嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜

みおな

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二人きりの世界〜ダニエル視点〜

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 そして僕は、マクラーレン王国へと移送された。

 そのまま父上から、北の離宮に幽閉すると告げられる。

 どうやらリビエラ嬢が処刑を拒んだらしい。

 ルージュと二人きりの世界。
僕からしたら罰でなくご褒美だと思ったんだ。

 最初は。

 僕は気付かなかった。
は、閉ざされた空間では精神異常をおこすことを。

 僕はしばらくしてほとぼりが冷めたら、離宮から出されると思っていたし、それまでルージュと二人きりを楽しめば良いとすら思っていた。

 ルージュも最初は、もし子供ができたらとか、たくさん色んなことを話していたんだ。

 離宮では、王族である僕や公爵令嬢であるルージュの世話をするために、侍女が付けられていた。

 だけど、僕たちが何を話しかけても一言も口をきかないんだ。

 紙に書いて見せられたのは、言葉を交わすと罰せられるので話せません、ということ。

 朝から淡々と僕たちの世話だけをして、日が落ちると離宮から出て行く。

 この離宮は、三重構造になっていて、僕たちがいる内心部から門を越えると侍女たちが待機する場所があり、また門を超えて騎士たちの待機場、そして最後の門を越えると外に出ることになる。

 侍女や騎士たちも何重にもチェックされて配置される厳重さだ。

 窓も全て塞がれていて、中にいると昼か夜かもわからない。

 侍女たちが来るから朝、帰るから夜という認識だ。

 そんな中で、少しずつルージュは壊れていった。

 最初は、口数が減った。

 離宮にはなんの娯楽もない。
刺繍糸も本も何もなく、侍女に持ってくるように伝えても叶わなかった。

 そのうち、抱き合うくらいしかすることがなくなって・・・

 僕はそれでも、愛するルージュのそばにいられれば満足だった。

 だけど、ルージュは僕の大好きだった笑顔も、鈴を転がしたような声も、何も僕に見せてくれなくなっていった。

 目を開いて息をしているだけの

 違う!
僕の欲しいのは、僕を叱ったり笑いかけたりしてくれるルージュだ。

 子供でもできれば、ルージュも変わるかもしれない。

 父上たちだって、孫ができたと知ればここから出してくれるだろう。

 そう思うのに、ルージュに月のものが来てしまう。

 ルージュが何をしたというんだ?
ただ、伯爵令嬢に結婚式に来て欲しいと望んだだけじゃないか。

 エレメンタル帝国の皇帝の言葉が、僕の頭の中に浮かぶ。

 僕がルージュを選んだのがいけないのか?

 愛する女性を望むのが、そんなにいけないことなのか?

 その問いに答えてくれる人はいない。
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