乙女ゲームの世界に転生したら、モブだったので神様に貰ったチートな力を駆使して前世の最推しをストーキングしますっ!

支倉りおと

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1章 幼少期編

騎士団の訓練所はモフモフパラダイスだった 3

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 フリードリヒ様の義弟というエドガー様の話によると。

 エドガー様はもともとアンブロジオ侯爵家の分家筋にあたる家の出身らしく、最近までアンブロジオ領の中にある一つの街で人間の父親とホワイトタイガーの獣人の母親と暮らしていたが、流行り病で両親を同時に亡くしその上住んでいた街が魔獣に襲われ壊滅状態だった所を、生き残ったエドガー様。
 前々からエドガー様が魔法も剣も才能があるのを知っていたアンブロジオ侯爵様が学園に入学する頃には騎士団で鍛えようと思っていた所、このような事態になっていたのを不憫に思われた。

 もともと学園を卒業したら第2王子の側近にする予定だったのを早めてエドガー様を侯爵様が引き取られ、フリードリヒ様の義弟となったらしい。

 そうなんだ。

 ゲームの設定にもフリードリヒ様に弟が居たというのはなかったのでどういう事なのかと思っていたけれど、ちゃんとした設定があったのね。

 でも……なんだかゲームの内容と少しずつ違ってきてると思うのは気のせいかしら?


「では、エドガー様はフレディ様の側近候補なのですね」

「はい、そう義父がらは聞いております」

 いまだ私のお膝の上でゴロゴロしているフレディ様が不機嫌な顔をして。

「俺もその話は聞いている。でもまだ決まったわけじゃない」

 キッとエドガー様を睨むフレディ様だけど……。

「フレディ様、このような格好で言われてもきまりませんわよ」

 私の膝をスリスリしているフレディ様の頬を抓る。

「スー痛い」

 私たちのこのやり取りを居心地悪そうにしているエドガー様に私はあるお願いをしてみた。

「あの、エドガー様。宜しければわたくし達と一緒に昼食を食べませんか?私が用意した物でよければなんですけど……」

 エドガー様の目を見てお願いすると

「あの、えっと……ご迷惑をおかけした私がご一緒してもよろしいのでしょうか?」

 チラッとフレディ様の方を確認するエドガー様に私は

「もちろんですわ!沢山作りましたから一緒に食べていただけると嬉しいですわ」




 そう約束するとエドガー様を強引に騎士団のお昼休憩になる時に私とフレディ様が待つ所へ連れて来た。

 木陰にレジャーシートを敷くと私が持ってきたサンドウィッチとクッキーを広げる。
 フレディ様が用意してくれた紅茶とミニサラダを囲むと昼食をはじめた。

 エドガー様は初対面だったフレディ様に緊張されていたけれど、フレディ様のツンデレを理解されてからは打ち解けられた。

 私はというと、フリードリヒ様の事をちょこちょこ話してくれるエドガー様の話にお耳はダンボになる。
 でも、それより気になっているのが……。

 エドガー様のお耳にあるモフモフとしたお耳が気になる。気になるったら気になる。

 ぴょこぴょこと動くお耳に私が釘付けになっていると。

「あの?スカーレット様は……獣人はお嫌いですか?」

 へにょんとお耳が萎れたエドガー様。

「え?なぜですか?」

「あと、えと。先ほどから私の耳が気になるようでしたので……お嫌いなのかと」

「違いますわ!嫌いなんかじゃありません。むしろ好きです!良ければ触らせていただきたいほどにモフモフは大好きです!モフモフは正義ですわ!!」

 思い切りモフモフ愛を語ってしまった私は恥ずかしくなって俯いてしまうと、獣人嫌いが誤解だと分かったエドガー様が。

「嫌われてないのならそれで。スカーレット様、宜しければ先ほどのお詫びに私の耳を触ってみますか?」

 エドガー様に言われ私は目を思い切り輝かせると

「宜しいのですか?さ、触りたいです。モフらせて下さい」

 懇願に近い態度にエドガー様は少し引いた気がしたけど、気にしない。モフモフは正義だ。


 エドガー様が苦笑いしながら私に頭を近づけてくる。

 そっと、エドガー様のお耳に触れると、ふわふわでモフモフでしっとりとした毛並みにウットリとしてしまう。
 あれ?もしかしてさっき助けて貰った時のモフモフって。

 ん?なにか足元にふわふわした物が巻き付いてきた。あれ?これしっぽ?

 私がモフり倒しているエドガー様の表情がウットリとしているのを確認するのと同時にしっぽは私の足に絡みつき、スリスリしだした。

 ふぁあぁぁ可愛い!!!!!!

 やっぱりモフモフは正義だっ。

「エドガー様ありがとうございます。たっぷり堪能できましたエドガー様のお耳のモフモフは最高です」

「お気に召していただけたのなら良かったです」

 あら?エドガー様綺麗な人だと思っていたけれど笑うと可愛いのですね。

「エドガー様、また訓練を見学しに来てもよろしいでしょうか?」

 エドガー様をモフりたいというのがメインの目的だけど、少しでもフリードリヒ様の話が聞けたらという欲望が隠しきれない

「はい、いつでもどうぞ。私も今日のようにスカーレット様にご迷惑をおかけしないように鍛錬を頑張ります」

 エドガー様と別れ幸せに浸っていると。


「お前、エドガーの事が好きなのか?」

 私をジトッとした目でみて、明らかに拗ねた様子のフレディ様。

「え?そうですね好き(モフモフとしてと推しの義弟としては)ですね」

 私が深く考えずにそう答えると、フレディさまがまた絶望したような表情に変わる。

「どうしたんですかフレディ様?具合でも悪いんですか?」

 私がフレディ様の顔を覗き込むと、今にも泣きそうで驚いた。

「え?フレディ様?」

「お、お前が……誰の事が好きでも……俺がお前の一番の親友なのは譲らないからな!!」

 ふぇ?どうしたんだ殿下は。

「あ、はい。よくわかりませんが、私の一番の親友はフレディ様ですわ」

 そう答えた事にようやく納得したのか、フレディ様に笑顔が戻った。

「今日は色々あったけど、スーが楽しめたようで良かった。また来ような」

「はい、とても楽しかったです。また来ましょうね」

 そう言うとフレディ様と手を繋いで騎士団を後にした。


 

 そんな私達を見ていた人がいたなんて私が知る由もなかった。




 なぜか心地よい甘い匂いが漂っている。
 濃厚で体が芯から熱く感じるくらいの甘い匂い。
 俺はこの香りを知っている。



「あれは、フレデリク殿下?その隣に居るのは‥‥誰だ?」


 あぁ、この脳にこびりつきしびれる程甘い香りを漂わせているのは誰だ?

 この匂いの主は俺の物だ。そう本能が俺に告げる。

 早く会いたい。


 私の、私だけの運命の番。


  

 
 
 
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