル帝国へ向かわせた。
そして、そこにいることを掴んだ僕は、すぐにエレメンタル帝国に向かう。
ルージュ。
すぐにリビエラ嬢を連れ帰ってあげるから、結婚式の準備をしながら待っていて。
リビエラ嬢は、エレメンタル帝国でローゼン王国の公爵家の嫡男と婚約していた。
は?
駄目だ。リビエラ嬢はマクラーレン王国で暮らしてもらうのだから。
彼女を攫おうとした僕は、彼に組み伏せられて拘束された。
どうしてだ?
まるで僕が来るのが分かっていたような・・・
「分かっていたのさ、小僧」
そう言って、拘束された僕を見下ろした男。
エレメンタル帝国の皇帝は、僕のことを道端に落ちているゴミでも見るような目で見る。
「小僧、お前は仮にも王太子だろう?王太子っていうのはな、たった一人の個ではなく、名も知らぬ大勢を選ぶべきなんだ。お前自身が個しか選べないなら、王太子の座からおりるべきだった。理解るか?自分を犠牲にしてもその他を選ぶのが、上に立つ者の役目なんだよ」
僕しか王家には子供はいない。
僕が継がないなら従弟のルイスが継ぐことになるが、アイツは優しいやつだから非情な決断が必要な王太子なんかさせたくない。
それに父上も母上も、僕がルージュを想っていても何も言わなかった。
夫婦仲がいい方が国としても安定するだろう?
「あのな、小僧。確かに仲が良いにこしたことはないが、お前のは度を越し過ぎだ。婚約者のために令嬢を誘拐するなんて、王太子以前に人として間違えているとなんでわからない?」
誘拐だなんて、大袈裟だ。
僕はただ、ルージュにリビエラ嬢を会わせてあげたかっただけだ。
別れの挨拶もせずにいなくなった彼女にだって、問題があるだろう?
「ハァ。親の責任もあるだろうが、ここまで極まってるなら手の打ちようもない。表舞台から下ろすしかないな。リビエラ嬢の希望も聞かなければならないが、毒杯あたりが無難か」
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