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待っていたのは
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「待っていたわ!ジュエル様!」
エレメンタル帝国に着き、皇帝陛下にご挨拶する為に向かった先、謁見の間で待っていたのは・・・
「すまんな、ラティエラはジュエル嬢が気に入ったらしくてな」
相変わらず超絶美人な皇妃様だった。
うちのお母様やお姉様も美人だと思っていたし、実際に美人でいまだにファンクラブとかあるくらいだけど・・・
ラティエラ様は女神みたいにお綺麗だ。
緩やかな波を描いた髪は、後ろは綺麗に結い上げられているけどサイドが細く垂らされていて、キラキラと輝いている。
金と銀が混じったような、不思議な髪色で、瞳も同じ色。
そんなこの世のものとは思えない美人な皇妃様が、私を見て両の手を合わせて感激してくれている。
「本当に可愛いわぁ。ああ!わたくしもこんな可愛い娘が欲しかったわ!」
「すまんな、ジュエル嬢。うちは男ばかりしか子がいなくてな」
「いえ。お会いできて私も嬉しいです」
「ごめんなさいね、はしゃいでしまって。以前お会いした時から、ジュエル様とまた会いたいと思っていたの」
エレメンタル帝国皇帝陛下には、五人のお子様がいらっしゃるそうだけど、全員ご子息だとか。
少しだけお気持ちが分かるわ。
私も幼い頃に、お母様とお姉様に着せ替え人形にされたもの。
可愛く着飾りたくなるのよね。
「ハデスが養子になってくれたら、可愛い娘ができるのに!」
「皇妃様、無茶をおっしゃらないで下さい」
「分かってるわよ。でも、屋敷は準備してあるけれど、しばらくは城に留まりなさい。ロロナが戻っているらしいのよ」
皇妃様にそう言われたハデス様のお顔が、一瞬嫌そうに強張った。
「ハデス様?」
「ジュエル様・・・ジュエルちゃんと呼んで良いかしら?」
「え、あ、はい」
まさか、皇妃様にちゃん付けで呼ばれる日が来るとは思わなかったわ。
ローゼン王国の王妃様は私をあまりお好きではなかったから、名前で呼んで下さったのは王太子妃教育が終わってからだったし、マクラーレン王国の王妃様や伯母様たちには可愛がっていただいたけど・・・
「ジュエルちゃん、あのね・・・わたくしには妹がいて、帝国の侯爵家に嫁いでいるの。妹には娘がいてね・・・それがハデスのことを好いていたのよ」
「そうなのですね」
「ハデスに何度拒絶されても納得しないし、行いが酷いものだから、陛下の命で他国の伯爵家に嫁に出したの。それが離縁されて戻って来てるのよ」
皇帝陛下の命でお嫁に出されるなんて、よほどの方なのかしら。
その方が戻って来ているから、お城に留まれということ?
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「ハデスに何度拒絶されても納得しないし、行いが酷いものだから、陛下の命で他国の伯爵家に嫁に出したの。それが離縁されて戻って来てるのよ」
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その方が戻って来ているから、お城に留まれということ?
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