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相応しい立場
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シキほどではないにしても、グレンもクラウドも剣も魔法もなかなかに使えるようだった。
一応、怪我をしないように二人に簡易の結界石(カタパルトに渡したバージョン)を渡して、私は高速移動をしながら魔獣を狩っていく。
そして、思っていたよりは短い時間でほとんどの魔獣を狩ることが出来た。
シンクレア王国にはギルドがないので、アイテムボックスに見せかけた保管庫に入れてカルディア帝国へと運ぶことにした。
シンクレア王国に集まっていた魔獣は狩ったけど、世界にはまだ魔獣がいるからそのうちまたシンクレアにもやって来るかもしれない。
まぁ、それまでにはシキたちが何か対策を施すだろう。
「ただいま戻りました」
「おかえりなさいませ、ティア様。陛下は今、魔道具の作成中です。お二人の婚約者様方は、シンクレア王国王妃殿下とご一緒に、東の庭園のガゼボにいらっしゃいます」
アルヴァン様が、クロを抱いて迎えてくれた。
「クロ、ただいま~」
「にゃん」
「私はシキの様子を見て来ますけど、お二人はどうします?」
「・・・一応、帰還の報告を兼ねて顔を見せておこう」
そんな会話をしていると、執務室の扉が開き、当のシキが顔を覗かせた。
「ああ。帰っていたのか」
「今いる分に関しては殲滅しました。魔道具の方はどうですか?」
「こちらも何とか出来た。休んでから自動治癒の魔法をかけてもらいたい・・・ん?どうした?グレン、クラウド。さすがに大量の魔獣討伐は堪えたか?」
どこか疲れた様子の二人に、シキが首を傾げる。
二人も結構な量の魔獣を狩っていたみたいだから、疲れるのも仕方ない。
「お二人ともお疲れ様でした。おかげで助かりました」
「・・・いや、まぁ、うん」
「なんだ?歯切れが悪いな、クラウド。グレンもその微妙な顔はどうした?」
「微妙って・・・大概失礼なヤツだな。まぁ、確かに、そう言われも仕方ないのかもしれんが。別に疲れてはいない。半分以上はティア嬢が倒したからな」
「僕たちは、婚約者のところへ行かせてもらうよ。あ、ティアちゃん」
立ち去ろうとしていた二人だけど、ふと立ち止まってクラウドが振り返った。
「さっきの話、真剣に考えてみてくれないかな?僕たちは君の能力を思ってたより過小評価してたみたいだ。君がフリーでいることは危険が多い。ティアちゃんが相応しくないと思っている立場は、ティアちゃんが思っているより相応しいし、君自身も大切な人も守ってくれるよ」
「なんのことだ?」
「ティアちゃんに聞きな。ティアちゃん、よく考えてみてね」
そう言うと、二人はアルヴァン様に導かれて、立ち去って行った。
一応、怪我をしないように二人に簡易の結界石(カタパルトに渡したバージョン)を渡して、私は高速移動をしながら魔獣を狩っていく。
そして、思っていたよりは短い時間でほとんどの魔獣を狩ることが出来た。
シンクレア王国にはギルドがないので、アイテムボックスに見せかけた保管庫に入れてカルディア帝国へと運ぶことにした。
シンクレア王国に集まっていた魔獣は狩ったけど、世界にはまだ魔獣がいるからそのうちまたシンクレアにもやって来るかもしれない。
まぁ、それまでにはシキたちが何か対策を施すだろう。
「ただいま戻りました」
「おかえりなさいませ、ティア様。陛下は今、魔道具の作成中です。お二人の婚約者様方は、シンクレア王国王妃殿下とご一緒に、東の庭園のガゼボにいらっしゃいます」
アルヴァン様が、クロを抱いて迎えてくれた。
「クロ、ただいま~」
「にゃん」
「私はシキの様子を見て来ますけど、お二人はどうします?」
「・・・一応、帰還の報告を兼ねて顔を見せておこう」
そんな会話をしていると、執務室の扉が開き、当のシキが顔を覗かせた。
「ああ。帰っていたのか」
「今いる分に関しては殲滅しました。魔道具の方はどうですか?」
「こちらも何とか出来た。休んでから自動治癒の魔法をかけてもらいたい・・・ん?どうした?グレン、クラウド。さすがに大量の魔獣討伐は堪えたか?」
どこか疲れた様子の二人に、シキが首を傾げる。
二人も結構な量の魔獣を狩っていたみたいだから、疲れるのも仕方ない。
「お二人ともお疲れ様でした。おかげで助かりました」
「・・・いや、まぁ、うん」
「なんだ?歯切れが悪いな、クラウド。グレンもその微妙な顔はどうした?」
「微妙って・・・大概失礼なヤツだな。まぁ、確かに、そう言われも仕方ないのかもしれんが。別に疲れてはいない。半分以上はティア嬢が倒したからな」
「僕たちは、婚約者のところへ行かせてもらうよ。あ、ティアちゃん」
立ち去ろうとしていた二人だけど、ふと立ち止まってクラウドが振り返った。
「さっきの話、真剣に考えてみてくれないかな?僕たちは君の能力を思ってたより過小評価してたみたいだ。君がフリーでいることは危険が多い。ティアちゃんが相応しくないと思っている立場は、ティアちゃんが思っているより相応しいし、君自身も大切な人も守ってくれるよ」
「なんのことだ?」
「ティアちゃんに聞きな。ティアちゃん、よく考えてみてね」
そう言うと、二人はアルヴァン様に導かれて、立ち去って行った。
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