80 / 101
悪役令嬢と秘密の告白
しおりを挟む
「まぁ!アイリス様!お体の具合はいかがですか?」
シャルロット様が満面の笑みで迎えてくれた。
頼みがあると手紙を出したら「お待ちしております」と返答を貰い、今日オスカール家にお邪魔することになったのだ。
「お会いできて嬉しいですわ、アイリス様。長くお休みされて、心配していましたのよ」
「申し訳ございません、シャルロット様。お見舞いにも来ていただいたのにお会い出来なくて」
「国に帰られていたと聞きましたわ。もうお体の具合はよろしいのですか?」
「ええ。あ、あの実はシャルロット様にお聞きしたいことがあるのですが」
シャルロット様に内情を話すのは、皇子様に許可を得てからと、シキと打ち合わせてある。
許可をもらえなかった時に、シャルロット様を巻き込んだりしないためだ。
第2皇子から、転移魔法の使用許可を貰えたら、学園を休んで何をしていたか、何をしようとしているか、全て話す予定だ。
「まぁ。何でしょうか?」
「シャルロット様は第2皇子殿下と、その・・・懇意にされていますの?」
「アーネスト様ですか?え、ええ。その、あの・・・せ、先日、こ、婚約を・・・」
あら、婚約したんだ。でも、よかった。ロンバート様とのことで傷ついたシャルロット様がすごく幸せそうだ。
「婚約されたのですか?おめでとうございます。今度、お祝いをお持ちしますわ」
「あ、ありがとうございます」
「シャルロット様、お幸せそうで良かったですわ」
「アイリス様、実は、アーネスト様がアイリス様にお会いしたいとおっしゃっていて、その、今日お見えになっているんです」
え?そうなの?というか、何で私に会いたいの?何か勘づかれたのかな?
「そうなのですね。でも、どうして私に?」
「ロンバート様とのことをお話ししたのです。そうしたら、私と婚約できたのはアイリス様のおかげだとおっしゃって」
「そんなことはないですけど、私もシャルロット様の旦那様になられる方にお会いしたいですわ」
私がそう言うと、シャルロット様は真っ赤になって立ち上がると、お呼びしてきますと部屋から出て行った。
私はシキに小声で話しかける。
「何か勘づかれたと思う?」
「微妙ですね。この国の皇子のことはグリード様やライナス先生から聞きましたが、優秀で裏表のない人間らしいですが」
まあ、別に勘づかれてても構わないけど。許可さえ貰えれば、強行するつもりだ。
出来れば波風立てずに解決したいってだけで、無理なら無理で仕方ない。
「アイリス様、よろしいでしょうか?」
ノックの後、シャルロット様が長身の青年と共に入ってきた。
榛色の瞳にオレンジ色の短髪の青年は、私とシキの前に立つと、深々と頭を下げた。
「ミチェランティス皇国第2皇子アーネスト・ミチェランティスと申します。お見知り置きを」
「ご丁寧にありがとうございます。アイリス・クラウディアと申します」
「アイリスの婚約者のシキと申します」
私とシキも名乗り、私はカーテシーをした。最近、気軽な格好で動き回っていたけど、13年染み付いた公爵令嬢としての所作は消えてなかったようだ。
「クラウディア公爵家のご令嬢とお目にかかれて光栄です。我が国に留学されていたとは知りませんでした」
「まぁ色々ありまして」
皇族なら、ナルシス王子のこととか、ある程度のことは知っているだろう。詳細までは知らなくても。
「しかもベルリント家のことでも色々とお手を煩わせたようで」
「関わってしまいましたので」
カレン様が関わって来なかったら、私も余計なことはするつもりなかったけど。でも、タナトス様のこともあったから、あれは必然だったのだろう。
しかし、ベルリント侯爵には王家には内密にと言ったのに、どうやらアーネスト皇子はある程度のことを察しているようだ。
ライナス先生やグリード様の言うように、優秀な人なのだろう。
「皇国としての詫びという形は取れないが、私にできることなら、何でもさせていただきたい」
しかも、誠実。第2皇子なのが残念なくらいだ。この人が王になったなら、ミチェランティスはさらに栄えるだろう。
「ならば、お願いしたいことがあります」
私は真っ直ぐにアーネスト皇子を見つめた。
シャルロット様が満面の笑みで迎えてくれた。
