6 / 9
告げられない思い
しおりを挟む
「心配しなくても大丈夫、誰にも話したりはしませんよ」
「ありがと~実はね、凄く心細かったの。彼にプロポーズされた翌日に、こっちに来ちゃったから、帰りたいのに帰れなくて…」
私はポロポロと、泣き出してしまった。
ローゼちゃんの幼馴染ではあるけれど、私には初対面の彼なのに、すっかり心を許してしまったわ。
26歳の私から見たら、10歳も年下なんだもの、異性として見て無かったのもあるわね。
彼はずっと私の話を、傍で聞いてくれていた。
「ごめんね、大人気も無く沢山泣いてしまって。でも、スッキリしたわ」
「お役に立てた様で、良かったです。しかし、戻る方法を考えないといけませんね」
「うん。ローゼちゃんも、早くアレに会いたいだろうし…」
「アレですか…」
「あっ、ごめんなさい。不敬ですよね、今は公爵令嬢だったわ」
エドワード様が、突然笑い出したわ。
「すみません、笑ってしまって…」
「ううん、気にしないで」
「僕の話も聞いて頂けますか?」
それから私達は書庫で、いろんな話をしたわ。
エドワード様は、ローゼちゃんが好きなんだって。
でもお兄さんの婚約者になっちゃったから、仕方ないと諦めて独身を貫く決心をしていたみたい。
何時も愛情いっぱいの瞳で、お兄さんを追いかけているローゼちゃんを見ているのが辛くて、魔法学園に入らなかったんですって。
片思いの辛さは、良く分かるな~私も沢山失恋したもの。
「ううっ。正弘…会いたいよ」
私はまた、泣き出してしまった。
恥ずかしい、年下の彼に慰められてるなんて…
あれ?
だけど、彼もローゼちゃんに会えなくて悲しいのでは?
「エド君は、ローゼちゃんに、会いたい?」
「そうですね…会いたい気持ちはありますが、彼女の心は兄上にありますから…今こうして貴方とお話ししているだけでも、十分過ぎる位幸せを感じています」
「そっかぁ。分かるよ、凄く分かる。見た目で好きになった訳じゃなくてもさ、遠くから姿が見えただけでも、幸せな気分になれるよね」
「嬉しいです。僕の気持ちを、理解して頂ける方にお会いできて…気持ち悪いと、思われるのではないかと、緊張していました」
「そんな事無いよ、人を好きになるのって、素敵な事だもん。エド君の気持ちが、ローゼちゃんに伝わると良いね」
「それは…困りますね」
「どうして?」
「ローゼは、兄上の婚約者ですから。私の気持ちを知ってしまったら、困らせてしまいます」
「そっかぁ…どうしてローゼちゃんはアレが好きなのかな?」
「分かりません、何故でしょう」
そう言って、エド君は寂しそうに笑った。
私には彼女の記憶があるから、ローゼとして振舞う事は出来るけれど、魂が何を感じているかは分からない。
絶対エド君の方が、好みなんだけどなぁ。
見た目が好きって事は、無いと思う。
だって双子だから、見分けが付かない位似ているもの。
「ありがと~実はね、凄く心細かったの。彼にプロポーズされた翌日に、こっちに来ちゃったから、帰りたいのに帰れなくて…」
私はポロポロと、泣き出してしまった。
ローゼちゃんの幼馴染ではあるけれど、私には初対面の彼なのに、すっかり心を許してしまったわ。
26歳の私から見たら、10歳も年下なんだもの、異性として見て無かったのもあるわね。
彼はずっと私の話を、傍で聞いてくれていた。
「ごめんね、大人気も無く沢山泣いてしまって。でも、スッキリしたわ」
「お役に立てた様で、良かったです。しかし、戻る方法を考えないといけませんね」
「うん。ローゼちゃんも、早くアレに会いたいだろうし…」
「アレですか…」
「あっ、ごめんなさい。不敬ですよね、今は公爵令嬢だったわ」
エドワード様が、突然笑い出したわ。
「すみません、笑ってしまって…」
「ううん、気にしないで」
「僕の話も聞いて頂けますか?」
それから私達は書庫で、いろんな話をしたわ。
エドワード様は、ローゼちゃんが好きなんだって。
でもお兄さんの婚約者になっちゃったから、仕方ないと諦めて独身を貫く決心をしていたみたい。
何時も愛情いっぱいの瞳で、お兄さんを追いかけているローゼちゃんを見ているのが辛くて、魔法学園に入らなかったんですって。
片思いの辛さは、良く分かるな~私も沢山失恋したもの。
「ううっ。正弘…会いたいよ」
私はまた、泣き出してしまった。
恥ずかしい、年下の彼に慰められてるなんて…
あれ?
