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1章 幼少期編
この世界の獣人の宿命
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フレディ様に頼んで騎士団の見学に連れて行って貰ってから私は、ちょくちょく騎士団へ通うようになった。
第3騎士団の騎士さんとはかなり仲良くなったと思う。遊びに行くたびに差し入れを持って行ったらとても喜ばれて、私が見学に行くと喜んで迎えてくれるから私も調子に乗って遊びに行ってしまう。
今の所、フリードリヒ様が騎士団の訓練に参加している時に見学した事はないけれど、仲良くなった騎士さんとの交流が楽しいからそれはそれでいいと思っている。
正直、フリードリヒ様のご尊顔を拝みたい気持ちはかなりあるけれど、まだ心の準備が足りないかもしれない。
本人を前ににして正気でいられる気がしない。
あの日知り合った、ホワイトタイガーの獣人でフリードリヒ様の義弟のエドガー様とは仲良くなり騎士団へ行くたびに頼まなくてもお耳をモフらせてくれる。
エドガー様いい人やー。
私が満足するまでモフらせてくれるのと同時に、いつも私の足にエドガー様のしっぽが巻きついてくる。
別に嫌なんじゃなくで、最近は器用に足を撫でられる感触にゾワゾワするけど、嫌な感じは全くしないから放置している。
「所でエドガー様」
「何ですか?スカーレット様?」
お茶と軽食の準備をして、騎士団の休憩中にエドガー様とほのぼのとお茶を飲んでいる時に前々から気になっていた事を尋ねてみる事にした。
「エドガー様は完全獣化出来ますの?」
獣化と言うのは獣人にとっての言わばステータスの一つだ。
獣人は獣の血が濃ければ濃い程、獣化と人化を使い分ける事ができる。
完全獣化の出来る獣人の能力は飛び抜けていて、頭脳、身体能力共に桁外れで、魔力も尋常ではないらしい。
そして人と獣人が決定的には違うのは、獣人には番という概念と運命の番と言う逃れられない宿命のようなものがある。
番は、自分の意思で選ぶ事の出来るパートナー。人で言う自由恋愛に近いと思う。
運命の番は、出会った瞬間から惹かれ合い離れがたく愛さずには居られないのが運命の番らしい。
人には番と言われる本能のような概念はないが、人が獣人の番や運命の番となる事はある。
逆に、獣人の血が薄ければ獣化出来ずに見た目普通の人に耳やしっぽが生えただけになるし、身体的能力も人より少しだけ優れている程度らしい。
「はい、出来ますよ。怖がられるので人前では人化を解く事はしませんけど」
エドガー様の言葉に私はわずキラキラと目を輝かせた。
「ほ、本当ですか」
うわーーーーーー。
エドガー様は完全獣化できるんだ。と、いう事はホワイトタイガーがいつの日か見れる日が……。
あ、でも無理か。獣人が全獣化した姿を見せるのは家族や大切な人、婚約者とか妻になる。友達程度の私に見せてくれる訳ないよね。
ホワイトタイガーモフりたかったなぁ……。
そんな私の感情の起伏を読み取ったエドガー様。
「えっと……今スグは無理ですけど、スカーレット様がお望みでしたらそのうち獣化した姿をお見せして……あ、やっぱり怖いですよね。例え私だとしてもホワイトタイガーですから」
「いいんですか?わたし、全く怖くありませんわ!!何よりもモフモフをモフれない方がイヤですわ。あ、でも獣化は親しい間柄の人しか見せないものですわよね。本当にいいんですの?」
「大丈夫です。スカーレット様なら……でしょうから。」
頬を染め俯き加減になりながらも少し嬉しそうなエドガー様。
少し聞こえない部分もあったけれど、モフらせてくれるって機会を逃す手はない。
モフモフは正義なのだ。
そんなエドガー様との休憩を過ごした私はブルームフィールド邸に帰ろうと騎士団を出た所である人物に捕まってしまった。
殿下、暇なんですか?
第3騎士団の騎士さんとはかなり仲良くなったと思う。遊びに行くたびに差し入れを持って行ったらとても喜ばれて、私が見学に行くと喜んで迎えてくれるから私も調子に乗って遊びに行ってしまう。
今の所、フリードリヒ様が騎士団の訓練に参加している時に見学した事はないけれど、仲良くなった騎士さんとの交流が楽しいからそれはそれでいいと思っている。
正直、フリードリヒ様のご尊顔を拝みたい気持ちはかなりあるけれど、まだ心の準備が足りないかもしれない。
本人を前ににして正気でいられる気がしない。
あの日知り合った、ホワイトタイガーの獣人でフリードリヒ様の義弟のエドガー様とは仲良くなり騎士団へ行くたびに頼まなくてもお耳をモフらせてくれる。
エドガー様いい人やー。
私が満足するまでモフらせてくれるのと同時に、いつも私の足にエドガー様のしっぽが巻きついてくる。
別に嫌なんじゃなくで、最近は器用に足を撫でられる感触にゾワゾワするけど、嫌な感じは全くしないから放置している。
「所でエドガー様」
「何ですか?スカーレット様?」
お茶と軽食の準備をして、騎士団の休憩中にエドガー様とほのぼのとお茶を飲んでいる時に前々から気になっていた事を尋ねてみる事にした。
「エドガー様は完全獣化出来ますの?」
獣化と言うのは獣人にとっての言わばステータスの一つだ。
獣人は獣の血が濃ければ濃い程、獣化と人化を使い分ける事ができる。
完全獣化の出来る獣人の能力は飛び抜けていて、頭脳、身体能力共に桁外れで、魔力も尋常ではないらしい。
そして人と獣人が決定的には違うのは、獣人には番という概念と運命の番と言う逃れられない宿命のようなものがある。
番は、自分の意思で選ぶ事の出来るパートナー。人で言う自由恋愛に近いと思う。
運命の番は、出会った瞬間から惹かれ合い離れがたく愛さずには居られないのが運命の番らしい。
人には番と言われる本能のような概念はないが、人が獣人の番や運命の番となる事はある。
逆に、獣人の血が薄ければ獣化出来ずに見た目普通の人に耳やしっぽが生えただけになるし、身体的能力も人より少しだけ優れている程度らしい。
「はい、出来ますよ。怖がられるので人前では人化を解く事はしませんけど」
エドガー様の言葉に私はわずキラキラと目を輝かせた。
「ほ、本当ですか」
うわーーーーーー。
エドガー様は完全獣化できるんだ。と、いう事はホワイトタイガーがいつの日か見れる日が……。
あ、でも無理か。獣人が全獣化した姿を見せるのは家族や大切な人、婚約者とか妻になる。友達程度の私に見せてくれる訳ないよね。
ホワイトタイガーモフりたかったなぁ……。
そんな私の感情の起伏を読み取ったエドガー様。
「えっと……今スグは無理ですけど、スカーレット様がお望みでしたらそのうち獣化した姿をお見せして……あ、やっぱり怖いですよね。例え私だとしてもホワイトタイガーですから」
「いいんですか?わたし、全く怖くありませんわ!!何よりもモフモフをモフれない方がイヤですわ。あ、でも獣化は親しい間柄の人しか見せないものですわよね。本当にいいんですの?」
「大丈夫です。スカーレット様なら……でしょうから。」
頬を染め俯き加減になりながらも少し嬉しそうなエドガー様。
少し聞こえない部分もあったけれど、モフらせてくれるって機会を逃す手はない。
モフモフは正義なのだ。
そんなエドガー様との休憩を過ごした私はブルームフィールド邸に帰ろうと騎士団を出た所である人物に捕まってしまった。
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