頼みがあると手紙を出したら「お待ちしております」と返答を貰い、今日オスカール家にお邪魔することになったのだ。
「お会いできて嬉しいですわ、アイリス様。長くお休みされて、心配していましたのよ」
「申し訳ございません、シャルロット様。お見舞いにも来ていただいたのにお会い出来なくて」
「国に帰られていたと聞きましたわ。もうお体の具合はよろしいのですか?」
「ええ。あ、あの実はシャルロット様にお聞きしたいことがあるのですが」
シャルロット様に内情を話すのは、皇子様に許可を得てからと、シキと打ち合わせてある。
許可をもらえなかった時に、シャルロット様を巻き込んだりしないためだ。
第2皇子から、転移魔法の使用許可を貰えたら、学園を休んで何をしていたか、何をしようとしているか、全て話す予定だ。
「まぁ。何でしょうか?」
「シャルロット様は第2皇子殿下と、その・・・懇意にされていますの?」
「アーネスト様ですか?え、ええ。その、あの・・・せ、先日、こ、婚約を・・・」
あら、婚約したんだ。でも、よかった。ロンバート様とのことで傷ついたシャルロット様がすごく幸せそうだ。
「婚約されたのですか?おめでとうございます。今度、お祝いをお持ちしますわ」
「あ、ありがとうございます」
「シャルロット様、お幸せそうで良かったですわ」
「アイリス様、実は、アーネスト様がアイリス様にお会いしたいとおっしゃっていて、その、今日お見えになっているんです」
え?そうなの?というか、何で私に会いたいの?何か勘づかれたのかな?
「そうなのですね。でも、どうして私に?」
「ロンバート様とのことをお話ししたのです。そうしたら、私と婚約できたのはアイリス様のおかげだとおっしゃって」
「そんなことはないですけど、私もシャルロット様の旦那様になられる方にお会いしたいですわ」
私がそう言うと、シャルロット様は真っ赤になって立ち上がると、お呼びしてきますと部屋から出て行った。
私はシキに小声で話しかける。
「何か勘づかれたと思う?」
「微妙ですね。この国の皇子のことはグリード様やライナス先生から聞きましたが、優秀で裏表のない人間らしいですが」
まあ、別に勘づかれてても構わないけど。許可さえ貰えれば、強行するつもりだ。
出来れば波風立てずに解決したいってだけで、無理なら無理で仕方ない。
「アイリス様、よろしいでしょうか?」
ノックの後、シャルロット様が長身の青年と共に入ってきた。
榛色の瞳にオレンジ色の短髪の青年は、私とシキの前に立つと、深々と頭を下げた。
「ミチェランティス皇国第2皇子アーネスト・ミチェランティスと申します。お見知り置きを」
「ご丁寧にありがとうございます。アイリス・クラウディアと申します」
「アイリスの婚約者のシキと申します」
私とシキも名乗り、私はカーテシーをした。最近、気軽な格好で動き回っていたけど、13年染み付いた公爵令嬢としての所作は消えてなかったようだ。
「クラウディア公爵家のご令嬢とお目にかかれて光栄です。我が国に留学されていたとは知りませんでした」
「まぁ色々ありまして」
皇族なら、ナルシス王子のこととか、ある程度のことは知っているだろう。詳細までは知らなくても。
「しかもベルリント家のことでも色々とお手を煩わせたようで」
「関わってしまいましたので」
カレン様が関わって来なかったら、私も余計なことはするつもりなかったけど。でも、タナトス様のこともあったから、あれは必然だったのだろう。
しかし、ベルリント侯爵には王家には内密にと言ったのに、どうやらアーネスト皇子はある程度のことを察しているようだ。
ライナス先生やグリード様の言うように、優秀な人なのだろう。
「皇国としての詫びという形は取れないが、私にできることなら、何でもさせていただきたい」
しかも、誠実。第2皇子なのが残念なくらいだ。この人が王になったなら、ミチェランティスはさらに栄えるだろう。
「ならば、お願いしたいことがあります」
私は真っ直ぐにアーネスト皇子を見つめた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
520
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる