嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜

みおな

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私って冷たいのかしら

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 モブナノ侯爵令嬢様がどうなったのかを、ハデス様から聞いた。

 西の修道院に送られたそうだ。

 ローゼン王国の『西の修道院』は、貴族令嬢が一番行きたくない場所、といっても過言ではない。

 規律が厳しく、上下関係も厳しい。
元の身分など関係なく、後から入った者が底辺として扱われると聞く。

 外出なども全く出来ず、朝早くから修道女としての仕事をし、夜遅くまで幼児が学ぶようなマナーや歴史などを学ばされる。

 なんていうか・・・
かわいそうだとは思うけど、仕方ないわよね。

 私に嫌味が言いたいなら、陰で言えば良かったのに。

 あんな公衆の面前というか、王太子殿下の結婚パーティーで、どうしてとしか言えないわ。

 婚約者と上手くいっていなかったと聞いたから、ハデス様と仲睦まじくしていた私が気に入らなかったのかもしれないけど、時と場所を選ぶべきだったと思う。

 モブナノ侯爵様にしても、即座に対応しなければ、侯爵家に被害が及ぶもの。

 当主として、正しい判断だったと思うわ。

 私は確かに伯爵令嬢だけど、シリウス殿下のことで王家とは縁付きだし、婚約者のハデス様はウェルズ公爵家とになる。

 それに、エレメンタル帝国やマクラーレン王国とも縁があるのよ。

 正しく判断すれば、誰もいないところで私個人に嫌味を言う程度にするべきだったわ。

 別に嫌味を言われたからって、なんとも思わないし。

 だってあの程度の嫌味、シリウス殿下の婚約者時代に散々言われたわ。

 王妃様にも言われたし、もっと酷かったもの。

 あの頃は・・・
私が伯爵令嬢だから、とか気落ちしてたけど、今はそんなこと思わない。

 ウィングバード公爵閣下がおっしゃって下さったように、私にはあの辛かった期間に学んで身に付けた知識や経験がある。

 私を愛し支えてくれる家族も、周囲も、それから婚約者もいる。

 だから、あの程度の嫌味なら聞き流してあげたのに。

「それで、婚約破棄されたと?」

「ああ。まぁ、婚約者の方も問題有りだったからな。モブナノ令嬢を蔑ろにして、幼馴染を婚約者のように扱っていたらしい」

「・・・それを、その家族も認めていた、と?」

「ああ。王太子殿下にも今回の件でお耳に入ったから、されるだろう。殿下の治世にはとね」

 モブナノ様がなさったことは、決して正しいことではないけど、私はその婚約者の方に嫌悪するわ。

 何かの利権が絡んでたとしても、政略結婚の意味も理解出来ないのかしら。

 、お姉様がお支えする新生ローゼン王国には必要ないわね。
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