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モブ、攻略対象と会う。
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どこの世界も入学式というものは、お偉いさんや校長先生のお話が長くて、退屈なものである。
まぁ、このセントフィーリア学園は貴族しか通わないから、いくら退屈でも、私語をしたりあくびをするような子息令嬢はいない。
そんな、シーンとした空気が騒ついたと思ったら、イケメン長身の男性が入学のお祝いの挨拶に立った。
あ。
慌てて、目が合わないように俯く。
いや。あっても大丈夫だとは思うけど、極力関わりたくない。
攻略対象のうちの1人。
紳士な大人系。ヒロインより1学年上の生徒会長、エドワード・キンバレー。
夏空のような青い髪と瞳の、キンバレー公爵家の嫡男である。
どうやら、エドワードの容姿に、新入生たちが騒ついたようだ。
確かに、エドワードは容姿端麗だし、大人で優しいキャラである。
この世界のエドワードもそうだとは限らないけど、とりあえず見た目は記憶の中と同じようにイケメンだ。
エドワードが何を言ったのか、ろくに聞かないまま、頭の中で諸々考えていると、今度は一際大きな歓声が上がった。
顔を上げると、壇上に立った金髪碧眼の美少年と一瞬目が合った気がした。
「!!」
急いで俯いて、ドクドクと激しく打つ鼓動に、何度も息を吐く。
大丈夫。大丈夫。
こんなに離れてるんだから、目が合うわけがない。
攻略対象、ヴェルハルト・フォーリナー。
フォーリナー王国の王太子で、俺様系攻略対象だ。
見た目が金髪碧眼という、いかにも王子様な容姿だけど、中身は俺様系の、ちょっと好みの分かれるタイプである。
まぁ、ヒロインに攻略された後は、好感度が上がって、ヒロインにのみデレるというツンデレさんになるのだけど、その他大勢からしたら、ヴェルハルトは離れたところから遠巻きに見るイケメンである。
他の攻略対象も、きっとどこかにいるのだろう。
脳筋・・・もとい単純馬鹿、むにゃむにゃ・・・騎士団長子息と、陰キャラの魔法オタクの魔法省長官子息が。
年下わんこ系は来年入学して来て、ヒロインも転入して来る。
つまりは、2年間ある乙女ゲームの始まりとなる。
それまでに、攻略対象や婚約者のご令嬢たちと距離をとりつつ、彼らの動向を伺う、というのが私の当面の目標だ。
ああ。
あと、お父様たちは何も言わないけど、婚約者がもし決まったら、婚約者との友好を深めないと。
学園を卒業する時には16歳になるわけだから、それまでには婚約者も決めなきゃだと思う。
この世界、大体20歳までにはみんな結婚する。
行き遅れや、問題を起こした令嬢の行く末は、後妻か修道院だから、その辺りも確認が必要よね。
まぁ、このセントフィーリア学園は貴族しか通わないから、いくら退屈でも、私語をしたりあくびをするような子息令嬢はいない。
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あ。
慌てて、目が合わないように俯く。
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