暴走娘×ど天然?-六花の恋4-【完】

桜月真澄

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三 考えてなかった……!

side羽咲3

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「お、何気に委員長発言」

唯浜って実は真面目さんで、一年の頃も委員長だったんだよね。

「茶化すな。ほんと残念な性格してるよな、司は」

「それは自覚してるけど自重は出来ない」

お母さん譲りの見た目を、私は性格で台無しにしているからね。

それでも総真くんに嫌われでもしない限りこの性格を矯正しようなんて思わない。

「ユイ、ノートでも女の子をはたいちゃ駄目だよ」

可愛いことを言う水都ちゃんに、唯浜はため息をつきながら答えた。

「ああ、悪い。司って変態だから性別を感じられないんだわ」

「――ってことは私は唯浜にとっちゃ男友達にもなれるってこと!?」

それって結構スゴくない!? 性別を超えた友情!

興奮した私とは反対に、唯浜は頭痛でもおぼえたように額を押さえた。

「……藤沢。お前は一度、親友をやめることを検討した方がいい……」

何かに憑かれたみたいに肩を落とした唯浜。

対して水都ちゃんは軽く笑うだけだ。

「羽咲ちゃんは、ずっと羽咲ちゃんだから」

「藤沢の心が広すぎる」

うんうん。水都ちゃんって心がキレイだよね。私のこともよーくわかってくれているし。

「あの由羽先輩とは似ても似つかねえよな」

可哀想なものを見る目の唯浜。

「お兄ちゃんと似てるとは全然言われないなあ」

実際、私とお兄ちゃんは、見た目と中身の親への似かたが真逆だって自覚もある。

更に言うとお兄ちゃん、高校では部活に入っていないけど、去年――中三までは空手部の副主将で、主将よりも強かったから結構男子からも人気あるんだよね。

去年の主将は、強さより統率力で選ばれたらしいから。

お兄ちゃんは部長とか面倒でむしろ喜んで受け入れていたけど。

なんだったら副主将も面倒くさがっていた。

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