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第二十話 薔薇園にて
朝食の後レンブラント公爵とお父様たちは執務室に用があるとのことで別行動になった。
さて、部屋に籠って情報を整理、と思っているとレンブラント公爵に声を掛けられた。
「今は薔薇が見頃ですよ。よろしければ庭に出て見ればいかがでしょうか?」
「まあ有り難うございます」
くっ、そう言われて断れるハズないじゃないの!!
内心では荒ぶりながら、傍目には上品に申し出を受けた。
侍女を連れて庭園へ向かうと確かに綺麗な薔薇園が作られていた。
存在感満点の大輪の深紅のものがあるかと思えば、花弁がひたすら多い小ぶりなものもあり、見ていて飽きない。
別に花は嫌いじゃないのだけど。
こう何度も思考に浸る時間を邪魔されるとちょっとね。
取り敢えず立ち止まり、波打った白い花弁の縁に深い赤が差し込んでいる変わり種の薔薇に見惚れている体を装って思考の海に沈む。
ユーフィリアとなってからは怒濤の展開だったけれど、その後も急展開すぎるんだけど!!
婚約破棄したと思えば何故かイケメン主導で家を出て、更にはユーフィリアの家が騎士団に襲われる、ってどういうこと!?
あの坊ちゃん王太子には大人しくしていて欲しい。
こっちは何としてでもユーフィリアを起こして、元の世界に戻りたいのよ!!
騎士団の方はレンブラント公爵とお父様が何とかしてくれるとして、トランジェ王国から来るユーフィリアの婚約者の方よ!!
一応ユーフィリアの記憶から、ある程度令嬢としての礼儀作法はできるけれど。
将来の王の妃兼、補佐兼、お世話係なんて無理だってば!!
ここで逃げ出してこっそり平民として暮らす、ってのもアリかもしれないのだけど、それは最終手段にしたかった。
元の世界ならインターネットやらSNSやら、情報が溢れていたけれど、ここで平民になっちゃったら情報なんて何も入らなくなってしまう。
元の世界に戻るなら情報はたくさん手に入れておきたい。
魔法があるから少しは違うだろうって?
残念ながら平民はそれほど魔力量は多くない。
そして平民になると、生きるためのルーティンだけで一日が終わる。
学校へ行くなどという選択肢はほぼないと言っていい。
そういったことを考えるとこの公爵令嬢という身分を捨てる、というのは少し早い気がする。
もう少しだけ薔薇を堪能しているフリをした後、気晴らしに本を読みたいとても言って書斎にでも案内してもらおう。
これだけの規模の邸なら図書室があってもおかしくないわね。
そんなことを考えていた時だった。
「見つけた」
聞いたことのない――いやどこか聞き覚えのある声がした。
ん? どういうこと?
矛盾した思考と取っ組み合いながら振り返ると、そこには淡い緑がかった銀髪と深い青い瞳の長身のイケメンがいた。
こんな人、レンブラント公爵のご家族にいたかな?
先触れもない邂逅に戸惑っていると傍らにいた侍女のマーシャが咎めるように声を上げた。
「まあ、ジュズワーズ様。本日はお客様がいらしているとお話がありませんでしたか?」
ん? ジュズワーズ様?
耳慣れない音にとっさにユーフィリアの記憶を爪繰った。
――ジュズワーズ・モネ公爵令息。
現在十九歳であり、モネ公爵家の三男である彼は武術で有名なモネ公爵家とは全く関係のない分野の魔導師として才能を開花させる。その実力は周囲が認めるが、モネ公爵家では快く思われていない。
そのため王立学園を卒業すると同時にモネ公爵家を出て、母方の従兄弟であるレンブラント公爵家に身を寄せている。
だけど――
モネってあの『モネ』ですよね。
本当にこの世界ってあちらのとある分野を連想させる言葉が非常に多いんだけど、本当に乙女ゲームとかじゃないよね?
何となくそれに近い世界かなあ、とは思っているけど、まさかね。
目の前では薔薇の馥郁たる香りが漂うなか、ふたりのやり取りが続いていた。
「ああ。誰か来るとは聞いていたよ」
「でしたら――」
「うん。確かに来客中に邪魔をするのはよくないよ。でも俺は魔法の研究のためにここに滞在してるんだよ。そしてそれに関することならシリウスに文句は言わせない」
深い青の瞳に強い光が込められたように力のある眼差しだった。
マーシャが押し負けたように口を噤むと、その深い青の瞳がこちらに向いた。
「やあ。俺はまだ今のところモネ公爵家が三男、ジュズワーズだ。よろしく」
今のところ、とはどういう意味なのだろうか。
不穏な言葉に引っ掛かりを覚えたがひとまずこちらも応えておく。
「ルーベンス公爵家が長女、ユーフィリアにございます」
カーテシーをするとおや、というふうに軽く目を見開かれた。
「流石ルーベンス公爵令嬢だ。きれいなカーテシーだね」
「お褒めに預かり恐縮です。モネ公爵令息」
無難に答えているとモネ公爵令息が首を振った。
「ジュズワーズでいいよ。その呼び方は好きじゃないんだ」
いやでも普通は家名に令息や令嬢を付けるのが普通なんですけど。
それに異性だと名前呼びは誤解のもとだと言われている。
そう言うと無理だ、と言われた。
「俺はあの家に縛られるつもりはないんだ。だからジュズワーズでいい」
いや困るんですけど。
どうしようかと悩んでいるとマーシャが恐れながら、と会話に入って来た。
「それは魔導師様、というのはいかがでしょうか?」
瞬く間に深い青の瞳に生気が戻った。
「魔導師か。いいね、それ」
そうしてくれるかな、とテンションの上がった声音に昨夜の記憶が呼び起こされる。
ちょっ、待って。
『……どうして混じるんだ。……はできたのに』
『どうしてだ。二種類も混ざっていては――』
『ははははっ、あれは運命の女神の気紛れだとでもいうのか!! だとしたら――』
あの地下室にいた危ない研究者じゃないですかー!!
さて、部屋に籠って情報を整理、と思っているとレンブラント公爵に声を掛けられた。
「今は薔薇が見頃ですよ。よろしければ庭に出て見ればいかがでしょうか?」
「まあ有り難うございます」
くっ、そう言われて断れるハズないじゃないの!!
内心では荒ぶりながら、傍目には上品に申し出を受けた。
侍女を連れて庭園へ向かうと確かに綺麗な薔薇園が作られていた。
存在感満点の大輪の深紅のものがあるかと思えば、花弁がひたすら多い小ぶりなものもあり、見ていて飽きない。
別に花は嫌いじゃないのだけど。
こう何度も思考に浸る時間を邪魔されるとちょっとね。
取り敢えず立ち止まり、波打った白い花弁の縁に深い赤が差し込んでいる変わり種の薔薇に見惚れている体を装って思考の海に沈む。
ユーフィリアとなってからは怒濤の展開だったけれど、その後も急展開すぎるんだけど!!
婚約破棄したと思えば何故かイケメン主導で家を出て、更にはユーフィリアの家が騎士団に襲われる、ってどういうこと!?
あの坊ちゃん王太子には大人しくしていて欲しい。
こっちは何としてでもユーフィリアを起こして、元の世界に戻りたいのよ!!
騎士団の方はレンブラント公爵とお父様が何とかしてくれるとして、トランジェ王国から来るユーフィリアの婚約者の方よ!!
一応ユーフィリアの記憶から、ある程度令嬢としての礼儀作法はできるけれど。
将来の王の妃兼、補佐兼、お世話係なんて無理だってば!!
ここで逃げ出してこっそり平民として暮らす、ってのもアリかもしれないのだけど、それは最終手段にしたかった。
元の世界ならインターネットやらSNSやら、情報が溢れていたけれど、ここで平民になっちゃったら情報なんて何も入らなくなってしまう。
元の世界に戻るなら情報はたくさん手に入れておきたい。
魔法があるから少しは違うだろうって?
残念ながら平民はそれほど魔力量は多くない。
そして平民になると、生きるためのルーティンだけで一日が終わる。
学校へ行くなどという選択肢はほぼないと言っていい。
そういったことを考えるとこの公爵令嬢という身分を捨てる、というのは少し早い気がする。
もう少しだけ薔薇を堪能しているフリをした後、気晴らしに本を読みたいとても言って書斎にでも案内してもらおう。
これだけの規模の邸なら図書室があってもおかしくないわね。
そんなことを考えていた時だった。
「見つけた」
聞いたことのない――いやどこか聞き覚えのある声がした。
ん? どういうこと?
矛盾した思考と取っ組み合いながら振り返ると、そこには淡い緑がかった銀髪と深い青い瞳の長身のイケメンがいた。
こんな人、レンブラント公爵のご家族にいたかな?
先触れもない邂逅に戸惑っていると傍らにいた侍女のマーシャが咎めるように声を上げた。
「まあ、ジュズワーズ様。本日はお客様がいらしているとお話がありませんでしたか?」
ん? ジュズワーズ様?
耳慣れない音にとっさにユーフィリアの記憶を爪繰った。
――ジュズワーズ・モネ公爵令息。
現在十九歳であり、モネ公爵家の三男である彼は武術で有名なモネ公爵家とは全く関係のない分野の魔導師として才能を開花させる。その実力は周囲が認めるが、モネ公爵家では快く思われていない。
そのため王立学園を卒業すると同時にモネ公爵家を出て、母方の従兄弟であるレンブラント公爵家に身を寄せている。
だけど――
モネってあの『モネ』ですよね。
本当にこの世界ってあちらのとある分野を連想させる言葉が非常に多いんだけど、本当に乙女ゲームとかじゃないよね?
何となくそれに近い世界かなあ、とは思っているけど、まさかね。
目の前では薔薇の馥郁たる香りが漂うなか、ふたりのやり取りが続いていた。
「ああ。誰か来るとは聞いていたよ」
「でしたら――」
「うん。確かに来客中に邪魔をするのはよくないよ。でも俺は魔法の研究のためにここに滞在してるんだよ。そしてそれに関することならシリウスに文句は言わせない」
深い青の瞳に強い光が込められたように力のある眼差しだった。
マーシャが押し負けたように口を噤むと、その深い青の瞳がこちらに向いた。
「やあ。俺はまだ今のところモネ公爵家が三男、ジュズワーズだ。よろしく」
今のところ、とはどういう意味なのだろうか。
不穏な言葉に引っ掛かりを覚えたがひとまずこちらも応えておく。
「ルーベンス公爵家が長女、ユーフィリアにございます」
カーテシーをするとおや、というふうに軽く目を見開かれた。
「流石ルーベンス公爵令嬢だ。きれいなカーテシーだね」
「お褒めに預かり恐縮です。モネ公爵令息」
無難に答えているとモネ公爵令息が首を振った。
「ジュズワーズでいいよ。その呼び方は好きじゃないんだ」
いやでも普通は家名に令息や令嬢を付けるのが普通なんですけど。
それに異性だと名前呼びは誤解のもとだと言われている。
そう言うと無理だ、と言われた。
「俺はあの家に縛られるつもりはないんだ。だからジュズワーズでいい」
いや困るんですけど。
どうしようかと悩んでいるとマーシャが恐れながら、と会話に入って来た。
「それは魔導師様、というのはいかがでしょうか?」
瞬く間に深い青の瞳に生気が戻った。
「魔導師か。いいね、それ」
そうしてくれるかな、とテンションの上がった声音に昨夜の記憶が呼び起こされる。
ちょっ、待って。
『……どうして混じるんだ。……はできたのに』
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