「殿下、人違いです」どうぞヒロインのところへ行って下さい

みおな

文字の大きさ
109 / 128
学園卒業編

過保護と溺愛コンボ

しおりを挟む
「アニエス!冷えるといけないから、ほらっ、膝掛け」

「・・・・・・ありがとうございます、マリ様」

 どうしよう。
マリウスの過保護と溺愛がパワーアップしている。

 どうして、こんなことになったんだっけ。

 マリウスと夫婦になった夜ー
私は翌朝、ベッドから起き上がることさえできないほど、マリウスに翻弄された。

 マリウスのことは好きだ。
だから、彼と心身ともに夫婦になれたことは、とても嬉しい。

 だけど、その・・・処女だった花嫁を気絶するまで抱くというのはいかがなものかと思う。

 なので、抗議を込めて1週間ほど閨を拒否した。

 いや。王太子妃として、子を授かるのは責務だけど、あんなに何回も、しかも延々とされると、私の体が保たない。

 なにあの、乙女ゲームの攻略対象は絶倫的なの。
 しかも、マリウス本人も初めてだって言ってたのに、なんであんなに手際がいいの!

 と、とりあえず、拒否した結果、マリウスが涙ながらに謝罪してきた。
 うん。泣かないでね。反省して欲しかったというか、ちょっと手加減して欲しいだけだから。

 別に私は、マリウスとその、致したくないわけではないので、謝罪を受け入れ、その夜から再びベッドを共にしたわけだけど・・・

 回数は減った。
とりあえずだけど、朝まで延々と続けられて気絶することもなくなった。

 マリウスが絶倫なのは、まぁ、うん。きっとそういう決まりなんだと諦めるしかない。

 なので、仲睦まじい夜が3ヶ月繰り返された結果ー

 私の懐妊が告げられた。

 えーと。
私、17歳にして母親になるの?
ついこないだ、妻になったばかりなんだけど。

 いや。国としては喜ばしいことだと思う。男の子が女の子かはわからないけど、国王陛下や王妃殿下、うちのお父様お母様にとっては初孫にあたるわけだし。

 一応、これで私もマリウスも子を授かる能力があることがわかったわけだから、生まれたのが姫だったとしても、お世継ぎはまた授かれば良いことになる。

 1姫2太郎というくらいだから、子育て的には、女の子の方がいいのかもしれない。

 お世継ぎは早めに産みたいけど、国王陛下・・・お父様はまだお若いから、マリウスが後を継ぐのはまだ先だろうし。

 というわけで、子供を授かったわけだが、それを聞いたマリウスの過保護に拍車がかかった。

 あの1週間のあとから、いや、結婚式を終えた後から、マリウスの溺愛モードは加速してたけど、その上に過保護までコンボして来た。

 とにかく、世話を焼きたがる。
歩こうとすれば抱き上げるし、王太子妃の仕事もさせてくれない。
 挙句に、目の届くところにいないと、心配して探し回る始末だ。

 安定するまでは、安静にする必要があるそうだけど、マリウスのはちょっと過保護過ぎると思う。

 私は妊娠経験もないし、知り合いにもそういう相手がいなかったから、よくはわからないけど、お母様たちが言うには、そうらしい。

 まぁ、それも愛されているということなのだろう。

しおりを挟む
感想 324

あなたにおすすめの小説

転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした

ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!? 容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。 「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」 ところが。 ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。 無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!? でも、よく考えたら―― 私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに) お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。 これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。 じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――! 本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。 アイデア提供者:ゆう(YuFidi) URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464

【完結】「お前とは結婚できない」と言われたので出奔したら、なぜか追いかけられています

22時完結
恋愛
「すまない、リディア。お前とは結婚できない」 そう告げたのは、長年婚約者だった王太子エドワード殿下。 理由は、「本当に愛する女性ができたから」――つまり、私以外に好きな人ができたということ。 (まあ、そんな気はしてました) 社交界では目立たない私は、王太子にとってただの「義務」でしかなかったのだろう。 未練もないし、王宮に居続ける理由もない。 だから、婚約破棄されたその日に領地に引きこもるため出奔した。 これからは自由に静かに暮らそう! そう思っていたのに―― 「……なぜ、殿下がここに?」 「お前がいなくなって、ようやく気づいた。リディア、お前が必要だ」 婚約破棄を言い渡した本人が、なぜか私を追いかけてきた!? さらに、冷酷な王国宰相や腹黒な公爵まで現れて、次々に私を手に入れようとしてくる。 「お前は王妃になるべき女性だ。逃がすわけがない」 「いいや、俺の妻になるべきだろう?」 「……私、ただ田舎で静かに暮らしたいだけなんですけど!!」

悪役令嬢の末路

ラプラス
恋愛
政略結婚ではあったけれど、夫を愛していたのは本当。でも、もう疲れてしまった。 だから…いいわよね、あなた?

婚約破棄に、承知いたしました。と返したら爆笑されました。

パリパリかぷちーの
恋愛
公爵令嬢カルルは、ある夜会で王太子ジェラールから婚約破棄を言い渡される。しかし、カルルは泣くどころか、これまで立て替えていた経費や労働対価の「莫大な請求書」をその場で叩きつけた。

いくら政略結婚だからって、そこまで嫌わなくてもいいんじゃないですか?いい加減、腹が立ってきたんですけど!

夢呼
恋愛
伯爵令嬢のローゼは大好きな婚約者アーサー・レイモンド侯爵令息との結婚式を今か今かと待ち望んでいた。 しかし、結婚式の僅か10日前、その大好きなアーサーから「私から愛されたいという思いがあったら捨ててくれ。それに応えることは出来ない」と告げられる。 ローゼはその言葉にショックを受け、熱を出し寝込んでしまう。数日間うなされ続け、やっと目を覚ました。前世の記憶と共に・・・。 愛されることは無いと分かっていても、覆すことが出来ないのが貴族間の政略結婚。日本で生きたアラサー女子の「私」が八割心を占めているローゼが、この政略結婚に臨むことになる。 いくら政略結婚といえども、親に孫を見せてあげて親孝行をしたいという願いを持つローゼは、何とかアーサーに振り向いてもらおうと頑張るが、鉄壁のアーサーには敵わず。それどころか益々嫌われる始末。 一体私の何が気に入らないんだか。そこまで嫌わなくてもいいんじゃないんですかね!いい加減腹立つわっ! 世界観はゆるいです! カクヨム様にも投稿しております。 ※10万文字を超えたので長編に変更しました。

見捨てられたのは私

梅雨の人
恋愛
急に振り出した雨の中、目の前のお二人は急ぎ足でこちらを振り返ることもなくどんどん私から離れていきます。 ただ三人で、いいえ、二人と一人で歩いていただけでございました。 ぽつぽつと振り出した雨は勢いを増してきましたのに、あなたの妻である私は一人取り残されてもそこからしばらく動くことができないのはどうしてなのでしょうか。いつものこと、いつものことなのに、いつまでたっても惨めで悲しくなるのです。 何度悲しい思いをしても、それでもあなたをお慕いしてまいりましたが、さすがにもうあきらめようかと思っております。

愛すべきマリア

志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。 学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。 家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。 早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。 頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。 その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。 体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。 しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。 他サイトでも掲載しています。 表紙は写真ACより転載しました。

王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?

いりん
恋愛
婚約者の王子が好きだったが、 たまたま付き人と、 「婚約者のことが好きなわけじゃないー 王族なんて恋愛して結婚なんてできないだろう」 と話ながら切なそうに聖女を見つめている王子を見て、王子の片思いに気付いた。 私が悪役令嬢になれば、聖女と王子は結婚できるはず!と婚約破棄を目指してたのに…、 「僕と婚約破棄して、あいつと結婚するつもり?許さないよ」 なんで執着するんてすか?? 策略家王子×天然令嬢の両片思いストーリー 基本的に悪い人が出てこないほのぼのした話です。 他小説サイトにも投稿しています。

処理中です...