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1章 幼少期編
仲良しなのは良い事だ
しおりを挟む私はクラウディア様を四阿へお送りした後、その場を辞したかったのだけど……。
フレディ様クラウディア様両名に強引に(無理矢理)引き留められお茶会へ参加させられる事になった。
四阿にはフレディ様付きの侍女さんが手際よくお茶とお茶菓子の準備をしてくれる。
毎度思うけれど、彼女達気配もなく現れては颯爽と準備をしては部屋の隅で空気となる。
本当に王宮に来るようになった頃は忍者かと思ったからね。それだけ王族付きの侍女さんは優秀な人達なんだよね。
そ・れ・よ・り・も
「スカーレット様、こちらの紅茶美味しいですわよ。あ、それともスコーンに致しますか?」
侍女さんから茶器を奪うと嬉々として給仕を始めるクラウディア様。入れてくれる紅茶がおいしそうです。
「えっと、じゃぁスコーンを頂きますわ。ありがとうございます」
そう言うと、お皿にスコーンとジャムクロテッドクリームを取り分けて渡された。なぜかクラウディア様にもてなされている。
なんで?
そしてフレディ様がめちゃくちゃ不機嫌なのはどうして?
フレディ様ブリザードやめてください。左半身が寒いです。
本当に何がどうしてこうなった?
私はご機嫌なクラウディア様と不機嫌なフレディ様に挟まれて冷や汗が止まらない。
だいたいなんで婚約者?の2人のお茶会に私が邪魔しなくてはいけないの?むしろ邪魔だろう?なんで帰れって誰も言ってくれないの?
ちらっと侍女さんを見るが、微笑まれるだけだ……解せん。
「おい、お前もう帰っていいぞ!一応の面目は保たれたから侯爵も満足だろう。俺はスーとお茶(イチャイチャ)するからもう下がれ」
「あら?殿下こそお帰りくださって結構ですわよ。わたくしがスカーレット様とお茶会(イチャイチャ)しますので」
とても良い笑顔をされているのに、私を挟んでバチバチ睨み合ってる気がするなぜ?
そんな怖い2人の間でいたたまれなくなった私は
「あ、じゃぁ私が失礼致します」
そう言って立ち上がると、両サイドから手を掴まれた。
「「スー(スカーレット様)は帰るな(らないでください)!今すぐコイツ(殿下)を退出させるから」」
え?ハモった?2人仲いいんじゃない。
「でも、今日はお2人のお茶会だと伺ってますので邪魔ものは退散いたしますので」
ニヨニヨしながら退出しようとすると。
「「ダメだ(です)スー(スカーレット様)はここに居ろ(居てください)お茶会は侯爵(お父様)が勝手に決めただけだ(です)!もう面目はたってる(ます)だから俺と(わたくし)とお茶会するぞ(しましょう)」」
何この2人?息ぴったりすぎるんですけど……。さすが婚約者になる2人だわ。
「えぇっと。では3人でお茶会しませんか?私がお邪魔じゃなければ」
逃走経路を塞がれた私はしょうがないのでお2人と一緒にお茶をすることにした。
諦めた私が四阿のソファーに座ると、お2人がニコニコしだした。
えっとどういう事なんだコレ。
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