116 / 215
エレメンタル帝国皇帝〜ダニエル視点〜
しおりを挟む
ルージュの純潔を奪った後、父上たちには激怒されたが僕は後悔していなかった。
現に激怒されても僕は王太子のままだったし、ルージュとの結婚も早まった。
「ジュエル様に結婚式に出て欲しい」
ルージュがポツリともらした本音。
当然、僕はリビエラ嬢へ結婚式の紹介状を送った。
だけど返ってきたのは、黒曜石とルビーの腕輪が二対と欠席の返事。
ショックを受けているルージュのために、僕はリビエラ嬢の居所を探すことにした。
腕輪の宝石がエレメンタル帝国産だと気付いた僕は、手駒をエレメンタル帝国へ向かわせた。
そして、そこにいることを掴んだ僕は、すぐにエレメンタル帝国に向かう。
ルージュ。
すぐにリビエラ嬢を連れ帰ってあげるから、結婚式の準備をしながら待っていて。
リビエラ嬢は、エレメンタル帝国でローゼン王国の公爵家の嫡男と婚約していた。
は?
駄目だ。リビエラ嬢はマクラーレン王国で暮らしてもらうのだから。
彼女を攫おうとした僕は、彼に組み伏せられて拘束された。
どうしてだ?
まるで僕が来るのが分かっていたような・・・
「分かっていたのさ、小僧」
そう言って、拘束された僕を見下ろした男。
エレメンタル帝国の皇帝は、僕のことを道端に落ちているゴミでも見るような目で見る。
「小僧、お前は仮にも王太子だろう?王太子っていうのはな、たった一人の個ではなく、名も知らぬ大勢を選ぶべきなんだ。お前自身が個しか選べないなら、王太子の座からおりるべきだった。理解るか?自分を犠牲にしてもその他を選ぶのが、上に立つ者の役目なんだよ」
僕しか王家には子供はいない。
僕が継がないなら従弟のルイスが継ぐことになるが、アイツは優しいやつだから非情な決断が必要な王太子なんかさせたくない。
それに父上も母上も、僕がルージュを想っていても何も言わなかった。
夫婦仲がいい方が国としても安定するだろう?
「あのな、小僧。確かに仲が良いにこしたことはないが、お前のは度を越し過ぎだ。婚約者のために令嬢を誘拐するなんて、王太子以前に人として間違えているとなんでわからない?」
誘拐だなんて、大袈裟だ。
僕はただ、ルージュにリビエラ嬢を会わせてあげたかっただけだ。
別れの挨拶もせずにいなくなった彼女にだって、問題があるだろう?
「ハァ。親の責任もあるだろうが、ここまで極まってるなら手の打ちようもない。表舞台から下ろすしかないな。リビエラ嬢の希望も聞かなければならないが、毒杯あたりが無難か」
現に激怒されても僕は王太子のままだったし、ルージュとの結婚も早まった。
「ジュエル様に結婚式に出て欲しい」
ルージュがポツリともらした本音。
当然、僕はリビエラ嬢へ結婚式の紹介状を送った。
だけど返ってきたのは、黒曜石とルビーの腕輪が二対と欠席の返事。
ショックを受けているルージュのために、僕はリビエラ嬢の居所を探すことにした。
腕輪の宝石がエレメンタル帝国産だと気付いた僕は、手駒をエレメンタル帝国へ向かわせた。
そして、そこにいることを掴んだ僕は、すぐにエレメンタル帝国に向かう。
ルージュ。
すぐにリビエラ嬢を連れ帰ってあげるから、結婚式の準備をしながら待っていて。
リビエラ嬢は、エレメンタル帝国でローゼン王国の公爵家の嫡男と婚約していた。
は?
駄目だ。リビエラ嬢はマクラーレン王国で暮らしてもらうのだから。
彼女を攫おうとした僕は、彼に組み伏せられて拘束された。
どうしてだ?
まるで僕が来るのが分かっていたような・・・
「分かっていたのさ、小僧」
そう言って、拘束された僕を見下ろした男。
エレメンタル帝国の皇帝は、僕のことを道端に落ちているゴミでも見るような目で見る。
「小僧、お前は仮にも王太子だろう?王太子っていうのはな、たった一人の個ではなく、名も知らぬ大勢を選ぶべきなんだ。お前自身が個しか選べないなら、王太子の座からおりるべきだった。理解るか?自分を犠牲にしてもその他を選ぶのが、上に立つ者の役目なんだよ」
僕しか王家には子供はいない。
僕が継がないなら従弟のルイスが継ぐことになるが、アイツは優しいやつだから非情な決断が必要な王太子なんかさせたくない。
それに父上も母上も、僕がルージュを想っていても何も言わなかった。
夫婦仲がいい方が国としても安定するだろう?
「あのな、小僧。確かに仲が良いにこしたことはないが、お前のは度を越し過ぎだ。婚約者のために令嬢を誘拐するなんて、王太子以前に人として間違えているとなんでわからない?」
誘拐だなんて、大袈裟だ。
僕はただ、ルージュにリビエラ嬢を会わせてあげたかっただけだ。
別れの挨拶もせずにいなくなった彼女にだって、問題があるだろう?
「ハァ。親の責任もあるだろうが、ここまで極まってるなら手の打ちようもない。表舞台から下ろすしかないな。リビエラ嬢の希望も聞かなければならないが、毒杯あたりが無難か」
582
あなたにおすすめの小説
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
【完結】優しいあなたに、さようなら。二人目の婚約者は、私を殺そうとしている冷血公爵様でした
ゆきのひ
恋愛
伯爵令嬢であるディアの婚約者は、整った容姿と優しい性格で評判だった。だが、いつからか彼は、婚約者であるディアを差し置き、最近知り合った男爵令嬢を優先するようになっていく。
彼と男爵令嬢の一線を越えた振る舞いに耐え切れなくなったディアは、婚約破棄を申し出る。
そして婚約破棄が成った後、新たな婚約者として紹介されたのは、魔物を残酷に狩ることで知られる冷血公爵。その名に恐れをなして何人もの令嬢が婚約を断ったと聞いたディアだが、ある理由からその婚約を承諾する。
しかし、公爵にもディアにも秘密があった。
その秘密のせいで、ディアは命の危機を感じることになったのだ……。
※本作は「小説家になろう」さん、カクヨムさんにも投稿しています
※表紙画像はAIで作成したものです
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫」と笑った夫。~王宮から私が去ったあと「愛していた」と泣きついても、もう手遅れです~
水上
恋愛
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫だ」
夫である王太子はそう笑い、泣き真似が得意な見習い令嬢ばかりを優先した。
王太子妃セシリアは、怒り狂うこともなく、静かに心を閉ざす。
「左様でございますか」
彼女は夫への期待というノイズを遮断し、離縁の準備を始めた。
【完結】恋は、終わったのです
楽歩
恋愛
幼い頃に決められた婚約者、セオドアと共に歩む未来。それは決定事項だった。しかし、いつしか冷たい現実が訪れ、彼の隣には別の令嬢の笑顔が輝くようになる。
今のような関係になったのは、いつからだったのだろう。
『分からないだろうな、お前のようなでかくて、エマのように可愛げのない女には』
身長を追い越してしまった時からだろうか。
それとも、特進クラスに私だけが入った時だろうか。
あるいは――あの子に出会った時からだろうか。
――それでも、リディアは平然を装い続ける。胸に秘めた思いを隠しながら。
あなたへの愛を捨てた日
柴田はつみ
恋愛
公爵夫人エステルは、冷徹な夫レオニスを心から愛していた。彼の好みを調べ、帰宅を待ちわび、献身的に尽くす毎日。
しかし、ある夜会の回廊で、エステルは残酷な真実を知る。
レオニスが、未亡人クラリスの手を取り囁いていたのだ。
「君のような(自立した)女性が、私の隣にいるべきだった」
エステルは悟る。自分の愛は彼にとって「重荷」であり、自分という人間は彼にとって「不足」だったのだと。その瞬間、彼女の中で何かが音を立てて砕け散る。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
【完結】彼の瞳に映るのは
たろ
恋愛
今夜も彼はわたしをエスコートして夜会へと参加する。
優しく見つめる彼の瞳にはわたしが映っているのに、何故かわたしの心は何も感じない。
そしてファーストダンスを踊ると彼はそっとわたしのそばからいなくなる。
わたしはまた一人で佇む。彼は守るべき存在の元へと行ってしまう。
★ 短編から長編へ変更しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる