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悪役令嬢回避編
気持ちの転換期
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私が残っていることに気付いたレイノルドが、目を見開いた。
「何してんの?アニエス嬢!」
「何って・・・何かお力になればと思いまして」
まぁ、力になんて言っても、残念ながら私には転生チートなるものはない。
だから、元々アニエスが持っている魔力と魔法しか使えない。
一応、筆頭公爵家の令嬢にして、王太子殿下の婚約者。魔力量も多いし、使える魔法も中々強力だったりする。
しかし、せっかく転生させてくれるなら、チート能力が欲しかったわ。
普通に暮らしてる分には必要ないけど、こんなイベント起こすなら、能力は必須だと思うんだけど。
まぁ、ないものねだりをしたところで、どうにもならないのはわかってるけどね。
唯一、私にあるのはラノベの知識。詳細は書かれてなかったけど、倒すための参考になることくらいは、もしかしたらアドバイスできるかもしれない。
「お力って・・・魔獣だよ?殿下ですら怪我を負ったんだよ?」
「ええ。わかっておりますわ。ですが、ノックス様に何かありましたら、わたくしイザベラ様に顔向けできませんもの」
「ゔっ・・・」
レイノルドはラノベの中と違い、婚約者のイザベラのことを、とても大切にしている。
だから、イザベラの名前を出したことで言葉に詰まっている。
それに、マリウスが怪我を負ったのは、多分だけど、マリアやその他のご令嬢たちを守ろうとしたからだと思う。
この世界は不思議だ。
ラノベの中と同じキャラが登場するけど、ラノベの中と同じではない。
みんな婚約者のことを大切にしているし、ラノベの中のように、私のことを嫌ったりしていない。
それなのに、時々強制力なのか何なのか、イベント的なことが起こる。
さっき見た、マリウスを助けるために聖女の力を使ったマリアの姿と、気を失ったマリアを抱き寄せたマリウスの姿を思い出す。
ほんの少し、胸が痛むのは、私の中にあるアニエスの気持ちなのかもしれない。
私自身は、マリウスのこともマリアのことも好きである。
ただ、なんていうか、どうしても私からするとみんな子供で、歳の離れた妹や弟って感じなのだ。
いつまでも、こんな気持ちのまま婚約者でいるべきではないのかもしれない。
確かに私は、筆頭公爵家の娘で、王太子殿下の婚約者にと王命を受けている。
だけど、お父様にお願いすれば、どうにか辞退することはできるかもしれない。
それに、マリアとマリウスが思い合うまでとか、私の傲慢なのかもしれない。
私さえいなければ、あの2人はうまくいくのかもしれない。
この件が終わったら、マリウスと話をしよう。私は、そう考えていた。
だがー
それは叶わないことになる。
「何してんの?アニエス嬢!」
「何って・・・何かお力になればと思いまして」
まぁ、力になんて言っても、残念ながら私には転生チートなるものはない。
だから、元々アニエスが持っている魔力と魔法しか使えない。
一応、筆頭公爵家の令嬢にして、王太子殿下の婚約者。魔力量も多いし、使える魔法も中々強力だったりする。
しかし、せっかく転生させてくれるなら、チート能力が欲しかったわ。
普通に暮らしてる分には必要ないけど、こんなイベント起こすなら、能力は必須だと思うんだけど。
まぁ、ないものねだりをしたところで、どうにもならないのはわかってるけどね。
唯一、私にあるのはラノベの知識。詳細は書かれてなかったけど、倒すための参考になることくらいは、もしかしたらアドバイスできるかもしれない。
「お力って・・・魔獣だよ?殿下ですら怪我を負ったんだよ?」
「ええ。わかっておりますわ。ですが、ノックス様に何かありましたら、わたくしイザベラ様に顔向けできませんもの」
「ゔっ・・・」
レイノルドはラノベの中と違い、婚約者のイザベラのことを、とても大切にしている。
だから、イザベラの名前を出したことで言葉に詰まっている。
それに、マリウスが怪我を負ったのは、多分だけど、マリアやその他のご令嬢たちを守ろうとしたからだと思う。
この世界は不思議だ。
ラノベの中と同じキャラが登場するけど、ラノベの中と同じではない。
みんな婚約者のことを大切にしているし、ラノベの中のように、私のことを嫌ったりしていない。
それなのに、時々強制力なのか何なのか、イベント的なことが起こる。
さっき見た、マリウスを助けるために聖女の力を使ったマリアの姿と、気を失ったマリアを抱き寄せたマリウスの姿を思い出す。
ほんの少し、胸が痛むのは、私の中にあるアニエスの気持ちなのかもしれない。
私自身は、マリウスのこともマリアのことも好きである。
ただ、なんていうか、どうしても私からするとみんな子供で、歳の離れた妹や弟って感じなのだ。
いつまでも、こんな気持ちのまま婚約者でいるべきではないのかもしれない。
確かに私は、筆頭公爵家の娘で、王太子殿下の婚約者にと王命を受けている。
だけど、お父様にお願いすれば、どうにか辞退することはできるかもしれない。
それに、マリアとマリウスが思い合うまでとか、私の傲慢なのかもしれない。
私さえいなければ、あの2人はうまくいくのかもしれない。
この件が終わったら、マリウスと話をしよう。私は、そう考えていた。
だがー
それは叶わないことになる。
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