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失ったもの、手に入れたもの。
side尚哉2
しおりを挟む想も美結も、部活では次期キャプテンだと認識されている。
小学生の頃も、こいつらはミニバスの部長だった。
「尚哉、頼むから絶対部活やめたりしないで」
「想が部長なのはいいけど通訳がいないと俺らも後輩も困るから~」
……入院中、俺は部活仲間にはこんな風に泣きつかれていた。
美結はまだ常識持っているからいいんだけど、想は性格に難があり過ぎて――と言うか、天才過ぎて凡人はついていけないタイプだ。
天才は凡人が何故出来ないかを理解出来ない。想はその典型だった。
「はいはい。何かしらのカタチでは残るからよ」
俺はもう走れない。想に追いつくことも、美結に並ぶことも出来ない。
……それをまだ、二人には話せていない。
幼馴染二人が成績良すぎるから、なんとなく俺も勉強には割と力を入れていて、成績は二人に次ぐ辺りに居ることが出来た。
けど、もう。
俺は、決定的に遅れをとった。
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