乙女ゲームの世界に転生したら、モブだったので神様に貰ったチートな力を駆使して前世の最推しをストーキングしますっ!

支倉りおと

文字の大きさ
43 / 50
2章 王立学園編

モブストーカー、王太子様の暴挙とモブの戸惑い

しおりを挟む
 歓迎パーティーの開会の時間になり学園長の挨拶が終わり、生徒会長であるジュリアン様が舞台上に上がると盛大な拍手と黄色い声援。

 この国の王太子様って人気があるんだなあと今更ながら感じた。

 確かにジュリアン様の評判はいいものな。この学園始まって以来の入学一年目にして学園の全過程を終わらせた前代未聞の優秀すぎる王太子と有名だもん黙って居れば顔も綺麗だしな……性格には多少、いや難ありだけど。


 ようやく歓迎パーティーの開会宣言が終わった。

 次はこの会場内で最高位であるジュリアン様がファーストダンスを踊るとパーティーの始まりだ。

 私の傍にキリっとした顔で戻ってきたジュリアン様が私に向かって手を差し出すと。

「スー、いや my princessスカーレット私と踊っていただけますか?」

 ニッコリ笑うジュリアン様に私は顔を引き攣らせながらも断るなんて出来ないので。

「もちろん喜んで」

 ジュリアン様の手を取りダンスホールの中央に行きファーストダンスを踊る。


 音楽が流れ、私達が踊りだし暫くするとフレディ様とクラウディア様が踊りだし、それに合わせて次々と人が増えて行く。

 一曲目が終わりそうになったのでお役御免と、ジュリアン様から離れようとするけど……そうはさせないとジュリアン様の私の腰にあてていた手がグッとジュリアン様の方へ引き寄せた。

 抜け出せないまま二曲目に突入すると、一曲目の騒めきとは比べ物にならないどよめきと、突き刺さる視線に私は逃げたくなるが、今更逃げ出せるわけもなく仕方ないと諦めて踊るけれど……。

 問題は三曲目。

 次こそは絶対に逃げなくてはと逃げの体勢に入ったのに。


 ちぃぃぃぃ。


 がっちりと抱き込まれ私の力では逃げ出せなかった。

 知らない訳ではないけれど、同じ相手と何度も踊る事はタブーだ。

 二度目は婚約者など将来を誓い合った相手。

 そして三度目以上は結婚をして夫婦となってようやく踊る事が出来るのに……。

 まだ公式に発表すらしていないどこの馬の骨とも知れない子を相手に踊って良いものではない。

 正式な夜会ではないのでそう問題視はされないけれど、一国の王太子様がいいのだろうか?

 私がハラハラしていると。

「こら、スー。ダンスに集中して」

 困惑している私にジュリアン様はただでさえ蕩けてしまいそうな瞳なのに更に砂糖をかけたように熱が篭りドロドロに甘くなっている。

「ジュリアン様どうして私と三曲も踊ったのですか?同じ人と何度も踊る意味ご存知ですよね?」

 不安げな顔をしながらそう尋ねると。

「まだわかってくれないのかな?スーは私の婚約者なんだよ。誰にも渡したくない大切な人なんだ。ダンスのタブーを冒しても手放したくないんだよ」

 どうしてこの人はこんなっモブにここまで執着してるんだろう?

 訳が分からなくて思わず私は悲しい顔になってしまう。

 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

白いもふもふ好きの僕が転生したらフェンリルになっていた!!

ろき
ファンタジー
ブラック企業で消耗する社畜・白瀬陸空(しらせりくう)の唯一の癒し。それは「白いもふもふ」だった。 ある日、白い子犬を助けて命を落とした彼は、異世界で目を覚ます。 ふと水面を覗き込むと、そこに映っていたのは―― 伝説の神獣【フェンリル】になった自分自身!? 「どうせ転生するなら、テイマーになって、もふもふパラダイスを作りたかった!」 「なんで俺自身がもふもふの神獣になってるんだよ!」 理想と真逆の姿に絶望する陸空。 だが、彼には規格外の魔力と、前世の異常なまでの「もふもふへの執着」が変化した、とある謎のスキルが備わっていた。 これは、最強の神獣になってしまった男が、ただひたすらに「もふもふ」を愛でようとした結果、周囲の人間(とくにエルフ)に崇拝され、勘違いが勘違いを呼んで国を動かしてしまう、予測不能な異世界もふもふライフ!

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

処理中です...