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1章 幼少期編

まさかの出来事に現実を受け止めきれないよ(泣)

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 結局あの奇妙なお茶会で私はクラウディア様とお友達になったのと、フレディ様とクラウディア様が意外と仲良しだと言う事が分かった。

 クラウディア様はフレディ様が苦手だと言っていたけれど、私にはそうは見えなかったな。

 控えめに見ても2人の息はぴったりだった。

 フレディ様もこんなモブを追いかける暇があるならもっとクラウディア様と仲良くすればいいのに。

 と、思っている事を話したら大爆笑された。

 誰にって?それは……私を膝に座らせながら優雅にお茶をするジュリアン様だよ!

 何がどうしてこうなった!!!!

 お茶会が解散になって邸に帰ろうとした所を転移で私の前に現れたジュリアン様に拉致されたんだよぉぉぉ。

 しかも離してもらえない。

 くぅぅぅ。

「そうか、スーの目にはそんな風に見えたんだな。これじゃフレディも浮かばれないなあ」

 笑いすぎて涙目の人が言う事なのかとも思うけれど、フレディ様が浮かばれないってどういう事なんだ?
 と、???顔になっていたら。

「分からなくてもいいよ。スーは僕の事だけ好きでいてくれればいいよ。あー早く結婚したいな」

 私を見ながらぎゅーぎゅー抱きしめてくるけど、何やら不穏な事を言うジュリアン様……え?結婚????

「ジュリアン様婚約者がお決まりになったのですか?」

 そうか、ようやく婚約者が決まったのなら私も色々と安心だ。これで王妃教育とはおさらばだやったね!
 なんてニヤニヤしていたら。

「婚約者はずっと前から決まってるよ。あれ?公爵から聞いてない?」

「えぇ、聞いてませんけど?どちらの令嬢ですの?」

 ゲームの中では王太子殿下に婚約者はいなかったはず。フレディ様は臣籍降下が決まっていたので王家と貴族の中で問題のない家柄の令嬢との婚約で爵位を継ぐ予定だから。

 それに王太子殿下は一周目以降の隠しキャラ。だいたい彼はヒロインちゃんと結婚するはずだから最初から婚約者などめんどくさい存在は作られていなかったはずだ。

「そっかー。知っててスルーしてるのかと思ってたよ。じゃぁ教えてあげるね」

 めちゃくちゃご機嫌なジュリアン様を横に私はイヤな予感がしてたまらないのは気のせいかしら?

 なんかその名前聞いたらイケナイ気がしてならない。

「僕の婚約者は、スカーレット・ブルームフィールド公爵令嬢。スーきみだよ」

 ニッコリと王子様スマイルを私に向けてくるジュリアン様。

「へぇー。スカーレット・ブルームフィールド公爵令嬢ですか」





 えっと……。

 スカーレット・ブルームフィールド公爵令嬢って誰だったかしら?
 
 名前は聞いた事あるんだけど。

 なんて現実逃避してみたけど。

 はぁぁぁぁぁぁぁぁ

 嘘でしょ?

 いつの間に私とジュリアン様ここここ婚約したの?はぁ?私ヒロインじゃないよモブだよモブの中のモブだよ

 なんで攻略対象者の王者みたいな人の婚約者になってるの?

 意味わかんなーーーーーーい!!

「じょ、冗談ですよねジュリアン様」

 あまりの衝撃の事実に唇を引くつかせながら尋ねると。

「まさか、本当だよ。正式発表は僕が成人してからだけどスーが王太子妃になるのは貴族議会でも承認された事だから安心してね。スーは自分自身で貴族を黙らせられる程の実績を積んでくれているから説得は楽だったよ。だれも文句言わなくてちょっと物足りなかったけどね。ちなみに半分王命だから誰も文句つけようがないから諦めてね。大好きだよスカーレット」

 今までで一番の良い笑顔で私を見つめるジュリアン様の瞳は蕩け切っていた。

 ほぎゃぁぁぁぁぁぁぁ


 なんで?なんで?あまりの衝撃的な事実に現実を受け止めきれないよぉ!!!

 


 

 

 
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