「殿下、人違いです」どうぞヒロインのところへ行って下さい

みおな

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悪役令嬢回避編

魔獣討伐3

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 レイノルドの魔法で、魔獣がこんがり焼けていく。
 いや、こんがりというか、真っ赤に燃え続けているけどね。

 とにかく、出来ることなら1000℃くらいまでは熱しておきたい。倒せる確率を上げたいのだ。

 魔法科の先生たちの拘束魔法も、何とか機能している。

 水はしっかり溜まったし、あとは、アレを水の中に落とすのと同時に、結界魔法を発動しなければならない。

 前もって結界を張っておくと、水が熱せられて蒸発してしまうのと、結界魔法というものは結構魔力を消費するので、タイミングよく発動することになったのだ。

 合図は、レイノルドが出すことになっている。
 それに合わせて、先生たちが拘束魔法ごと水に叩き落とし、それと同時に私が水周辺を結界で覆う。

 燃え続ける魔獣を見上げる。
やっぱり、ジブ○の猪神に似てるなぁ。普通、こういう場合の魔物ってドラゴンとかだと思ってたけど。

 でも、ドラゴンだったら、勝てないわ。空飛ぶし。火吹くし。デカいし。

 しかし、この魔獣、本当にあのご令嬢たちが召喚したのかな?
 魔獣召喚なんて、そう簡単に出来るものじゃないはずなんだけど。

 まぁ、その辺りはルビスが問い詰めると思うけど。
 もし、あのご令嬢たちが犯人なら、王太子殿下に怪我を負わせたわけだし、お家取り潰しかもなぁ。

 魔獣を見上げながら、そんなことを考えていると、レイノルドが私に視線を向けた。

 どうやら、準備が整ったようだ。
タイミングを合わせるべく、先生方と呼吸を合わせる。

 水を溜めた部分から、ひと回り大きくドーム型に結界を張るイメージを展開する。

 先生方が引きずり落とした瞬間、私が展開した結界の中で、水が一気に膨張し、爆発が起きた。

 激し過ぎる爆発に、結界で包んでいるというのに、周囲の地面までもが揺れる。

 ふらついた私の体を、レイノルドが支えてくれる。
 結界の中は、激しい爆発のため、まだ魔獣の様子はわからない。

 コレで倒せてなかったら、打つ手がない。
レイノルドも先生たちも、持てる魔力のほとんどを使い切っている。

 と。

 結界内で、それを破ろうと激しくぶつかった。

 マジか。
アレで爆死しないって、どんだけ頑丈に出来てんのよ。

 もう一重、結界を展開する。
どうする?どうすればいい?爆発の影響で傷だらけだけど、暴れる力は残っているみたいだ。

 私の結界だって、いつまでもは保たない。もう1度爆発を起こせば、倒せそうな気もするけど、また1からアレを行うには魔力が足りない。

「ノックス様。あと、どの程度の魔法なら、使えます?」

「どんな魔法でも・・・と言いたいところだけど、せいぜいあの中をもう少し燃やす程度かな」

 燃やすか・・・あの爆発に耐えたというか1000℃に耐えた魔獣を、今更燃やしたところで・・・

 ん?それなら冷やしたら?
ガラスのコップとか熱した後に急激に冷やしたら割れるよね?まぁ、魔獣は割れないだろうけど、熱せられてる結界は


 






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