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番外編 ハロルドの呟き
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伯爵家に婿入りしてから、三か月が過ぎていた。
目の前で優雅に笑うキャロラインが、愛おしくて仕方が無い。
頬に付いている生クリームを、思わず舐め取ってしまった程、最近では自制が利かず身体が勝手に反応してしまう。
「え?あの…ハロルド様、昼間からそのような…えっと」
「クリームが付いていたので…驚かせてしまいすみません」
「クリームですか?嫌だわ、お恥ずかしい」
顔を真っ赤にして慌てているキャロラインも、力一杯に抱きしめたくなる程狂おしい。
しかし、楽しい時間は直ぐに終わってしまう。
「若旦那様、休憩時間は終わりです。執務室へお戻りください」
「分かった。ではキャロライン、また後で会いましょう」
「はい。ハロルド様」
連れて行きたい、何処にでも。
小さくして、ポケットに忍ばせて持ち歩きたくなる程に、私の心は彼女の事で埋め尽くされている。
お互い学び直す事が多く、なかなか二人きりの時間が取れない事が最近の悩みとは、随分と贅沢になったものだと思う。
キャロラインはお茶会に参加する様になってから、交流の幅が広がった。
友人も沢山出来た様で、時々おかしな情報を持ち帰って来る様になってしまった。
それを正す者が、この屋敷には居ない。
そもそも、お義母様が率先して口止めをしているようなのだ。
キャロラインの膝の上に座っている振りをしている時、窓辺に佇むお義父様と視線が合った。
余程面白い物を見たのだろう事が分かる程に、満面の笑みを見せていた。
これが私に対する洗礼なのだとしたら、耐えて見せようと思っていたのだが…
愛する人と結ばれたと言うのに、指一本触れられないのは辛すぎる。
気持ちよく寝息を立てている新妻の横で、呑気に熟睡出来る程私の意思は強固では無い。
今日の夜も寝室から飛び出して、屋敷から離れた場所で雄たけびを上げながら素振りをしている私を、夜勤の騎士が同情するような目で見ているのが分かる。
「若旦那様。眠れないのでしたら、私がお相手を致しましょうか?」
声を掛けて来たのは、伯爵家の騎士団でも飛び抜けて子沢山な護衛騎士だ。
最近13人目が産まれたと言うのに、縁起の悪い数字だからと、14人目を作ると言っている。
一体どんな生活をしているのか、気にならないと言えば嘘だが、13人も子供が欲しいとは思わない。
「奥方は…そんなに子を産んで大丈夫なのか?」
普通に疑問に思った事が、口に出てしまった。
「若い頃に比べたら随分と太りましたが、良く食べてよく動いていますから、問題ないと思いますよ。若旦那様、待っているだけでは、物足りない男だと思われてしまいます。お嬢様…若奥様は、婚約を結ばれるのも早かったですし、その辺はかなり初心だと思います。夜が駄目なら、昼間でも良いではありませんか。協力しますよ」
「何を言っている。昼間は執務も訓練もあるうえに、キャロラインもお義母様にいろいろと学んでいるのだ。そんな事をしている暇など無いだろう」
「冗談が過ぎましたね。しかし若旦那様、暇とは待っている物ではなく、作る物なのですよ」
護衛騎士は、にやりと笑った。
目の前で優雅に笑うキャロラインが、愛おしくて仕方が無い。
頬に付いている生クリームを、思わず舐め取ってしまった程、最近では自制が利かず身体が勝手に反応してしまう。
「え?あの…ハロルド様、昼間からそのような…えっと」
「クリームが付いていたので…驚かせてしまいすみません」
「クリームですか?嫌だわ、お恥ずかしい」
顔を真っ赤にして慌てているキャロラインも、力一杯に抱きしめたくなる程狂おしい。
しかし、楽しい時間は直ぐに終わってしまう。
「若旦那様、休憩時間は終わりです。執務室へお戻りください」
「分かった。ではキャロライン、また後で会いましょう」
「はい。ハロルド様」
連れて行きたい、何処にでも。
小さくして、ポケットに忍ばせて持ち歩きたくなる程に、私の心は彼女の事で埋め尽くされている。
お互い学び直す事が多く、なかなか二人きりの時間が取れない事が最近の悩みとは、随分と贅沢になったものだと思う。
キャロラインはお茶会に参加する様になってから、交流の幅が広がった。
友人も沢山出来た様で、時々おかしな情報を持ち帰って来る様になってしまった。
それを正す者が、この屋敷には居ない。
そもそも、お義母様が率先して口止めをしているようなのだ。
キャロラインの膝の上に座っている振りをしている時、窓辺に佇むお義父様と視線が合った。
余程面白い物を見たのだろう事が分かる程に、満面の笑みを見せていた。
これが私に対する洗礼なのだとしたら、耐えて見せようと思っていたのだが…
愛する人と結ばれたと言うのに、指一本触れられないのは辛すぎる。
気持ちよく寝息を立てている新妻の横で、呑気に熟睡出来る程私の意思は強固では無い。
今日の夜も寝室から飛び出して、屋敷から離れた場所で雄たけびを上げながら素振りをしている私を、夜勤の騎士が同情するような目で見ているのが分かる。
「若旦那様。眠れないのでしたら、私がお相手を致しましょうか?」
声を掛けて来たのは、伯爵家の騎士団でも飛び抜けて子沢山な護衛騎士だ。
最近13人目が産まれたと言うのに、縁起の悪い数字だからと、14人目を作ると言っている。
一体どんな生活をしているのか、気にならないと言えば嘘だが、13人も子供が欲しいとは思わない。
「奥方は…そんなに子を産んで大丈夫なのか?」
普通に疑問に思った事が、口に出てしまった。
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「何を言っている。昼間は執務も訓練もあるうえに、キャロラインもお義母様にいろいろと学んでいるのだ。そんな事をしている暇など無いだろう」
「冗談が過ぎましたね。しかし若旦那様、暇とは待っている物ではなく、作る物なのですよ」
護衛騎士は、にやりと笑った。
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