29 / 105
29.クライゼン王国に行くことになりました
アイシュが気にすることはない。
お父様とお母様に言われて、私はウィリアム殿下の来訪の理由を考えるのをやめた。
考えたところで、私はアスラン様と婚約しているので、ウィリアム殿下を支えることはもう出来ない。
ただ、目覚めたと知ればまた来そうなので・・・
三日の間に三回も前触れが来ていたらしい。
それ、毎日じゃない。
本当に何を考えているのかしら?
そのことに不信感を感じたらしいアスラン様のお誘いで、クライゼン王国に赴くことになった。
アスラン様は第二王子なので、私がマデリーン王国で受けていた王太子妃教育で十分みたいだけど、まぁ色々とまだ学ぶことはあるだろうから、行くのはかまわない。
それに、アスラン様のご両親やお友達、アスラン様にお仕えしている方々にもお会いしたいし。
王妃様に知られないように、国王陛下にだけお伝え下さるとお父様がおっしゃった。
妨害はなさらないと思うけど・・・
クライゼン王国の第二王子殿下と一緒なんだもの。
国家間の問題になるようなことは、なさらないと思うわ。
私の記憶の件はともかく、王妃様は優秀な方だし、国のことを大切に考えていらっしゃるもの。
もちろん念のためだと言われれば、お父様たちに従うけれど。
「なんだか緊張しますわ。私、受け入れていただけるかしら?」
「そんな心配は必要ないよ。父も母も、絶対にアイシュを気にいるさ。友人もきっとたくさん出来る。ああ、でも、アイシュを独り占めできないのは嫌だな」
「・・・もう!アスラン様。恥ずかしいです」
甘い雰囲気を出すアスラン様に、お父様もお母様も使用人たちも、微笑ましそうな様子。
ウィリアム殿下と婚約関係な時は、こんな会話なかったから、なんだか恥ずかしいわ。
でも、そうね。
お友達が出来れば嬉しいわ。
この国では、生まれた時から王太子殿下の婚約者で、公爵令嬢。
お茶会には招待していただけたりしても、お友達とは言えなかったもの。
私は国王陛下に許可をいただき、クライゼン王国に向かうべく準備を整えた。
もちろん、私の専属護衛であるリュカと、専属侍女のアデラも一緒に行く。
王宮でお世話になる予定だけど、護衛や侍女を連れて行くのは当たり前のことなの。
アスラン様をお預かりしていた時に護衛が一緒でなかったのは、あの頃クライゼン王国が荒れていたせいもあるわね。
まだ見習いのアデラだけでは不安ではあるけど、私に付いてくれていた侍女が結婚を機に辞めることになったのよね。
だからアデラを私付きにしたんだけど、フローレンス公爵家内ならフォローが効くけど、他国の、しかも王宮だけど大丈夫かしら?
アスラン様に、未熟なことはお伝えしておいた方がいいわね。
お父様とお母様に言われて、私はウィリアム殿下の来訪の理由を考えるのをやめた。
考えたところで、私はアスラン様と婚約しているので、ウィリアム殿下を支えることはもう出来ない。
ただ、目覚めたと知ればまた来そうなので・・・
三日の間に三回も前触れが来ていたらしい。
それ、毎日じゃない。
本当に何を考えているのかしら?
そのことに不信感を感じたらしいアスラン様のお誘いで、クライゼン王国に赴くことになった。
アスラン様は第二王子なので、私がマデリーン王国で受けていた王太子妃教育で十分みたいだけど、まぁ色々とまだ学ぶことはあるだろうから、行くのはかまわない。
それに、アスラン様のご両親やお友達、アスラン様にお仕えしている方々にもお会いしたいし。
王妃様に知られないように、国王陛下にだけお伝え下さるとお父様がおっしゃった。
妨害はなさらないと思うけど・・・
クライゼン王国の第二王子殿下と一緒なんだもの。
国家間の問題になるようなことは、なさらないと思うわ。
私の記憶の件はともかく、王妃様は優秀な方だし、国のことを大切に考えていらっしゃるもの。
もちろん念のためだと言われれば、お父様たちに従うけれど。
「なんだか緊張しますわ。私、受け入れていただけるかしら?」
「そんな心配は必要ないよ。父も母も、絶対にアイシュを気にいるさ。友人もきっとたくさん出来る。ああ、でも、アイシュを独り占めできないのは嫌だな」
「・・・もう!アスラン様。恥ずかしいです」
甘い雰囲気を出すアスラン様に、お父様もお母様も使用人たちも、微笑ましそうな様子。
ウィリアム殿下と婚約関係な時は、こんな会話なかったから、なんだか恥ずかしいわ。
でも、そうね。
お友達が出来れば嬉しいわ。
この国では、生まれた時から王太子殿下の婚約者で、公爵令嬢。
お茶会には招待していただけたりしても、お友達とは言えなかったもの。
私は国王陛下に許可をいただき、クライゼン王国に向かうべく準備を整えた。
もちろん、私の専属護衛であるリュカと、専属侍女のアデラも一緒に行く。
王宮でお世話になる予定だけど、護衛や侍女を連れて行くのは当たり前のことなの。
アスラン様をお預かりしていた時に護衛が一緒でなかったのは、あの頃クライゼン王国が荒れていたせいもあるわね。
まだ見習いのアデラだけでは不安ではあるけど、私に付いてくれていた侍女が結婚を機に辞めることになったのよね。
だからアデラを私付きにしたんだけど、フローレンス公爵家内ならフォローが効くけど、他国の、しかも王宮だけど大丈夫かしら?
アスラン様に、未熟なことはお伝えしておいた方がいいわね。
あなたにおすすめの小説
【完結】もう誰にも恋なんてしないと誓った
Mimi
恋愛
声を出すこともなく、ふたりを見つめていた。
わたしにとって、恋人と親友だったふたりだ。
今日まで身近だったふたりは。
今日から一番遠いふたりになった。
*****
伯爵家の後継者シンシアは、友人アイリスから交際相手としてお薦めだと、幼馴染みの侯爵令息キャメロンを紹介された。
徐々に親しくなっていくシンシアとキャメロンに婚約の話がまとまり掛ける。
シンシアの誕生日の婚約披露パーティーが近付いた夏休み前のある日、シンシアは急ぐキャメロンを見掛けて彼の後を追い、そして見てしまった。
お互いにただの幼馴染みだと口にしていた恋人と親友の口づけを……
* 無自覚の上から目線
* 幼馴染みという特別感
* 失くしてからの後悔
幼馴染みカップルの当て馬にされてしまった伯爵令嬢、してしまった親友視点のお話です。
中盤は略奪した親友側の視点が続きますが、当て馬令嬢がヒロインです。
本編完結後に、力量不足故の幕間を書き加えており、最終話と重複しています。
ご了承下さいませ。
他サイトにも公開中です
婚約破棄を望むなら〜私の愛した人はあなたじゃありません〜
みおな
恋愛
王家主催のパーティーにて、私の婚約者がやらかした。
「お前との婚約を破棄する!!」
私はこの馬鹿何言っているんだと思いながらも、婚約破棄を受け入れてやった。
だって、私は何ひとつ困らない。
困るのは目の前でふんぞり返っている元婚約者なのだから。
婚約破棄を申し入れたのは、父です ― 王子様、あなたの企みはお見通しです!
みかぼう。
恋愛
公爵令嬢クラリッサ・エインズワースは、王太子ルーファスの婚約者。
幼い日に「共に国を守ろう」と誓い合ったはずの彼は、
いま、別の令嬢マリアンヌに微笑んでいた。
そして――年末の舞踏会の夜。
「――この婚約、我らエインズワース家の名において、破棄させていただきます!」
エインズワース公爵が力強く宣言した瞬間、
王国の均衡は揺らぎ始める。
誇りを捨てず、誠実を貫く娘。
政の闇に挑む父。
陰謀を暴かんと手を伸ばす宰相の子。
そして――再び立ち上がる若き王女。
――沈黙は逃げではなく、力の証。
公爵令嬢の誇りが、王国の未来を変える。
――荘厳で静謐な政略ロマンス。
(本作品は小説家になろう、カクヨムにも掲載中です)
願いの代償
らがまふぃん
恋愛
誰も彼もが軽視する。婚約者に家族までも。
公爵家に生まれ、王太子の婚約者となっても、誰からも認められることのないメルナーゼ・カーマイン。
唐突に思う。
どうして頑張っているのか。
どうして生きていたいのか。
もう、いいのではないだろうか。
メルナーゼが生を諦めたとき、世界の運命が決まった。
*ご都合主義です。わかりづらいなどありましたらすみません。笑って読んでくださいませ。本編15話で完結です。番外編を数話、気まぐれに投稿します。よろしくお願いいたします。
※ありがたいことにHOTランキング入りいたしました。たくさんの方の目に触れる機会に感謝です。本編は終了しましたが、番外編も投稿予定ですので、気長にお付き合いくださると嬉しいです。たくさんのお気に入り登録、しおり、エール、いいねをありがとうございます。R7.1/31
*らがまふぃん活動三周年周年記念として、R7.11/4に一話お届けいたします。楽しく活動させていただき、ありがとうございます。
【完結】この胸が痛むのは
Mimi
恋愛
「アグネス嬢なら」
彼がそう言ったので。
私は縁組をお受けすることにしました。
そのひとは、亡くなった姉の恋人だった方でした。
亡き姉クラリスと婚約間近だった第三王子アシュフォード殿下。
殿下と出会ったのは私が先でしたのに。
幼い私をきっかけに、顔を合わせた姉に殿下は恋をしたのです……
姉が亡くなって7年。
政略婚を拒否したい王弟アシュフォードが
『彼女なら結婚してもいい』と、指名したのが最愛のひとクラリスの妹アグネスだった。
亡くなった恋人と同い年になり、彼女の面影をまとうアグネスに、アシュフォードは……
*****
サイドストーリー
『この胸に抱えたものは』全13話も公開しています。
こちらの結末ネタバレを含んだ内容です。
読了後にお立ち寄りいただけましたら、幸いです
* 他サイトで公開しています。
どうぞよろしくお願い致します。
婚約破棄のあと、あなたのことだけ思い出せない
柴田はつみ
恋愛
伯爵令嬢セシリアは、王宮の舞踏会で王太子レイヴンから公開の場で婚約破棄を言い渡され、その場で倒れた。
目覚めた彼女は、礼儀も常識も覚えているのに――ただ一つ、レイヴンだけを思い出せない。
「あなたは、どなたですか?」
その一言に、彼の瞳は壊れた。
けれどレイヴンは何も語らず、セシリアを遠ざける。彼女を守るために、あの日婚約を捨てたのだと告げられないまま。
セシリアは過去を断ち切り、王宮の侍女として新しい生活を始める。
優しく手を差し伸べる護衛騎士アデルと心を通わせていくほど、レイヴンの胸は嫉妬と後悔で焼けていった。
――守るために捨てたはずなのに。忘れられたまま、他の男に笑う彼女を見ていられない。
一方、王宮では“偽聖女”の陰謀と、セシリアの血に眠る秘密が動き出す。
記憶を取り戻せば、彼女は狙われる。取り戻さなければ、二人は永遠に届かない。
これは、忘れてしまった令嬢と、忘れられてなお愛を捨てられない王太子が、もう一度“選び直す”恋の物語。
【完結】あなたを忘れたい
やまぐちこはる
恋愛
子爵令嬢ナミリアは愛し合う婚約者ディルーストと結婚する日を待ち侘びていた。
そんな時、不幸が訪れる。
■□■
【毎日更新】毎日8時と18時更新です。
【完結保証】最終話まで書き終えています。
最後までお付き合い頂けたらうれしいです(_ _)
──いいえ。わたしがあなたとの婚約を破棄したいのは、あなたに愛する人がいるからではありません。
ふまさ
恋愛
伯爵令息のパットは、婚約者であるオーレリアからの突然の別れ話に、困惑していた。
「確かにぼくには、きみの他に愛する人がいる。でもその人は平民で、ぼくはその人と結婚はできない。だから、きみと──こんな言い方は卑怯かもしれないが、きみの家にお金を援助することと引き換えに、きみはそれを受け入れたうえで、ぼくと婚約してくれたんじゃなかったのか?!」
正面に座るオーレリアは、膝のうえに置いたこぶしを強く握った。
「……あなたの言う通りです。元より貴族の結婚など、政略的なものの方が多い。そんな中、没落寸前の我がヴェッター伯爵家に援助してくれたうえ、あなたのような優しいお方が我が家に婿養子としてきてくれるなど、まるで夢のようなお話でした」
「──なら、どうして? ぼくがきみを一番に愛せないから? けれどきみは、それでもいいと言ってくれたよね?」
オーレリアは答えないどころか、顔すらあげてくれない。
けれどその場にいる、両家の親たちは、その理由を理解していた。
──そう。
何もわかっていないのは、パットだけだった。