嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜

みおな

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エレメンタル帝国へ

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 エレメンタル帝国に戻る前日、国王陛下たちにご挨拶に向かった。

「そうか・・・もう行くのか」

「姉が出産しましたら、またご挨拶に伺います」

「ああ。会えるのを楽しみにしている。リビエラ嬢、ウェルズ殿、どうか幸せになってくれ」

 国王陛下のお気持ちが嬉しい。
礼を述べて王宮を辞した。

 今夜は家族で、パーティーだ。
ハデス様の弟様のゼウス様とその婚約者様も参加して下さった。

「うううっ・・・じゅえるぅ~」

「お姉様、泣かないで下さい。ほらっ、すぐにまた会えるじゃないですか!」

 泣き出したお姉様を、お兄様と一緒に宥める。

 お姉様が出産されたらお祝いに来るつもりだから、そんな先の話でもないのに。

「だって、だって、私のジュエルがお嫁に行っちゃうぅ〰︎」

「お嫁・・・」

 確かにハデス様と婚約したし、その・・・いずれ結婚したいけど、改めて言われると恥ずかしいわ。

「フレグランス、落ち着いて。ジュエルが幸せになるのだから、喜んであげなきゃ」

「うゔっ、ウェルズ様ぁ、ジュエルを泣かせたら許さないからぁ~!」

 誰かお姉様にお酒を飲ませたのかしら?
そんなわけないわよね?妊婦だし。

 まるで、酔っ払いが絡んでるみたいなんだけど。

 それでも、お姉様が私のことを大切に思ってくださっていることは、理解しているから素直に嬉しいと思う。

 賑やかなパーティーは、夜まで続いて・・・

 翌朝、私とハデス様はエレメンタル帝国に向かって旅立った。

「ハデス様、お姉様がごめんなさい」

「いや。フレグランス嬢がジュエル嬢を大切に思っているのは理解っていたからな。それに多分、妊娠していることで精神不安定だったんだろう」

「そうかもしれません。お身体を大切にして、元気なお子を産んで欲しいです」

 私にとって、初めての甥姪だ。
どちらが産まれるとしても、楽しみで仕方ない。

「お祝いを持って駆けつけような」

「はい!」

 私とハデス様は、これからエレメンタル帝国で暮らすことになる。

 エレメンタル帝国では別に学園に通う必要はないらしいけど、エレメンタル帝国で暮らすなら誰かお友達は作りたいわ。

 その旨をハデス様に伝えると、とりあえず皇帝陛下に話してから、ということになった。

 ハデス様は平民になるつもりだったらしいけど、皇帝陛下が認めてくださらないらしい。

 下位貴族としても爵位を賜るのなら、友人もその爵位に合った友人を探さなければならないからだ。

 異常にハデス様を気に入っている皇帝陛下だけど、さすがに高位の爵位を与えたりしないわよね?

 

 
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