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悪役令嬢、羞恥に耐える
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「・・・」
現在、私アナスタシアは、婚約者であるカイル様のお膝の上で反省中である。
必死に、というか考えていた通りに「見てたかもしれないけど、単に彼らは婚約者いないな~こないだ絡んできた令嬢とかが面倒だから、さっさと作って欲しいな~」って考えてたと言ったんだけど。
それで納得したのかどうかは分からなくて、ただ「ふーん」と言った後、お膝の上の刑になった。
やっぱり、信じてもらえなかったのかなぁ。
別に本当に、恋愛的な意味なんかないし、むしろ彼らには関わりたくないんだけど。
メロディがいい子だったように、彼らもいい人かもしれないけど。
しれないけど・・・やっぱりラノベの中で自分を断罪して処刑した相手のことは信じきれないんだよね。
カイルもヒロインのことは好きになったけど、一応カイルとジュリアンお兄様には婚約者がいなかったし、その点は許せるというか。
「シア?」
「はい、カイル様」
「・・・そんな緊張しなくても、別に怒っていないよ。殿下たちのことを好きなわけじゃないんでしょ?」
「もちろんですわ。私は、その・・・カイル様のことをお、お慕いしておりますので」
正確に言うと推しだけど、でもこの世界でカイルと一緒にいるようになって、ファン的な好きじゃなくて、恋愛的な好きになって来た気がする。
だってカイル、ちょっとヤンデレ入ってる気はするけど、アナスタシアのこと本当に大切に扱ってくれるんだもん。
「本当に僕のこと、好き?」
「もちろんです!か、カイル様は私の気持ちを信じてくださらないのですか?」
どうでもいい攻略対象を見てたせいで、気持ちを疑われるとか、勘弁して欲しいんだけど!
「信じてるよ。ごめんね、意地悪言っちゃって。シアに好きって言って欲しかっただけなんだよ」
「すっ・・・好きです。大好きですっ!」
そ、そんな可愛いお願いされたら、いくらでも言いますって。
本当に好きだし!
そんな私たちを、ローレンス公爵家の使用人さんたちが微笑ましいものを見るような目で見ている。
うん。
もう慣れたけどね。
両親の前とかでやられると恥ずかしいけど、使用人さんたちもいつものことだからニコニコ見てるだけだし。
「僕も大好きだよ、シア。お菓子食べる?」
「はい」
差し出されるクッキーは、そのままカイルの手から口に運ばれる。
ここで恥ずかしいとか思ってはいけない。
雛鳥の如く、餌付けされることを受け入れなければならない。
時々、私もカイルに差し出せばなお良し。
この日、羞恥に耐えたことで、カイルのご機嫌は治ったのだった。
現在、私アナスタシアは、婚約者であるカイル様のお膝の上で反省中である。
必死に、というか考えていた通りに「見てたかもしれないけど、単に彼らは婚約者いないな~こないだ絡んできた令嬢とかが面倒だから、さっさと作って欲しいな~」って考えてたと言ったんだけど。
それで納得したのかどうかは分からなくて、ただ「ふーん」と言った後、お膝の上の刑になった。
やっぱり、信じてもらえなかったのかなぁ。
別に本当に、恋愛的な意味なんかないし、むしろ彼らには関わりたくないんだけど。
メロディがいい子だったように、彼らもいい人かもしれないけど。
しれないけど・・・やっぱりラノベの中で自分を断罪して処刑した相手のことは信じきれないんだよね。
カイルもヒロインのことは好きになったけど、一応カイルとジュリアンお兄様には婚約者がいなかったし、その点は許せるというか。
「シア?」
「はい、カイル様」
「・・・そんな緊張しなくても、別に怒っていないよ。殿下たちのことを好きなわけじゃないんでしょ?」
「もちろんですわ。私は、その・・・カイル様のことをお、お慕いしておりますので」
正確に言うと推しだけど、でもこの世界でカイルと一緒にいるようになって、ファン的な好きじゃなくて、恋愛的な好きになって来た気がする。
だってカイル、ちょっとヤンデレ入ってる気はするけど、アナスタシアのこと本当に大切に扱ってくれるんだもん。
「本当に僕のこと、好き?」
「もちろんです!か、カイル様は私の気持ちを信じてくださらないのですか?」
どうでもいい攻略対象を見てたせいで、気持ちを疑われるとか、勘弁して欲しいんだけど!
「信じてるよ。ごめんね、意地悪言っちゃって。シアに好きって言って欲しかっただけなんだよ」
「すっ・・・好きです。大好きですっ!」
そ、そんな可愛いお願いされたら、いくらでも言いますって。
本当に好きだし!
そんな私たちを、ローレンス公爵家の使用人さんたちが微笑ましいものを見るような目で見ている。
うん。
もう慣れたけどね。
両親の前とかでやられると恥ずかしいけど、使用人さんたちもいつものことだからニコニコ見てるだけだし。
「僕も大好きだよ、シア。お菓子食べる?」
「はい」
差し出されるクッキーは、そのままカイルの手から口に運ばれる。
ここで恥ずかしいとか思ってはいけない。
雛鳥の如く、餌付けされることを受け入れなければならない。
時々、私もカイルに差し出せばなお良し。
この日、羞恥に耐えたことで、カイルのご機嫌は治ったのだった。
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