私の愛した婚約者は死にました〜過去は捨てましたので自由に生きます〜

みおな

文字の大きさ
96 / 105

96.王女殿下の駆け落ち

しおりを挟む
「お姉様っ!」

 そう言って私に抱きついてきたのは、クライゼン王国までやって来たミリア王女殿下。

 後ろにはミリア様の専属侍女と、婚約者のシェリエメール帝国の第二皇子殿下がいらっしゃる。

 びっくりしたわ。
いきなり「お姉様にお会いしに行って良いですか?」とお手紙が来るのだもの。

 公式な、王女としてクライゼン王国を訪問するわけではないにしても、他国の王族二人をお迎えするわけだもの。

 すぐに王太子殿下に許可をとったわよ。

 ちなみにその王太子殿下は、婚約者のアンブレラ王国第五王女殿下のエヴァリーナ様と仲睦まじくお茶をしてらしたわ。

 王女殿下の王太子妃教育の息抜きですって。

 仲睦まじくて、大変よろしいわ。

 そのこともあって、我が家というか私の王家からの評価はとても高いのよね。

 なんていうか・・・絶賛?

 まぁ、王太子殿下の婚約者選びには苦労していたみたいだから、あんな可愛らしくて優秀な王女殿下を紹介したのだもの、無理ないかしらね。

「お久しぶりですわ、ミリア様」

「お姉様、酷いですわ!私に何の断りもなく亡命なさるだなんて!」

「ごめんなさいね?亡命に関しては、私もお父様から突然聞かされたのよ。私はミリア様が女王になられるのなら、フローレンス女公爵としてお支えするつもりだったのだけど」

 国王陛下とウィリアム殿下がした判断が、亡命のきっかけになったのよね。

 それはミリア様もご理解されているのか、深々とため息を吐かれた。

「本当に愚かとしか言いようがありませんわ。お姉様のような素敵な方と婚約しておきながら浮気をした王太子殿下も。息子の愚かさを理解していながら、それを嗜めきれなかった国王陛下も!ですから!私もシェリエメール帝国に嫁ぎます!と書き置きして国を出て来ましたの!」

「「え?」」

 私とリュカの声が重なった。

 今ものすごく変な言葉が聞こえた気がしたけど・・・気のせいよね?

 書き置きして国を出て来たとか、冗談よね?

 視線でシェリエメール帝国の皇子殿下に問いかけると、それはそれはとても良い笑顔で・・・

 頷かれた!

 嘘でしょ。いえ、ミリア様が国を継ぐ気がないのは理解っていたけど、王女殿下の嫁入りなのよ?

 そんな駆け落ち同然みたいなことして、大事になるんじゃないの?

 クライゼン王国に迷惑かけることにならない?

 せっかく好意的に受け入れていただいているのに!

「大丈夫です!お姉様!クライゼン王国に寄っていることはバレていませんから。お姉様の元気なお姿を拝見したかっただけで、本当にシェリエメール帝国に向かうので!」

「・・・ごめんなさい。私も、ミリア様に会いたかったわ。でも、そんな駆け落ち同然みたいなことして大丈夫なの?」

「平気です。お母様の許可はいただいています。というか、お母様も後で追いかけて来ますから」

 え?
側妃様も?
しおりを挟む
感想 214

あなたにおすすめの小説

【完結】もう誰にも恋なんてしないと誓った

Mimi
恋愛
 声を出すこともなく、ふたりを見つめていた。  わたしにとって、恋人と親友だったふたりだ。    今日まで身近だったふたりは。  今日から一番遠いふたりになった。    *****  伯爵家の後継者シンシアは、友人アイリスから交際相手としてお薦めだと、幼馴染みの侯爵令息キャメロンを紹介された。  徐々に親しくなっていくシンシアとキャメロンに婚約の話がまとまり掛ける。  シンシアの誕生日の婚約披露パーティーが近付いた夏休み前のある日、シンシアは急ぐキャメロンを見掛けて彼の後を追い、そして見てしまった。  お互いにただの幼馴染みだと口にしていた恋人と親友の口づけを……  * 無自覚の上から目線  * 幼馴染みという特別感  * 失くしてからの後悔   幼馴染みカップルの当て馬にされてしまった伯爵令嬢、してしまった親友視点のお話です。 中盤は略奪した親友側の視点が続きますが、当て馬令嬢がヒロインです。 本編完結後に、力量不足故の幕間を書き加えており、最終話と重複しています。 ご了承下さいませ。 他サイトにも公開中です

【完結】捨てたものに用なんかないでしょう?

風見ゆうみ
恋愛
血の繋がらない姉の代わりに嫁がされたリミアリアは、伯爵の爵位を持つ夫とは一度しか顔を合わせたことがない。 戦地に赴いている彼に代わって仕事をし、使用人や領民から信頼を得た頃、夫のエマオが愛人を連れて帰ってきた。 愛人はリミアリアの姉のフラワ。 フラワは昔から妹のリミアリアに嫌がらせをして楽しんでいた。 「俺にはフラワがいる。お前などいらん」 フラワに騙されたエマオは、リミアリアの話など一切聞かず、彼女を捨てフラワとの生活を始める。 捨てられる形となったリミアリアだが、こうなることは予想しており――。

白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』

鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」 華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。 王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。 そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。 レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。 「お願いだ……戻ってきてくれ……」 王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。 「もう遅いわ」 愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。 裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。 これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。

婚約破棄を望むなら〜私の愛した人はあなたじゃありません〜

みおな
恋愛
 王家主催のパーティーにて、私の婚約者がやらかした。 「お前との婚約を破棄する!!」  私はこの馬鹿何言っているんだと思いながらも、婚約破棄を受け入れてやった。  だって、私は何ひとつ困らない。 困るのは目の前でふんぞり返っている元婚約者なのだから。

【完結】長い眠りのその後で

maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。 でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。 いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう? このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!! どうして旦那様はずっと眠ってるの? 唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。 しょうがないアディル頑張りまーす!! 複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です 全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む) ※他サイトでも投稿しております ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです ※表紙 AIアプリ作成

【完結】この胸が痛むのは

Mimi
恋愛
「アグネス嬢なら」 彼がそう言ったので。 私は縁組をお受けすることにしました。 そのひとは、亡くなった姉の恋人だった方でした。 亡き姉クラリスと婚約間近だった第三王子アシュフォード殿下。 殿下と出会ったのは私が先でしたのに。 幼い私をきっかけに、顔を合わせた姉に殿下は恋をしたのです…… 姉が亡くなって7年。 政略婚を拒否したい王弟アシュフォードが 『彼女なら結婚してもいい』と、指名したのが最愛のひとクラリスの妹アグネスだった。 亡くなった恋人と同い年になり、彼女の面影をまとうアグネスに、アシュフォードは……  ***** サイドストーリー 『この胸に抱えたものは』全13話も公開しています。 こちらの結末ネタバレを含んだ内容です。 読了後にお立ち寄りいただけましたら、幸いです * 他サイトで公開しています。 どうぞよろしくお願い致します。

冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない

くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、 軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。 言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。 ――そして初めて、夫は気づく。 自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。 一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、 「必要とされる存在」として歩き始めていた。 去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。 これは、失ってから愛に気づいた男と、 二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。 ――今さら、遅いのです。

【完結】彼の瞳に映るのは  

たろ
恋愛
 今夜も彼はわたしをエスコートして夜会へと参加する。  優しく見つめる彼の瞳にはわたしが映っているのに、何故かわたしの心は何も感じない。  そしてファーストダンスを踊ると彼はそっとわたしのそばからいなくなる。  わたしはまた一人で佇む。彼は守るべき存在の元へと行ってしまう。 ★ 短編から長編へ変更しました。

処理中です...