だけど、彼もローゼちゃんに会えなくて悲しいのでは?
「エド君は、ローゼちゃんに、会いたい?」
「そうですね…会いたい気持ちはありますが、彼女の心は兄上にありますから…今こうして貴方とお話ししているだけでも、十分過ぎる位幸せを感じています」
「そっかぁ。分かるよ、凄く分かる。見た目で好きになった訳じゃなくてもさ、遠くから姿が見えただけでも、幸せな気分になれるよね」
「嬉しいです。僕の気持ちを、理解して頂ける方にお会いできて…気持ち悪いと、思われるのではないかと、緊張していました」
「そんな事無いよ、人を好きになるのって、素敵な事だもん。エド君の気持ちが、ローゼちゃんに伝わると良いね」
「それは…困りますね」
「どうして?」
「ローゼは、兄上の婚約者ですから。私の気持ちを知ってしまったら、困らせてしまいます」
「そっかぁ…どうしてローゼちゃんはアレが好きなのかな?」
「分かりません、何故でしょう」
そう言って、エド君は寂しそうに笑った。
私には彼女の記憶があるから、ローゼとして振舞う事は出来るけれど、魂が何を感じているかは分からない。
絶対エド君の方が、好みなんだけどなぁ。
見た目が好きって事は、無いと思う。
だって双子だから、見分けが付かない位似ているもの。
128
あなたにおすすめの小説
【完結】私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね
江崎美彩
恋愛
王太子殿下の婚約者候補を探すために開かれていると噂されるお茶会に招待された、伯爵令嬢のミンディ・ハーミング。
幼馴染のブライアンが好きなのに、当のブライアンは「ミンディみたいなじゃじゃ馬がお茶会に出ても恥をかくだけだ」なんて揶揄うばかり。
「私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね! 王太子殿下に見染められても知らないんだから!」
ミンディはブライアンに告げ、お茶会に向かう……
〜登場人物〜
ミンディ・ハーミング
元気が取り柄の伯爵令嬢。
幼馴染のブライアンに揶揄われてばかりだが、ブライアンが自分にだけ向けるクシャクシャな笑顔が大好き。
ブライアン・ケイリー
ミンディの幼馴染の伯爵家嫡男。
天邪鬼な性格で、ミンディの事を揶揄ってばかりいる。
ベリンダ・ケイリー
ブライアンの年子の妹。
ミンディとブライアンの良き理解者。
王太子殿下
婚約者が決まらない事に対して色々な噂を立てられている。
『小説家になろう』にも投稿しています
婚約者は嘘つき!私から捨ててあげますわ
あんり
恋愛
「マーティン様、今、わたくしと婚約破棄をなさりたいと、そうおっしゃいましたの?」
私は今何を言われてるのでしょう。
「ああ、もう2度と君の顔も見たくない、声も聞きたくない。君との婚約は僕の中では無駄な時間だったよ」
苦痛に歪むマーティン様のお顔は今まで見たことのない憎しみのこもった目で私を睨みつけておりました。
ほんの1ヶ月前まで「愛してる」と言ってくださったのに。
わたしの何が悪かったのかしら?
泣き腫らしたまま、待たせておいた馬車に乗り、何も分からないまま屋敷へもどるしかなかった。
―――別れの理由も、真実も、何一つ知らないまま。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
勘違いから始まるキャラ文系寄りのラブストーリー。
幼馴染と仲良くし過ぎている婚約者とは婚約破棄したい!
ルイス
恋愛
ダイダロス王国の侯爵令嬢であるエレナは、リグリット公爵令息と婚約をしていた。
同じ18歳ということで話も合い、仲睦まじいカップルだったが……。
そこに現れたリグリットの幼馴染の伯爵令嬢の存在。リグリットは幼馴染を優先し始める。
あまりにも度が過ぎるので、エレナは不満を口にするが……リグリットは今までの優しい彼からは豹変し、権力にものを言わせ、エレナを束縛し始めた。
「婚約破棄なんてしたら、どうなるか分かっているな?」
その時、エレナは分かってしまったのだ。リグリットは自分の侯爵令嬢の地位だけにしか興味がないことを……。
そんな彼女の前に現れたのは、幼馴染のヨハン王子殿下だった。エレナの状況を理解し、ヨハンは動いてくれることを約束してくれる。
正式な婚約破棄の申し出をするエレナに対し、激怒するリグリットだったが……。
妻よりも幼馴染が大事? なら、家と慰謝料はいただきます
佐藤 美奈
恋愛
公爵令嬢セリーヌは、隣国の王子ブラッドと政略結婚を果たし、幼い娘クロエを授かる。結婚後は夫の王領の離宮で暮らし、義王家とも程よい関係を保ち、領民に親しまれながら穏やかな日々を送っていた。
しかし数ヶ月前、ブラッドの幼馴染である伯爵令嬢エミリーが離縁され、娘アリスを連れて実家に戻ってきた。元は豊かな家柄だが、母子は生活に困っていた。
ブラッドは「昔から家族同然だ」として、エミリー母子を城に招き、衣装や馬車を手配し、催しにも同席させ、クロエとアリスを遊ばせるように勧めた。
セリーヌは王太子妃として堪えようとしたが、だんだんと不満が高まる。
彼女よりも幼馴染を溺愛して優先の彼と結婚するか悩む
佐藤 美奈
恋愛
公爵家の広大な庭園。その奥まった一角に佇む白いガゼボで、私はひとり思い悩んでいた。
私の名はニーナ・フォン・ローゼンベルク。名門ローゼンベルク家の令嬢として、若き騎士アンドレ・フォン・ヴァルシュタインとの婚約がすでに決まっている。けれど、その婚約に心からの喜びを感じることができずにいた。
理由はただ一つ。彼の幼馴染であるキャンディ・フォン・リエーヌ子爵令嬢の存在。
アンドレは、彼女がすべてであるかのように振る舞い、いついかなる時も彼女の望みを最優先にする。婚約者である私の気持ちなど、まるで見えていないかのように。
そして、アンドレはようやく自分の至らなさに気づくこととなった。
失われたニーナの心を取り戻すため、彼は様々なイベントであらゆる方法を試みることを決意する。その思いは、ただ一つ、彼女の笑顔を再び見ることに他ならなかった。
【完結】魅了魔法のその後で──その魅了魔法は誰のため? 婚約破棄した悪役令嬢ですが、王太子が逃がしてくれません
瀬里@SMARTOON8/31公開予定
恋愛
その魅了魔法は誰のため?
一年前、聖女に婚約者である王太子を奪われ、婚約破棄された悪役令嬢リシェル・ノクティア・エルグレイン。
それが私だ。
彼と聖女との婚約披露パーティの噂が流れてきた頃、私の元に王太子が訪れた。
彼がここに来た理由は──。
(全四話の短編です。数日以内に完結させます)
好きじゃない人と結婚した「愛がなくても幸せになれると知った」プロポーズは「君は家にいるだけで何もしなくてもいい」
佐藤 美奈
恋愛
好きじゃない人と結婚した。子爵令嬢アイラは公爵家の令息ロバートと結婚した。そんなに好きじゃないけど両親に言われて会って見合いして結婚した。
「結婚してほしい。君は家にいるだけで何もしなくてもいいから」と言われてアイラは結婚を決めた。義母と義父も優しく満たされていた。アイラの生活の日常。
公爵家に嫁いだアイラに、親友の男爵令嬢クレアは羨ましがった。
そんな平穏な日常が、一変するような出来事が起こった。ロバートの幼馴染のレイラという伯爵令嬢が、家族を連れて公爵家に怒鳴り込んできたのだ。
「きみ」を愛する王太子殿下、婚約者のわたくしは邪魔者として潔く退場しますわ
間瀬
恋愛
わたくしの愛おしい婚約者には、一つだけ欠点があるのです。
どうやら彼、『きみ』が大好きすぎるそうですの。
わたくしとのデートでも、そのことばかり話すのですわ。
美辞麗句を並べ立てて。
もしや、卵の黄身のことでして?
そう存じ上げておりましたけど……どうやら、違うようですわね。
わたくしの愛は、永遠に報われないのですわ。
それならば、いっそ――愛し合うお二人を結びつけて差し上げましょう。
そして、わたくしはどこかでひっそりと暮らそうかと存じますわ。
※この作品はフィクションです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる